ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

雨の御岩神社 水そして緑

 

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 雨が続きます。梅雨のさなかの御岩神社って初めてかもしれない。

 

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 鳥居前の植栽,水の大好きなミズバショウは大暴れ。花のころの清楚な姿はみじんもありません。ちなみに一本だけあるザゼンソウ,どれだかわかります?

 

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 その上のキササゲが咲いてました。

 

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 こんな雨の日はお山に登れません。

 

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 さすがに参詣者も少なく,いい塩梅に静かです。もっとも,賑わっていても不思議と森閑としているのがここ御岩神社なのですが。

 

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 一面にコケに覆われる御岩神社。そのコケが連日の雨を吸って驚くほど緑を濃くしています。

 

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 春に花姿を撮ったショウジョウバカマとオウレンが,静かに生を営んでいます。

 

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 一本だけあるミヤコワスレが妙なことに。

 

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 「後生車」が営業停止中。そりゃみんながベタベタさわるものですからねえ。

 

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 大好きな赤い実の成るヤブコウジの,これが花。秋を楽しみにしましょう。

 

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   ウバユリ。この夏は花を拝みに来ます。

 

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 本殿前の玉砂利の中に,気づいてしまった。これは山頂のパワースポット「赤岩」の結晶片岩じゃないか。きっと誰かが持ってきてしまって,そっと置いていったのでしょう。ここは山そのもの,岩そのものが神さまですからね。

 

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   水と緑に満たされた境内。

 

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 コケの深々とした,まるで泡立つような緑を見つめていると,このコミヤマスミレや杉の一枝のようにその中に埋没する誘惑に駆られます。それはどんなにか穏やかなことだろうか。…… いやまだそっちに行ってはいけない。

 

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      静かな御岩神社でした。

 

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 鳥居下の生垣にあった花にイチモンジセセリ。吸蜜してはいましたが,飛び立つ気はないようです。こんな梅雨寒の日々は昆虫にはつらいことでしょう。梅雨明けは近いから,頑張って。

 

 

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雨の森にて

 

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 レイン・フォレスト,雨の森。


 そもそも晴れ男なのであまりフィールドで降られることがないのですが,雨は好きです。「富士山で嵐に遭っても大丈夫」というカッパも持っているのに使わずじまい。今日のように朝から本降り,気象予報士が胸を張って一日雨ですと言った日にあえて出かけない限り。いかんこれでは雨を知らない自然観察者だ。

 

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 というわけで雨にけぶるブナの森に来ているのです。

 

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 雨の森を歩いたことはありますか? 一面に雨滴が葉を打つざあああという声が通奏低音として響き,その葉から滴るしずくがぽつりぽつりと古い物語をささやく,どこから届いているのかわからない鉛色の光に包まれた森を。

 

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 沢は濁流。本当によく降る梅雨です。

 

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 梅雨の雨水は森の地下に蓄えられ,夏の森の生命世界を回す力の原資となります。

 

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 葉が受けた水の一部は幹を伝ってブナの根元に集められます。ブナは特に水とかかわりの深い木だとか。

 

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 ブナは近縁のイヌブナに対して白ブナと呼ばれます。樹幹一面に地衣類が付いて白く見えるから。幹を流れ下る水は,このブナをブナたらしめている地衣類をも潤していきます。

 

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 ブナの実がたくさん落ちてました。これは事故的落下。ブナの実は秋に熟して実るドングリ。その中からまた何百年か続く長い生涯の一歩を踏み出すブナがいます。そしてブナの森は未来永劫維持されていくのです。

 

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 イチヤクソウが咲いていたのが意外でした。暖かい土地のものだと思い込んでいたもので。

 

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 沢にはバイケイソウ

 

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 梅雨キノコの数々。

 

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 伝説の生まれそうな森。

 

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 雨音が気持ちよくて,車内で軽くお昼寝。目覚めたら薄日が差していました。何だろうこの微妙な晴れ男パワー。

 

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 森を出たところでヤマホタルブクロが咲いていました。

 

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 レインハットとおっさん。雨に染まる一日も,たまには悪くない。

 

 

 

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はめふら,電光,ギリシャ神話

 

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 いつもの読者の皆さんごめんなさい,発作のように炸裂するテレビ評です。今回は無視して結構でございますよー。


 1月,4月,7月,10月。テレビの各クールごとに始まる深夜のアニメっぽいのをすべて録画してチェックしてます。つまらないものから順に予約録画を取り消していって,さてクール終了まで残るのあるかなーというのが密かな楽しみ。たぶん職場の人たちは私がアニメを見てるなんて思ってもいないだろうなー。


 さて今期,というのは4月はじまりのクールでしたが,最後まで楽しみにできて,ブルーレイに残そうかなと思えたのは3つ,いや2つ。アニメは1つだけです。

 


乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

  番組HPhttps://hamehura-anime.com/onair/

 

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 いかにもラノベ原作丸出しのタイトルのアニメで,最初は全く期待していませんでした。私が心からバカにする「異世界転生もの」らしいし。ところがこれが。


 スジはこうです。「乙女ゲーム」にはまっていた女子高生が交通事故で亡くなります。そして目覚めたのは……その乙女ゲームの世界。しかも自分は王子様と結ばれる主人公ではなく,あろうことか,主人公に嫌がらせを繰り返したあげく最後に破滅を迎える悪役侯爵令嬢カタリナ・クラエス,その幼少期! さあ大変,せっかく転生したのにまた人生途中退場か? いや破滅ゲームの開始までまだ日がある。何としてもこの世界で生き残らねば! 悪役令嬢カタリナの破滅回避に向けた涙ぐましい努力の日々のはじまりです。


 さてこのカタリナ。本人は自分が悪役で,最後に必ず破滅すると信じているものですから努力する方向も斜め上。切り殺されぬよう相手の苦手なヘビのおもちゃを投げつける練習をしたり,国外追放になっても食べていけるよう農業に精を出したり。その一方で自分がどのルートで破滅するかを察知するために周囲への気配り怠りなくコミュニケーションに努めます。とにかく日々一生懸命。よくわからない一途な姿が周囲を引き付けます。本人が気づかぬ間に,王子さまやら美男の貴公子やら義弟やら果ては同性の貴族令嬢から元ネタゲームのヒロイン美少女まで,みんながカタリナを思慕することに。何のことはない,自分が乙女ゲームの主人公になっていたのです。最後まで本人は気づいていませんでしたけど。明るく前向きな努力家で,他人への気配りも忘れず,何をやるにも一生懸命。そりゃあモテるわ。


 宿命の乙女が自分で運命を切り開いていくラブコメ,です。一歩間違うとよくあるご都合主義に陥るところを,コメディを織り込んだ巧みな演出と魅力的な人物造形で乗り切りました。毎回泣かせて笑わせて,いつも次週が楽しみになりました。きっと原作がしっかりしているうえに演出が力のある人で,製作スタッフにも良い方向付けがなされていた結果でしょう。主題歌が明るく楽しく凝ったもので,番組内容によくマッチしていたのがその表れ。作品作り・チーム作りの成功例,その見本にしたいレベルです。


 同期の他のアニメには「作らされてる」感ありありの,空中分解に等しいレベルのものが多かったので特にそういう感想を持ちました。演出に力がない,スタッフがやる気ない。視聴することが苦痛というか苦行というか,そんなのばかりだったなあ今期のアニメ。

 


Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

  番組HPhttps://www.thunderboltfantasy.com/season1/

 

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 というわけで,なんとこれは人形劇。しかも台湾の人形劇専門スタジオが製作。古代中国ふうの世界で剣豪たちが覇を競う「武侠もの」というジャンルです。どうやらパート2まであってすでに放送済み,今年パート3を放送するその景気づけにパート1を放送したようです。不覚にもこんな面白い作品があったことに不明でありました。結局パート3はコロナの影響で製作中断のようですが。


 登場人物や舞台設定がすべて漢字なのでキャラクターやストーリーの紹介はやめておきます。すごく読みづらくなるので。とにかくこれは実物を見てほしい。


 感心したのは台湾の人たちの,エンターテイメントに対する真面目な姿勢。例えば登場人物。魅せるとこは魅せ,キメるところはキメてストーリーを締める主人公。適当に強く適度に足手まといのヒロイン。権謀術数あり,裏切りあり,脇役に至るまでキャラは立ちまくり,容赦なく死にまくる。これぞ物語。大人の楽しめる人形劇。台湾の人は客の喜ぶ要素をきちんと心得ていて,客のために作品を作っていると痛感しました。対して日本のアニメの主人公の,ただ巻き込まれるばかりの主体性のなさ,すぐグジグジと自問自答を始めるかっこ悪さ。見ていてイラついてしょうがなく,叩き付けるように見るのをやめた作品の多いことったら。え?最後には主人公が強くなる?最終回まで見れば謎が全部解ける? …… 馬鹿野郎。


 とにかくその場で客を楽しませろ。どんな通俗的な演出でもいい。心理描写の長回しなぞおマエの自己満足に過ぎないのだ,アニメしか見ずに大人になったラノベ作者やアニメ監督よ。


 演出だけではありません。登場する人形たちのきらびやかなこと。男も女も豪奢な衣装に宝石をちりばめ,これ以上はないというまばゆいビジュアルでそれだけで画面に釘付けになります。操演が巧みなのはもちろん,人形劇とはいえ必要に応じてCGを組み合わせる構成で飽きさせません。十分に21世紀の娯楽作品でした。


 どうやら制作を発注したのは日本側のようですが,公式HPのキャラクター紹介に,日本人が描いたいかにも今どきアニメ風の設定画が付いています。本当にありきたりのアニメ絵。これではダメだ。日本人が普通にアニメにしたらさぞつまらない作品になっていたことでしょう。いかに日本の「現場」がパターンに染まり,毒されているかを実感します。


 これから創作は台湾の時代かもしれません。

 


ギリシャ神話劇場 神々と人々の物語

  番組HPhttps://kamihitohibi.com/

 

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 タイトルに騙されてはいけません。徹底してふざけた,バカバカしさを楽しむ番組でした。あ,実写です。あっという間の15分番組でした。


 とりあえずギリシャ神話の登場人物(主役はエロスとイカロス)が次々と出てくるのですがまあ名前だけ。ただ間抜けなドタバタ喜劇が続きます。


 特筆すべきは,演じているのがすべて男だということ。少年からおっさん,美少女におばはん,ぜんぶ男。美少年からおデブまで幅広い役者を揃えているけどけどすべて男。ちなみに私が名を知ってる役者さんは一人もいませんでした。いったいどこのタコ部屋から連れてきたんだ,この人材の山。


 すべて男が演じるというのはそのまま古代ギリシャ演劇以来の伝統であるし,近年でもモンティ・パイソンからドリフまで多くの喜劇の基本形態ですね。その意味では真面目に,しかし本当におバカに作られた作品でした。エロスはひたすらエロを追求し,アポロンは街で占い屋を営み,ハデスは金髪に山高帽の中二病。もう楽しくて。


 全話録画してCMカットまでしたのですが,ひと息付いて冷静になったらそれ自体がバカバカしい行為であることに気づきました。ブルーレイに保存する価値のない傑作,ということで。

 


 仕事が楽になり,こんな道楽に時間を割けるようになったことに感謝です。最近は長らく封印していた絵も描き始めました。本も読めるようになりました。人間の時間を取り戻しつつあります。この夏はどう過ごそうか,あれこれ算段しております。

 

 

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こんな美しい世界に/七ツ洞公園の夕つ方

 

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 こんな美しい世界に住んでいたはずはないと考えこむ


 串田孫一散文詩にそんな一節がありました。そんなこともあるのか,フィールドにあり続けた人よ。


 役職を降りて以来,なるべく定時に帰るようにしています。数年分の自分の時間を取り戻そうと躍起です。良くも悪くも要領はいいので,仕事はきちんとこなしています。


 今日は一日雨でしたが,午後も遅くなって雲が切れて西空から晴れ上がってきました。ゼフィルス(ミドリシジミ類)の蝶が見たかったので,水戸市内,那珂市との境界近くにある「七ツ洞公園」を目指します。以前にミドリシジミの卵を見たことがあった場所です。

 

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 着いたそうそうの駐車場で繭を咥えたアリが小走りに行くのを見つけました。サムライアリ! サムライアリの奴隷狩りだ! そうかそういう季節だ。

 

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 蒸し暑い夏の日の午後に現れる黒いアリの大行軍を水戸ではよく見かけます。奴隷狩りという生態に人間的な基準を当てはめるのも愚かしく,特に感慨はありません。彼らは何万年もこうして生きています。私にはこの世界の美しさの一部です。

 

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 ミドリシジミの姿はありません。ちょうど発生期だと思うのですが,もうここにはいないのだろうか。ハンノキ林越しに西日が輝きます。

 

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 その西日を受けてノカンゾウ。先日の記事のニッコウキスゲの同族ですが,細くて小柄なかそけき夏の使者。前にも書きましたが「となりのトトロ」のサツキがメイを探し回るシーンの夏草に混じって咲いてます。

 

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 ガクアジサイの青が映えるのはまさに夕刻です。

 

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 水面に映る風景を逆転させても,決して現実の視点にはなりません。ここにない異界からの光景。鏡像世界のホロスコープ

 

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 ひと時を憩うこのひとは,自分が風景の一部であることを知っているのだろうか。

 

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 私は私で思います。ああ,自分の住んでいる世界はこんなに美しいのだと。

 

 

 

↓ 七ツ洞公園についてはこちら

英国風景式庭園 七ツ洞公園【公式サイト】

 

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オオスカシバ現る

 

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 以前の記事「オオスカシバとクチナシの受難https://www.xjino-love-sky.com/entry/2017/10/09/191527」へのアクセスが急に増えました。オオスカシバとかクチナシとかで検索する人が増えたのでしょう。ああ,またヤツらとの戦いの季節か。

 

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 説明しよう! オオスカシバは,スズメガ科に属する蛾の仲間です。昼行性で,蜜を求めて花々の間を飛び回ります。太い胴体に透明の翅。空力的に極めて優れた飛行体で,飛ぶスピードのいや速いこと速いこと。その姿を確認できるのは花の前でホバリングしながら吸蜜している時だけ。それもまた一瞬で,次の刹那には姿を消してます。高速移動中はほとんど視認できません。そのスマートな美しさが女性にもウケて,これを飼育する女性も多いとか。


 幼虫はクチナシの葉を食べます。終齢幼虫は長さ60ミリに及ぶぶよぶよとしたイモムシで,数匹でクチナシ丸坊主にしてしまう大食漢。我が家のクチナシは何度も生存の危機を体験しています。私はクチナシの花も実も大好きで,だからオオスカシバは敵なのです。

 

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 さっそくうちのクチナシに卵を見つけました。産卵の瞬間を押さえたことは一度もありません。たぶん電光石火の早業なのでしょう。

 

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 1齢幼虫。よりにもよってつぼみをかじりやがって。


 とりあえず見つけたのはすべて駆除しました。でも必ず目こぼしがあるのが自然を相手にするということ。奴らが活動を終える10月まで油断のならない日々です。

 

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 昨年主幹が枯れた我が家のクチナシ。実は今年,さらに多くの幹が根本から枯れてしまいました。それでも残った枝が健気に清楚な花を咲かせています。 ……守らねば。

 

 

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ざくろ沢6月 見せてもらおうか,新しい iPod の力を

 

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 久しぶり,ざくろ沢に行って参りました。実に5か月ぶりです。


 ご存知ない方も多かろうと思うので申し上げると,昨年突然パンニングがしたくなって,地質図で見つけた「ざくろ石帯」でざくろ石産地を掘り当てたというその場所です。芸もなく「ざくろ沢」と名付けたりして。自分で見つけたフィールドということで,ダンボールの秘密基地みたいな愛着があります。磁鉄鉱の大きな結晶が採れるのも自慢だったり。


 沢を上から下まで歩きまわっていくつかポイントを絞ってあります。今回はそのうちの「Aポイント」,磁鉄鉱が採れない代わりにざくろ石の大きな粒がパンニング皿に残るスペシャルポイント。


 …… なんですが今回,以前と違うことが。いつもは記録用に万能カメラリコーWG-40「権三さん」を連れてくるのですが,ここは一つ新型 iPod Touch で写真記録してみようかと。見せてもらおうか,新型 iPod の写力を。

 

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 最初はなかなか採れませんでしたが,だんだんコツを思い出して赤い粒が。さっそく iPodを取り出して気付いたのが,自分が手袋をしていることとそれがパンニングで濡れていること。いちいち手袋を外さねばタッチパネルのシャッターを押せず,しかも指から雫が垂れ落ちます。iPod は防水じゃない。いきなり二重にダメ出しです。


 なんで来る前に気づかないんだ,こんな前提条件的なこと。

 

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 嘆息しつつも小一時間ほどパンニングを楽しんで,ふと見上げるとモミジイチゴ。おお大好物。つまむ前に一枚。この距離ならきれいに撮れます。

 

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 でもさらに近づくと,ピントが後逸してしまいました。私が好む範囲での接写は無理のようです。

 

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 カワトンボが飛び交う桃源郷です。まず遠くから一枚。

 

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 寄ると…… 自動焦点ではどうしてもトンボに合焦しません。こういう用途には向いてない。

 

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 クサイチゴの実も

 

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 やっぱりピントが来ない。


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         アマガエルを撮ってもピントが甘い。


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 道を撮ったら露出オーバー。やはりというか,しょせんはケータイカメラです。本物のカメラの代用にはならない。


 なんて,点が辛すぎるか。以上は標準レンズを付けた今どきのカメラ全般で起こることです。ちょっとクサしたかっただけ。

 

 

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 iPod の名誉のために,自宅にいたマイマイガの幼虫。赤青の斑紋の色調表現やら刺毛の微細な構造描写やら,普段使いには十分な性能ですよ。

 

 

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           ざくろ石はいっぱい採れました。

 

 

 

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水戸のゲンジボタル/ホタル狩りは採集ではないのです

 

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 水戸には方々にホタルがいます。源氏も平家も。強烈なフラッシュ光を放つヒメボタルは,残念ながら分布しません。


 今年は気持ちに余裕ができたので,一つホタルでも見ようかと思い立ち,ネットでよく見る光る軌跡の写真を撮ることを目標にしました。ホタル狩りを楽しむなら明るく光るゲンジボタル。最後に見たのは二十年ほど前でしたが,先日下見に行ったところ同じ場所に変わらず飛んでいました。カメラを調整して,いよいよ今夜ホタルの写真初挑戦です。


 ここは市内の丘陵地帯,入り組んだ谷の田んぼです。街灯一つない真っ暗な環境がホタル生息の第一条件。カメラを三脚に据え,露出はマニュアル,シャッターはバルブ,ISO感度は見当つかないので現場で調整。

 

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 いきなり一枚目は露出オーバー。ISOの感度が高すぎたようです。

 

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 感度を下げて何とか撮れました。よくあるような一面に軌跡が乱舞する写真がほしいのですが,昼過ぎまでの土砂降り雨の影響で下見の時より数が激減しています。カメラを固定してはフレームに入ってくれないので,パンして追いかけるしかありません。

 

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 うーんいまいち。欲しいのはこんな絵じゃないんだよおお。

 

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 3機編隊。カメラを動かしたせいでタマシイが飛んでくるような写真になってしまった。

 

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 説明しよう! これは三角関係を激写した写真である。

 

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 オスとメスがいい感じになっているところ。心の眼で見れば見える。


 ほぼ失敗写真の山ができてしまいました。やはり初手はうまくいかないものです。今シーズン中に再挑戦しますからね。


 田んぼではカエルが大合唱しています。谷を渡る風はしっとりと濡れてイネの香りを運びます。深い闇が子供じみた感覚を呼び覚ましてきます。ホタルを見るというだけではない,不思議な,そして不気味な夜の感触。皮膚を這うチリチリとした質感は,自然の中に一人埋没してこそ得られるものです。こんな時に,自然豊かな地方に暮らす意味を感じてみたり。


 都会では料亭の中庭で光っていたり,どこからか連れてこられたのが公園の人工山水の中を飛んでいたりするようですが,たくさんの人が大騒ぎする中でホタルを鑑賞して何が楽しいのかと。そんな夜が楽しいのかと。


 ちなみにホタル狩りという言葉,紅葉狩り同様「美しいものを鑑賞する」意味の「狩り」です。闇の中,静かに明滅し視界を流れていく黄色い光。田んぼを渡る湿った夜気。一面のカエルの大合唱。そこにいるからこそ五感すべてに染み渡る耽美な体験でした。

 

 

 

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