ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

それは目線との戦いである

 

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 すみません,川から上がろうなんて言っておいて,性懲りもなくまた玉川に行ってしまいました。

 

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 本当にそろそろ上がろうと思うのですが,前回はそんなわけで出鼻をくじかれて行けない地点があったので,そのリベンジに午後だけと時間を切って。

 

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 で,どなたもおられない新しい場所を選んで掘って,いくつか赤いのが採れました。

 

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 遥か九州からお見えになる方もいるそうで,採りすぎないようにとは思うのですが,新しい場所を見つけたとなると欲が出るもので,ああ本当に弱い人間です。

 

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 そんな良心っぽいもの以外にも私を苛むものがあります。ご同好の士ならおわかりでしょう。そう,家族の目です。

 

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 小ぶりな玉川メノウはまだ隠せるのですが,久慈川本流の大きなものは庭の隅に積むしかなくて,そこは日陰で植物が生育しない,つまり家族が菜園や花壇にしない場所を選んでいるのですが,そろそろチクチク嫌味を言われ始めました。

 

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 ああ真理の探求者とはかくも迫害を受けるものなのか。

 

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 あ,これは玉川では珍しい塊状のメノウ。元はさぞや大きなかたまりだったんでしょうね。

 

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 ちゃんと縞模様があるのはさすが玉川です。

 

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 …… 何の話だっけ…… そう石拾い・石集めはリスクの高い趣味であると言いたいわけです。

 

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 おカネのかからない趣味です。自然の中で美しいものに出会える健康的な行為です。科学的な探求心を満足させられる高尚な営為なのです。

 

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 頼む,出かけるときに冷ややかな目で見ないでくれ。

 

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 あとボクにガレージひとつ分くらいの蒐集物の収納庫をください。そしたらもうそれ以上家族に迷惑を掛けませんから。

 

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 … ごめんなさいごめんなさい冗談です。もう言いません。

 

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 男の人生,そう理解が得られるものではないことを承知の上で,私は今日もフィールドに出撃するのです。

 

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 さあ次の週末はどこで何しよう。これでも結構,人生を楽しんでます。

 

 

 

 

↓ ええまあそんなわけで 

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いのちはめぐる

 

 今年の春の庭をご紹介します。

 

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 家人がウチでも海浜公園などと言うので何のことかと思えば,ネモフィラが咲いたのでした。もらったタネを蒔いておいたのだと。へえ。切り抜いた空の一片がはらりと舞い降りたような,思いがけず良い花色に感心しました。

 

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 ヒメスミレも春を喜んでいます。他の雑草どもを肩で押しのけながら,果敢に濃紫の花を庭のあちこちに咲かせています。この逞しさもまた魅力なのです。

 

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 ツバキが今年はとんでもなく花を付けました。大丈夫かおマエ,死ぬのか? 最後なのか? なんてツッコミを入れたくなるくらい不気味なほどの盛大な開花でした。

 

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 それが美しいならいいのですが…… 中途半端な斑入りの,上品とも華やかとも言えない微妙な花で,家族全員誰も話題にしません。なんだろうこのバツの悪さは。

 

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 アケビグリーンカーテン用のネットを張り直しました。昨年の台風で綱が切れたままだったので。これからつるが伸びまくって,いい木陰を作ってくれるでしょう。またアケビコノハが来てくれると嬉しいな。

 

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 そのアケビですが,とにかく元気で,鉢植えのころのいじけた姿が今では懐かしい。三本に分裂したのを分けて裏の塀のラティスに這わせ,授粉用にさらに一本買い求めて合わせて四本が大繁茂。害虫も現れたりしたので昨秋に大剪定してしまいました。

 

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 元からのはそれでも元気に花を咲かせましたが

 

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 授粉用のは花芽を付けませんでした。これでたぶん,次の秋の実の収穫はないでしょう。いいです。もう家の者は誰も食べてくれないので。すこし木を休ませてあげましょう。


 剪定して失敗したのがスイカズラ

 

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 1本が枯れてしまいました。剪定後にみるみる弱って,残った葉が枯れ落ちていって,ついにそのまま。剪定は何度もしましたが,今回は木が弱っていることに気づいてやれませんでした。可哀そうなことをしてしまった。このスイカズラは記事にしましたっけね。あれ,割とお気に入りの記事だったんですが。

 

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 弱らせた原因はたぶんこいつ,クサボケ。地上部はだいぶ剪定しましたが盛大な地下部を張り巡らせているはずです。枯れたスイカズラは両側から攻め立てられていたのでしょう。

 

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 クサボケはクサボケで大切にしているので悩ましいことですが,剪定に強いのは知っています。これからは毎年強めに伐って,残ったスイカズラを守ってやろうと思います。

 

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 クサボケは我が庭の小さな主役です。小さくとも強い。

 

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 主役と言えばこれ。ハマナスが今年も新芽を不気味にもたげています。毎年根元から伐ってバーナーで焼いているのに,年々株がデカくなる。そろそろ本気で対処しないと,レンガ塀が破壊されるのは時間の問題です。

 

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 家の土台近くにキアゲハらしい蛹。出どこはたぶん庭のニンジンかパセリ。害虫としてずいぶん駆除したのですが。

 

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 畑で育つキアゲハの幼虫は,蛹になるとき驚くほど長距離を歩き回ります。安全な蛹化場所を探すのでしょう。どうやらこの個体は無事に空へ還ることができたようです。我が庭で巡る命のサイクル。

 

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 命と言えば不思議なのは,我が庭には時にヌシのようにヒキガエルがいたりします。台地の上の住宅地,水場からは遠く家々は塀で囲まれています。どうやって現れるのか謎です。まあ,一度住み着けばダンゴムシが豊富で毎日水撒きがある我が庭は理想の住処でしょう。寿命の長いヒキガエルが終の棲家としても不思議はありません。先代はうっかり家の前に出ばったところを車に轢かれました。今回は何かに捕食されたようです(グロいのでお見せしませんが,腹側がない)。以前はヒヨドリに連れ去られるニホントカゲやモズのはやにえにされたカナヘビもいました。ヤモリは元気かな。

 

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 多くの生きものが生と死を謳歌する,狭いながらも命の巡る庭です。今年もまた誰も知らない物語が語られていくのでしょう。

 

 

 

 


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春分の週に見たもの

 

 眠れぬ晩があって,窓越しの空が明るいことをいぶかしむ。

 

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        西の中天に月。月齢十一。

 

 

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 翌日の夕照。

 

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 ざくろ色からすみれ色へ,ベンチでスタバのカフェミストを飲みながら。

 

 

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 そのカップに描かれた桜の花があまりにキレイで,持ち帰ってしまいました。季節がら,買い物に歩くその方々に桜の意匠があるのですがどれもキレイに見えて仕方がない。

 

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 リアルではもうソメイヨシノが八分咲き。ここ数年での最速レベルです。

 


 何ということもなき日々。気は巡り,水は流れる。

 

 

 

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そろそろ川から上がろうか

 

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 春の花々が咲き始めてます。そろそろ鉱物ネタを仕舞いにして生物屋に復帰しなければ。そういえば先週大雨降ったし,川の状況変化も期待できそうです。


 というので今日は玉川から久慈川を巡る予定で,最近には珍しい早い時間に家を出ました。気持ちだけでも前のめり。メノウざんまいの一日になればいいな。


 最初は他の方と遭遇する確率の高い玉川下流域。あ,私は村田橋あたりから下を下流と呼んでいるのですが,衛星画像で良さげな場所を見つけていたのです。初めての場所です。さてあるかな。

 

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 川石が砂州状になっているのは,地元の「プロ」の人たちが掘った跡。たぶんここは知られた場所なのでしょう。


 すでに先客がいました。五十代と思しきどえらく目の鋭い方で,矢継ぎ早に質問されました。どこから来たのかとかいつから石をやっているのかとか。馴れているはずの私でさえ不愉快になるような大声で早口の茨城弁で。どうやら歓迎されてないようです。私が初心者を装って挨拶すると少し緊張を解かれて川底の掘り方なぞを教えてくれましたが,こちらからいくつか質問するとなにがしか気づかれたようで,あそこはもう採り尽したから行くなと言ったまさにその場所にそそくさと消えていきました。ふーん。まあ私もポーカーフェイスは苦手です。人を動かすのは得意なんですけど。


 もう一つ,私は人を見るプロを自任しています。顔,言葉,一連のやり取りで大体のところはわかりました。この方の職業にも当たりは付いたのですが,何よりおカネが絡んでいるようにお見受けしました。そりゃああいう目つきにもなるわ。この下流域でメノウを拾うのは,こういう方々と競合することでもあるんですね。

 

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 その方がほら,こんなのが拾えるんだと放ってよこした小さな白いかけらは,申し訳ないけど川に返しました。自力で掘ったのがこれ。もう少し頑張ればこの場所の概要もわかりますが,すっかりやる気がなくなりました。河岸を変えます。

 

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 次の場所も衛星画像で見つけた所ですが,ここはハズレでした。ただ…

 

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 ばさばさっと羽音がしてカラスが三羽大騒ぎしながら下りて来て,私を見て逃げていきました。一緒に落ちてきたもう一つの何かがじっとしています。今日のカメラではこれ以上の拡大ができませんが,たぶんオオタカです。カラスにいじめられていたようです。図らずも助けることになりました。また河岸を変えましょう。

 

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 次の場所はたぶん他の方には知られていません。落ち着いて川底を掘ります。

 

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 今日はこれだけ。メノウと珪化木ですが小粒のものばかり。人が多いせいか,以前ほどの戦果はありません。あと何か所か予定はあったのですが,今日の玉川はここまでにします。出鼻をくじかれたのが響いたなあ。

 

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 またドブガイがあった。


 次は久慈川とその支流へ。

 

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 久慈川本流は人がいっぱい。いっぽう沢は森閑として人影なく。ああ私はこういうフィールドが本当に落ち着きます。

 

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 冬の名残のユズひとつ。

 

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 あまり持ち帰る予定はありません。ただいつも通りメノウがあればいい。

 

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 なんて言っておいて,深いよどみに沈んでいるのを木の枝で引っ張りあげてみたり。

 

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 リュウキンカが咲いてました。茨城に自生はないしがく片の数も違うので園芸種が逃げ出したものでしょう。先の記事のフクジュソウといい,キンポウゲ科のバタカップ・イエローほど春を感じさせるものはありません。さあ野に出よう。

 

 

 

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灯点し頃の丘

 

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 昨日。


 他の事業所がやらかしたトラブルが波及して私の職場もひと騒ぎ。もともと私が関わるイベントが入っていた日で,トラブル処理プラス通常の業務もこなさねばならず,結局朝7時半から17時まで息つく間もないフル稼働の一日でした。もちろん疲れましたよ。昨年までの役職ならそのまま残業でしたが,幸い定時で帰ることができました。


 こういう神経をすり減らした日はまっすぐ帰る気になりません。ああ,深呼吸をしたい。そこでいつもと反対に舵を切り,フィールドに出てみました。日足が延びたことに感謝です。


 いつものように山の下に車を停め,168段の階段を駆け上がり…… と言いたいところですが体もくたびれています。ヒーヒー言いながら丘の上に出ました。

 

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 見上げる夕暮れの空。ウグイスの谷渡りの声に満ち満ちて,静かに今日の日が夜のとばりに沈んでいきます。


 ほんの数週間前まで天地を満たしていた冷気は消え失せ,春のにおいが丘の上に漂っています。その甘やかな大気を鼻から腹を大きく膨らませるように吸い,口からゆっくり吐く。これを数回繰り返すと副交感神経が知覚を阿頼耶識あらやしきへと導いていきます。そして私は遠い目線で,来し方行く末を想います。

 

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 あの光のかなたに私の歩いた道はあるのでしょうか。私はどこまで行けるのでしょうか。

 

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 藪の中に白い花が浮かぶように咲いています。放射相称の純白の花。てっきり梅花かと思って手を伸ばしたら鋭い痛みが走りました。

 

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 花は自然界の鉄条網,モミジイチゴのものでした。甘い実に寄ってきた人を容赦なく傷つけ,身動きを封じる悪魔のトゲ草。でも今だけはまるでその心根を語るかのように,バラ科そのものの端正な姿を見せています。


 ここにモミジイチゴがあることを不覚にも知りませんでした。近年草刈りがなされ陽射しができたのちに生えたものでしょう。初夏の実りが楽しみです。

 

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 ごろんと壊れかけたベンチに横たわります。月齢五の細い月が私を見下ろします。別に励ましてくれるでなし,助言をくれるでなし。ただ見守るだけ。人には時にそういう存在が必要です。

 

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 ふと,このままここで一夜を明かしたい誘惑に駆られます。いけない。それをすればもう人界に戻れなくなる気がします。私にはまだやることがある。

 

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 近くの街に灯が点り始めました。天地の気を取り込んで,少しだけ元気が出ました。家に帰って明日に備えようと思います。


 三月。年度末のあれこれで落ち着かず,あまり記事の更新ができないでいます。読者の皆さまもご同様なのでしょうか,今週はアクセス数が伸びません。お忙しいんですね。お互いにこの物憂い季節を乗り越えて,山野に野の花が満ちる日々を待ちましょう。あと少しの辛抱です。

 

 

 

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コケの同定をしてみた

 

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 先日,写真のキレイさに思わず買ってしまったコケ植物図鑑。あえて手を出さずにいたコケ分類の世界にあっさり堕ちてしまいました。

 

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 となると実践せずにはいられません。先日県北山地を歩いたときに持ち帰ったコケ数種。さあ検索・同定だ。


 この場合の同定とは,種名がわからない生物のその分類上の位置を特定すること。要するに名前を調べることです。フィールド生物学の基本中の基本作業なのですが,チョウや哺乳類のように野外のその場で種名がわかるものはごく一部。植物でも菌類でも多くの昆虫やら水生生物やら,たいがいはそれを持ち帰って顕微鏡で拡大して文献を精査して,初めて完結するものです。


 なんてエラそうに言ってますが,実は実体顕微鏡下で分解して計測してなんてレベルまでする気はありません。手持ちの図鑑でわかる範囲まで。専門の学者さんてホント大変なんですね。


コウヤノマンネングサ

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 いきなりこずるい真似をしてしまいました。あらゆるコケの中で一番検索が楽というか一目でわかるやつです。ヤシの木みたいな姿で落葉樹林の林床を埋め尽くします。

 

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 拡大すると杉の枝そっくりです。むかし高野山ではこれを紙袋に入れたものをお守りとして売っていたとか。

 


トヤマシノブゴケ

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 これも一目でシノブゴケ類とわかるものです。いくつか候補がありますが,

 

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 透明尖という構造(白く突き出た部分)があるのでとりあえず表記の種にしておきます。

 

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 よく沢沿いの湿地を埋め尽くしています。繊細な美しさが魅力のコケです。

 

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 胞子体を出していました。

 

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 先端部の蒴歯さくしという構造です。分類の決め手になる場合も。ステキな造形してると思いませんか。

 


サナダゴケ類

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 これは種まで落とせませんでした。あ,落とすとは同定を完結させることです。

 

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 でも平らに付いた葉が美しい。

 


サワラゴケ近似のタイ類

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 あ,小さなタイ類だ,と軽い気持ちで持ち帰ってしまいました。拡大してびっくり。

 

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 毛むくじゃら。

 

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 どうやら葉先が分岐して毛のようになっているらしいのですが,何種類かある候補のどれにも収まらない。季節的な姿かも知れないので,また調べてみようかと思います。

 

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 これは胞子体かもしれない。

 


ネズミノオゴケ

 

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 びっしりと岩の上を覆っていました。一個体はこんなもの。

 

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 ネズミの尾とはよく言ったものです,うろこ状の葉が重なって。種子植物なら乾燥地や寒冷地の植物に見られる特殊な形態ですが,コケではありなんだ。

 

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 赤い胞子体との色の対比も美しい。

 


 コケがこんなに接写しがいのある被写体とは,知ってはいたけどやはり面白かった。続けていこうと思います。以前にも打って置いた逃げ口上ですが,種名のいい加減さは大目に見てくださいね。

 

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 せっかくの晴れた休日を半日潰して,私は何をしているんだろう。

 

 

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浅い春を追って,少し悲しい思いをしたこと

 

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 我が庭で初スミレを見たところで,ではフィールドはどうかなと出かけてみました。私の言うところの「いつものフィールド」です。

 

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 河津桜というのでしょうか,早咲きの園芸種です。

 

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 サンシュユ

 

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 シナマンサク。このあたりは2年前の記事(いつもの原野でタネツケバナとアオイスミレが春を告げる - ジノ。)と被るのでさらりと。

 

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 ウグイスカグラ。これも春を告げる花です。

 

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 樹幹にコケが着生していました。これまでならあ,コケだ,でスルーでしたが,真面目にコケを調べる気になっているので。これはギボウシゴケの一種です。

 

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 こちらはまだ検索中。ちなみにこのフレーム内に3種はいるような気がしてきた。

 

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 日陰でプンと異臭を発しているのはヒサカキの花。これも春の香りと言っていいでしょう。

 

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 こちらは芳香,ミツマタです。

 

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 きっと今頃,鶏足山のミツマタも競って咲いていることでしょう。人ごみは嫌だから行かないけど。

 

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 あらびっくり冬虫夏草コナサナギタケ。ここで見る冬虫夏草2種類目です。しかもこんな季節に。通常夏から秋が発生期です。掘ってみたらちゃんと蛾の繭から出てました。

 

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 そしてとうとうアオイスミレの場所にたどり着きました。このフィールドの最奥,ふた汗かく覚悟がないと会いに行けません。早春だけに現れる気まぐれな姫君です,これくらいの苦労はするべきでしょう。

 

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 車まで戻る途中にウメカンツバキ。春の饗宴です。

 

                  ※ ごめんなさい,ご指摘がありました。ヤブツバキです。

 


 なんて,いい気分で今日のフィールドが終わるところだったのですが

 

 

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 道筋に,いつもトウキョウサンショウウオが産卵する水たまりがあります。今年も卵のうがあることを確認して山に入り,帰ってきたら…… 無くなってました。この数時間のうちに誰かが持ち去ったようです。


 私もカエルの卵を持ち帰ったりしてましたから文句は言えません。ただ…… この悲しさをわかってほしいと思うのです。

 


追記
 以前の記事(どこか遠くの神さまが - ジノ。)でここのサンショウウオを守っている方がいることをご紹介しました。事務所に行ってその方に卵のうのことを報告しようとしたら,ご退職なさったとのこと。はかなくひそやかに生きる命を慈しんでくれた神さまはもういないのだと。


 また一つ喪失感を味わった,苦めの春のフィールドでした。

 

 

 

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