ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

今日の御岩神社で花を撮りながら想うこと

 

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 台風の影響で今日は雨だと,ことによると大雨だと各局の予報士がかまびすしい。私はというと夕刻に仕事がらみの集まりがあるので遠出はできない。なかなか不自由な休日です。


 こういう時は御岩神社の神さまにお参りしましょう。もちろんカメラ機材一切を担いで,あわよくば何か撮ったれと。ああこんな信心深い参拝客が他におろうか。

 

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 着いた途端に陽射しが。雨はどうした。

 

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 いつもは帰り際なんですが,今日はまずCafe-Sfiatoさんで一杯頂いてから。すっかりここに来る楽しみになりました。みなさんも御参詣の折にはどうぞご利用下さいませ。私は「ワイン珈琲」が最近の定番です。

 

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 コケの毛氈もうせん。いつもこの表現を使ってしまいますが,本当に口を突いて出てきます。

 

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 ただこの季節は,日当たりのある場所はコケを覆ってチドメグサが。これはれっきとした被子植物です。

 

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 ヒナノヒガサ。雛の日傘とはいい名前をお持ちですね。世界中の湿ったコケの間から愛らしい顔を覗かせる繊細なキノコです。きっと世界中の言葉で可愛い名を付けられていることでしょう。

 

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 同じくコケの間から遠慮がちに立ち上がるのがコナスビ。日なたから日陰まで,湿地から乾地まで,どんな環境にも生えていて逆に好みがわからない,それでいて目立たないというのも重要な属性のであるところの小さな花です。サクラソウオカトラノオ属という出自を思えばいくらでも派手な生き方を選べたろうに,風景に溶け込むように地を這ったりまっすぐ立ったり,環境に上手に適応して密やかに生きてます。こんな生き方もあるんだなあ。

 

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 そのコナスビの花にまとわりつく一頭のハチがいました。私が顔を近づけると逃げるのですが,十センチほど離れた場所でホバリングして,そっとまたこの花に戻ります。他にもコナスビは咲いているのですが,どうしてもこの花がいいらしい。一味違うのかも知れません。私もよくそんなこだわり方をします。なんとなく親近感が沸いて,どんな奴か顔を見たくなったので三脚を据えて,止まったところをワンショット。撮ってみておやと。これ,ハチじゃなくハエです。ハエの類「双翅目」は多様で,これが日々どういう生活をしているものなのかわからない。ただ決して悪行を重ねるようなヤカラでないことは面構えから知ることができました。

 

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 緑陰の小径でまた微細なものが一つ。あまりにも小さいのでコケを見ようとしゃがんだ時に初めて気づきました。どうやらこれはサワハコベの,日陰ゆえの栄養不良の株らしい。哀れなほどに貧相です。

 

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 小さすぎて90ミリマクロではワケわからないのでクローズアップ。すると小さいくせに立体的な造形で,ピントが一点に合いません。しまった見かけに騙された。難敵です。

 

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 せめてめしべの形を出そうと格闘していたら,通りすがりに私のカメラのモニターを覗いたお客さんがえ?どこにあるのこの花?だって。図鑑では直径1~1.5センチとあるのですがその半分もありません。しかもコケの緑に紛れてます。これはこれなりに必死で生きて繁殖しようとしている姿なんですけどね。

 

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 緑陰の小径には他にも。これは少し日当たりのある場所にあったサギゴケ。畑の雑草というイメージですが,森の国ニッポンで人が畑を切り開く前はこんな生き方をしていたんですね。

 

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 トチバニンジン。肉眼には映らなかったクモの糸が90ミリマクロではくっきり。引っ張られて傾いています。やはり写真記録は重要です。

 

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 ドクダミ。好きな花ですが露出オーバーで花びらの表情が潰れてしまった。暗い林床での写真の難しさです。

 

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 シノブゴケ

 

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 この繊細な構造が大好きです。

 

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 緑陰の小径に命の交代。種名のよくわからない甲虫がボーベリア/ムシカビに斃されていました。この姿はもう虫ではなく菌類です。ムシカビは冬虫夏草とは別のタイプの,昆虫にとりつく菌です。自然農薬として利用されてます。

 

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 ここは極端な暗い環境にも関わらず,ミヤコワスレが毎年貧相な花を咲かせます。これはその花後の,実ができかけの姿。どういう経緯でここで暮らすことになったのか考えるだに不憫ですが,何とか生を繋いでいます。

 

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 むしろ日陰大好きユキノシタ。あえて木陰で花を咲かせつつ,その暗いすみかから明るい世界を眺めています。何を思う。

 

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 先日の色素異常の株と違い,ちゃんと赤・白・緑のコントラストの効いた美しいユキノシタです。全員日なたを向いているあたりはやっぱり植物なんですね。

 

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 木本もくほんではヤマアジサイくらいでした。

 

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 石碑の上に地衣類の一種。一般の人の眼には石の模様としか映らないでしょう。菌類と植物プランクトンが共生した姿,れっきとした生物です。この黒いところから双方の胞子が含まれる「粉芽」を放出します。…… 生きること,増えること。生命が40億年続けてきた試行錯誤の一つの姿です。瞠目すべし。

 

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 ここは神仏習合霊場,供養の卒塔婆があります。その一本に「京都アニメーション火災物故三十六柱」と。その瞬間まで永い時をかけて受け継がれてきた命が,その一瞬に理不尽に奪われました。関係者でしょうか,ファンの方でしょうか。ここに込めた想い,いかばかりかと。

 

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 御岩神社においでなら,ぜひ門前町の側溝沿いやバス停の花壇もご覧ください。神さまを崇敬する地元の方々が過去から現在まで丹精した花々が楽しめます。これはネジバナ

 

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 ベニシジミが憩うのはフランスギクかと思ったら,これはマーガレットなのでは。最近では珍しい。

 

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 ホウセンカが咲き始めています。梅雨明けはいつになるのかな。

 

 

 

 

↓ どうかひとつ。 

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ホタルブクロとヒメフウロ

 

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 クワガタがいない。


 羽化はしているはずなのに見つからない。原因はたぶんこの水戸の低温。気温が上がらないので樹液も出ない。樹液の出てる木がなければ探しようがありません。それでも県北はどうかなと高萩まで足を延ばしてみました。結局は空振りでしたけど。

 

 

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 クヌギの木の傍らにホタルブクロ。適度に日陰になるような林縁を好む花です。水戸では花期が終わりかけてますが,この山中ではこれからのようです。しかしこれが手強い。

 

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 野外でこの花を見たときのはっとした驚き,息を飲むような美しさというのが全く表現できません。いくら撮っても凡庸な写真になってしまいます。

 

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 思い通りにならないならいっそ汚す。うわあ気持ち悪い。ホタルブクロをこんな風に撮った奴がかつていたであろうか。

 

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 冗談ですごめんなさい。美しきものは美しき姿で。

 

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 さらにクワガタを求めて山中を行くことしばし。呼び止められた気がして見回すと,道端にピンクの可愛らしい花が群れていました。小さな女の子たちが一斉に笑いかけてくれてるように見えました。

 

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 小さいけど一輪一輪に繊細な光を宿す,さてこれは何だ。どこからどう見てもヒメフウロです。でもこんな場所にあるわけない。「本物の」ヒメフウロは四国の剣山や岐阜県あたりの石灰岩地にのみ産する希少種です。茨城のアスファルト道路の片隅に群生してるなんてあり得ない。…… 帰宅してネットで調べたら「ヒメフウロ帰化種」だと。日本では環境選好性が強くて希少種なのですが,外国では中国からヨーロッパまでの広い範囲に自生する雑草なんだって。それが今東日本を中心に帰化して路傍で普通に咲くという。日本在来のヒメフウロはどう思っているのだろう。ワタシはこんなに可愛いのよ,さあみんな言うことを聞きなさいなんてわがまま放題してたのが,もっと可愛くて素直な子が転校してきて全部持ってかれたなんて状況を想像して一人くくくと笑ってみたり。

 

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 日本の風露草はみな美しい。この帰化種も姿かたちはヒメフウロですから,実に日本的な調和の美があります。本来なら伊吹山あたりまで行かなければならなかったところを,その手間が省けたというか,見たかった映画がタダで見れてしまったようなラッキー感があります。

 

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 見たものは他にも。林床の一面にユキノシタが咲いていたのですがやけに白い。よく見ると花弁にあるはずの赤い模様がありません。葉も緑一色で赤いアントシアン色素がない。容姿だけだとハルユキノシタという種類に思えますが季節が違う。たぶんユキノシタの色素異常の株なんだと思います。

 

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 エビガライチゴ。イチゴっぽい実が生りますがこれは花。毛むくじゃらのがくはモウセンゴケみたいです。

 

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 サンショウの実がありました。棘のない品種でイヌザンショウかとも思いましたが,実の香りは本物でした。いま私の書斎で芳香を放ってます。

 

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 帰路の田んぼで…… おわかりになりますか,ミズスマシが二匹います。最近は目にする機会が減りました。


 虫好きの同僚を喜ばそうとクワガタ探索をしているのですが,いつの間にか写真撮りが中心になってしまいました。平和です。

 

 

 

↓ いつものパターンの記事です。よろしくお願いします。 

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いまさらJCO/山あり谷あり15万アクセス

 

 今週,このブログのアクセス数がぽんぽんっと跳ね上がり,何事かと「はてなブログ」のアクセス解析を見てまたびっくり。

 

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 アクセスの半分を占めるGoogle の,その6割超があのJCO事故の記事。そうですあの因縁の。わからない方は下にリンクを張っておきましたので見てね。

 

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 Googleだけではありません。かたくなに執拗に私のブログを表示しなかったYahoo! まで。


 ここらの事情はリンク記事を読んでいただくとして,なぜ今なのかが疑問です。事故のあった9月ならともかく。


 おそらくは,たまたま関係者の誰かの眼に留まり,その人の仲間内に拡散したのでしょう。ネットにこんな記事があった,至急確認を請う,なんて。

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 波の最後にあった異常アクセス。1時間に138! たぶんお一人が他の記事にも原発の悪口はないかとチェックしまくったのでしょう。ご苦労さまです。ブログのアクセス数稼ぎに貢献していただいて感謝いたします。


 多くの人の目に晒されたということで,今回も何かアクションはあるのでしょうか。その関係者が推進派なのか反対派なのかにもよるでしょうが,またこのブログが検索にブロックされるのかな。今度は黙っちゃいませんよ。科学的に正しいことを言っているという自負があります。どうなるにせよ,アクセス解析とかアクセス数の変化とか検索の表示順位とか,現状は記録しておこう。昨年9月がそうであったように,たくさんの固定読者の皆さまから応援して頂けるので心配はしてません。


 それにこの方々も,他の記事を読んでもらえれば私が決して政治的な主張をする者ではないと理解して頂けるので,これを機に読者になってくれたりしたらみっけもんです。 ジノ。はどなたにも門戸を開いておりますよ。

 

↓ もし未読であればぜひ。

JCO臨界事故の記憶【過激注意】 - ジノ。

Yahooさん,お金で済むならぜひ一声 - ジノ。

 


 さて。

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 6月初め,総アクセス数が15万を超えました。読者の皆さま,本当にありがとうございます。通り一遍の言葉で本心を疑われそうですが,本当にそう思ってます。前にも書きましたが,何をしてもそれが文章で浮かび,何を見ても写真に残してしまう。従来ならそれで終わっていたものが形になり,延べ数とはいえ15万人もの人が見てくれた。この奇跡こそ私が感謝するものであります。

 

注:これは画像です 
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 最近心がけていること。記事の最後にあるこのボタンを押すと,「にほんブログ村」のカテゴリー別順位のページに入ります。この「入ってきた」数が「INポイント」になって,画面にある順位の基準になります。順位を上げたければ自分で何度もINして …… とはいきません。パソコンなりスマホなり,その人のメインのデバイスからは一日1回しかカウントされません。ただこれには裏ワザがあって,それ以外のデバイスからなら自分アクセス稼ぎ放題なんです。さすがのブログ村もそこまでチェックできない。

 

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 ある日,私が登録してある3つのカテゴリーのうちの一つで1位になってます。私もチェックのため一日1回はアクセスします。職場のパソコンから見ることもあるのでそれは「自分アクセス」になってます。でもたぶん,それだけで1位になったのではない。

 

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 根拠は右端にあるこの「OUTポイント」。これはボタンを押して入って来てくれた人が,この画面で同じ書き手の他の記事のタイトルを見て,これ面白そうとその記事に飛んでいった数。本当に私の記事を気に入ってくれた人なら,必ず飛んでくれるはず。他の記事も読んでくれたはず。OUTポイントがINポイントを上回ったなら,いい記事を書けていて,ブログ村の画面に来てくれた人がいるおかげで順位が上がったのだと自己評価させて頂いてます。

 

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 基準がもう一つ。ランキング画面の右にある「注目記事」はこれも一つの人気指標ですが,OUTポイントが基準になってます。ブログ村は公表してませんが,たぶんOUTポイントに厳密な評価をして,INポイント順位より厳格に出してます。これの上位になればやはりいい記事を書けてちゃんと読んでもらえたんだと喜んじゃいます。同じ書き手の記事は3つまでしか表示されないのですが,頑張って書いた記事で上位独占するともうこれは素直に気分がいい。もっとがんばるぞーって。

 

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 山あり谷ありブログ運営。いや「運営」という言葉には違和感があります。ビジネスでやってるわけじゃない。いやらしい下心が…… ちょっとはあるかな。でも何より私を突き動かすのは心の叫び。私の文章読んでくれ! 私の写真見てくれ! はいキレイごと言ってますよ。でも本心です。好きで趣味でやってるから続けられるんです。

 

 

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 静かに近づいてくる黄昏の空を,ああ美しいと見上げることができれば満足です。

 

 

 

 ↓ というわけでお願いします。

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プロトレック交代/つくも神になるその日まで

 

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 百鬼夜行絵巻には奇妙な妖怪たちが描かれています。扇,鐘,弓,鍋,古楽器…… 古道具どもが浮かれ騒いでいてもちっとも怖くない。これはつくも神と申します。昔は百年使った道具には魂が宿り妖怪に変じると信じられたのです。単純な素材で丁寧に作られ,昔のことですから大事に使われもしたのでしょう。有り得ることかと人々は考えました。近代の製品でも大は蒸気機関車から小は懐中時計まで,一流の職人の手になる機械的なメカニズムには百年の使用に耐えるものがあります。おじいさんの古時計ってのもありましたね。


 さて時計。

 

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 腕時計,CASIOプロトレックを愛用しておりました。2007年製,方位・気圧・高度が測れる山行タイプ。デジタル表示モデル,チタンバンド。どこへ行くにも一緒。旅に出れば目覚まし時計,仕事ではストップウォッチ,アウトドアのみならず私の生活のすべてを支えてくれて,腕にない時は不安になるほどでした。ふっと左手を上げて時計を見る動作が反射運動の一つになっていて,つけてないのに左腕を見やったり。チタン製金属バンドというのもポイントで,ウレタン製バンドだと軽いしお値段も3万くらい安いのですが切れやすい。プロトレックのバンドの切れたのがよく登山道に落ちているそうです。落とさなくても,通常使用で切れるころにはカシオもバンドの在庫を廃棄していてもうありませ~んとか言われたり。永く使うのならチタンバンド一択です。おかげで私は十数年使い込むことができました。

 

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 そのプロトレックが壊れた。壊れたのは電子コンパス。北北東としか表示しません。もうその一点でアウトドアウォッチとして意味を成しません。どうせ修理に出してももう一個買えるくらいの請求をされるか部品がありませんと言われるか。

 

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 で土曜日,フィールドに出る前に買い求めたのがこれ。なんじゃこの配色は。山行タイプ,デジタルモデル,チタンバンドというと行った店にこれしか在庫がなかった。なになに,ヨセミテ国立公園で年数回しか見られないファイヤーフォール現象をイメージした特別仕様 …… いらんわそんな能書き。

 

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 まあ赤黒の配色はキライではないと,即金で買ってしまいました。ああまたこんな出費を。2020年のモデルのようで,先代から十数年経ってますが機能はまったく同じ。ある意味すごい。ドンガラは一回り小さくなって,でも重さが変わらないのもすごい。値段だけ3万円も上がってました。カシオさんたら商売上手

 

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 新旧比較。

 

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 共に歩き続けた十数年。星の夜を,霧の朝を,一緒に見上げてました。悲鳴をあげたくなるような仕事の修羅場を切り抜けた時も,永遠に続けと願った幸福に満ちたひと時も,常に傍らにありました。

 

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 壊れたのはコンパスだけで,時計としては健在です。もちろん捨てたりしません。フィールドには連れて行けないけど,書斎の時計に使おうと思います。ソーラー駆動の電波時計です。書斎のあるじが灯を点し続ける限り駆動を続けます。標準電波局がある限りその示す時は正確です。さて時計が先か,私が先か。ともに百年を歩んでつくも神になり果てるか。それはそれでまた一興。

 

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 よく仕えてくれてありがとう。静かに余生を送ってください。あと86年ほど。

 

 

 

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花園に山気の補給に行きムモンアカシジミの幼虫を見る

 

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 先週,どうも調子が良くありませんでした。


 いえ,体調が悪いというのでなく,どこか痛いというのでなく,仕事もきちんとこなしてました。気が塞ふさぐというのが一番当てはまる言葉です。息苦しい,気分がアガらない。まさに心の砂袋がずしんとのしかかってくるようです。で,思い出しました。5月23日以来およそ3週間,フィールドに行ってない。


 20代のはじめ,就職した最初の任地はフィールドから遠い土浦でした。今回と同じように気が沈む状態になり,筑波山の山中に分け入ったりしていました。四六のガマよろしく木々の間でぼーっとしてると元気になりました。そういえば,この「フィールド欠乏症」の原因になる,日々に消耗されフィールドで補給されるものを当時「山気さんき」と呼んでいたなあ。すいません,前置きが長くなりました。山気の補給に,私の特等フィールド・花園に行ってきたのです。

 

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 まずは最奥,ブナの森。濃さを増した緑の中,響くホトトギスとエゾハルゼミの声は森の色彩の一部です。

 

 

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 梅雨キノコが出ています。ウスヒラタケ,でしょうか。

 

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 キノコみたいですがこれは種子植物,ギンリョウソウ。

 

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 ウグイスカグラの実。食べられます。

 

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 変形菌だ!

 

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 神秘の生き物。カビやキノコとは類縁のない,むしろアメーバに近い動物的な生命です。

 

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 鳥の糞かと思いました。蛾です。交尾中の姿。2頭いるのわかりますか? 翅の縁に並ぶ純白の毛の神々しいまでの美しさに,生命の存在する意味を想います。

 

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 季節的に野生の蘭の仲間を期待したのですが,少し早まったようです。これはたぶんクモキリソウ。茨城県で発見されたランです。

 

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 巨大なブナがその一生を終えてました。その材はキノコの糧となり,無機成分は他の多くの植物を喜ばせ,林床に射すようになった陽がたくさんの芽生えを育てます。命は続く。

 

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 その最後の瞬間,森じゅうに盛大な咆哮と地響きを轟かせたことでしょう。静かに静かに数百年の時を刻んできた巨ブナが,最後だけ森にその存在を主張していきました。

 

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 残念ながら今回もこの森では冬虫夏草が見られませんでした。ここ数年空振り続きです。

 

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 一転,風が強く吹きつける丘。念のため言うと,天気予報では曇りのはずでした。本当によく晴れちゃって,晴れ男ここにあり。目的のヤツはここらにいるはずなんだけど。

 

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 本当にいた! ムモンアカシジミの幼虫です。見られるとは思わなかった。先年虫採りの「師匠」にお会いしたことがよい運を連れてきてくれたかな。たくさんのクロクサアリに甲斐甲斐しくお世話されていますが、こいつの主食はそのクロクサアリが大切に守っているアブラムシ。その分泌する甘露がアリの糧となる、ヒトにとっての牛のようないわばアリの家畜です。その家畜を食うオオカミと仲良く歓談しているの図。自然って怖いなあ。

 

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 この丘にカメラはコンパクトの「権三さん」しか連れてこなかったのですが,どうもこの幼虫とは相性が悪い。ぜんぜん色が再現できません。実物はもっとコントラストのある先鋭的な配色なんですよ。…… もう撮る機会はないんだろうなあ。

 

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 権三さんピント甘いよ。ヒメヘビイチゴとその実。実は赤くなりません。

 

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 こっちはホントのヘビイチゴ

 

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 イチゴつながりでモミジイチゴ。このあと美味しくいただきました。

 

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 クサイチゴ。あまり美味しくありません。

 

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 ヤマグワがどこに行っても実り始めてました。

 

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 マムシグサどーん。

 

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 また落ちてたミヤマクワガタ。もう成虫が出ています。

 

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 ベニバナニシキウツギ。紅花なのに二色空木とはいかがなものかと。

 

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 草原のあちこちにアヤメが。勘違いも甚だしいことに,これは湿地の植物ではないんです。菖蒲なんて漢字当てるから勘違いが増幅されてます。

 

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 今回一番花が盛りだったかな。私には低地の花の印象があります。茨城では国道沿いとか田んぼの土手とか廃業したパチンコ屋の駐車場のコンクリの継ぎ目とかに生えてます。

 

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 花びらの付け根の「文目あやめ」模様はハナショウブカキツバタにはないこの花だけのものです。この綾なす変化の精緻さゆえ,私は他の二種より圧倒的に美しいと思います。

 

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 マタタビが葉を白くして虫たちを呼んでます。ことしもマタタビの実を拾いに行きましょう。

 

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 一日写真を撮りまくって,脱皮を終えたような爽快感をまとって帰宅しました。山気の補給,完了です。

 

 

 

 

↓ 関連リンクです。 

師匠とムモンアカシジミ - ジノ。

梅雨明けて花園の森に蝶が舞い - ジノ。

 

↓ 久しぶりの野外の自然写真です。お願いします。 

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ココリコ食堂

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 水戸歩き紀行,ようやく終盤です。もう10キロくらい歩いてますが,まだ帰路には就きません。今日はそういう日なのだ。

 

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 気がつけばお気に入りの「死なずのバッグ」は合皮がはがれ

 

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 ジャングルブーツも替え時です。ああ道を急がねば。


 歩いてきたのは緑町。偕楽園の入り口近くの,古くから人々の暮らしがあった街です。

 

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 わざと車の入らない道を選びます。

 

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 たぶん50年くらい前の音楽教室の看板。どんな人が何のために,何を学びに通ったのだろう。

 

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 これも50年前には賑やかであったろうアパート。すごい。もはやトキワ荘レベル。

 

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 トイレ共同,風呂なし,冷暖房なし,ついでにプライバシーなし。でも夢だけはたっぷり詰まった四畳半から,どんな人々が空を見上げていたんだろうか。

 

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 で,たどり着きました。今日の最終目標,茨城県立青少年会館。

 

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 … の一階にあるこの食堂で昼食,というのがここまで歩いてきた目的でした。図書館を折り返した時点でそう決めておりました。ココリコ食堂です。


 道を挟んで歴史館の向かいにあります。この歴史館通りを毎日通勤に使っているのですが,この春から設置されてるこの看板がずっと気になってました。私はかなり朝が早いのですが,本当に朝7時に開いてます。絶対採算合わないだろうに,その心意気にほだされました。行かねば,と。


 この青少年会館は「ユースホステル」も兼ねてます。今どき利用者があるのかというツっこみはさておき,食堂は絶対に必要な施設であろうに,10年も前に業者が撤退して以来食事は注文弁当になってました。しょせんはお役所仕事です。そこに公募に応じて出店したのがこのココリコ食堂。立派なもんだと褒めてあげたい。

 

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 定食700円で4種類,冷しゃぶを頼んで…… すいません,写真撮る前にがっついてしまった。腹が減っていたんです。野菜たっぷりのヘルシーなご飯でした。彷徨の末にありついた食事,なんていうと有難みも増します。ごちそうさまでした。


 これで本日の予定は終了です。図書館の休館が思わぬ冒険につながりました。思うに,半日図書館で過ごすより得るものがあった。休日の使い方というものを考える良い機会となりました。

 

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 帰途にあったスパリゾートハワイアンズの看板。雨でもへっちゃら。そういえば久しく行ってません。時間ができたらこんなとこもいいなあ。

 

 

 

 

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男子たるものミニカー屋を覗かんでどうする

 

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 備前町をあとにして,泉町の表通りに戻りました。そこでまた発見が。

 

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 ミニカーショップ!  リトルレガードだって。

 

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 泉町2丁目の,ちょうど地下駐車場への降り口の陰になっていて,車で過ぎ行くときには気づかなかった。いったいいつから。


 入ってしまえば必ずハマる。ぐっとこらえて歩み去ろうとしました。でもその時出たんです,私の心の悪魔が。


 いいのかい? 男の子の夢が詰まった店だぜ。そういや欲しいミニカーがあったじゃないか。あんなマイナーなもんあるわけないけど,とりあえず覗かないでどうする。図書館といい立体造形といい,今日は当たりの日だぜ。


 そ,そうだねー♪  …… 悩む間もなかった。すぐ店内へ。

 

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 うわあ。

 

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 すごい。

 

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 とりあえずトミカのコーナーもあるけれど,子供向けのおもちゃ屋ではありません。大きなお友達のためのコレクターズショップ,マニアの店です。


 私はマニアでもコレクターでもありません。でもミニカーの魅力は理解できます。男のロマンです。そう言うと笑う女性も多いけど。


 で,探し物。欲しいミニカーがあると言いました。こういう探し物はすぐには手に入らないのがこれまでの私の人生でしたから,今日も期待はしてません。なんてったって実車のメーカーはいすゞ,車種はビークロス超マイナーいすゞがピアッツァやジェミニのヒットで調子に乗って作った次の乗用車。高価で特異で実用性に乏しい車は大コケしました。3年間の国内販売数1700台というのは当時のカローラ1か月分にも満たないという悲惨さ。当然トミカも発売されず,私の知る限りミニカーはやや大柄のコレクター向けのが1種類あるのみ。

 

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 そうです乗っていたんです。中古で手に入れたものですけど。2年乗って廃車にしました。この車の楽しさは後ほど別の記事で。忘れられないピンクの装甲車。せめてミニカーで手許に残しておきたかったのです。で,

 

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 あった。あっさり。何だこの店は。

 

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 奥の棚がくだんの大判ミニカーのコーナーでした。どういうシリーズなのか,ミニカーの製造メーカーの情報が一切ないのですが,国産車がその元メーカーごとに並べられていて,ちゃんといすゞの棚もあって,ちゃんとビークロスがあったのでした。

 

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 私の乗っていたマゼンタ色はそもそも実車がこの世に十数台しか生まれなかったのですから望むべくもない。でもそれに近いレッドだったので文句はありません。もちろん購入しました。相場は知らないけど十分良心的な価格でしたよ。

 

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 え,遊んじゃダメなんだ。これがコレクター向けということか。…… 私はコレクターにはなれそうもないなあ。

 

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 このお店が入っているビルはたぶん1960年代の建築です。レトロ感がハンパない。奥でもミニカーのガレージセールをやってますというので探検気分で向かいます。

 

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 こんな看板があって

 

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 こんなお店があって。

 

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 さらに退廃感漂う奥に進むと

 

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 ほぼ昭和の駐車場。ああ,水戸の中心部には時間の止まったビルがあった。

 

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 ミニカーの店,リトルレガードさん。シロートが騒ぐのは迷惑だろうけど,コレクターの方はもちろん,それ以外の方にも一見の価値はありますよ。

 


 ふだん車で走り過ぎる道を,たまには歩いてみる。ちょっとした探検気分,そして思わぬ出会いが待ってます。

 

 

 

↓ そこをなんとか。 

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