ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

弥生のさんぽみち

 

 家庭の事情でとにかく忙しかった今年。そういえば「おさんぽ記事」をしばらく上げていませんでした。

 


 ホストとキャバクラとソープ(いきなりですいません)が集中する水戸大工町。そこの交番が改築成って新装オープンです。この街になくてはならぬもの、目の前には黄門さま。

 


 駅の北口真ん前にどーん、黒いモノリス。駅ビルを出た人の眼前に立ちはだかります。そうです私がおさんぽ記事でずっと触れてきた、駅前の視界を圧するカステラの一片を立て置いたような形のマンションです。完成時の外壁が白とはいえ、それが作り出す景観に私は異を唱えてます。…… 実はこれに私が納めた市民税も使われているのだ。

 


 晴れた朝にはより黒々と。水戸市はこれを含めた民間マンション3つに合わせて 58 億円以上の補助金を出しています。いずれも背後に同じ東京のデベロッパーがいます。それを市議会で追及されても市長さんのらりくらり。言われていることが事実なら、何だよT市長おめえ大したことねえなあ。

 


 で、大震災以来壊れたままのこの駅前のからくり時計、こちらはおカネがないから修理しないと市長さん明言しました。マンションには何十億円も出すのに。やっぱり大したことねえぞおめえ。

 


 駅前の壊れ映えビル(ごめんなさい)。水戸で残ってほしい建て物のひとつです。

 


 それも含めて、駅前からの景観が好きなんです。

 


 少しずつ気候が良くなって

 


 ある生垣。ジンチョウゲが芳香を放つ隣でヒサカキが異臭を放っていました。ここの持ち主、何がしたいんだ。

 


 ある日は昼前に帰宅して車で出る用事があるので、朝さんぽの帰路にバスを使いました。車中でふと気になったのが運転席裏の座席、に登るための小さなステップ。なぜか年寄りが座りたがる席ですけど、あのジジババらはそうかこんなものを踏んでよじ登っていたのか。…… イギリスの大学教授が考えた1辺3メートルの極小ハウス、本当に3m×3m×3mのサイズに収まっている家というのがあって、内部は何層ものスキップフロアで構成され、まさにこんなステップで上下移動する造りでした。狭いながらも下からリビング、バスルーム、キッチン、ベッドルームと続き、ひとり静かに暮らすには最低にして十分な家。ワンルームマンションやトレーラーハウスとは一味違うこんな遊び心溢れた隠れ家が欲しいと…… 思う人ばかりではないだろうけど。


↓ 動画があった。これは試作品、今は市販用の完成形もあるようです。

 


 消えかけた路上表示。消えたのはだあれだ。

 

    
 古くから馴染みのせんべい屋が閉店してました。残念、と思ったら働いていた職人さんが店の看板をもらって市内のデパ地下に出店したようで、まあよかった。

 

 恒例のいたずら、保育園児が遊びに来る図書館前の芝に落としどんぐり。ふふふ、この大きく美しいマテバシイのどんぐりの魅力に捕らわれぬ園児はおるまい。

 


 何回かに分けて数十個、みな次に来るときには拾われてなくなっていました。うふふ。

 


 なんてほくそ笑んでいたら、ある日は得体の知れぬ女子高生が半日寝そべっていて、周囲をうろつくわけにもいかずどんぐりを置けませんでした。邪魔すんなよう。

 


 そんなこんなの図書館前は定点観測地点です。3月はまだ空が澄み

 


 おなじみのサトザクラとサンシュユが今年も咲き競っておりました。

 


 ノジスミレ、かな。

 


 南町二丁目では花壇の花も春の陽に映えています。

 


 図書館でゆっくりした日には昼食も街なかで、と思うのですがこれが難しい。裏町の、地元の勤め人が毎日食べに来るような小さく汚い店を開拓したいのですが、そういう店の老店主はたいてい気難しい。入店してもじろりと値踏みされて、常連でなければまだ開店前だよと追い出されたり、座ってもそこはオマエの席じゃないと移動させられたり。水戸の商売人ってそんなのばかりだなあ。

 


 いつも車で通る道を歩いてみると、今でも発見があります。こんなところにお寺があるとは。

 


 古いガレージ。元はタクシー屋さんでしょうか。

 


 銀杏坂のイチョウの木、芽吹きはまだ。

 


 水戸でただ一軒の古本屋さんの店先にかつての市内電車の写真がありました。つい見入ってしまった。

 


 ブリキ男の手にヒヨコが一羽。

 


 南口ペデストリアンデッキの納豆モニュメント。う、う~んボクとはセンスが合わぬけど

 


 まあこれも水戸ってことで。

 


 空が青いなあ。

 


 月末、春の雨が降り出しました。普段から全身防水仕様なので特に慌てることもなく。咲き出したソメイヨシノにしずくがきれいです。

 

          


 その雨の中、廃墟化していたプリンスビル。とうとう取り壊しが決まったようです。

 

            
 以前にも記事にしました。個人商店が隆盛を極めた水戸の街の象徴です。儲けの大きかったメガネ屋さんが建てた7階建てのビル。最上階にはプラネタリウムと天体望遠鏡のドームがあって、プラネタリウムには数えきれぬほど通いました。バブルが弾け、さらにメガネ量販店が水戸に進出して客を奪い、この店を維持できなくなりました。

 


 建て物は転売を繰り返されてもはや持ち主も定かではなく、崩壊するにまかされました。固定資産税はずっと滞納され、市が 4500 万円もかけて強制代執行してようやく決着したようです。隣の土地と合わせてマンションが建つとやら。ちなみにここも冒頭に書いた補助金の対象で、代執行の費用も含めて税金が使われちゃうんです。納得いかんけど、水戸の表通りにこの廃墟が立ち続けるよりはいいのかなあ。

 

        
 学校帰りにプラネタリウムで見たあの数々の星々を忘れません。またひとつ、何かが失われます。

 


 路傍に打ち捨てられて、それでも毎年花を咲かせているこのヒヤシンス。結局残るのは天然自然に生きるものです。それを追認するのもこのさんぽの目的なのかな。

 


↓ 壊れ映え。

↓ 落としどんぐり。

↓ 水戸の商売人。

↓ 水浜電車。

なぞのむしむし

 

      【虫回】です。苦手な方は白線までお下がりください。

 

 

 何を隠そうこのワタシ、生まれた直後にスキップしながら「天上天下虫が独尊」と言い放ったそうな。以来ずっと虫好きで生きてきました。虫なら何でも知っている、くらいの独尊ぶりです。

 

       
 虫好きの常として、昆虫図鑑が大好きでした。何が、と問われると答に窮しますが、図鑑の絵や写真と実物を照らし合わせる「絵合わせ」が楽しく、そして種名が判明した時のあの自分の世界が広がったような感覚がクセになるあたりでしょうか。


 ただその実、詳しいのはチョウ・ガ、コウチュウ、ハチ・アリといったメジャーどころばかり。時におのれの無知を思い知らされます。それに名を知っていても、やはりその生態は謎だらけ。何考えてるんだかわかんないやつが予想もしなかった行動をする。それが面白い。昆虫は数も種類も多く、知らないことだらけです。絵合わせで名を知る。観察で生態を知る。知らなかったことを知る、これに勝る楽しみはありません。

 


 1月半ばの颶風ぐふう吹きすさぶ日、向かいの空き地「エノコロ原」から、特に強いびょうというひと吹きと共に何かが飛んできて靴先にぽこんとヒットしました。風に飛ばされたにしては重い質感、はて何だと見ればこのツチイナゴでした。生きてます。この成虫の姿で越冬します。ぐぐぐ、とか言ってそうな顔してますからそれなりに痛かったんでしょう。子どもにも軽く捕まってしまうドンくさい大型バッタです。

 


 春4月初めの「水の森」。氷も融けて、滝の傍らは滴る水と萌え出でたコケの緑が光の音楽を奏でます。しかし周囲はその美しい光に似つかわしくないわんわんという羽音に満たされています。はて何だ。

 


 こいつの群れ飛ぶ羽音でした。ビロウドツリアブ。年に一度この季節にだけ現れる春の毛玉、空飛ぶもふもふ。何のために集まっていたのかは謎のまま。

 


 簡易温室に、かつてはサボテンの類、今は野菜の苗が育てられてます。毎年、裏側のガラス面にコアシナガバチが巣を作ります。家の外壁との間は数センチ、天敵のスズメバチが侵入できない狭い空間は理想的な立地で、ここの巣は秋まで生き残ります。でも今年は

 

          
                  巣が3つ。

 

                 

    

 それぞれの創設女王。土台に毛が生えたような粗末な巣を作り、最初の数匹の働き蜂をたったひとりで育てます。毒針も持っていますが、いちいち敵に突っかかるような危険を冒す愚はいたしません。覗かれようが揺らされようがひたすら耐える。同種の隣人同士、今は仲よくやってるように見えますが …… たぶん働き蜂が増えたら = 軍備が整ったら戦争が始まると思います。平和に共存なんてできるほど、自然界は甘くない。

 


 キクスイカミキリあらわる。今年もまた、と言わせてください。我が家の小菊の大害虫。

 


 昨年徹底して駆除したのが功を奏したか、今年は3匹だけでした。油断はならないけど。

 


 水の森にて、高さ5センチほどの儚い下草オオバタネツケバナの枝を歩く、赤と黒の人面模様がありました。アフリカの戦士の盾にも見えます。ナガメというカメムシです。漢字で菜亀。ナノハナ畑にごく普通の、アブラナ科植物を好むカメムシで、暮らす環境も明るく乾いた場所を好むのかと思っていたら、暗い湿潤の森にいたのが驚きでした。

 


 足早に逃げるヒメマイマイカブリ。これも水の森では初めて見ました。エサのカタツムリがいればどこでもいいのか。

 


 カタツムリは虫か。漢字だと「蝸牛」で虫へんなので虫です。これはヒダリマキマイマイ。左巻きの巻貝は珍しいのですが、茨城ではよく見かけます。

 


 珍種の昆虫を求めて森に潜ることもありますが、なじみの虫たちとの出会いはこんな風にいつも偶然。だからいつもなにかしらの驚きがあって、それは楽しく嬉しいものです。

 


 さてしかし、詳しいはずのコウチュウにさえ惑うことがあります。さんぽの途上で見つけたこりゃ何だ。私のアーカイブにこんなのはいません。すいません誰かこいつに覚えはありませんか。私は羽化直後のナナホシかナミテントウの、まだ体が固まってないやつかと思うのですが。

※ ご指摘いただきました。オオアカマルノミハムシのようです。テントウじゃなかった。

 


 トンボにも惑いました。先の「水の森」にて見つけた今年の初トンボ。その時はサナエトンボの仲間かな、なんて軽い気持ちでシャッターを切りましたが、絵合わせで種名がわかりません。ようやくシオヤトンボの未成熟オス、もしくはメスだと判明しました。いいかげんな図鑑では成熟オスの写真しかないので時間を食いました。ああこんな普通種にすら惑うとは。

 


 3月半ばのさんぽにて。咲くヒサカキのその常緑の葉上にびっしりと小バエ。なんだなんだコレはなんだ。

 


 昆虫が冬を集まって過ごすというのはよくある話で、集団越冬と言います。しかしハエでは聞いたことがありませんでした。ハエ・カの仲間「双翅目そうしもく」なのは間違いありません。国内だけで1万種に達すると言われるこの類、以前なら種名を調べるなんて徒労は考えもしなかったのですが …… ふっふっふ、今の私には双翅目に関して、優秀なアーカイブが外部メモリーにあるのです。

 

    
      これ! 文一総合出版「ハエ ハンドブック」!


 「須黒達巳 写真」にご注目ください。そうですいつぞや「ハエトリグモ ハンドブック」でご紹介した御仁です。筑波大を出ていながら定職に就かず全国を巡り、日本産ハエトリグモ全種を写真に収めた剛の者、私の考えるナチュラリストの要件をすべて備えた野の神さまみたいな人です。どうやらハエトリグモとその獲物であるハエが同じ視野にあるらしい。今はめでたくも理科教師という天職を得たそうですが、こういう方こそ「昆虫写真家」として名を成してほしいと心から思います。さあヒサカキのハエを絵合わせだ。


 で、あっさりと種名の見当がついてしまいました。須黒写真恐るべし。この集団越冬する小バエ、キモグリバエ科です。そんな分類群があることすら知らなかった。しかもヤマギシモリノキモグリバエという種と写真がほぼ一致しました。ただし「ハンドブック」にはその科に属する一部の種しか掲載されていないので、よく似た別種かも知れません。でもとにかく、この三千世界にキモグリバエという一群の生物がいるという知識が、引き出しが増えました。私の認識する世界が広がりました。あああなんてステキなことなんだろう。

 

   


 さんぽで見かけたハエトリグモも須黒写真ですぐ種が判明しました。マミジロハエトリだって。須黒さんの他の著作、本屋で探すのですが置いてありません。これは通販を使ってでも入手する価値がありそうです。

 


 最初に申しましたが、昆虫を知ったかぶりする割に実は知らないことが多い。無知を恥じると共に、残りの人生に未知の虫を知る楽しみを残してくれた神さまに感謝しています。そして先日、まさにそれを地で行く経験をしました。

 

 庭でキクスイカミキリを駆除していた時のこと。菊の葉上にスイカの種より小さい黒点を見つけました。

 


           虫だ。…… しかしこれは何だ。

 


 離れた複眼、固く締まったツヤのある前翅、不活発な動き。あああ何だこれは。チョウの仲間とかトンボの仲間とかいうような目もくレベルの見当もつかない。この世にはまだこういうものがいるんだ。さあ名前を調べるぞと思うこの時の心の高揚を、残さずお伝えする言葉が出ないもどかしさよ。

 


 観察するうちにいくつかのポイントに気付きました。背にある三角形の部位は「小楯板しょうじゅんばん」という半翅目(はんしもく、セミ・カメムシの仲間)独特の構造ではないか。そして葉の裏にあったこの脱皮殻はセミのそれそっくり。こいつが蛹にならない「不完全変態」の類であることも判明です。よし図鑑で絵合わせだ。


 これも膨大な種類のある一群ですから種名まではわかりませんでしたが、分類群は特定できました。半翅目に属する、その名も不適切な「メクラカメムシ」もしくは「ハナカメムシ」の仲間です。興味深い一群で、同じ科でも肉食のものと草食のものが混在していて、姿形も生態も多様というかバラバラ。かと思うと異なる科にそっくりのヤツがいたりする。私の知らない所にまだこういう虫たちが息づいていたという事実も、驚きと共に感動すら覚えます。まあもっと驚くべきは、こんな虫たちを専門に研究する人がちゃんといるということです。あああ世界は驚きに満ちている。

 

 


 面白いものです。これまでの人生で一度も目にしたことのない虫だったのに、数日後に訪れた「水の森」で同族が視野に現れました。模様も違うし取り付いていた植物もアブラナ科のコンロンソウだったので、たぶん別種です。でも基本形がそっくり。その「かたち」が「見える」ようになっていました。

 


 これはつまり、私の脳の視覚野にこの虫の「かたち」が登録されたのだと思います。それまで視野でスルーされていた「かたち」に反応できるようになったということです。これまでも「生物屋の眼」と称してご紹介してきた条件反射、私は冬虫夏草の探索でさんざん経験してきました。そうです「見える」ようになるまでが大変なんです。カメムシタケでもヤンマタケでも最初の一個体を見つけるまで多大な日々を費やしましたが、今なら視野にあればだいたい気付くことができます。今回のこの虫の件も、私にはフィールド屋/ナチュラリストとして新たな武装を手にしたも同然のレベルアップです。そういうことなんだってば。

 


 ここまで読んでくださった読者さま、皆さまもそういう分野をお持ちではありませんか。何かに集中して取り組んだ結果として身についたもの。野球を経験した方ならピッチャーの手を離れた瞬間に球筋がわかるとか、パチンコをよくなさる方なら盤面の釘を読むとか。それが私ではフィールドで生物を見つける「 眼 」なんです。人生を豊かにするという意味では何ら違いはありません。

 


 ともにこの世で知る・わかる・見つける喜びを分かちあえればと思います、なんてね。

 

 

↓ 昨年のキクスイカミキリ。

↓ 創設女王の過酷さ。

↓ ハエトリグモ ハンドブック。

↓ ヤンマタケが見えた。

↓ なぜか大量アクセスのある虫記事です。

仮聖地の置きメノウ

 

※ このブログのメノウ記事を読んだ時点で、あなたはもうメノウ教信徒であります。

 たとえ久慈川が遠かろうとも、です。くふふふ。

 


 ことの経緯を説明させて下さい。あ、古参の皆さまにはよくご存じのあたりです。


 2018 年に久慈川でメノウを拾う記事を書いたところ大きな反響があり、コメントで拾える場所を尋ねられたので一例として富岡橋の河原を上げました。すると多くの方がこの地を訪れるようになり、YouTube で具体的な道順を紹介する人まで現れてこの地のメノウはたちまち枯渇しました。そこで一計、久慈川メノウ教という冗談をでっち上げ、富岡橋の河原を聖地と称し、最初はわらしべイベント、のちにお供物と呼んで「置きメノウ」をいたすようになりました。

 


 富岡橋。今となっては懐かしいのう。

 


 少し掘ってメノウを置いて

 


 わざとらしい石組に隠す

 


 共鳴してくれた同好の士にも同じことをしてくれる方々が現れて、このイベントはうまく機能し始めました。多くのメノウ愛好者が手ぶらで帰ることなく、茨城に、久慈川によい思いを抱いてくれたと思います。あの日までは。

 

    
 突然の聖地封鎖。当初は半年ほどの堤防工事だったはずなのですが、その工事がなし崩しに遅延することでじつに1年半、富岡橋の河原に出られないことになりました。どうする久慈川メノウ教。

 


 で、聖地の一時変更をすることにしました。場所はここ、常陸大宮市、道の駅「かわプラザ」の河原です。

 


 お声がけに4人の信徒が来てくれました。久慈川メノウ教大神官 の位を授与させていただきます。県内からお一人、栃木県からお二人、東京からお一人。それぞれにお忙しくあるだろうに、本当にかたじけなく思います。諸事情で来られない他の信徒を代表してのご来会です。ありがたや。

 


 さっそくのお約束、お目に留まったものを選んでいただきました。海メノウから沢の巨大玉髄まであって、でもごめんなさい要するに「私のいらないもの」なんです。せめてもの誠意、時間をかけて磨いたものやブログでご紹介したぶつぶつ仏頭、美しい蛍光を放つ玉髄なんかもお持ちしました。それぞれにお好みの違いがあって選ぶものもそれぞれ。人の個性を見せていただくのは、失礼だけど楽しいのです。

 


 せっかく来ていただいたので福音もうひとつ。ご自分のお守り石を一個お選びください …… 昔、高校生のイベントで喜ばれたものです。いいことがありますように。


 さあそれでは本日の本題、置きメノウ。大神官の皆さま(設定継続中)にお願いしたのは、周囲の人に気取られないことです。もう連休が始まってることとて、河原は人がいっぱい。中には明らかにメノウ探しをしている人も。その中で、ああメノウってあるのかなあ、おおこれかいや違った、なんて演技しながら置き、隠すのです。拾うふりしてじつは置く。

 


 こんな感じで。再現演技ありがとうございます。

 


 演じてる演じてる。

 


 どうですこの完璧な演技。

 


 たぶん一般人の皆さまに気付かれることはなかったでしょう。


 置きメノウは完了しました。この記事を読む信徒の皆さま、かわプラザの河原には現時点で少なくとも 40 個のメノウがございます。他の方に配慮しつつどうぞ。代わりのメノウを置く「わらしべイベント」も大歓迎です。売店、レストラン、遊具、連休中はワゴン販売の軽食もあって、ご家族連れでものんびり楽しめる場所です。遠方の方には本当に申し訳ありませんが、茨城県観光への協力の意味合いも含めて。


 以後もこの地には、個人的にちょぼちょぼと置いていきます。秋口になり「神奉地」の水門が開いて河原が出現したら、改めて大々的に置きメノウすべくお声がけさせていただきますので、どうかまたご協力を。

 


 薫風が吹き八重桜が散る中での楽しい集まりになりました。参加の皆さま、ありがとうございました。

 


↓ 神奉地。こんな思惑外れもありました。

↓ 最後の富岡橋。

4月の王国

 

 4月の王国。花々が性急に、そして生存本能むき出しに活動を始めました。

 


 ヘビイチゴ。地を覆い尽くすように葉を広げて無数の花を咲かせます。もちろんボクを喜ばせる赤い実をつけるためです。

 


 庭の一隅、人呼んで三角地帯。ヘビイチゴとユキノシタとアマドコロとオトギリソウが覇を競うというか足を蹴り合っている抗争の地です。近年ユキノシタが優勢。赤いアントシアン色素の濃い実験用の系統で、まあ鮮やか。

 


 低層でいがみ合うヘビイチゴとユキノシタを尻目に一気に伸び上がるアマドコロ

 


 たちまち開花です。

 


 はてオトギリソウはどこ行った、と見れば数メートル離れた小屋の下に進出してる株がありました。そういえばこいつ、山から我が家に、私に取りついて運ばれてきたのでした。どんな種子なのかまじまじと見たことはないけれど、分布拡大能力はかなりのものです。逞しいなあ。

 


 三角地帯ではヘビイチゴとユキノシタが花茎で殴り合ってます。限りある資源を奪い合う関係なので仲良くしろとは言いづらいけど、私はどちらも大好きです。

 


 オキナグサはまた株が大きくなってます。

 


 茨城ではほぼ野生絶滅状態。強い繁殖力を持っていますが、それをヒトの採集圧が凌駕しました。

 


 チューリップ。春の花壇、何はなくともチューリップ。

 


 ペチコートスイセンと小さなハナバチが、ともに春を喜びます。

 

 世の人々は雑草というけれど


 私に見つかれば駆除されるカタバミですが、最近は知恵を付けてジャノヒゲの影に葉を広げます。この葉隠れの術はうまくいくのですけど、悲しいかな花をつけずにはいられない。そして見つかってしまうのです。切ないなあ。

 


 隠れるといえばこれ、セイヨウタンポポ。やっぱり花で見つかってしまいます。

 


 これも巧妙、スイセンの葉に紛れるタンポポ。危うく騙されるところでした。

 


 数日で花芽をつけます。とにかく庭で繁殖が始まると厄介なんです。

 


 家の北側は狭く寒く日当たりは悪く、そこに芽生えてしまったこのアメリカフウロはすでに命運尽きています。ちょっとだけ同情。

 


 ミツバアケビ。つる植物のこの狂おしいまでに空を希求する心よ。

 


 それを利用して、今年もグリーンカーテンに這わせます。

 


 ニッコウキスゲことゼンテイカ。いよいよ株は大きくなり …… あれ?変なところに花芽が。

 


 なんと株元で咲き始めました。まだ4月なのに。時期も花の位置もぜんぶおかしい。

 


 昨年うちの老母に葉ごと切られたのがこたえたのでしょうか、変な形質が現れました。

 


 ちゃんと普通の花茎も出していて、こちらは正常な花期に開くでしょう。要するに長きにわたってこの美花を愛でることができるというわけで、まあ結果オーライとしておきます。じっくりと腰を据えて写真も撮りましょう。野生の水戸産のゼンテイカ、貴重です。

 

 花の移ろいが性急すぎて、記事が追いつきません。また近いうちに庭の様子をご紹介します。春の花々に想うことが多すぎるのも記事が遅れる理由です。我が王国よ。

 

 

 いま有料老人ホームに入っている父は病状が進み、あと数か月のうちにお呼びがかかります。当初は家に帰りたいと繰り返し言っていました。きっと私も病院か施設かで、この庭を懐かしむことになるのでしょうね。

 

 

光は踊る

 

「直通ひたみち」…… 土地が平らでどこまでも歩いて行ける、の意です。字は常道、常陸と変化しそれがこの地の旧国名になりました。天地の恵み豊かな誰もが幸せになれる常世の國、と風土記に書かれています。このブログは、その常陸の國の自然から、私が美しいと思ったものをご紹介することをなりわいとしています。えーそうだったんだー。

 


 さて、春の嵐に沸き立った海。金銭にならずとも、心を豊かにすべく拾いものをいたす私でございます。求めるものは光。手にしたものから、少しでも皆さまの心に残るような光をご覧いただければと存じます。おおっという写真があったら評価してね。

 


 茨城の海岸ではこんな大きな玉髄のかけらも拾えます。ただ海岸メノウの宿命として表面は打撃痕でガジガジ。機械できれいに磨かないと被写体になりません。そっと海に返します。

 


 この数か月で拾ったもの。選りすぐりのきれいどころ。

 


 ジャスパー・赤玉髄系。まずは右下の大き目の赤メノウにご注目。

 


 海岸でひと目見ておおおっとか声をあげてしまった。これだけの大きさと色は滅多にありません。どう見ても玉川系ですけど、ここまで流されてきたにしてはサイズが大きすぎます。どこから。

 


 透過光で写せばもう期待通りでした。

 


 次のこれ、実は晶洞が面白く削れたものです。機械で磨けばおカネを取れるレベルの石になるでしょう。やらないけど。

 


 私にはこれで充分。

 


 こちらもすでに海岸で小石の中から強い赤光しゃっこうを放ってました。


 十文字模様のクラック(ひび)がよいポイントになってます。

 


 透明系の玉髄も面白い景色を見せてくれます。

 


 ジャスパー系。単純に赤いもの以外にも、さまざまな個性を見せてくれます。

 


 「青の渚」系ほか。いわゆる黒瑪瑙が中心ですけど

 


 これは以前にご紹介した塗装工場の廃棄物、石ではありません。でもあの美しい光をまとったシーグラスが廃棄物であるように、波と風の巧の技を得て、これもまた自然が造形した宝玉です。

 


 こちらは石灰岩。メノウより柔らかいので磨いてみました。開いた穴はある種の貝がすみかとして開けたもの。どうやらこれはしばらく海岸の岩場にあって、生きものたちの棲家になっていた岩塊の一部です。

 


 白いのは元は貝殻かサンゴ、だいぶ変形してますが生物由来です。石そのものが生物。穴を開けたのものちの世の生物。この石の景色は生物によって二重に創られているんです。うまく説明できないけど、ちょっと感動。

 


 白い被膜をまとった黒メノウは、海岸では青い光を、透過光ではさらに複雑な光の饗宴を見せてくれます。撮り方を工夫しながらシャッターを押します。

 


 さあしかし、私が好きなのはこのさざれ石大のメノウたち。久しぶりに接写レンズで挑んでみました。

 

 

 

 

 


 3センチの赤いジャスパーに長さ3ミリの晶洞。ジャスパーがメノウの一種である証拠です。

 

 

 


 青い仏頭の奧の奥に、そっと覗く晶洞。

 


 幅2センチながらいちばん強い蛍光を出したメノウの小粒。


 しかも側面には埴輪の目のような晶洞。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 異界の文字が跳ね踊るような、実はこれが打撃痕。この石の長き苦難を語ります。

 


 ああ撮ってて楽しかった。カメラの力を使い切って美しい光を切り留めることができたとき、ダンジョンの奥で宝物を得たような満足を感じます。冒険は心の中にもあるんです。


 こんな写真を「ジノらしい」と評してくださる読者さまもいることとて、少し趣味に走りました。日々こんな絵を求めて広大な茨城の天地を歩く名も無きナチュラリストです。少しでも皆さまの興趣をお誘いできたなら幸いです。

 

 

 

↓ カテゴリー「青の渚」でわりと読まれている記事です。なんでかな。

栄一ゾーンに突入す

 

 はーい1分で読み終わる記事ですよー。ウソですよー。

 


 ついにと言うかとうとうと言うか、栄一ゾーンに突入いたしました。

 


 現金主義者なのは以前の記事でお話しした通りです。ではその日々必要な現金をどう調達しているか。実は数か月に1回、銀行で少しまとまった(といっても十万円単位)のお金を下ろしています。万札のそれを書斎の妖精さんが守る魔法の宝箱に収めて、毎月一日に一か月分と決めた枚数を召喚して秘密の封筒に入れ、そこから使った分だけ1枚ずつ家宝の財布に補給します。え? 下ろしたおカネをぱーっと使ってしまわないかって? 世の中にはそういうかっこいい男性も多いとは伺っておりますが、これは超ビンボー時代に身に付けた節約術なのでこれまで破綻したことはありません。

 


 さあそこで諭吉さんと栄一さんです。この田舎で銀行からおカネを下ろすと、いまだに諭吉さんが大勢を占めてきます。ぐぬぬ、諭吉に恨みはないけど恨めしいぞ。何となくこの両者は混ぜて使いたくありません。で、B型らしからぬ厳正さとB型らしい奇妙なこだわりを発揮するワタシ。入手した万札を諭吉と栄一に分け、まず諭吉さんから先に使おうと心に決めました。ちまちま使い続けて数か月、この4月に固定資産税の支払い(もちろん潔く現金一括払い)に使うことで、手持ちの諭吉さんの一掃が完了しました。ばんざーい。


 笑っていいのよ。こういう人間なのだ。

 


 最後に残った諭吉さんはピン札でした。誰かの話で、結婚祝いにお渡しするのにお妾さんのいた栄一はふさわしくない、なんて聞いたんです。当初は真に受けてご祝儀用に折り目のない諭吉を残した、それが諭吉ゾーンの最後に来たのでした。もちろん馬鹿馬鹿しい言いがかりだと気付いたので使っちゃいます。いろんなこと思いつく人がいるもんだ。

 


 皆さんはどんな家計管理をしておられますか。ある女性の話。その人はお給料が出るとその額をいったん現金で引き出します。封筒がいくつもあって、これは光熱費、これは食費、これはお家賃 …… というように小分けにして封筒に入れ、余った金額が外食や被服用の封筒に入るのだそうです。もちろん家計簿もつけてます。うわあ目の前にこんな娘いたらホれてしまうぞ。若い人ですから当然キャッシュレスも使っていて、それはガス代や電話代と一緒に手元の現金からキャッシュレス専用口座に入金するんだって。ううむいよいよお嫁さんにしたい。← こら。

 


 そんな個人的記録の記事でした。お付き合いありがとうございます。

 

 


 ちなみに旧来のお札にあったニ・ホ・ンの三文字、渋沢一万札ではまだ探していません。あるかな、どこかな。ふふふ。

 

 


↓ 時代にあらがう。

 

 

4月16 日、御岩神社の花

 

 悩める皆さま、GWはぜひ御岩神社にお参りを。

 いきなりなんだと言われそうですが、はい、自称御岩神社の広報担当なもので。あくまでも自称よ。なんせ今年に入って今ごろ、初めてのお参りに行く程度の信仰心ですから。ああ不敬だ。


 3月初めのオウレン、4月初めのショウジョウバカマ、そこから長くシャクナゲ類が咲き、5月に入ればコミヤマスミレ、シャガ。少し遅れてクマガイソウ。これでもかと言わんばかりの光の奔流、ここは花の神域であります。ただこの4月半ばというのは微妙な端境期で、さて何が出るかな。

 

   
 今年は4月 18 ・ 19 日が春の回向祭、大日如来坐像の御開帳があります …… って明日ですね、ごめんなさい。お堂の壁画も含めて、まさに眼福のお姿です。秋の回向祭とお正月にも御開帳されますので、ぜひ一度はご覧ください。

 


 第一駐車場のキササゲと桜のコラボ。

 


 足洗い場のクリンソウはまだつぼみ。このクリンソウにせよ桜にせよ、冷たい谷風の吹き降ろすここは外界より花期が少し遅れます。

 


 鳥居下にさっそくアズマシャクナゲ

 


 コケの中の仏さま、いつの間にか3体に増えてました。

 


 一面の苔庭のそちこちにタチツボスミレ。管理の行き届いたここでは、いずれも小さく控えめな株です。

 


 コミヤマスミレはつぼみをもたげてます。開花まであと少し。

 


 山門の仁王さま。

 


 アオキの実は今がいちばん美しい。

 


 ヤマブキとアオキとアズマシャクナゲの競演。

 


 龍木の上にもコケの花。

 


 好きな赤い実、ヤブコウジ

 


 雨が多かったのでコケの緑も鮮やかさを増してます。

 


 ほぼキャベツ状態のミズバショウ

 


 植栽のイカリソウ各種。

 


 「緑陰の小径」に入り、ショウジョウバカマはほぼ実になってましたがひと株だけ花がありました。

 


 オウレンはすっかり実に。

 


 緑陰の仏。

 


 ミミガタテンナンショウ

 


 お不動さま。

 

   
 クマガイソウは芽を伸ばしたばかり。花期は5月半ばです。

 


 さあいよいよ本殿が近づき、シャクナゲ類の樹叢に入ります。

 


 まず咲くのがこのアズマシャクナゲ。これ自体花期が長い上に、ここにはホンシャクナゲほか数種の同類が植えてあって、GW後までピンクの花園が続きます。

 


 新本殿が今の本殿の裏手に建設中です。どんな壮麗な社になるのでしょう。

 


 はかなきものを愛でる心には、8月のタマアジサイまで楽しみが続きます。御岩神社、今年は何度詣でることになるのかな。

 

 


↓ 個人的にはコミヤマスミレ。

↓ それとクマガイソウ。

↓ 花盛り。