前の冬に,うちの庭の赤い実が全滅しました。ええ,すべて鳥のフンになったんです。 隣家が餌付けをしているようで,スズメやヒヨドリの姿が目に付くようになってはいたのですが,いつの間にかムクドリやドバトまで家の周りに群れています。収穫を楽しみにしているブルーベリーが昨年あたりからやられてます。なぜかコムラサキシキブやラズベリーには手を出してきません。そして12月になると庭の赤い実が標的になり始めます。
驚いたのは昨冬,クチナシの実がやられました。この不細工な実をまさか鳥が食うとは思ってませんでした。続いてナンテンがやられセンリョウがやられマンリョウがやられ,1月には赤い実がすべて消え去りました。ついでに言うと,うちの庭で平和な王国を築いていたカナヘビたちまでもが夏のうちにいなくなってしまいました。一度,ムクドリに連れ去られるのを目撃してます。
だから鳥ってキライだよ。
で,今冬。真っ先にまたクチナシがやられているのを発見しました。味を占めた,というわけね。
カスミ網かますぞゴラア。
何より私が,赤い実,大好きなんです。食うんじゃなくて,真冬の枯野に生命の色彩を振りまき続ける赤い実を見るのが大好きなんです。鳥ぶんざいに食わせるためじゃあない。
……わかってます。生物学的には鳥に食べられるのが正しい。そのための赤い実です。人が鑑賞するためじゃない。実は食われても種は鳥の消化管をくぐり抜け,フンとともに親木から離れた新天地に芽生えるのです。赤い実と鳥の正しい関係。……ええい,やかましい。私の庭の私の赤い実だ。所有権は私だ。
不公平にも鳥畜生は法律で守られているので手を出せません。せめては赤い実がまだ無事なうちに,写真に残しておこうと思い立ちました。
ヒヨドリ先輩,狙ってます。
スズメ隊の皆さんは,私が視界から消えるのを待ってます。
ヒマラヤユキノシタが盛りです。でろんとだらしなく広げた葉が好きではありません。親が植えたものなので文句は言えません。でも思いがけなく,花はキレイです。
で,クチナシの実。うちではタクアンやキントンの色付けに使います。食べたらどんな味か知りませんが,人が食ったという話を聞きませんので,多分うまいものではないんでしょう。で,これが
ばくれつしてます。どの鳥が犯人なのかわかりません。上の写真のまだ無事な実は,ウメモドキの枝と錯綜して鳥が入り込めないところに残っていました。
ちなみにこのウメモドキなんですが,じつは鳥の落とし物から生えました。ご近所の庭に立派な木があるので,そこから連れてこられたのでしょう。どうしよう,鳥が役に立っている。日陰なのに驚くほどの成長速度でクチナシを越えてきました。枝が錯綜しているところ,クチナシのほうを切っちゃっおっと。ウメモドキもうちの庭に欲しかったものです。鳥さんありがとう♪ ← 無節操
クサボケの季節外れに付いた果実と,さらに狂い咲きしている花。狂い咲きの多い花です。枝にはもうびっしりと早春に咲く花芽が。直径2ミリありませんが,春を待ちわびるエネルギーではち切れそうです。
咲くぞ!咲くぞ!という気合が,私には聞こえます。
マンリョウ。昨冬に実を食い尽くされた先代はほどなく枯れてしまいましたが,アオキの陰に元気そうなのが生えてました。ちょうどアオキが隠れ蓑になり,上空からの鳥の視界に入らないようです。
センリョウ。鳥にすら不味いと思われているのか,優先順位は低いようでまだ残ってます。
ナンテン。スズメにはちと粒が大きすぎるような。ヒヨドリあたりでしょうか。もう大分食われてます。咳止めの薬になるそうで,鳥さんもこれでさえずりの準備をするのでしょう。郡上八幡というところでは,このナンテンの実を杉玉のように丸く飾った「南天玉」というものを作るそうです。ネットで見かけてその美しさに息を飲みました。人様の写真で恐縮ですが ↓
自分の庭にマニアックな植物を植えて,花を愛でたり蝶を育てたりしてみたい。ささやかな夢ですが,実現するのに20年かかりました。もし今回のような記事が多少とも庭自慢に聞こえるようでしたら,どうかそのあたりでお許しください。アパート暮らしをしながら,こんな記事を書くことをずっとずっと夢見てたんです。