ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

どこか遠くの神さまが

 

 今日いつものフィールドに出かけたら,湧き水のところで何か作業している男性がいました。ワイシャツの上に作業服,職員の方とは想像がつきました。


 挨拶して聞いてみると,ここはサンショウウウオの産卵場所なのだとか。他所では卵嚢や幼生を見ましたが,へえ,ここも。

 

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             卵嚢です

 

 その職員さんが言うには,周辺何か所かで見つけた卵嚢を保護しては,孵化させて放しているのだと。 ……この人が守っていてくれたのか。

 

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          産卵に来たメス

 

 保護団体の意見を聞いたり,セミナーに参加して調査法や保護の方法を勉強したり。ちゃんと知識をお持ちでした。この人,本物だ。


 さらに聞くと,サンショウウオ以外でも,キキョウなどの草原性植物を守るための草刈りもこの人が関わっているらしい。えええっ。


 私がここでキキョウオミナエシジュウニヒトエエビヅルオケラキンポウゲスズランクルマアザミセンボンヤリツノトンボクロアナバチトウキョウサンショウウオを見ることができるのはこの人のおかげなのか。


 草刈りや水場の維持がきちんと計画的に成されているのは知ってました。現場で刈払い機で作業しているおじさんたちも知ってます。でもそれをつかさどっているのは誰なのか。なんとなく,どこか遠いところにいる神さまがやってくれてるんだと思ってました。まさか人であったとは。


 本当はそのお仕事の成果を詳しくお知らせしたいのだけど,例えばサンショウウオも,産み付けられた卵嚢が無くなったと思ったらネットオークションに「〇〇のサンショウウオ」と称するものが出品されていたことがあったりして,やはりこの世にはこのテの人がいることを前提にしなければなりません。これからも「いつものフィールド」として,場所はぼかしながら紹介させていただきます。


 とまれ,お会いできてよかった。ここの生き物を守ってくれている人がいる。それが知れただけでも今日の収穫です。本当に感謝しています。


 名刺交換してわかったのだけど,私の勤め先とも縁のある方でした。世の中繋がっているんだなあ。

 

 私がここで毎年会えることを楽しみにしているものを列挙しておきます。私なりのお礼として。私は本当にここが大好きです。

 

 アキノキリンソウf:id:xjino:20180214203304j:plain


 アマドコロf:id:xjino:20180214203353j:plain

 

 ウツボグサf:id:xjino:20180214203411j:plain


 エビヅルf:id:xjino:20180214203457j:plain

 

 オケラf:id:xjino:20180214203534j:plain


 オミナエシf:id:xjino:20180214203603j:plain


 カセンソウf:id:xjino:20180214203644j:plain


 キキョウf:id:xjino:20180214203722j:plain


 キンシバイf:id:xjino:20180214203743j:plain

 

 キンポウゲf:id:xjino:20180214203814j:plain

 

 クルマアザミf:id:xjino:20180214203840j:plain

 

 コマユミf:id:xjino:20180214203904j:plain

 

 ジュウニヒトエf:id:xjino:20180214203928j:plain


 スズラン

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 センブリf:id:xjino:20180214204037j:plain


 センボンヤリf:id:xjino:20180214204056j:plain


 ナワシロイチゴf:id:xjino:20180214204125j:plain

 

 ニガナf:id:xjino:20180214204155j:plain


 ヤマツツジf:id:xjino:20180214204208j:plain

 

 ヤマユリf:id:xjino:20180214204233j:plain

 

 ヤマラッキョウf:id:xjino:20180214204250j:plain


 リンドウf:id:xjino:20180214204408j:plain


 そして……


 トウキョウサンショウウオf:id:xjino:20180214204436j:plain

 

 守り手とは,いつも密やかなものです。声を上げることもなく。功を誇ることもなく。この世が何とか保たれているのは,きっとこの世のあちこちに,そんな人がいてくれるからなのでしょう。それはやはり,どこか遠くにいる神さまなのだと思います。言葉そのままに。

 

 

 

 

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