ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

御岩神社:パワースポット,ショウジョウバカマ,イワウチワ

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 満を持して,御岩神社をレポートさせていただきます。とはいえ,公式なことは神社のホームページ http://www.oiwajinja.jp/

を見ていただければいいし,「御岩神社」で検索すればいろいろなお話が飛び出します。私は私なりの,2018年3月31日のレポートを。長いです。おヒマなときにどうぞ。あと,文中オカルト的な表現があります。わかってて書いてますが,そういうのが不快な方は無理なさらずに。

 

長いので目次を。 

 

 

常陸国風土記

 奈良時代初期の721年に成立した常陸国風土記ひたちのくにふどきは,5つしか現存しない風土記の一つです。深く漢文の素養を持つ人物が朝廷への報告書として編纂した古代茨城の地誌で,文学としても高い価値を持ちます。そのうちの久慈郡の段。天から降った恐るべき祟り神がおられて,里の人々を苦しめた。そこで朝廷から遣わされた大連おおむらじが山上に移るよう奏し,神は賀毗禮かびれの高峰へとお移りになられた,と。この山が今の御岩山で,山そのものがご神体,それをお祀りする御岩神社おいわじんじゃが山の西側の山麓,奥深い谷間にあります。

 


 常陸国風土記は,茨城の皆さん,講談社学術文庫で読めますよ。意外に面白いです。「常陸」の名の由来,他国の人に説明できたらかっこいいです。


ミズバショウ

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 神社の人の植栽です。でも一般の参拝者の皆さんは一様に喜んでおられます。こういうのって大事なんだろうなあ。個人的にはその傍らに立つキササゲの木が気になるんですけど。

f:id:xjino:20180401230338j:plain キササゲ

 

これより神域

f:id:xjino:20180401230449j:plain 早朝で御札所とかはまだ閉まってます。昔ここでいただいたお守り,本当にご利益があったと信じてます。

 
絵馬
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 人様の絵馬の写真を撮るなんて不遜な行為をしてはいけません。でもつい見てしまいます。ここには「西住みほちゃんと結婚したい」なんてのは一切なし。合格祈願,病気快癒,いずれも本当に切実なものばかりで胸が痛くなります。「おじいちゃんの痛みがなくなりますように」「○○とずっと一緒に生きていけますように」 ……この世に半世紀も生きていると,こんな願いを書く人の顔が浮かんでくるんですよ。みんな,がんばれ。

 

パワースポットその1 三本杉

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 パワースポットという語は実は好きではありません。単に検索エンジン対策です。我ながら実にいやらしい。でも間違いなく,ここはこの山麓の境内での最高の力点です。ここにこんな木が育ったことにきっと意味があるのでしょう。ある人をこの木をバックに写真を撮ってあげて,出来た写真を見たら後光が射していて,のちにその人の願いが見事に叶ったということがありました。はい,話半分に聞いてね。

 

楼門

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 題字の徳川斉正さまというのは,水戸徳川家の現ご当主です。御岩神社が江戸時代に水戸徳川家から深く崇敬されたご縁なんでしょう。境内各所に葵の御紋が施されています。

 

ショウジョウバカマ

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 この一角,地下水位が高いのでしょう。コケがものすごくふかふかで,前回(3/11)はオウレンが咲いていた場所です。桜の季節にはこのようにショウジョウバカマの群落になります。本殿に向かう皆さんがみな足を止めていました。

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弁天池

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 この池の正式な名を知りませんが勝手にそう呼んでいます。池の中に祀ってあるのは不動明王神仏混淆の名残です。境内にはほかに大日如来もおられます。

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後生車

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 くるくる,いやゴリゴリ回すとご利益があるという。参詣客には人気です。よくお寺で見かけますよね。これまた仏教要素かと。チベット仏教にもくるくる回すのがありました。

 

パワースポットその2 本殿

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 神社の本殿のある場所,というのは必ず意味のある場所です。「もののけ姫」の冒頭でたたり神が倒されると,おばば様があなた様をここにお祀りいたしますって拝んでいたでしょう? 謂われが不明でも「ここに何かある」のが「見えて」しまう人が昔はたくさんいたわけで,そこに社を建てて鳥居で結界をつくり,不測の事故を未然に防ごうとしたのが,基本的に災いをなす祟り神であったクニガミを祀る神社であるわけです。私見だけど。 ただ,常陸国風土記ではこれがクニではなくアマツカミだと。祟りなす天つ神。謎の神。


 厳密にはご神体は山そのものなんですが,意味のある場所としてきちんとお参りします。

 

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 本殿前のシャクナゲ。ほころぶさまが。

 

参道を行く

 登山道です,要するに。   

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 途中に「天岩戸」と称する岩の割れ目があってこれもまたパワースポットだったそうですが,東日本大震災で周囲の岩場が崩れて今は近づけません。

 

賀毗禮かびれ神宮とイワウチワ
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 表参道を登っていくと,何やら静謐な谷間に現れるのがこのお社。黄門さまこと徳川光圀,水戸ではいまだに「義公」と尊称される名君ですが,ここで筆に誓いをたててから「大日本史」の編纂を始めたのだとか。

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 今回幸運だったのは,イワウチワの花期,それも一番美しい瞬間に出会えたこと。神域内の大岩,注連縄があるからにはこれも神性をまとっているものでしょう,その上にびっしりと。咲き初めの,本当に一番美しい瞬間です。この山域のすぐ南にある高鈴たかすずやまが「花の百名山」の「イワウチワ」で挙げられています。茨城にはこんな名所もあるのですよ。

 

稜線

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 しばし登ると傾斜が穏やかになり,やがて稜線の道に合流します。御岩神社の興隆とともに登山者が増えて,稜線の道もだいぶ荒れました。人の多い山は好きではないので,最近は今回のように早朝に登ります。今日もこのあと昼過ぎには,この道も参拝者の行列になるのでしょう。

 

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 少し参道を外れた道。この辺りの山中には隈なくこのような道が付いています。大体がアセビの木の美しいトンネルです。私は30年以上前からここを歩いていて,折々に仏様が置いてあるのを見て,これは修験の道であり,さらには山岳居住民(サンカ)の道ではないかなと勝手に思ってました。解釈はともかく,日立鉱山のある本山から阿武隈山地関東平野に没する風神山まで,私もまだすべての道を究めてはいません。何かある道だと確信してます。夜は変なモノが通っていそうで怖いけど。

 

頂上の鞍

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 御岩山の山頂はごつごつした岩の塊で,いくつかピークがあります。その鞍部が記念撮影ポイント&眺望ポイント。海まで望見できます。


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 馬酔木アセビが咲いてました。この後季節をずらしながらネジキやらミツバツツジやらヤマツツジやら,ツツジ科の花がこの鞍部を飾ります。

 

磐座と赤岩

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 ピークのすぐ下にある磐座いわくらです。いかにも神さまが鎮座しそうな。

 

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 赤岩,と誰かに教わりました。この磐座を構成する結晶片岩と思われますが,こんな赤い色は他ではあまり見ません。こんなものにも特別な意味を付与したくなるのがここ御岩山。

 

パワースポットその3 石柱(光の柱)

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 さあ出ました。宇宙に光を発するという石柱です。

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 御岩山が有名になる契機の一つが,向井千秋さんが宇宙ステーションから下界を覗いたときに地上から立ち上る光の柱を見た,座標を調べてみたら御岩山だった,という逸話です。でもこの話,出どこがはっきりしない。出展が不明なまま流布した,いわば壮大な噂話に過ぎません。とりあえず理系の端くれとして,少し疑ってかかってます。また,アポロ14号で月に行ったエドガー・ミッチェルを名乗る外国人が神社を訪れ,当時のご神職に宇宙から光の柱を見たと語ったというのも,それが本人かどうかは不明の,それだけの話です。

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 そういう話は抜きにして,ここはすごい。御岩山の一つのピークの下にぽかんと窪地があって,そこに立ってます。何かの気配とともに。


 高さは2メートルくらいでしょうか。表面は地衣類に覆われています。コケすさぶ神性。パワーの「力」ではなく,もっと静的な強いものを感じます。


 残念なことに,これに気付かずに帰ってしまう人がいます。道から外れた場所であるせいです。これに関しては,本当に立て札一つないことが却って意図的であるような気がします。おせっかいはほどほどに,でもこれを読んでいてくれるあなたにはぜひとも訪れてほしい「力点」です。

 

コーヒー屋さん

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 日立の街から山越えで通ってくるワゴン売りのコーヒー屋,CAFE SFIATOさん。神すさぶ山を下り,辿り着いた鳥居の下で待っています。御岩山の水でコーヒーを出してくれます。この神域で飲む一杯のいつも美味なることったら。皆さんも御岩神社を訪れた際にはぜひどうぞ。

 

 御岩神社。すっかり有名になって,昔の人けのない森閑とした境内を知る者は複雑な気持ちです。まあ前にも書いたけど神仏は人に祀られ敬われてこそのものなので,良い変化だと思います。参詣者の増加に合わせてトイレを整備し,駐車場も来るたびに広げられ,神社側も努力しておられます。何か「ある」場所なのは確か。それをパワースポットと呼ぶかどうかは皆さんの自由。車でしか来られないのが難ですが,どうか一度はおいでください。……神社側からは何ももらってませんよ,私。

 

 

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