ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

鍋足山へ 紅葉の頂きへ

 

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 旧里見村(現・常陸太田市)の鍋足山なべあしやまへ行ってきました。「鶏足山」と字づらが似てますが,お間違えのないように。

 

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 昔の鍋は平らな場所へ置いてもコケないように短い足が三つ付いてました。その鍋の足のようだというので付いた名です。なんとわかりやすい。たまに珍しい生き物が見られるほか,紅葉が美しい山です。以前はよく登りに来たのですが,鶏足山や御岩神社に行くようになったら足が遠のいてしまいました。じつに11年ぶりの鍋足山です。

 

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 笹原集落の林道のどん突きに駐車。

 

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 以前ここにあった標識。散弾で文字通り蜂の巣になってました。昔はこういうことするハンターがいたんですね。

 

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     植林地を登っていきます。

 

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 イノシシがほじくった跡。

 

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    雨の多い時には滝ができます。

 

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 さらに登る。少し息が上がります。今日ここに来たのは,2か月運動できないあいだに落ちた体力を見極めるため。がんばれわし。

 

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 分岐点。左のおしきびルートというのはここからひたすら尾根道をたどって山頂に至るルートです。わかりやすく,最短距離を最短時間で行けます。でもそれではつまらない。右の健脚コースを行きましょう。ちなみに途中2か所,ロープを頼りに急斜面をよじ登る楽しいルートです。

 

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 この道を行くとこんなのが見られます。どっかで見たような葉っぱだと思わない? そう,徳川の家紋です。この植物がフタバアオイ。この葉を3枚並べて図案化したものが葵の御紋というやつです。徳川さんちはもともと京都の下鴨神社に関わりがあり,神社でシンボルに使われるフタバアオイを家紋に用いたと聞いてます。そのフタバアオイ,茨城でも折々に見かけます。花の写真はそのうちに。

 

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 大きなホオノキの葉がものすごい音をたてて落ちてきます。中生代白亜紀にルーツを持つ古い古い一族です。

 

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 チゴユリの実。あの愛らしい花からこんな。

 

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 キッコウハグマ。これでもキク科。

 

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 尾根道に出ると視界が明るくなります。

 

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      と思ったら暗い谷間に至り

 

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 第一のロープ場です。気を引き締めて参ります。

 

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 息を切らして登りきる。まだまだこれから。

 

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 ここは絶壁に囲まれた平坦地,天空の小空間。アセビの間からコナラがそびえるという,ちょっと不思議な植生です。

 

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 北側の551mピークがすぐそばに。紅葉の色は……残念ながら今一つ。

 

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 道が岩場になり,イワウチワが現れ始めました。ここが……

 

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 第二のロープ場。ここを登り切れば山頂だ。

 

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 はい着きました,山頂です。コースタイム1時間。やっぱり体力落ちてます。取り戻そう。

 

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 本当の標高は529m。気圧高度計で誤差が出た。

 

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 絶景です。右はじに奥久慈男体山

 

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 日光男体山も遥か彼方に。

 

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 袋田方面,月居山。遠くに那須連山。

 

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 茨城県最高峰,八溝山

 

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 とはいえ紅葉はやはりイマイチ感が。夏に暑すぎて秋も気温が高すぎたそうで。

 

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 ご参考に,12年前に同じ場所から見た紅葉。まあ言っても仕方ないけど。

 

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 山頂付近の地質はこれ,ハイアロクラスタイト。昔でいう「集塊岩」,袋田の滝付近と同じです。というか,見はるかす紅葉の山すべて同じ地質。百万年前,この辺りすべて海底火山だったんです。漆黒の深海で何キロにも及ぶ巨大な割れ目からマグマを噴出し続ける大地の営み。地球のダイナミズムを感じずにはいられません。

 


 さて帰りはのんびり「おしきびルート」を下りましょう。

 

 

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 ウラジロノキの実。秋の山でよく見かけます。

 

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 シラヤマギク。

 

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 ダンコウバイ。クスノキ科で,葉をもむと良い香りがします。早春の黄色い花も大好きです。

 

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 ウリハダカエデ。

 

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 ヤマモミジ。

 

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 アケボノスミレ。早春のあの濃厚な花をまた見たいものです。

 

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 スミレのプリンセス,ヒナスミレ。

 

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 はてこれは。スミレには間違いないのですが。春に来て花が見たい。

 

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 猛毒ミヤマシキミ。鶏足山にもたくさんありました。

 

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 ヤブコウジ,鮮やかにしてひそやかな。好きなんだなあ。

 

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 ダンコウバイは暗い林内でも鮮やかです。

 

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 まだ昼前なのにこの暗さ。

 

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 沢に降りてみました。

 

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 で驚いたのは,岩が花崗岩だったこと。山頂と地質が違うんだ。

 

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 転石の下にサワガニ。

 

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 ヤンマ型のヤゴ。たぶんミルンヤンマです。

 

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 ふもとの旧里見村は,陽の恵みに感謝しながら土を耕す人たちの暮らす里山です。イロハモミジ,ウリカエデ,シデの類。たわわに実ったまま放置されて天のものとなったカキ。山上に劣らず豊かな色彩にあふれていました。秋深し。

 

 

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