正月も5日。無性に歩きたくなりました。正月行事で自分の時間がなかったし。よし歩こう。久慈川を。
そうです今年の運試し。メノウ拾いに行ってみるのだ。
Yahoo! Japanより
場所はここ。ヤフーの地図の衛星写真を見ていたら,地形図では存在がわからない礫の河原をみーつけた! えらく広いぞ。ここなら真っ赤なメノウがざっくざくだ! いざ。 …… 実は久慈川でメノウを拾う昨年3月の記事が大人気でして,いつものうろうろ歩きの報告の一つくらいに考えていたのでとても驚いています。実際に私の記事を見てメノウ拾いに出かけた方もおられるようですね。さあ大変,責任問題だ。
そんなわけで,確実に拾える場所はないものかと久慈川沿いを物色していたのです。ここに行けば拾えますよ,と。ネットに晒しては元も子もないような気がしますが,私の読者様に得する方がいればそれで良いのだ。
凍った地面。正月5日にわし何をやっているんだろうという疑問はあえてふり捨てて。
まだ陽も射さぬ朝ぼらけ。いやとうに陽は昇っているのですが,奥久慈の山峡ですので。見えているのは辰ノ口堰たつのくちぜきです。
河原だ! これぜんぶ石だ! 拾い放題だ! え?これみんな拾っていいの!? ……いや落ち着けって,五十越してるんだから。
珪化木がありました。
木目も観察できます。でもあまりきれいな標本ではないのでリリース。
ところがメノウが見つからない。広大な河原を,足場が悪いのをものともせずに歩き回るのですが見つからない。こんなはずではなかったのに。
鮭の骨。ここはたくさんの鮎と鮭が遡上する豊かな川です。でもメノウがない。
あったー! ようやく一個め。
ちっこい。
色は良いんだけどなあ。
二個め。やっぱりちっこい。ここまでで1時間以上歩いています。
河岸を(文字通り)変えましょう。一つ上流の河原までやぶ漕ぎ。途中でマンリョウが実を付けていました。
次の河原。メノウの白いヤツ,玉髄を見つけました。これも写真だけでリリースします。
タヌキの足跡。
淵のところに露頭(崖)がありました。そんなに古い時代のものではありません。
不整合だ。この写真,何かの教材に使えないかな。
貝化石の層もあったのですが,状態は良くありません。掘り出したらボロボロに崩れるでしょう。
ようやくメノウ3個め。
赤みはあるけど,う~ん。
4時間以上歩き回ってこれだけ。
実はこのあと,「確実に拾える」とご紹介した玉川にも行ってまた歩き回ったのですが,落ち葉が積もっていたり氷結していたりで,なんと一個も拾えませんでした! すいません,確実ってのはウソでした。春にならないと無理のようです。
今日はデカいの拾ってやるぞ,いい場所見つけてやるぞ,読者に喜んでもらって感謝されてやるぞひっひっひと。そうです,欲にまみれて暴走した一日でした。結果がこれです。それなりに鍛えているのはずの足が痛くなるほどに歩いてしまった。賭け事に負けてムキになり,そこから全財産を失うというのはきっとこんな状況なのでしょう。我を忘れていました。
以前の記事で偉そうに,メノウ拾いの極意は欲をかかないことだなんて言いましたよね。欲をかくとこうなるという見本のような一日です。
それにしても。
久慈川本流では,本当にメノウが少なくなりました。ここより上流,北富田というところにメノウ鉱山があって,そこから出るズリが久慈川へのメノウの供給源。とうに閉山していますが,少なくとも私が若いころまでは河原に降りれば入れ食いで拾うことができたのに。残念ながら「ジノさんのメノウ拾いツアー♪ 」は開催できそうにありません。
というわけで改めて。
久慈川でのメノウ拾い,焦らずに。気候の良いときに,河原で遊ぶついでにお土産ができたらいいなくらいの感覚でどうぞ。自然に遊んでもらう,でもいいかな。美しい風景に包まれるだけで,来た甲斐がありますよ。
今日も青空でした。