あーこらこら,タイトルだけで逃げないこと。
今回はそっち系じゃないから。
子ども相手のイベントでテルミット実験というのをやってウケてた時期がありまして。ドッカーンと鉄を溶かしちゃう実験。もう子どもたちが目をまん丸にして。
この実験,材料に砂鉄を使います。私の場合,砂鉄の多い海岸で磁石を使って集めます。お気に入りは日立の河原子海水浴場。実はそこで集めた砂鉄の中に,面白いものを見つけたんです。
これ。…… わかりにくい写真だな。
拡大。金属光沢出た。大きさはミクロン単位です。
実はこれ,流星塵りゅうせいじん。
宇宙を漂う数ミリから数センチのチリが地球の大気圏に突入すると,空気との摩擦で高温になり蒸発します。これが流星。ただしよく言うように「燃え尽きる」わけじゃない。いったん溶けて,それがまた固化してゆっくり地上に降りてくるんです。固化の時に球状になって。これが流星塵。
資料によって数字が全然違うので何とも言えませんが,地球全体で年間数十トンから数百トン降ってきているそうな。
鉄とニッケルで出来ているので磁石に付きます。だから海岸の砂鉄集めで採れたわけ。でも実はこれが大発見。だってどんな資料にも「流星塵が海岸で採れる」なんて書いてありませんから。「スライドグラスにワセリンを塗って一晩外に晒しておく」が定番。おおベトベトになりそう… と敬遠していたのですが,砂鉄と一緒に採れるならすっきり。
ただしものすごく手間がかかりますよ。持ち帰った砂鉄を水洗いして,何度も磁石でより分けて砂粒を除き,実体顕微鏡で見ながら面相筆で拾い上げる…… どうです気が狂うでしょう。こういう手作業が楽しいんだけどなあ。これだと流星塵だけを小びんに貯めて好きな時に眺めることができるのだ。
つくづくフツーじゃないおじさんです。ちゃんと仕事しています。人生は楽しいです。今宵はここまで。
追伸 河原子海水浴場,震災後は行ってません。今でも砂鉄があるかどうか保証はいたしませんので,あしからず。
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