不謹慎な話です。どうかお許しを。
久慈川に大水が出ると,メノウが目にちらついてつい喜んでしまう自分が恥ずかしい。特に今回は死者まで出たのに。
そんなヤツなんだとご了解ください。手短にご報告します。
洪水発生から一週間,以前にご紹介した小貫橋のポイントに行ってみました。橋のたもとにあった印刷会社は泥に埋まり,いまだ後始末のさなかです。運転席で頭を下げながらそっとそーっと脇を通り抜け川沿いの砂利道を行くのですが,途中で泥が深くなって車はそこまで。先行した車のわだちはあるのでターボ四駆のマイ・ジュークが行けないことはないでしょうが,用心します。
土手の上にまで漂着物。
河原の石はその後の雨で表面がきれいに洗われ,探しやすいのですが,メノウはない。先に歩いた人の跡があるので,もう拾われたのかも知れません。すっかり有名ポイントですので。
久慈川の上流はリンゴの産地です。幸いにして今回はさほどの被害ではないとのこと。でも落果がなかったわけではありません。リンゴ農家に買いに行って,ジャムを作るので売り物にならないヤツちょーだいと言ったら袋いっぱい貰えました。我ながらしたたかなことを。
なんかやたらデカい犬の足あとが。
結局戦果は,玉髄が一個と大きめの珪化木が一個。…… え?何かご質問でも?
だってオニグルミがいっぱい落ちてるんだもーん。拾って拾って💛と言わんばかりに。あとで美味しくいただきます。本当に,拾ってばかりの人生です。
玉髄表面。このボコボコが,ボコボコがああっ。
珪化木はほれぼれするほど立派な大きさで,形もいい塩梅に摩耗してます。磨けば置石になるほどに。
木目もくっきり。薄く層状にメノウ化してます。これ本当に磨いてみようかな。
これだけでも寂しいので,個人的に禁じ手にしていた支流の沢に行ってみます。久慈川のメノウの供給源の沢です。
やはり人が入っていない場所の洪水後はいいモノが目につきます。でも本当に禁じ手なので,持ち帰るのは1個だけ。久慈川で拾うことに意味があるのです。ああ私って本当に面倒くさい。
場所は…… お教えしたいのはやまやまなのですが,ネットに場所を晒すと人が押し寄せることを小貫橋で学んでしまったのでゴメンなさい。久慈川流域は今回の被災地なので,特に慎重にさせてください。キホン久慈川は右岸の沢で砂金が採れ,左岸の沢ではメノウが採れます。得難い川です。
砂金採りの話を期待している方もおられますか? いえ,そちらはもう少し人格が形成されてから取り組むことにします。前も書いたけど,業ごうの深い分野なので。
水に漬かったであろう田んぼの畔で,カントウヨメナが健気に頭花をもたげてました。洪水は植物にも試練でしょうが,肥沃な泥が運ばれてくるのでやり過ごせれば福音とも。
モズが気持ちよさそうに,次々と声音を変えながら鳴いています。さすが百舌鳥。…… このモズは闇夜の暴風雨をどう凌いだのか。夜目の利かない不自由な身で,さぞや恐れと慄おののきに苛まれた十数時間だったことでしょう。どうか今日は存分に歌ってくださいね。
以前にご紹介した山方の民俗資料館と淡水魚館はどうやら無事のようです。またオオサンショウウオに会いに行こうかと思います。
それでは。
↓ 関連リンク
久慈川メノウ拾いのついでにお寄りください歴史民俗資料館 - ジノ。