ありえないことです。この私が紅葉の季節の袋田の滝にいるなんて。
いつものリンゴ買いだけのはずでした。混雑する前にと朝8時半に水戸を出発。それでも紅葉の季節の国道118号は絶対に混むので山一つ東側の国道461号を北上しました。
おなじみ袋田の「豊田りんご園」。台風19号の時の流木が入口の橋に引っ掛かったままです。
手前の「花嫁」という品種が小さくて真っ赤で,ほんとに可愛らしかったなあ。
買い物は済みました,さてどうしよう。リンゴ園の周囲は紅葉もこれからというところ。峠の向こうは袋田の滝。まだ人出は少ないかな …… 滝に行ってみようなんて気になってしまった,さあ大変。
これまで何度も申し上げてますが,混雑とか渋滞が大嫌いなんです。だから紅葉の大観光地・袋田の滝なんてこれまで近づく気になったことはありません。でも,まだ午前十時で,しかも滝まで車で10分ほどの場所にいて,なんとか行けちゃうかな,なんて。
滝入口の有料駐車場にあっさり入れてしまった。観瀑トンネルにも並ばずに入場して,観瀑エレベーターにも並ばずに乗れて……
どおおおん
どおだああ
特に西日本の人たちはこの大瀑布をご存じないようですね。断言します。日本三名瀑の一つであると。那智,華厳に知名度では後れを取ろうとも,迫力では負けてないと自負しております(私が)。実際に「日本の滝百選」の投票では1位になりました。
確かに紅葉の最盛期には一週間から十日ほど早いようです。手前にあるカエデが赤く染まり,滝の両側の木々が錦織りなす瞬間に来れたならもう絶景そのもの。
やめましょうよこういうの。恥ずかしいったら。
でもこういうのは好き。
ちなみに袋田の滝の正しい鑑賞法は
トンネルから入る
↓
エレベーターで上る
↓
第二観瀑台から写真撮影
↓
エレベーターで下る
↓
第一観瀑台でしぶきを浴びる
↓
つり橋に抜ける
…… です。
第一観瀑台から。どこかのご家族失礼します。ここは人も写さないと雰囲気が出ない。
水量やや多めで見ごたえあり。
つり橋。
つり橋からの眺め。
多くのお客さんはこのまま帰るのですが,ここで絶景情報。つり橋を渡ったところにまるで軍艦のラッタルのような鉄製の急階段があります。
実はこれ,滝の横を滝と同じ角度で上っていくんです。
途中から石段になります。よく作ったもんだ。
木の間ごしに滝ごうごう。
観瀑台からは見づらい,袋田の滝の一段目。
観瀑台あたりからの標高差が百メートルにもなると気候帯が変わります。気温が下がり,樹種が落葉樹主体になって…… 最盛期には紅葉のトンネルに。
向かいの山肌もじきに一面の赤や黄色に染まります。
気の早いハウチワカエデが赤くなっていました。
周囲のササが枯れて見通しが良くなってます。このササ,正しくはスズタケというのですが,数年前に一斉に花を咲かせて枯れました。林床に光が入るようになり,他の植物が成長します。
さらに上流にも滝。生瀬滝なませのたきと言います。普段着と普段の靴でうっかり来てしまった方はここらで引き返しましょう。
石段は続く。崩れているところもありますからね。
高度は上がり
稜線に出ます。ここまで来るにはやはり登山の装備と覚悟が必要です。
とにかく絶景。紅葉ならその百倍絶景。山の名は生瀬富士なませふじ。
この稜線,先日の記事(奥久慈の紅葉/男体山 - ジノ。)で紹介した棚倉断層のふちです。道はこのまま月居山つきおれさんを越えて遥か男体山,さらにその向こうまで。トレイルランニングのコースになってます。ぶっ通しで歩いたことは,私にはありません。
ツクバネの実が生ってました。こういう稜線によくある植物で,名の由来は羽根つきの羽根「衝羽根」。くるくるとヘリコプターのように回りながら落ちます。
紅葉の袋田に行った。個人的には武勇伝になってしまいます。そうか,地の利を生かして早い時間に来れば良かったんだ。
帰りは渋滞を避けるため猪ノ鼻峠を越えて国道349号を通ります。快適な茨城のワインディングロード。
リンゴを大量購入しました。こんだけ買っても5千円。生食,ワイン煮,りんごジャムで秋の実りを堪能します。ああ,幸せだ。
↓ 関連リンクです
リンゴ園とケーキ屋と 茨城激走5000キロ!(うそ) - ジノ。
茨城県北芸術祭5 最終回 大子からガルパン聖地を経て袋田の滝へ - ジノ。
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