ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

平磯海岸,中潮,フィールドのルール

 

 

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 4月25日(土)は,大潮翌日の中潮でした。あ,海の話です。


 この季節は昼間の干潮で大きく潮が引きます。それは大潮を過ぎても同様で,大潮と同じくらい潮位が下がります。今日の干潮は11時14分。ずっと確かめたかったことを果たしに参ります。

 

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 場所はここ,ひたちなかの平磯漁港。

 

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 …… なんだけど,周辺の駐車場が県外者対策で片っ端から閉鎖されています。

 

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 こういうみっともない路上駐車をするのは地元のジジイばかり。一緒にはされたくない。

 

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 というので2.5キロ離れた路上でも私有地でもないスペースに停めててくてく歩いていきました。きちんとしているというより,やっぱりわしってバカ。

 

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 道々海を眺めながら。例年なら磯遊びの人で大賑わいの場所ですが,皆さん本当に自粛している。日本人って偉いなあ。

 

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 中生代白亜紀の地層です。

 

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 おじいちゃんと孫。涙が出るほど平和な光景。

 

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 この構造物,好きなんだよなあ。トーチカか水牢か,はたまた秘密基地か。

 

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 いや,単なる昔の生けすなんだろうけど。

 

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 ここは磯遊びに一番人気の場所,通称「鯨磯」。うわあ,こんなに引いているの久しぶりに見た。

 

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 満ちてるときはこんなの。セミヌードの彼は同業の若い衆です。

 

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 この岩の隙間が海岸動物の宝庫。私の生物屋キャリアのルーツの一つなのだ。

 

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 一心不乱にアサリを採る人。陽光あふれるフィールドで,周囲にはカニやらウニやらクモヒトデやら,愉快な生き物がいっぱいだというのに全然楽しそうじゃない。大人になるとはこういうこと。

 

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 住宅地では堤防がかさ上げされて海が見えません。

 

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 でようやく到着,平磯漁港 …… ってあれ? 漁協の建物がなくなっている。


 他所ではどうか存じませんが,福島原発事故以来… いやきっとそれ以前から,漁業は衰退する一方です。

 

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 確かめたかったことというのが,この漁港の砂浜でかつてマテガイが採れたということ。そう聞いたのはもうずいぶん昔のことです。ずっと仕事で気ぜわしくて機会なく,今年役職を下りて楽になり,ようやく来れたわけ。


 マテガイというのは簡単に採れて美味なる食用貝として西のほうでは有名ですが,茨城県内には分布していないことになってます。一度でいいからあの,巣穴に塩を入れると飛び出すというのを見てみたかったのです。

 

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 一握りの地元の家族連れが潮干狩りを楽しんでます。

 

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 でもいない。アサリしかいない。


 マテガイはもういないようです。いたというのはもう昔のことなのでしょう。また一つ,置き去りにされた気分です。


 地元の家族連れだけが潮干狩りを楽しむ,静かな海。これはこれで私には心安まる光景です。それで良しとしましょう


 こんな状況ですので,出会う車のナンバーは基本的に水戸ナンバー。多少土浦つくばもありますが県内だからオッケー。たまに見かけるのが大宮春日部。来んなよ,と睨んでしまいます。海なし県だからと言って同情はしない。


 しかし私はどうなんだろう。ここまで外出自粛と叫ばれているのに毎週のようにフィールドにいる。


 身勝手は承知の上です。そのうえで言わせていただければ。


 私にとって,フィールドに出て自然の事物の観察を行うことは本業に直結する職務の一環です。でも人に迷惑をかけるのは本意ではない。よって,自分なりにルールを決めました。 ① 自分が感染者であるという前提を忘れない。 ② 常に単独行せよ。 ③ 人との接触は限りなくゼロとせよ。細かく言うと,


 ・常に一人で行動する。
 ・行動は日帰りに限定する。
 ・県外には出ない
 ・飲食物は家より持参する。
 ・コンビニ利用は一品のみ。
 ・もちろん必ずマスクを携行。
 ・野外での他者との距離は5メートル


 何が楽しいんだ,なんて言う人もいるでしょう。でも従来からの私の読者さまだったら理解していただけますか。何のことはない,私が昔からやってきたスタイルそのままです。無理なく自然な,私のフィールド姿です。毎回毎回が小さな孤独な冒険の旅。私の人生そのものと言ってもいい。


 ミュージカル「ラ・マンチャの男」で,なんでそんな馬鹿なことばかりしているのかとアルドンサになじられたドン・キホーテは答えます。遠征 エスさえできれば本望,それは騎士の冒険の旅です。使命です。いや…… 特権なのです。

 

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 うん,そんなかっこいいものでもないんだけどね。

 

 

  

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