いやサボってというのは聞こえが悪い。午後の仕事がなくなったので,半日休を頂いたのです。休日を消費すべしというお達しが来ています。業種によってはGW11連休なんてとこもあるようなのでお許しくださいね。
市内,水戸市植物公園。30年前の開園時,私の身内も準備に関わっておりました。大温室はそれなりに名のある方の設計だったのですが,年月のうちに植物が繁茂して荒れ放題の風情となっていたのがこのたび大改装のリニューアル。昨日から公開が始まりました。行かねばと思っていたのです。
入り口の藤棚です。フジに香りがあることはご存じでしたか。ほんのりと漂うハチミツっぽい香り。
モッコウバラの垣根。いかにも西洋趣味な花です。
あちこちに植えてあるのがこれ,ハンカチノキ。この花姿が名の由来なのはお察しの通りです。
プラタナス,にしては樹皮が違うなと上を見たら花が咲いてました。ユリノキです。英語でチューリップツリーというのは花の形から。…… なぜか知りませんがこの木にスズメバチが群れてました。この季節は女王バチだけで巣作りや子育てをしているはずです。ユリノキの花蜜が好みなのでしょうか。女王バチは攻撃性が低いので危険はないのですが,それにしてもおびただしい数のハチがいてこれがすべて女王バチかと思うと気が遠くなります。
たぶんこの季節に淘汰が行われるのでしょう。路上に注意していると,かなりの数の女王バチが死んでいます。女王への道のりは厳しい。
水戸ではひょっとしたらここだけにあるハナノキ。カエデの仲間で,花も紅葉も美しい。気が早いことにもう実になってました。本州中部が本来の分布地で,茨城県にあるのはすべて人の手で植栽されたものです。…… 県北・高萩の林道を遡った山中に廃村があって,もはや何の建物もない中にぽつんとハナノキが残されています。見る人もないまま,毎春花を咲かせています。
ラクウショウ。落羽松。沼杉とも。無愛想な針葉樹なりに,花を準備しています。
シラン。茨城では野生のものは採り尽されてしまいました。
ヒナゲシを見るとアグネス・チャンの甲高い歌声が再生されてしまうのは私だけでしょうか。
園芸種の名は知らねども。
チョウジソウ。我が家のはまだつぼみです。
アマドコロ。これも我が家のはつぼみ。どうやらここは気の流れが違う土地のようです。
薬草園にあったオウレン,これは実。御岩神社の記事で何度かご紹介しました。
いよいよ温室に入ります。と言っても外来種に興味のない私にはさほど期待はないのだけど。
ペトレアと言うそうな。名は知りませんでしたが花の後ろの5枚のがく片は知ってました。実をつけて,ヘリコプターのようにくるくる回って落ちます。
カトレアはわかる。蘭の花芯を撮るというのはなかなかになまめかしい。
名を知らず。ただ華やかにキレイです。
これ,実はバナナの仲間。
マツバラン,は茨城にも自生種がありますがほぼ絶滅状態だとか。古い古い太古の植物の生き残りです。
温室を出てプラプラしてたら林床にサトイモ科っぽいのが。オオハンゲです。カラスビシャク(半夏はんげ)のおっきいの,というネーミングですが,確かに似ていて大柄です。
草原をぼんやりと歩いていて,視界の隅をよぎったものを見返してひどく驚きました。たぶん周囲を歩く方がたはタンポポの綿毛とでも思っておられるのでしょう。でもこれは違います。オキナグサです。県内の野生のものはほぼ絶滅状態です。植えられたものでしょうが,見るのは何十年ぶりか。
この実を老人の頭髪になぞらえ翁草と名づけられました。ぜひとも花を見たいものです。来年の早春,ここに来る目的ができました。
帰り道,なんか落ちてる。
アブラコウモリです。生きてます。持ち帰りたいけど,コウモリっていろいろな病原菌持っているって言うしなあ。
なんか,思っていた以上に楽しめてしまいました。5日までは入園無料です。