ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

旅の薬草売り

 

 終末を生き延びたなら、何をして生きていきますか?

 


 例えば最終戦争。例えば宇宙人の襲来。それを退けはしたけど人口は以前の数百分の一になって、すべての社会制度が消滅した、そんな世界にたまたま生き延びられたら。そういう設定です。


 以前「ポストマン」という映画がありました。まさにそういう世界で、人々に希望を届け続ける男の話です。悪の将軍を倒したりするアクション映画でしたけど、とにかくそういう舞台設定に弱いんです私。


 さて本当にそんな状況が到来したとして、ケビン・コスナーみたいな強靭な男ならともかく、自分なら何をして生きていく。その私なりの望みが「旅の薬売り」です。笑っていいのよ。

 

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 文明が崩壊しても、生き残ったヒトはその習性に従って集まり、あちこちに小さな村を作るでしょう。私はそんな村々を巡って薬草を売り歩き、請われればメッセンジャーも引き受ける、そんな暮らしをしたいと思っています。

 

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 もはや車も絶えたひび割れた道路を、あるいはそれすらも崩壊して山中をたどる獣道を、季節を追いながら大きな荷を背負って歩き続けます。行く先々で山河に分け入って小屋を建て、山峡の薬草を集めて、乾燥させ、調整し、それを背に里へ下りて生活物資と交換し、季節の風のようにまた遠い空を目指す。私の数少ないスキル、野生植物の分類やその薬効に関する知識が役に立つことでしょう。

 

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 いつかどこかの空の下で野の仏になる運命ですが、たぶんその最後の瞬間に悔いることはないはずです。

 


 なんで突然こんな話を始めたかというと、実はこれ。

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 「サンザシって知ってる?」…… 身内が、職場販売のドライフルーツ屋で安かったからとおすそ分けにくれた物です。もちろん知ってますよ。サンザシとは生垣によく使われるピラカンサに近縁のバラ科植物で、その果実に消化不良を療治する薬効があること、渡されたのがそれを砂糖で煮固めたものであること。そんな知識がぽんぽんぽんっと瞬時に浮かびました。いつかは役に立つ、そんな思いもあって貯め込んだ知識です。たぶん活用されることもない知識です。でも、心の中にいるもう一人の私は、そんな知識を糧に今日も旅を続けているのです。

 

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 旅は人間の本能のひとつです。それを職業とすることに憧れる。奥の細道に旅立つ芭蕉の気持ちは、現代人にも通じるものでありましょう。

 


 とはいえこんな浮世離れしたことばかり考えて、よく今まで社会人やってこれたなあ、わし。

 

 

 

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