自分ってなんておばかなんだろう。そう思うのはどんな時ですか。
別に統計を取ったわけではないけど、たぶん女性より男性諸氏にそういうことが多いのではないでしょうか。ねえ〇〇くん、パチンコでついカッとなって3万スった時なんてどうなの。かぐや姫に求婚してひどい目に遭った皆さんなんか他人とは思えませんよ私。
だから、朝起きたとき宇宙からの電波に耳元でさあ花園行こうよ、ムモンアカの卵を見るなら今だよと囁かれて迷わず車を乗り出したことなんか小さい小さい。水戸から北茨城への高速代とか往復百キロ分のガソリン代とか、もちろん気になりません。
というわけでおなじみ花園の山中に参りました。完全冬装備でも寒い。木陰には雪が残ってます。きっとまだ氷点下になる朝があるのでしょう。希少なゼフィルス(ミドリシジミ類)のムモンアカシジミは卵で越冬します。まだ春が来たとは思っていないでしょう。昨年幼虫がいた木を見てみると
あった。
あっさり見つけてしまいました。ムモンアカシジミの越冬卵です。
直径1ミリ。産卵直後は美しい赤色。でも厳冬の山で冬空の色に染まってしまいます。中ではもう小さな小さな幼虫の姿になっているはずです。母蝶が残してくれたこのカプセルに丸く収まった儚い命に、何か声をかけてやりたくなります。
残念ながらこれ1個しか見つけられませんでした。もちろんもっと産卵されたはずで、昆虫なら数十個から数百個はないと個体群を維持できません。私が見つけられなかっただけと思いたいのですが…… まさかマニアに盗られたか。メルカリに茨城産ムモン卵2千円とか出てないか。不安は尽きません。
ムモンアカシジミは今、数を減らしています。もともと森の片隅の数本の食樹に依存して細々と生きてきた蝶です。その木が伐られたらそこでおしまい。蝶マニアや換金目的のヤカラに目を付けられてもおしまい。珍蝶を手に入れるためなら何でもするマニアは高齢化したとはいえまだ全国に健在です。私も元採集家なので偉そうには言えませんけど。
驚いたのは、まだ冬が続くこの花園で、もうクロクサアリが活動しているということ。こんな働き者とは知らなかった。ムモンアカシジミの幼虫を守るアリです。
つやつやボディが美しい。
さてしかし。着いて早々に今日の目的を達成してしまいました。残りの時間は全部おまけのフリーです。わあい何しよう。
とりあえずこのあたりの最高峰、和尚山おしょうやまにでも登ってみるか。
登山口から直登15分で着いてしまう山頂。他所からの縦走路がない独立峰。眺望の効かない頂上。この登山ブームのさ中でも人気のない山ではあります。
山頂のブナの木肌を撮ったらもうやることがない。
皆伐されて二・三十年の、若くて多様性に乏しい植生。たぶん夏になっても私が潜りたいとは思わないであろう、これが和尚山の森でした。
まだ時間はたっぷりあるので、阿武隈高地を横断して御岩神社にお参りしよう。道路総延長北海道に次いで全国2位、よく整備された茨城の道を快適に飛ばして、おなじみのお社に到着です。
オウレンの花が盛りでした。ただ雨不足で周囲のコケがカラカラだったのが残念。こんなに乾燥した御岩神社は初めてではなかろうか。先日のメノウの記事でも申しましたが、やはり雨乞いが必要です。
実は今日、平日でした。休日出勤の代休がちゃんと出た。おかげでどこに行っても空いていて、いい1日になりました。と言うかいい1日の使い方ができた。おばかないい1日。ああ、4月からもかくありたいものです。
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