ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

アミガサタケの長い午後

 

 新潟の余韻にぼーっと浸っているうちに、水戸の自然は季節の歩みを加速させていました。

 


 アミガサタケ。

 


 キノコです。と言っても通常のキノコ型のものとは少し分類の違う子嚢菌類のキノコです。まあキノコはキノコなんだけど。

 


 欧米では人気の春キノコで、人々は連れだって春の野でこれを探すとやら。イタリアで「モルケッタ」フランスでは「モリーユ」と呼ばれ、食材としてポピュラーなものでそうです。

 


 特別なうまみ成分を含んでいて、バター焼きにすると絶品、病みつきになるほど美味なキノコです。ただ日本ではこの不気味な姿が災い(幸い)して採る人はあまりいません。私も、持ち帰ったところで家族に気持ち悪がられるだけなので写真だけ。

 


 さてこのアミガサタケ、私には特別な思い入れがあります。高校生の頃からその名だけは知っていたのです。その姿・形から食用のこと、季節のことも何も知らず、ただ名前だけを。


 そのきっかけがSF作家ブライアン・W・オールディスの大作「地球の長い午後」

 

       


 高校生の時、この詩情あふれる表紙に惹かれて購入し一気読みして、40年経った今でも思い出せるくらいの強い感銘を受けました。同じ経験をした人は多いようで、宮崎駿弐瓶勉の創作に影響を与え、そういえば吾妻ひでおも作中に取り上げていたなあ。


 内容は…… 超未来SFと言うのが正しいと思います。太陽の巨星化が始まり、地球の自転周期と公転周期が一致して常に同じ面を太陽に向けるようになり、動物が退潮する一方で植物からは狂暴化・肉食化するものが現れ、そして人類は身体能力も知力も衰えた姿で植物に怯えながら細々と生を繋ぐ、そんな地球の物語です。アミガサタケはストーリーを進めるキーパーソンとして登場します。

伊藤典夫の訳ではなぜか「アミガサダケ」になっているのですが、何か意味があるのでしょうか)


 ちなみに現在手に入る版の表紙はこれ。

 

    


 作品世界を即物的というか現実的というか、そのままに描いてます。編集者からも絵師からも想像力が失われているように思います。われわれ読者だけでも夢を持ち続けねば、なんて。

 

 

 

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