ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

川底掘って夏は来ぬ

 

     


 冷たい東風が吹いた日。午後遅くになってからふらーっと玉川に出かけて、これまで採れなかった場所を一か所だけ覗いてみたら面白いのがありました。

 



 短時間川面をなぞるだけでこんなに。ほんの数メートル歩いただけです。赤くないものは無視しました。


 いつも言いますが、メノウは石としてはかなり軽い部類に属するのでどんどん下流に流されていきます。それが集積するのはかなり特殊な場所で、もしそんな結界みたいな場所に遭遇したなら腰を据えて掘りましょう。必ず成果があります。あのいつも掘る人がおられる場所などその典型で、いくら採ってもまた流されて来るのでありましょう。


 さて今日のここ。今まで採れなかったことを考えると、たぶん一時的に結界化した場所です。メノウが堆積するのは今だけ。掘るなら今。…… でももう夕刻でした。次回を期して撤退です。

 

 そして。


 さあ来たぞその日が。勇躍アクセルを踏み込んで、やって来ました玉川村。真っ赤な縞々のアゲート(赤メノウ)がざくざく出るイメージしか頭にありません。勝ち負けで言うところの私の勝ちね、うふふふと笑いが止りません。なんか前回とうってかわって暑いけど勝利を前にしては気にならぬ。さあ突入。


 …… と気合は十分だったのですが、その暑さが半端ありません。大石を除け、小石を掻いて掘りまくるさ中にも、本来あまり汗をかかない私をして顔を滝のように流れ下ります。持ってきたわずかな飲み物はすぐ無くなりました。立ち上がると目がくらむなんて生易しい状態ではなく本当に倒れるかと思いました。汗で体液が減り急激な血圧低下です。やばいやばいと言いつつ、さてメノウは。

 


          白 い の ば っ か 。


 これぜんぶ掘り出したものです。大小百個近く掘ったかな。赤いシマシマのは一つもありませんでした。オオスズメバチやアオダイショウなんてお呼びでないのが次々と挨拶に来やがる中で大汗かいて、戦果ゼロってどういうわけだ。前回はほんの10分で赤いのが次々拾えたし、今回も他の人が掘った跡はなかったのに。


 川底に白いのばかりが堆積し、川面にのみ赤いのが転がる。不思議と言えば不思議ですが、後付けで説明はできそうです。予想はできるわけなかったけど。勝ち負けで言うとこの負けじゃい。天気でも負けです。この日はあの、6月なのに伊勢崎市で40℃を超えたというあの日だったのです。水戸ですら36℃、内陸の古河で38℃。ここ玉川村も内陸で盆地状なので相当なコトになっていたと推定できます。ああ完敗でありました。…… まあメノウ拾いに勝ち負けは付き物です。気を取り直して、前回のメノウから特にお見せしたい3つをご高覧いただきます。

 

 


 メのA 長径10センチ。拾った時はぐちゃっと汚れておりましたが

 


 洗ってびっくり。巨大な晶洞があって、中に溶け落ちたような構造があります。以前に「マタ・ハリ」と命名したものと同じです。


 ちゃんと赤縞模様もあって、久々に上物ゲットです。

 

 

 


 メのB 長径10センチ。これも同じく晶洞に溶け落ちたような構造、しかもその表面がこれはオパール化とでも言うのでしょうか、白くなっています。「玉滴石」というものがこの世にあるそうですが、その安物と言ってしまおう。



 濡れると透明感が出ます。


 赤縞はより濃く。

 

 


 メのC 長径5センチ。もう見ればおわかりでしょう。その溶け落ちた構造の部分のみが残ったものです。よく残ったなあ。


 専門でないので、なぜこのような構造ができるのか知りません。鍾乳石とそっくりなところを見ると、ケイ酸分を含んだ熱水が晶洞内に滴った、と考えてよろしいのでしょうか。


 理屈はともかく見た目が面白い。いくら見てても飽きません。

 

 

 


 各気象予報士が梅雨明けを宣言しました。空梅雨でしたね。雨が降ってもっとメノウが流されてくることを期待したのですが。どんな夏になるか、どんな夏にしようか。この年でも夏は心が踊ります。大切に、楽しみたいと思います。

 

 令和4年。川底掘って、夏は来ぬ。

 

 

 

マタ・ハリはこちら。

 

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