ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

玉川メノウが蛍光を発した件について

 

    

 


 台風15号がもたらした大雨で、那珂川久慈川が大水になりました。

 

 堤防内で収まったので、大きな被害にはなりませんでした。素直に喜ばせてください。わーいわーい河原の石が刷新されたぞー。

 


 …… ところがその後さっぱり水が引きません。台風の雨ってやっぱりすごい。5日経った昨日、ようやく水位が下がったと見て玉川に行きました。前日に8時間山歩きした疲れが残っているので、1か所だけ様子見に。

 


 結果。本当に、河原の石が刷新されていて、前回と同じ場所でしたが目に新しい景色でした。ちなみに右上のは大き目の珪化木、これを拾った理由は後述します。あと右下のはどうやら溶けたガラスの塊のようです。

 


 一番大物のこれは全長12センチ。まあなんて立派な晶洞。

 


 無数に生えた小さな水晶がまるで怪獣の顎あぎとのようです。

 


 前述の珪化木。最近は珪化木を見ても心が動くことはまれになっておりました。が、これは。

 


 晶洞化してる!小さな水晶びっしり! 正確には化石化した木のクラック(割れ目)にケイ酸分が沈着したもので、玉川でたまにあるらしい。赤いメノウ脈になったものにいい値段が付いているのを店で見かけたことがあります。外国ではメノウ化、オパール化したアンモナイトなんてのもあるそうな。でも今日のこれの、この何とも言えない青みも素敵です。

 


 今回の目玉はこれ。いや本当に目玉みたいです。晶洞の中に仏頭状構造がひとつだけ発達した、もしくはひとつだけ残った。これが泥だらけで川石の間にあって、私をこの一つ目でぎっと睨んできました。履きだめでぼろぼろの服をまとっていながら眼光鋭く射貫くように。こっち見んなよ… って、キミが見てきたんじゃないか。いいですこういう天邪鬼というかはねっかえり、嫌いじゃありません。それに年の功で、人を見る目には自信があるんです、石だけど。持ち帰って洗ってみたらこの通り。玉川で赤くないのは拾わないという自分ルールがあるのですが、これは例外にしてお釣りが来る。

 


 シンプルな分、印象強いなあ。しばらく手許で愛でて、表情を少し穏やかにしてやろう。呼び名は…… 一つ目玉でいいと思うのですが、こんなことで騒ぐ人もいるので、シクロープと呼ぶことにします。

 


 さあところがこのシクロープ、実は大変な個性を持っていました。


 以前に紫外線ライトでメノウを照らし、久慈川本流系のメノウが蛍光を発することを見出しました。微量に含まれるウランによるもので、玉川メノウは成因が違うのか光らない、そんなことを記事にしました。今回、軽い気持ちで、書斎に置いたままになっていたこの夏のメノウにライトを当ててみようと、まずは今回のメノウたちにぴかっと。全員玉川産なので期待していなかったんですが

 


 ええええ。シクロープが光ってるう。

 


 玉川メノウは光らないという先入観が吹っ飛びました。それもよりによって、野外で私にガンつけてきたこいつが。やっぱり拾って欲しかったんじゃないか。いや面白いぞおマエ。

 


 何と言うか、無名のシロウトから大スターを見出した気分です。いやそんな世俗な例えではなく、貴種流離譚で流浪の王子を助けた気分としておこう。これは泥濘から救い出して正解でした。大切にしてやろうと思います。

 


 ついでにあの大物も、晶洞部分が弱く光りました。玉川メノウが光らないというのは本当に先入観でした。

 


 また一つ、物質ではない何かを手に入れた気がします。一つ心が豊かになった、そう言ってもいい。

 


 他のメノウにUVライトを当てた結果は、また次回。

 

 

 

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