ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

爆裂火口はロマンなんです

 


 磐梯山です、爆裂火口です。爆裂は無敵です。爆裂火口はロマンなのです。たぎるぜ。爆裂魔法の呪文、詠唱してよろしいですか。いきなり一般の方にはわからないアニメネタでした、すいません。


 上の写真は2年前の11月に撮ったもの。明治21年(1888)の爆発で、北に向かって山体崩壊を起こした磐梯山。馬蹄型(U字型)の巨大な爆裂火口が残りました。マグマを伴わない水蒸気爆発で、整った姿の成層火山であった山は、臓物のような火山壁の断面を晒すすさまじい姿に。山体を成していた岩は岩砕がんさいなだれとなって流れ下り、村落を呑み込み、川をせき止め、現在の裏磐梯の沼や湖の景観を作りました。

 


 初日に道の駅でもらった「ジオサイトマップ」で、実は裏磐梯スキー場というのがその岩砕なだれの最上部で、ゲレンデを登り切った先にある「銅沼(あかぬま、と読む)」のほとりからはぐるっと180°に周りを囲む火口壁が見られるというのです。おおおおお。


 そこは火口底でもありますから、火山エネルギーの源、マグマ溜まりに近い。よおおし、火山のエネルギーを頂こうじゃないか。これは行くしかあるまい。燃えるぜえええ。


 で、登り始めちゃったわけです。2日目の、さんざんスカイバレーを歩き回った後ですけど、旅行に出るとわし本当にタフだなあ。リフトは営業していないので、ゲレンデ部分もすべて自分の足が頼りです。まあ標高差は200メートル、これで音を上げるほどのヤワな鍛え方はしておりません。ゴーだぜ。

 


 こんな見事なススキ草原、下界では珍しくなりました。人のいないゲレンデってステキです。

 


 みるみる高度が上がり、裏磐梯高原が一望のもとに。

 


 悔しいことに、スカイバレーあたりも今は良く晴れているようです。

 


 ジャングルブーツは今日も快調。ゴロゴロした岩はすべて岩砕なだれの堆積物。

 


 ゲレンデには何とミズゴケ。水分が豊富なようです。これから向かう銅沼も、噴火直後にはもう水が溜まっていたそうで、山全体に水が多い。この水が熱せられて水蒸気爆発の原因になりました。

 


 地を這うツタウルシが紅葉しています。

 


 これはシラタマノキ高山植物です。この標高でもう現れるか。

 


 もっと驚いた。これはドクウツギ。私はひたち海浜公園で見かけるので、こんな山の上で再会すると不思議な感覚です。

 


 ゲレンデを登りきると樹林地になりました。ここが130年前は水蒸気を上げる岩くずに覆われていたなんて。

 


 巨大なシダや

 


 これはミネカエデ。亜高山のカエデです。


 そして着きました。これが銅沼。


 赤金、つまり銅のような色の沼ということですが、色の元は水酸化鉄、水質は強酸性。


 そして火口壁は


 おおお、本当にパノラマです。


 もちろん爆裂魔法を詠唱するなんてのは冗談ですよ。おふざけは無しです。変なテンションで登ってきたように書きましたが、山への興味は本当だし、真剣です。


 子供のころ読んだ火山百科の本に、磐梯山の写真がありました。どっかーん! 子供の目にも、山が吹っ飛んでいる様子がわかりました。スゲー。磐梯山スゲー。しかもそれが大昔の話ではなく、明治という昭和の子どもには身近に感じられる時代に、もうそこに近代の日本人が生活していたその場所で噴火があって、いくつもの村落が埋没したという。谷が埋まり、川がせき止められて無数の湖や沼ができたという。そんなダイナミックな大地の変化を巻き起こした大火山がある。磐梯山は私の脳裏に強烈にその名を刻んだのであります。

 


 まだ水蒸気が噴出しています。生きている、立派な活火山です。

 


 そそり立つ大岩壁。

 


 ほかに誰もいません。人声の絶えた水面は鏡のように静かです。

 


 地層状になっているのは、交互に堆積した火山灰と溶岩。まさに年月をかけて成長した成層火山の、その断面です。

 


 黄色い紅葉はダケカンバでしょうか。噴火後、植生は驚くほど早く回復して人々を驚かせたそうです。被災者には国や自治体、さらに発足したばかりの日本赤十字社が救いの手を差し伸べ、全国から多額の義援金が寄せられたといいます。自然も、日本人も、この災害の多い島国で、そのたびに立ち直ってきました。

 


 じつは体調不良でありました。体の準備ができないうちに寒さに晒されたこと、宿の飯がふだんの3倍くらいのカロリーであったこと。ハラは重いわカラダはだるいわ、いまいち本調子ではなかったのです。さてこういうときに私は。そうです、かような体調時には無理やり体を動かし汗を流す、これに尽きるのであります。37℃くらいの微熱ならこれで下がります。ああ我ながらなんて乱暴な体調管理法、すなわち運動療法。軽い山登りなぞまさにうってつけです。

 


 いつまでこんなことをやっていられるのだろうか。いえ、時間が限られるからこそ、足が前に出るのです。星空も紅葉も磐梯山も堪能して、ようやくこの周辺も見尽しました。今度はどこに行こうかな。神さまに頂いた最後の自由時間を、自分のために大事に使っていこうと思うのであります。

 


            さらば磐梯山

 

 

 

 

磐梯山の姿はこれで。同じアングルの写真ばかりです、うふふふ。

↓ 磐梯旅行編、完結です。だからと言っては何だけど、ポチいただければ幸いです。

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