意味不明なタイトルでございます。時系列に沿ってお話をしますね。
先日里川方面に行ったさい、御岩神社の前を素通りするという不敬を働きました。いかん。そういえばしばらくお参りしてません。今日は日曜日ですが、行かねば。
今日というのにはわけがあります。本日水戸市内では「黄門マラソン」が開催されるんです。狭い市域に無理やり作った42,195キロ、なんでこんな所を、とか同じ道を行ったり来たりとか、まあ大変。市内の道が片端から通行止めになる。数年前、それで身動きが取れなくなり難儀しました。そうなる前に脱出せねば。日曜は御岩神社も混むだろうけど、早くに出れば停められるでしょう。
甘かった。9時前に着いたのに、第3駐車場まで一杯でした。幸い臨時駐車場に空きがありました。さあ今日は、きっちり山頂のご神体や御嶽神社まで行くぞ。
かびれ神宮を経て
山頂の見晴らし。
遠く日光のお山。
まだ10時台ですが大変な賑わいです。皆さん山道を200メートルも登っちゃって。
かつて私が「光の柱」と呼んだ岩がいつの間にか「ご神体」と呼ばれ、結界の縄まで張られました。参拝者が増えるとともに、すっかり様変わりした山頂です。いつも言いますが、神仏は人々に祀られるほどに神徳を増すものでから、良い変化だと私は思います。
しばらく雨が降っていません。乾燥気味の境内、でもコケは変わらず美しく。
ムツデチョウチンゴケがもう来春の胞子のうを伸ばし始めています。本来亜高山帯のコケでありながらこの低標高地で暮らしを営んでいるのが不思議です。これも氷期の遺存分布なのでしょうか。
ダイモンジソウと
ホトトギスは鳥居下に居を構えます。植栽ですが居心地は良さそうです。
ツチスギタケ。ほかにも小さなキノコはありましたが、目立つものは特に。もうキノコの季節も終わりです。
サラシナショウマ。大きな群落を作ることもありますが
ここではこんな場所で。
これで御岩神社での用は済みました。今日はもっと別の目的があって家を出ています。車内には3メートルまで伸びる高枝切りバサミ。もともとゼフィルス(蝶)の卵採集用でしたが、今日は秋の実りを採集するのだ。先日このあたりの山を歩いたさい、サルナシの実を見つけたんです。本当は山の小動物や野鳥のために残したほうが良いのですが、どうしても食べたくなりました。その時は高所で手が届かなかったのですが、今日はこれこのようにうふふふふ。
あったあった。見づらい写真で申し訳ありませんが、ちゃんとぶら下がってます。サルナシはマタタビに近縁のつる性木本で、茨城ではマタタビほど見かけません。子供の頃に味わったという記憶もない。
ちょきん。このひと房をいただきます。もう鳥についばまれていますが、それが自然なので文句は言えません。
地方によっては、コクワの名で親しんだ方もおられるかと。
ナイフで切ってみれば…… おわかりですね。そう、キウイの子分みたいなものです。ちなみにキウイは、中国原産のシナサルナシとかオニマタタビとか言われるものをニュージーランドの人たちが品種改良して立派な果樹に仕立て上げたのだとか。
さて目的は達したのですが、どうも貧乏人というのは欲が張っていけません。あたりにもっとないかな、あればもう少しもらっても怒られないよな、なんて藪の中を歩いていたら
え。
い、いや、探していたのはサルナシであって、親分をお呼びしたわけでは
…… キウイ だーっ、ほんもののーっ
気付くと、数百いや軽く千を超えるキウイフルーツに取り囲まれていました。なんだなんだなんなんだ。
植物としてのキウイは日本の気候にも合うようで、あちこち、例えば筑波山の山中でも逃げ出したのが野生化しています。とはいえ雌雄異株だし、山の中でそう簡単に実を付けるものとは思ってなかった。でもここでは間違いなく、少なくとも家庭菜園レベルの実がたわわに下がって、キウイ大好きの私には突如楽園に放り込まれたような気分です。… と、採っていいんだよね。
20個ほどいただきました。なんか、
コレがコレに、化けたように思えてきた。
切ってみれば
立派にキウイ。
で、皮をむいてかじってみたんですが、すっごく硬くて酸っぱかった。あとから聞いたら、キウイは収穫後にしばらく追熟させないと食べられないんだって。
山野の気を感じながら生きている私のような者は、物事にはすべて理ことわりや来歴があると考えます。今日のこれは、やはり御岩神社の神さまに頭を下げるべき事案でしょう。今度お賽銭を奮発せねば。
というわけで、御岩神社でお参りしてからサルナシを採りに行ったら手にしたものがキウイになるという稀有な体験をした、略して表題になるのであります。
追熟中ね。
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