ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

集中曝涼って何だ。


           集中曝涼ってなんだ?

 


      ↓ 画像をクリックすると字が読めるくらいに拡大できます。

 

 この「?」と思った時点で企画者の勝ちです。良い言葉を選んだものです。言葉のセンスって本当に大事。ちなみにワープロソフトでは「ばくりょう」で変換されず、単漢字で出しました。さすがに大辞林には載っていた。


 わがタマシイのフィールド、常陸大宮市文化財が一挙公開される。なんとスタンプラリーでトートバッグがもらえる。ああ弱いなあこういうの。7か所のうち5か所をめぐれば良いので、一筆書きで移動できるコースを考えました。


① 文書館


 山間部にあって、さらに開館時間がほかより早いここから。どう見ても小学校の建物です。その通り、廃校をそのまま公文書の保存・公開する施設にしたもので、まことに斬新かつ心豊かな発想、常陸大宮市にはよい職員がおられるようです。NHKの「ファミリーヒストリー」で漫才のナイツの回のとき取材されていました。塙さんの家のルーツが常陸大宮なんです。

 


 ここの今回の公開史料は「中世の城郭」のパネル、いわゆる模造紙展示。この周辺は上代から戦国終焉まで佐竹氏の勢力範囲で、多くの山城や砦がつくられました。そういう分野にファンがおられることはよく存じておりますが、残念ながら私はスタンプにしか興味を持てません。こちらの阿弥陀如来の宝冠はステキでした、はい。


② 高部宿 岡山家 養浩園・喜雨亭


 山一つ越えて高部たかぶ宿へ。どうですこの味わい深い街並み。


 高部宿は昭和の時代まで大いに栄えた山間の宿場町で、林業を基礎にした大きな経済圏を擁しておりました。2軒の造り酒屋に大地主の経営する米屋、宿屋、商店が軒を連ね、それはそれは活況を呈していたとか。こう言っては本当に申し訳ないのだけど、それがすっかり寂れた様子が文明崩壊マニアの私をいたく刺激する、そんな高部宿です。特にここは、富裕な商家の間で豪壮な看板建築を建てる流行があって、しゃれた洋館や塔がそれはそれはいい感じに古びているのがたまりません。うふふふ。

 


 これはどう見ても郵便局。高部宿の郵便局。でも造り酒屋・國松家の一部なんです。力のある家だったんですね。

 


 隣接する國松家の門。今回は公開されていませんが、立派な庭と酒屋らしい煙突が垣間見えます。

 


 ひときわ目を引くライムグリーンの洋館。間宮家の邸宅です。

 


 タクシー屋さん。これもどの家かが経営していたんでしょうね。

 

     
 こちらの蔵を撮っていたら家のご当主が出て来られたので、改めて挨拶と撮影許可をお願いしたら、なんと家に招き入れてくださいました。あとで知ったのですが、こちらが大地主の平塚家でした。

 


 持っていた田んぼから上がるコメをここで売っていたので、今でも「米屋」と呼ばれるらしい。一街区を占める敷地には、かつてはもっと蔵が建っていたそうです。高部宿が栄えていたころの話をいろいろと聞かせていただきました。

 


 ああ、おしゃれな離れですねえ。何とこの辺りにハンティングに来た力道山がここで昼食を食べていったと。力道山なんて若い人はご存知ないでしょうけど。

 


 さあ実は本日のメインイベントがこちら。だって、こんな建物見たら誰だって中に入りたいって思うでしょ? もう一軒の造り酒屋・岡山家の文字通り看板建築にして高部宿のランドマーク「喜雨亭」です。

 


 「とものはな」じゃないよ、「はなのとも」だよ。

 


 岡山家母屋。内部は4層でしょうか、うわあすごい。普段からたくさんの使用人がいて、遠来の客があって、さらに秋田から多くの杜氏を呼んでいたそうです。

 


 ではさっそく「喜雨亭」に上ります。

 



 内部は書画骨董がこれでもかと。看板であるとともに、来賓をもてなし驚かす目的もあったんでしょうね。

 


 さてそれでは庭園「養浩園」へ。

 


 とにかく紅葉真っ盛り。これを見越してこの時期の公開です。


 はいそうですよ「守衛」さま、あなたの記事を見て行きたくなった第2弾なんです。あの記事へのリンクを貼る許可をいただければ直ちに。


③ 善徳寺


 すいません、あとは雑なレポートになります。ここは本堂が歴史的建造物のはずなのに、その本堂にガラス戸がはまっていて興醒めでした。


④ 甲神社


 かぶとじんじゃ、と読んでください。「大宮」の地名のもとになった由緒ある神社です。

 


 剣と能面がメインの展示なのですが、うわあ、桜田門外の変の絵巻だあ。いまだに水戸は彦根(井伊家の城下町)の人に恨まれているんです、コレで。

 


 坂上田村麻呂の剣。

 

   
 能面よりもこちらがインパクト。鬼板と言うんだって。

 


 ここでスタンプラリー途上の景品、バッジをくれました。


⑤ 歴史民俗資料館


 じつは高部宿の次に楽しみだったのがここ。土器が見られる!

 


 正確には、弥生時代の壺がメインの展示です。その正体は今で言う骨壺なんだけど。

 

    
 この壺は国の重要文化財、出土した遺跡は国指定遺跡、壺の名前はいずみちゃん。たぶん日本でただ一つの、名を持つ骨壺。

 

    
 いずみちゃん拡大。妙に生々しいというか、デッサンがしっかりしていることに驚きます。

 


 説明書きには火炎土器、とあって説明のお姉さんに確認したら火焔ふう土器、と言い直していました。似て非、ではあるけど確かに影響は受けていると思います。

 


 なぜなら同じ遺跡から同じ新潟のヒスイ製大殊が出土しているんです。一つの遺跡からヒスイ8個というのは国内最多記録。三百キロの彼方から運ばれたお宝。驚くべし縄文時代にはもうそれだけの交易がなされていたということ。

 

 

 


 それでは最後に、この会場で「顔」のある皆さんにカーテンコールをお願いしてフィナーレとさせていただきます。どーん。





 トートバッグもらえた。絵柄はいずみちゃん。

 


 お付き合いありがとうございました。

 

 

 

 

↓ こちらを見て行きたくなったんです。私と違う視点の、夏の岡山家。

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