ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

凪ぎの群青 メノウの渚

 


            こんな静かな太平洋。

 

 「太平」洋と言いつつ、私の知るこの海はいつでも大波小波が激しく打ち付けます。毎日の海況を知るわけではありませんが、ここまで穏やかな群青色の海を見ることってあまりないのでは。穏やかな内海しかご存じない方もおられるでしょうが、茨城の太平洋はそういうものなのです。

 


 周期的に少し大きな波が来て、一瞬コバルトグリーンの浪裏を見せてすぐ砕けます。そして続く小さな波の連なりが、人の拍動より遥かにゆっくりと大気を揺らし続けます。ずっと見てても飽きません。静かな波音が詩人の呟きのように心に響きます。

 


 いやいやいや、違う違う違う。今日は心疲れて海を見に来たんじゃない。石拾いじゃ、浅ましくガツガツと、怪しくウロウロと、メノウやら何やら拾うんじゃ。カッコつけてるバヤイじゃない。

 


 1月の初めにやはり海辺をうろついて、蛍光ガラスとメノウで面白いのをいくつも拾うことができました。それに味を占めてまたなんか拾ってやれという浅ましい根性で、前回マーブル状で十字に蛍光する変なガラスを拾ったここ、北方植物シロヨモギ南限の浜に来ております。それで体冷やして風邪を引いたことなどまるで懲りておりません。あ、今日は植物カンケーありませんので、そちら方面に関心のある方ごめんなさい。

 

 


 というわけで歩き始めて、さっそく大き目のメノウというか玉髄を見つけました。長径8センチの、この日のお持ち帰りで一番大きい一品、これは河原のお供物に良いかな、なんて。

 


 おっと。

 


 白く石灰分が沈着した海メノウ独特の、でも小さな晶洞やメノウらしい縞模様もあって、玉川メノウで見かけるブツブツもある。面白い1個。

 


 指先大の小さくて赤いやつ。好きな大きさです。

 


 これはジャスパー。不純物が多く不透明になった玉髄、と説明されます。私は透明じゃないと心が動かないなあ。

 

   
 なんて感じでメノウが入れ食いです。いつもこうというわけではありません。きっと最近に海の荒れた日があったのでしょう。

 


 荒れた証拠に、貝がたくさん打ち上げられていました。地元で「ヒラガイ」というところのコタマガイ。中身入ってます。可哀そうだけど全部助けていたら日が暮れてしまいます。

 


 その後も次々とメノウが現れました。今日この穏やかな渚は、私にいい笑顔を見せてくれたようです。潮は「長潮」、昼のあいだずっと満ち潮のままというあまりいい潮まわりではなかったけど、良い時ってのはそういう条件とは関係ないんだなあ。

 


 浜のモニュメントの陰に、前回私が置いていったメノウがそのまま残ってました。今回は良いものばかりが拾えたので置き去りは無し。

 


 こんなに。いくつか特に面白そうなものが拾えて、まあ良かったです。

 


 風が強まって体が冷えてきたので、今日はもう引き揚げます。メノウがたくさんあって、何よりこんなきれいな群青の海を見ることができたので満足です。自然相手は何事もラッキーーと考えるべし。

 

 


 次回は、ここから気になるものを拡大してご覧に入れようかと思います。

 

 

 

 

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