東風こち吹いて カタクリ咲いて 我は居り
この春初めての東風が吹きました。雪のない茨城でスプリング・エフェメラル(春の儚い花々)の季節です。人の夢と書いて「はかない」。まこと、一炊の夢のごとし。
じきに雨だという予報をまだ晴れてるじゃんと蹴っ飛ばして、やって来ましたへの6号フィールド。
なんとなく最初に見るのはコレのことが多いキクザキイチゲ。茨城のものはほとんどが白ですけど、そういえば昨年の新潟にはいろいろなのがあったなあ。
よく似たアズマイチゲは、花が重いのか疲れているのか、皆うつむいていました。元気出せ。
離れた場所に白いひと群れ、咲き始めたニリンソウ。ここまで3種のキンポウゲ科の中では当地で一番数が多いものです。そういえば新潟ではあまり見かけなかったような…… いかんいかん、新潟のことは脇に置いて。
カンスゲがボクも撮って撮ってとしつこくアピールしてくるので1枚だけ。
湿った腐葉土の上にはネコノメソウ。今日このフィールドで見た唯一の黄色い花でした。
これもアピールがうるさかったユリワサビ。
そして…… ありました。もう咲いていた。カタクリです。
陽が翳ってきました。雨の前に、この舞姿を写し取らねば。
かたくりは 耳のうしろを 見せる花 川崎展宏
やはり新潟に言及せねばなりません。かの地ではどのフィールドでも落葉樹林の林床をカタクリが埋め尽くしておりました。多雪気候によく適応した植物です。そして雪国の人よ驚くなかれ、ここ茨城でカタクリは、群落があればそれで町おこしが始まってしまうくらい貴重なものなのです。
また、北の国に浅い春を追う旅に出たくなりました。ただ昨年の新潟があまりに美しすぎて強烈すぎて、次はどこへ行っていいのかわかりません。
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