ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

そこにあればいい

 

       


 水戸市内の希少植物、ニッコウキスゲカザグルマ。昨年は縁あって新たな産地も見つけ、地元の自然というものを再認識しました。守り人というのも気恥ずかしいけど、今年の様子を見に行きました。


 まずは何を置いても、呼び声に誘われるままに迷い込んだ谷で見つけたあの場所へ。

 


 ああ今年も咲いていた。よかった。

 


 正しい和名は「ゼンテイカ」なんだと書くのも興ざめな気がしてきました。権威の押し付けみたいです。ニッコウキスゲで全国民に通じるんだからそれでいいじゃんって。端正な花姿と清楚な花色は、5月の青空に映えて何物にも代えがたい。

 


 カザグルマも。この準絶滅危惧種がこんな町中にあることの危うさを大いに危惧しましたが、無事でした。花は一輪のみ、昨年は十輪ありましたから大幅後退ですけどこれには理由があります。この草地が昨秋にかなり念入りな草刈りを施されたのです。カザグルマはこう見えてつる性木本、つまり木です。それが根元近くで切られたようで、花一輪ぶんの枝しか残らなかったんです。まあどうあっても園芸ジジイに掘り取られるよりはマシです。同じつる性のスイカズラやフジの逞しさと比べると心もとない限りの弱弱しい植物だけど、それでいい。

 


 2日後には他の草に埋もれてました。このまま目立たず、ヒトの活動と折り合いをつけて細々とでも生きていってくれれば私にはオンの字なのですけど。


 せっかくなので、同地で花期を同じゅうする隣人たちもご紹介。

 


 ノイバラ

 


 ヒメジョオン

 


 ベニシダ

 


 フランスギク

 


 キツネアザミ

 


 オドリコソウ

 


 ユウゲショウ

 


 ヒメフウロ、の外来種のほう。最後に過去記事のリンク付けますね。

 


 さて市内にはもう一か所、ニッコウキスゲの産地があります。こちらは従来から知られた場所のようですが、徹底した盗掘に遭って、確実に残るのは民有地の斜面のみ。

 


 草刈りなどの世話をしていた老農夫とは一昨年来お会いしてません。放置され丈高く伸びた草むらに埋もれるように、それでも何とか咲いておりました。このまま遷移が進めば花は咲かせなくなりますがこう見えてしぶとい植物です。この土地が開発で消滅しない限り滅びません。

 


 この場所、面白いことに、傍らにエンジュ(槐)の木が何本か植えてあります。中国原産で薬用に導入されたものだけど、なぜここに植えたかは存じません。虫に好かれる木です。

 


 ほらいた。ゴマフカミキリ

 


 オスとメスが集まってなんかしてます。平和だなあ。

 

    


 シロコブゾウムシ。愛想のかけらもない仏頂面がトレードマーク。

 


 沢沿いに歩くとシュロが咲いてました。どこかの庭から逃げ出した子孫でしょう。

 


 雨で溢れた代かき後の田んぼに浮かぶのはシュレーゲルアオガエルの卵のうです。たくさん浮かんでました。あぜの泥中なんかに産み付けられるものですけど、流れ出てしまったんですね。こうなるとアメンボなんかの水生昆虫の餌食になってしまいます。

 


 ヘビイチゴきれい。

 


 コマユミ

 


 ヒモワタカイガラムシ。植物と見まごう人多いんじゃないかな。

 

    
 今年もハンショウヅルが咲いてました。野生のクレマチスです。

 


 オオヤマオダマキ。野生種がそのまま売られているので、自生なのか逸出なのか判断に迷います。

 


 これは。上のヒメフウロに似てますが別の帰化種、オランダフウロです。何とカフェインを生成する薬草なんです。分布が限られると聞きますが、水戸にあるとは気付かなかった。

 


 ヒメジョオンツマグロヒョウモン帰化種どうしですが仲良くやってます。

 


 この場所のもう一つの秘密。ぽつぽつとこのアワブキが生えていて、これを食草にするアオバセセリが住んでいるんです。今年はぜひその幼虫をご紹介しなければ。ビビッドな姿にびっくりしますぜうひひひ。

 


 実はあえて記事にしなかったのですが、昨年市内にもう一か所、カザグルマの産地を見つけてます。県内私の知る自生地四つめ。もちろん今回も再訪したのですが花姿はありませんでした。たまたま開花しなかったのか、盗られたか。花がないと藪の中で見出すことはほぼ不可能の貧相なつる植物なので所在不明です。本当に、スイカズラやフジの逞しさを見習ってほしい。

 


 カザグルマのような希種・珍種にこだわるわけではありません。自分の生まれ育ったこの地に共に暮らす同胞はらからと挨拶を交わし息災を喜ぶ。いやそんな親密でなくてもいいんです。遠目に姿を垣間見て、ああまだいてくれたかと安堵できれば、それは自分がまた変わらずに1年を過ごせた証にもなります。ひそやかに開く野の花、ささやかに生を紡ぐ細い足の虫たち。同じ時を生きるもの、それがそこに、あればいい。

 

 

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