カップヌードル「味噌」は神。
カップめんって、ときどき無性に食べたくなることはありませんか。私はコレとコーラとカツカレーに関して、突然宇宙からの指令が脳に入ってきます。ほうらそろそろあの味が欲しくなったろうって。コーラとカツカレーはおカネさえ出せばなんらハードルはありません。問題はカップめん。
在宅生活になって最も変化したのが昼食事情です。以前は職場で弁当が手に入り、空き時間に外出してランチという選択もあり、それが面倒だったり多忙な時のためにロッカーにはカップめんを常備しておりました。銘柄にこだわりはないので安く入手したものとか珍しいものとかいろいろ試してみましたが、結局は原点にして到達点、安定して購入でき、作り方もシンプルな日清のカップヌードルを頂くことが多かったように思います。安藤百福さんありがとうございます。
さてそれが現在の昼食は。外をうろついている時はファストフードなりコンビニ弁当なり、さも働く男のようにふるまっております。家にいれば老母がかたじけなくも何か作ってくれる。ただそれが常に高カロリーで、毎日食べてはせっかく維持している体形が危ういことになりそうです。さりとてこの母の前でカップめんを作るのは気が引ける。ちなみに間食をする習慣はありません。…… つまりカップめんを食べる局面がないのです。まあアレも連食してカラダにいいとは思えないので、それは問題ありません。しかし、食べたくなるときがあるのだなあ。
これは何か。名をフレームザックと申します。三十年以上前に流行りました。とりあえず登山用であったと思います。以前のキスリングと呼ばれた横長のザックから現在の縦長ザックへの過渡期に出現しました。アルミフレームのザックは今でも定番ですが、これはそのフレームが露出していていわば「背負子しょいこ」の近代版です。ザック本体はサンマ缶のように全面を平開できるのでパッキングや取り出しに便利でした。テントは上に、寝袋は下に外付けします。とても便利で合理的、私はこれで大雪山やら小笠原やら白神山地やらを歩き回りました。青春の勲章みたいなもんですへへへ。← 照れてる
使わなくなって二十数年、永らく屋根裏に山装備を内蔵したまま放置されておりました。そしてとうとうバラして廃棄したのが三年前。野営用品はそのまま残してあるはずです。アレを使えばいくらでもフィールドでカップめんが食えるじゃないか!さあ話が戻ったぞ。
屋根裏を探して… 出たあ。当時の言葉で左からコッヘル、ボンベ、ストーブと称します。今どきは何と言うか知りません。…… ってこのボンベ三十年前のもんだよな。パッキン大丈夫か。たしかプロパンボンベには法的な使用期限があったけど、コレはいいのか。そもそも使えるのか。使い始めたら横から火ぃ吹いたなんて嫌だぞ。
とりあえずボンベにストーブをセットして、コッヘルの小さいのを乗せればお湯は沸かせる。狭いテントの中で取り回すものですから、このまま書斎でも使えるはずですけど前述のようにガス漏れ怖いしなあ。本来の使用場所かつ今回の使用目的は野外である、というのでフィールドに持ってきました。
さあ二十数年ぶりの着火です。カチカチカチっと。
ぼぼぼぼぼ。意外なほど早くお湯が沸騰しました。たいした火力だったんだなあ。
フタ開けてお湯入れて、やはり元祖のシンプルさはありがたい。ストーブ容器を押さえにして
3分待ってできあがり。
1年ぶりのカップめん、美味しゅうございました。と同時に、古い山道具を引っ張り出して使ってみて、何かそれ以上に遠く深いものがよみがえりました。
社会人を演じるうちに失ったかつての自分を取り戻す、どうやらこれは軽いリハビリになったようです。次は数十年ぶりにコッヘルでご飯を炊いてみます。わあなんか楽しくなってきた。
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