ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

欲深な竜と500円玉

 

   


 龍、竜、もしくはドラゴン。表記はさまざまですが、世界中の伝承に見られる超自然の存在です。代表的なのは中国と西欧のもの。中国の「龍」はご存じ水神、水の恵みをもたらす崇敬の対象です。対して西欧の「竜」はキリスト教徒に害をもたらす「悪」の象徴、圧倒的な力で人や町を襲い、奪うものです。人里離れた洞窟に巣を構え、奪ってきた金銀財宝やさらってきた乙女や、そういうものを宝物として貯め込み、番をしています。宝物をどうしていいのかわかりません。考えません。ただひたすら蓄財し、その番をするだけです。ただひたすらに欲深な竜。…… どうでもいいけど、さらわれたお姫さまってどうなるんだろう。日々のお世話をしてもらえるとは思えず、助け出されたときにはそれはそれは残念な姿に……ry

 


 最近ニュースで見かけるのが、著名人をかたる電話に乗せられて大金、多いもので数億円を騙し取られるという事件です。いや素直に、あるところにはあるもんだと驚いています。たいていはご老人で、この先そう長くはないと失礼ながら思わせる年齢、そんなに貯め込んでどうする気だったのかと心配してしまいます。死後の遺産が億もあったら親族間で必ずモメますよ、修復不可能なほどに。さらには相続した子孫をダメ人間にするというオマケまで付きます。巨額の財産があってもさらにそれを殖やそうとする。深いのは業か欲か、いやしかし。

 


 これは 500 円硬貨。でも皆さんのお手元にあるものとはちと違う。何がって?

 


 こうすりゃわかる。若い方には知らない人もいるのかな。平成11年まで発行されていた「白銅貨」です。


 500 円硬貨の分類
  ・白銅貨          昭和 57 年 ~ 平成11年
  ・ニッケル黄銅貨      平成 12 年 ~ 令和 2 年
  ・イカラー・クラッド貨幣 令和 3 年 ~


 白銅貨の外見上の特徴は何と言ってこの側面の NIPPON 500 の刻印。初めてこれを手にした時のその巨大さ、ズシリとくる重み、そしてこの刻印のカッコよさに、日本のおカネもここまで来たかと感動したものです。

 


 傷だらけでもちゃんと桐の花に見える彫刻。技術力の高さを示す意匠は見事です。残念ながら韓国の 500 ウォン硬貨(価値が三分の一)を使ったセコい釣銭詐欺が横行して 18 年間で使命を終えましたが、二度の改鋳を経ても基本デザインが受け継がれてます。歴史に残るデザイン、と私は勝手に決めつけてます。さあこれが

 


 どーん。出てきちゃいました。

 


 450 枚弱、どーだたまげたか。わしたまげた。せっせと集めて各年のを 10 枚ずつ、それでも止まらず手許に来る 500 円玉をケースに収め続けた二十年前のおのれの所業、すっかり忘れてました。先日寝床の中で思い出して思いっ切り「」とか声を上げてしまった。今でも大金です。さてどうしよう。当初はちびちびと使うことを考えましたが、前述の経緯で改鋳されたのですから今の自動販売機では使えません。お店では使えますが、金融機関の硬貨計数機ではじかれるのでお店の人が銀行に持って行ったときに迷惑を掛けます。自分の口座に入れるにも銀行窓口で処理してもらうしかない。窓口のお姉さんに手で数えてもらうことになります。百枚を超えると手数料が掛かるので何回も行くことになる。あああどうすれば。

 


 困った挙句家族に相談したらいや呆れられること。こんなもんまで貯めていたか!って。メノウ集めという現在進行中の罪過があるで何の反論もできません。結局銀行の窓口に小分けで持っていくことにしました。最低でも五回。ああ三回目くらいには「また来たか」なんて顔されるんだろうなあ。キビしいなあ。

 

     
 とにかく集める、貯める。使う目標なんてない。ひたすら貯める。何のことはありません、億のおカネは持ってないけど、つまりは私も「欲深な竜」であったのです。

 

 


 500 円玉と数億の札束を比べるのも妙な話ですけど、私にはかの方々の気持ちがわかります。きっと若い頃にお金で苦労なさったのでしょう。そして努力と忍耐の末に食うに困らない財産を手に入れたけど、お金への欠乏感が収まらない。もっと殖やさねば、もっと、もっともっと…… その挙句にサギに遭ってすべて失う。私には笑えません。

 

 


 ちなみに 500 円白銅貨、プレミア価値があるのは発行枚数が少ない昭和 62 年、次いで 64 年。私がこれだけ集めた中でも 64 年が1枚あるだけでした。まあこんなもんなんでしょうね。

 

 

 

 

↓ ランキング、よろしければお力を。

にほんブログ村 その他生活ブログ 季節・四季へ
にほんブログ村 花・園芸ブログ 野の花へ
にほんブログ村 その他日記ブログ 備忘録・メモへ