夏キノコの季節です。年に一度の原点回帰、ツクツク森の様子を見て参りました。
水戸市内、農村地帯のこんもりと茂った神社裏の神域、森閑とした神木立の異空間を私はそう呼んでます。数十年通っていますが、いまだここで他の人間に会ったことがありません。私の知る限り、冬虫夏草ツクツクボウシタケの水戸で唯一の発生地です。毎年8月か9月に記事にしています。他の菌(キノコ)類も豊富で、カメラ持って行こうものならボクを撮ってワタシも撮ってとやたら声を掛けられます。
今回、林床に散り敷いたスギの葉にびっしりと微小な白いキノコが付いてました。ホウライタケの仲間と思われます。すごい密度で足の踏み場が無いほどに地を埋めて、可哀そうだけど大怪獣のように踏みつぶしながら歩くほかありません。ぷちぷち音がしたらどうしようなんて。ちなみに森の土には片足ぶんの面積に数万の土壌生物が住んでます。気にしてたら歩けません。
シロテングタケ。ともに毒を持ちますが私はキノコ食の習慣が無いのでどうでもいいや。近年同じ場所に続けて発生してます。土中の壺から丸い頭をぽこんと出すのが可愛いというかエネルギッシュというか。
樹幹の着生植物カヤラン。普通落ちるとすぐ弱ってしまうのですが、これはシダの葉陰で元気そうでした。
ツクツクボウシタケも健在でした。ただ、昔と比べると数を減らしてます。暑い夏はそういう傾向があるのは知ってましたが、衰退しているのかも。…… え?わしのせい?
確かに昨年も 20 個体ほど採集させて頂きましたが、かつては盛時に数百個体が群生したような場所だし、自然の流れだと思いたいです。とはいえなんとなく今年はここでの採集は控えようと思います。10 月のきのこ観察会で参加者にお配りする分は、よその産地のものを使おうかと。
村の鎮守の社として何百年も維持されてきた森です。そう大きく変化することはないでしょう。もっとも、東京の某神宮であそこの木を伐って商業施設を作って儲けましょうぜという業者の甘言に乗せられた話があるように、ここの平和も絶対ではないのでしょうけど。
ところでこのツクツク森、私が入る裏参道によく門番がおります。私のような怪しいよそ者に睨みを利かせ、誰だおめえと誰何してきます。輪番制のようで、ドクツルタケやコレラタケといった猛毒キノコがいることもあればこぢんまりしたハナオチバタケのこともあり、ミヤマクワガタやコシオガマの幼体ということもありました。さて今年は
どおおん。ベニイグチだあ。
木の下闇に隠れたツクツク森の入り口を示すネオンサイン。遠くからも一目でわかりました。今年は歓迎されていたみたいでちょっとうれしい。
ここから「森の三部作」始まります。さてどうなることか。
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