これは何かというと、「野外生物お持ち帰り容器」です。綿棒の入っていた容器と人は言うようですけど、ええそうですよ廃品なんですけど、軽くて容量があるので野外で採集した柔らかいもの、例えば冬虫夏草を持ち帰るのに重宝しております。廃品利用が得意だな、このビンボー人が。
八郷盆地を横切って、筑波山塊まで行ってきました。昨年見つけたツクツクボウシタケの産地に行って、今年の分を確保するために。
人が入らなくなって、少し荒れ気味の林内。
モミの木の倒木に生えるのはまだ成長途中のツガサルノコシカケ。びっしりと水滴に覆われてます。これは雨滴や夜露ではなく、このキノコがものすごい速度で木材を分解していて、その際に生成される「代謝水」を排出している姿です。木材の成分「セルロース」とか「リグニン」、それまで生物体であったものが水になり地球環境に還元されるという、まさに物質循環が行われているその現場。生態系でこの役割を担えるのはキノコの仲間「菌類」だけです。そう思うと尊いなあ。
ツクツクボウシタケも 20 ほど採集させていただきました。例の容器に入れてお持ち帰り。この日は暑くて、ヒーヒー言いながら帰りました。採ってきたブツはゴミを取って水洗いして。…… そのあとひとつ、大事なことを忘れました。
翌日は御岩神社へ。
駐車場でツユムシが飛び乗ってきました。よりにもよってこんな奴の股ぐらを撮るとは。
今日も苔庭がきれいです。
穴がいっぱい開いていると思ったら木漏れ日に映る葉っぱの影でした。気になったのはその手前にあるかそけき草。小さな小さな白い花が咲いてます。以前に見たヒメヨツバムグラかと思いつつ接写したら
なんか違う。調べたら近縁のハシカグサというものでした。初めて聞く名です。直径2ミリの花は、この世にはまだオマエの知らないものがいっぱいあるんだよと言っているような。
小型のキノコがちらほらと。この時期に、以前はカメムシタケやカエンタケ(残骸)、コガネタケにツチアケビと、菌類関連の見ものがあって今回も期待したのですが空振りでした。コーヒー屋さんのワゴンも来てなかったし、少し期待外れだったかな。
…… なんて神さまに失礼ですね。今日も美しい光が射したことを感謝しましょう。
さあその帰り道です。思い出して、思わず「 あ 」と声が出てしまった。昨日の洗ったツクツクボウシタケ、容器に入れてフタをしたまま暑い部屋に置きっぱなしでした。すぐ乾燥させるべきだったのに。冬虫夏草保存の掟その一を破ってしまったのでは。
帰宅して、恐る恐る窓際に引き出してみます。怖い。怖いけどおのれの所業を見届けねば。
1日でカビだらけ。あああやってしまった。もう何にも使えません。
ああああのフィールド行、はるばるガソリン消費して、炎暑の中に一日という時間を費やしての山歩きがすべてフイになりました。お前ヒマだからいいだろうって? そんなこと言わないでくれー。今は泣かせてください、くすんくすん。
人生、失敗の連続で出来ている。わかっちゃあいるんですが、いくつになっても落ち込みます。明日はいい日でありますように。
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