はい集合!
で、来てもらって申し訳ないのだけど、キミとキミとキミは外れてくれるかな?
「なんでオレらが残ったんだ」
はいはい、まずは記念撮影ね。
ああ夜光石よ、目立たなくていいから。
よくできました。さてご懸念の件、キミたちの共通点はなんでしょう? 時期がずれるから面識はないだろうけど、実はキミたち、同じ店から買われてきたいわば兄弟なんです。
以前に一度だけ記事にしました。日立にあるパワーストーン屋さん。当初は老夫婦が店番をする、石&駄菓子売りをなりわいとするお店で、大通りに面したいい立地なのにいつもヒマそうでした。その夫婦もやがて一人になり、そして姿が見えなくなりました。替わって店にいるのが息子さん、五十がらみで痩せて背が高くたぶん独身、きちんと会話はできますが人付き合いは苦手そうな、まあ私にとってストレスなく情報交換ができる温和な好人物でした。親子して商売下手で、特にこの息子さんは自身で石の採取に出かけるヒトなので店はしょっちゅうシャッターが降りていて、出向いても入店できるかは当たるも八卦、そんなバクチ的感覚が楽しいお店でもありました。置いてある石はマニアック、行けば何かしら掘り出し物があってしかも格安、暗く狭い店内は魔窟にも似て、…… そうつまりは、私がひいきにしてしまうすべての条件を備えていました、気の毒なことに。
ひいきの店をツブす私の神通力、これもいつか記事にしましたが、いや決して私のせいじゃないんです。私がそういう店を見つけてしまうんです、こんなマニアックで商売下手な裏町の武器店みたいなのを。で、このパワーストーン屋さんもたぶんカツカツの経営だったところにあのコロナ禍です。いつ行ってもシャッターが開いてる時がなくなり電話も通じなくなって、ああ終わったなと。私のせいじゃないってば。
夜光石。人工石です。しかし直径9センチというのは特筆モノでは。
正確には発光ではなく蓄光。消灯したあとの書斎で物悲しそうに光ってます。
クラック(ひび割れ)入り水晶玉、直径7センチ。視界が遮られるので占いには使えません笑。
でも覗くと見える風景は想像力をくすぐります。
蛍石の玉、直径6センチ。
これも割れが楽しい。バイカル湖の氷を想起します。
蛍石ですからちゃんと光ります。
これも蛍石。自形結晶ではなく人の手で割って成形されたものです。職場の机上に置いといたら勝手に「ラミエルごっこ」に使われてカドが少し欠けてしまった。まあ楽しんでもらえたなら。
光るぞ。
ラピスラズリ。本来たいへん高価なもので、私にはこの店でしか買えませんでした。大きい玉は質が劣りますが直径6センチあります。小さな玉は3センチですがものすごく良質、たからものレベル。
同等のがショッピングモールのパワーストーン屋で5万4千円でした。それがこの店では十分の一。商売下手にもほどがある。
さあ出ました、コレは何だと。ざくろ石です。集合写真では真っ黒に写ってますが光を当てればこの通り。多面体でよく磨かれてますがこれも結晶ではなくひび割れだらけ。大きなクラスターの原石から切り出して結晶形をイメージしながらカットされてます。もちろん一目見て買ってしまいました。魔道具や呪具、魔界グッズの店なら何万円もするんだろうなあ。
ローズクォーツ。「スター(六角形の星型の光模様)があるんですよ。ほら、…… あれ? あったんだけどなあ」ここまでセールスの下手な商売人見たことない。あんまり過ぎて買ってしまいました。
カラーLEDでいろんな光を楽しんでいます。
ルチル入り水晶。これは本当に私の宝物。やはり相場の十分の一くらいで買ったと思います。かたじけないったらありゃしない。
書斎を暗くして色変LEDの台座に置けばもうここは次元のかなた。宇宙の原初、晴れ渡った瞬間の光が生まれた場所、創造の起源。いや実際、部屋でストレッチや筋トレをするときは集中のため、思索するときは天啓を受けたくてこんな風に光らせています。キレイです。
クラックだらけの黄水晶。どこかの惑星みたいだなあ、なんて。
色変LEDで、青い惑星。
その昔、妖星ゴラスというのがあってだな。
真っ黒い水滴型の金属光沢。実は鉄の鉱石・ヘマタイト(赤鉄鉱)です。磨くとテカテカ、でも割ると割れ口は真っ赤という不思議な石。
石ですらないアクリル製。人工物ゆえの幾何学性、きれいでしょ。ラミエルごっこ用に買ったのだ。
メノウ教を名乗るなら一つくらい本物をと買った縞メノウ。ブラジルあたりの産でしょうか。そういえば産地とか一度も確かめることなく買っていたなあ。
これもひと目見て買ってしまった。サンゴ礁の島で採れる石灰石の一種、俗にレインボーストーンというものです。日本では南大東島が唯一の産地ですが島外持ち出しは禁止されてるし、どこの物か聞いておけばよかった。もっとも店主は何も知らずに売っていたんじゃないかなんて、ふと。
今は無き、夢に出てきたようなパワーストーン屋さん。あの痩せた、決して若くなく、ついでに言うとあまり健康そうでもなかった店主はどうしているだろう。いかにも世渡りの下手そうな、みすみすチャンスを逃していそうな、ぼーっとした万年青年みたいな愛すべき男でした。令和の世に居場所がない、なんて言うと私と通ずる部分があったような気がします。ちゃんとご飯食べてるかな。通販とかもやっている風だったのでなんとか食いつないでいてくれてるといいなあ。
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