
ネット界隈で騒がれている新作アニメがあります。その名も「瑠璃の宝石」。原作者はなんと鉱物学専攻の元高校理科教師。アニメはまだ第1話が放送されたばかりですが、さっそく一部で盛り上がってます。主な登場人物は
主人公:女子高生。金髪ミニスカートのお馬鹿キャラ。駄々のこね方は小学生レベル。
店先で見た水晶のペンダントに魅せられ、自分で水晶を探そうと思い立つ。
大学院生:鉱物学専攻、長身で大人の女性。知的で温厚、主人公のムチャ振りに冷静
かつ懐深く対応する。
主人公と大学院生が水晶山で偶然出会うところから物語が始まります。そして二人で鉱物探し。毎回の探索行とその鉱物の紹介をし、併せて主人公の成長を描くという趣向らしいです。初回は前半・ペグマタイト鉱床の晶洞で水晶を採取、後半・川底のガーネットを拾うという、おおおまさに私のツボじゃああ。
YouTube から、オープニング映像。動画が始まったら右下のボタンで全画面表示にしてその品位の高さをご堪能ください。制作スタッフの技量、作品に対する熱意が伝わります。蛇足ながら、映像中の黒髪ロングがその大学院生で、いたってまともな人物という設定なのですが背負っているのは「 戦鎚せんつい 」。中世ヨ-ロッパの戦場で使われた甲冑粉砕用の凶悪な武器です。原作者さんアタマおかしい。
ネットが騒ぐのはこの大学院生の容姿のことが半分くらいのようですが、それを除いても鉱物というニッチなテーマを扱いつつキャラ・動き・脚本・音楽といったアニメの諸要素が高いレベルで融合している、かなりの良作です。アニメ制作を担当しているのは過去にも評価の高い作品を手がけたスタッフ、でも放送前の評判はさほどでもありませんでした。今期の思わぬダークホースというところです。


もちろん私も大注目です。いきなり初回の水晶とガーネットにタマシイ持って行かれました。BS11 で毎週日曜 22:30 から放送、配信は Prime Video ほか。

さてガーネット。ご存じ私の大好物です。このブログでは宝石名と鉱物名の混同を避けたいので「ざくろ石」で統一してきました。大子、玉川、ざくろ沢、水戸市内、北茨城…… 県内あちこちの川でガサ入れ、もといパンニングをして採取しました。最終的には玉川が安定して採れて色と結晶形がきれいで…… となり、他の産地は私の薬籠中の引き出しとしてたまに訪問する程度です。ただ、その中で気になりつつも4年、訪れてない場所があります。それが筑波山塊の、偶然に見つけたパンニングポイント。筑波らしい大粒の結晶が採れるのですが、頭から岩が崩れ落ちそうな危険な場所で、以後尻ごみをしていました。いい機会です、確認に行きましょう。

ヘルメットは必携です。1トンの大岩にはもちろん無力ですが、細かな岩砕がどこからか落ちてくる場所なので。

筑波山塊、すっかり夏の森。

わしヘルメット似合わねえなあ。

ここがパンニングポイント。おお、前回の危うい岩は無事にずり落ちたようです。

とはいえやっぱり怖いなあ。特に左の細長いのなんていつズリっとくるか。でもざくろ石はここでしか採れません。この沢を上下に移動しながら探したのですが、形あるブツが出たのはこのポイントだけなんです。

で、パン皿ぐーるぐる。パンニングについては過去記事をご参照ください。…… そういえばアニメでは「ふるい」でざくろ石を採ってました。かなり大きな粒でないと手許に残りませんが、今の日本にそんな場所あるかなあ。フィクションだからいいのか。

あまり入ってない。今回は結晶形のあるものだけ持ち帰ると決めてきました。まあハズレです。でもまたこの場所でパンニングできたというだけで感謝です。

それと不思議だったのは、下界では 32 ℃だったのに大した標高ではないここが涼しかったこと。それに虫も出ませんでした。カ、ブユ、ヌカカ、アブといった不快昆虫がただの一匹も飛んでこないんです。おかしいなあ、そこまでの「聖なる森」ではないはずなんだけどなあ。
ちなみにアニメにツッコみもう一つ。主人公が最初に山に入ったときの服装、半袖・ミニスカート・パンプス。普通なら無事で済むわけないけど、虫刺されとかひっかき傷とかの描写はありませんでした。え?原作者さん、フィールドは未経験なの?

お持ち帰りぜんぶ。いっぱい採れたように見えますが、ほとんどはグズグズの白雲母と混ざり合ったもの。

こんな風に。なんか頭に斧が刺さったように見えませんか。

一番結晶形が出ていたもの。特筆するほどではありません。

ざくろ石単体よりも、これが今回最高の一品です。巨晶花崗岩(ペグマタイト)! 花崗岩の鉱物一つ一つが巨大に成長したものです。筑波山塊の真壁地区では昔からざくろ石を含むペグマタイトが知られていて、国立科学博物館にも地質標本館にもそれは見事な1センチクラスの巨晶ざくろ石が母岩にニョキニョキと生えた標本が収蔵されてます。日本を代表するざくろ石の産地で、以前はシロートさんでも「ふるい」を使って岩砕の中から拾い出せたものでしたがもう採り尽されています。

今日のこちらのざくろ石の直径は2ミリ。今でもこの程度の母岩なら珍しいものではありません

ちゃんと結晶形がある。上等です。
シリーズ・ジノさん昔のフィールドを行く笑。とりあえず現状は把握できました。次にここに来るのは何年先になるのかな。


個人的には結晶の大きさより美しさを愛でたいです。あのパン皿の底が赤く見える玉川でのパンニング、そして拡大すれば赤い光を内包したかのようなざくろ石。季節が良くなったらパン皿持って行ってみよう。アニメに触発されてそんなことまで考える、わしもまだまだ若いじゃん、なんてね。
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