ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

嵐のあとの渚

 

 暑かった! それだけの理由(十分だと思う)で2ヶ月、太平洋から遠ざかってました。頭の中にベンチャーズの「パイプライン」が デンデケデケデケ~ と鳴りだしてます。いかん海が呼んでおる。

 


 前頭葉に投影されたのは青い空とか白い波とかではなく、黒い浜。気になっていたんです。あの砂浜のすみっこに黒く固まった砂の層があるのを。そこは風衝地とでも言うのでしょうか、海からの風が地形的に集まる場所で、吹き寄せられた砂からさらに軽い粒が飛ばされて、砂鉄(磁鉄鉱)なんかの重い鉱物がまとめて残されています。要するに天然パンニング。以前よく見たら、赤い粒が混じっているのが見えました。え?え?ざくろ石? 海岸の砂にそんなもんが、とは思いましたがそのまま捨て置きました。今回持ち帰って拡大して見てみようと、そういう気になったんです。

 


 そもそも茨城の海岸には砂鉄が多い。山の深成岩類から川流れで供給されます。短い川が海にそそぐ県北の海側では、かつては何か所も「もののけ姫」に描かれたみたいなタタラ場があったそうです。さあ磁鉄鉱以外にナニがあるかな。量は要りませんのでひとすくい、お持ち帰りです。

 


 もちろんせっかく来たんですから、潮騒に誘われるままに石拾いもするのだ。

 


 台風 20 号がかき回してくれた浜の小石はああキレイ。さあ今日はどの子をさらっていこうかな。

 


 というわけで今日の綺麗どころです。赤系の玉髄、黒メノウ、ジャスパー、そして「瑠璃の宝石」いらい希少さに気付いたシーグラス。

 


 長径9センチの玉髄。どっしり大きく、表面に石灰分が付いてますけど内部は均質な赤です。古墳時代にはこんなのから勾玉が作られました。

 


 現代でも石を研磨して芸術品を作る方がおられます。この素材を差し上げたら、何を作ってくれるだろうか。

 


 こちらはずっと小粒の、でも濃密な赤色のもの。

 


 これは赤縞メノウ、ではなく表面だけに柿渋色が沈着したもの。茨城の海岸には黒の縞メノウはありますが、赤系はあまり見かけません。

 


 私はこの色合いが好きです。

 


 ついでに縞入りジャスパー。透明な石にこだわる私には、このジャスパーにもちゃんとファンがいることがちょっと嬉しかったりします。

 


 このキュラソ星人みたいの、白い部分がてっきり貝化石の断面かと思い、教材になるかと拾いました。

 


 でも拡大したらこれ、石英の脈だった。うーむやられた。石は悪くないんだけど。

 


 さあ居並んだこのメンバーは

 


 蛍光ブラザーズでした。

 


 こちらは本物の貝化石由来の石灰岩なのかな。


 左ヒラメに右カレイ、石灰が沈着した黒メノウ。「目」に見えるのは仏頭状構造ね。


 玉髄なのかそれともただの石英か悩みましたが、蛍光したことで玉髄とします。

 


 さて、持ち帰った黒砂ですけど

 


 パン皿に入れて水で軽く振って塩気を流し、ついでに細かすぎる粒も流して、残ったのが青黒くてねとッとした何だか油まみれの泥みたいなもの。よく乾かして拡大すると

 


 おおやっぱりざくろ石。緑色はかんらん石かな。細長い輝石もあるぞ。しかしどうも、それだけでは済まなくなりました。アニメ「瑠璃の宝石」最終回にからめてそのあたりを次の記事で詳しく。

 

 


↓ 嵐のあと。