荒れたあとの大潮。行かねばなりません、初崎へ。

おおお、小石が堆積しています。

来た来た来た。

小粒ながらシーグラスがあります。

階段下も、一時は露出していた堤防の基礎の青岩が砂に隠され、段差が解消されてます。…… えらく石が置かれてますね。いかに多くの人がこの地を訪れているかがうかがい知れます。浜が戻る、それは皆さんの願いが聞き届けられたということです。

陽が射してきました。ここ初崎海岸を、私は高温石英を採集するのが目的で来たのが始まりでした。すると小粒の色味豊かなシーグラスが大量にあり、石英のついでに集めてみました。やがてその美麗な輝きに魅入られて、撮影方法を工夫しながらブログでご紹介し、それが人を呼び……

我ながら余計なことをしたと思う。でもこれは元もと廃棄物であり、ゴミ収集が徹底されたことでやがて日本の浜から消えゆくものです。人知れず海岸で虹の光を放つ儚き宝珠をひとり占めする気はありません。世に隠れた美しいものをご紹介するのがこのブログの存在意義なのだから。うへへ、エラそーに。
カテゴリー「青の渚」を遡っていただくと、これまでの経緯がお知りいただけます。昨年末から今夏にかけて、海流か天候の影響で初崎のシーグラス海岸がみるみる痩せて、元に戻らなくなっていたのでした。定期的に様子を見に来ておりました。今回こういう吉報をお届けできて本当に良かった。

シーグラスを従来から集めていた方もたくさんおられます。需要としてはどんな大きさや色が求められているのだろう。ネットで見る限り茶色は好かれないようです。大きさはガラスに貼り付けたりする工芸材料としては大き目がいいのかな。初崎はご覧のような小さいものが主流ですが、もう少し浜が戻れば中程度のも期待できるでしょう。

さて今日は、大潮の干潮に合わせて早起きしてきました。まだ時間に余裕があります。初崎と同じ日立市内の海岸を歩いてみます。ここは仮にA海岸、ポイント・アリス笑とでも名付けましょうか。潮が洗う遠浅の浜に雲が映り朝日が映えます。小さな絶景は身近な天地にいくらでも。

やたら大き目のシーグラスが拾えました。

続いてこちらはポイント・ルミネ…… どうでもいいけど恥ずかしいな、この呼び名。ルミネはルミネッセンス(蛍光)から。そうですこれまでほぼ 100 %の確率で蛍光するウランガラスが拾えている奇跡の浜です。

もうどなたかに見つかっている場所ですが、シーグラスは残ってました。

これ、てっきりメノウかと思って喜んで持ち帰ったのですが、磨こうとこすってみたらとんでもない悪臭を放ちました。人工の樹脂だったようです。ブービートラップに掛かった気分です。
さて短時間で3カ所を巡りました。初崎での採取は遠慮しましたが、並べると面白いことに。

左アリス、右ルミネ、下は参考として以前採った初崎のを置きます。余計なものも混じってますが、ここはシーグラスの大きさにご注目ください。露骨にサイズが違います。これは川を海を、運命のままに流されたその距離を表わしています。流されるほどに削れる命。ううむ身につまされるなあ。

アリスぜんぶ。とにかく大きなシーグラスが多い。そして上にある茶色いの、何だその気持ち悪いデカブツはとお思いでしょうけど、存在に悪意はありません。

これはヒライボという石灰藻、なんと海藻です。海中の岩上に育つものです。母岩が波で砕けてしまったのでしょう。浜で拾えるのは珍しいのでお持ち帰り。熱帯魚屋で売っていて、アクアリウムに入れて海中の情景をかもすのに使われます。

裏。石灰分を吸着しながら成長したのが年輪模様でわかります。

ルミネぜんぶ。1つデカいのはイレギュラーとして、粒の大きさはアリスと初崎の中間です。明らかに他の方も入った場所なのに、思いのほかたくさん拾えてしまいました。さて毎度の判じ物、少し数を絞って見ていただきましょう。

よく見てよく見て。あるんですよ今回も、ウランガラスが。

どーん。強弱合わせて5つ。特に真ん中の黄色いのは、これまで私が手にしたウランガラスのうちで最大です。蛍光も強い。わあびっくり。

こうなると、ここでウランガラスが拾えることには明白な理由が必要になります。なぜここに。しばらく通い詰めることになりそうです。まあ今回は、こんな写真が撮れたことで善しとしましょう。

とにかく初崎海岸、復活の兆しです。訪れるひとに幸あれ。
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