
SFの抒情詩人 レイ・ブラッドベリの傑作短編集「10 月はたそがれの国」は、内容もさることながら翻訳家と編集者によるこの秀逸な日本語タイトルが大好きです(原題は「10 月の国」)。相当な日本語の使い手でなければここまでの言霊は引き出せないでしょう。あやからねば。以上、パクリタイトルの言い訳でした。

10 月、水戸は本当に毎日東風が吹いてます。冷たく湿った風です。気温が一か月で 10 度下がりました。



10 月 10 日、旧体育の日は晴れの特異日。東風は雲を呼ぶので、こんな日本晴れの日は数えるほどでした。駅ビルが蒼天に映えました。

駅前の朗報。あのお城の景観をひとりブチ壊していた赤ビルですが

ようやく取り壊しが決まったようです。持ち主は東京の人になっていますが、ひょっとすると自分の持ち物がこんなことになってるなんて知らなかったのかも。こういうモノ持ちのお金持ちって、書類だけでいくつもの物件をまとめてやりとりしたりするものですから。



表示によると地上四階、地下二階だって。地上部分が上から下まで怪しげな看板を掲げていたのは知ってますが、その地下に何があって誰がいて何が行われていたのか、想像すると怖くなりました。昭和の時代の猥雑な駅前を思いだします。

その駅前、いよいよかのマンションが全容を見せてきました。これでまだ半分の高さです。完成すればさぞや周囲を圧し天を摩する巨大なモノリスとなるでしょう。眺めを奪われる後ろのホテルやマンションの方々にお悔やみ申し上げます。

極力「虫」の写真は混ぜないようにしてますが一枚だけ、図書館前のタブノキにアオスジアゲハの卵。真珠と見まごう光沢と、背景の新葉の絶妙な赤緑の配色。自然にはかなわないなと思わせます。

図書館前の芝生管理の方々、いつも難癖つけてごめんなさい。この夏はメヒシバなどの雑草が茂り放題でしたが、コガネムシ対策の作戦だったのだと理解しています。

草刈り機の通った後には、雑草の下で復活した芝が葉を広げてました。

茨城はこの夏少雨でした。おかげでキノコ類が不作です。これは芝生に生えるその名もそのまんまシバフタケ。

南町の歩道のフラワーポッド。ベゴニアが咲き誇ってますが

どうした。何があった。

公開捜査です。歩道に落ちていたものを誰かがビルの窓際に乗せてくれました…… これなあに? 双眼鏡のキャップには見えるのですが、変な出っ張りはあるしやたら傷だらけだし。よろしければコメントで情報ください。

歩きやすい気候になったので、さんぽで通る道のバリエーションも復活です。これは台地の北側の日陰道。

ヒガンバナが 10 月まで咲き残る、これも今年というゆらぎに満ちた一年の記録です。

高いところから落として割る。飛んで高さを稼ぐコストと得られる利益を計算し尽くした知恵者、いえ生活巧者です。

那珂川の河原はあっちでもこっちでも大工事中。最終的に何がどうなるのか。私は以前のキジとかタヌキとかウサギがいた原野がよかった。

駅前を流れる桜川に河原があったのでメノウ探し。以前に読者の方がここらで大発見。

これは石英かな。自分史的水戸市内初メノウはおあずけでした。また今度。

水戸市街のど真ん中にある水場、千波湖。市民が心を休める場です。

周辺ではモミジバフウが色付き始めてます。今年の紅葉どんなかな。

空き家になったお宅の庭にサンザシ。胃腸の薬になるんだけど、家と共に朽ちていくのでしょう。うちの近所にも人影の絶えた家が増えました。

ある日の夕方、公園にマテバシイのどんぐりを拾いに行きました。つややかな実が夕映えに赤みを帯びて。たぶん私の顔もカラスウリみたいに見えたことでしょう。

灯ともし頃の夕間暮れ。世界も日本も我が家も揺れたこの秋を、ひと時の静寂が包みます。どうか明日がよい日でありますように。
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