
15 年前に福島県境をひたすら歩いて見つけた雑種スミレ。その後見ることはありませんでした。この時も足を守り支えてくれたのはジャングルブーツ。
フィールドでブーツが必要、と感じたのは学生時代。水戸射爆場で調査している時に足をダニが這い上がるのを見たから。一般的には長靴を履くところですが、当時のぶかぶかしたゴム長はイヤでした。…… 当時の彼女の背が高かった、というのもありますが。

いろいろ探し、試しました。何万円もするタクティカルブーツというのも履いてみましたがフィールド向きではなかった。最終的に辿り着いたのが上野アメ横・中田商店のジャングルブーツ。廉価で頑丈、コストパフォーマンス最高。クッション性とかの弱点はフォローして、文字通りの私の足になりました。終末後の東京のガレキだろうが火星のユートピア平原の赤い砂だろうが、何でも踏みしめて歩くことができる魔法の靴に思えました。どこでも一緒。靴底が抜けるまで履き倒しては新品を下ろす。「駅までさんぽ」を始めてからは半年/約 500 キロがひと周期になりました。
連綿と続くかに思えたこの連環が崩れたのが 2023 年の中田商店カタログから。「各パーツの素材を向上し、再生産しました」とあって、届いたものを履いたらば

3ヶ月で外皮が割れました。20 年以上使い続けてこんなことは初めてです。靴底が減る以前に廃棄せざるを得ません。どうした、何があった。その後の円安で価格も 4500 円から 6800 円へと上がり、もはやコスパや耐久性といった利点は失われました。あううう、何だろうこの喪失感は。

つぎつぎ代替わりしたとはいえ、私にとってジャングルブーツは数々のフィールドの思い出とともにあります。竜飛崎、父島、フォッサマグナ、魔都東京、福井の恐竜埋没地、春の夢そのものだった新潟の天地、もちろん県内幾多の聖なる森も。これらブログでご紹介した以外にも助けられてきました。感謝してるのよ、旧ブーツには。
そういえばシン・ブーツにはカカトの靴ずれでも悩まされました。履いているうちにカカトの皮がタコになって靴ずれはなくなりましたが

靴下に穴があくようになったぞコラ。

記念に一足だけ残します。いえもう履きたくないだけ。
さてしかしどうしよう。最近の長靴は品質が上がったとはいえ、山歩きでそれを履いてるのはおっさんばかり。私はまだそこには行きたくありません。何か代替品は。

そして見つけたのがワークマンでした。野外の実用品メーカーということで最近絶対の信頼を置いているワークマン。ネットでここの靴がコスパ最高というので、カタログで探したらありました、くるぶしまで隠れるトレッキングシューズが。間違いなく廉価で頑丈さは未知数ながら、いつでも近所の店で新品が手に入るので傷んだ時の補給に心配がありません。

まだ数回履いただけですが快適。きちんと履き心地まで考慮されてます。表面は撥水、さらに6センチまでの防水。いずれもジャングルブーツでは無視されていた機能で、これで 4500 円とはまあどうしましょううふふふふ。
まだ本当の実力を試してはいません。雨の森や高山のガレ場でどうなるか。写真の防水ズボンとの組み合わせで、いろいろ試してやりましょう。
野帳、エスクード、コンデジ、タムロン 90 ミリ…… 私の道行きのかたわらにはいつも頼りになる相棒がいます。ともに心震える瞬間を目撃する者たちです。このシューズもその一員になることを願います。さあ出かけよう。

歩いて歩いて、歩き疲れて眠る。最高の人生。
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