第1日 月曜日
先週から軽い頭痛とのどの痛みがありました。そこに夕刻から咳が出始め、37 ℃の熱。長らく煩わされた家のベランダ工事がこの日ようやく片付いてほっとしたタイミングでした。ああなんか熱でも出そうだぞと思っていたらテキメンでした。
そのベランダ工事について、グチを言わせてください。2階ベランダの防水シートが剥がれているのが気になってました。近くのホームセンターのエクステリアコーナーに相談したらものすごくお高い見積りが出て驚いたのだけど、お願いすることにしました。それが6月。
ベランダにはエアコンの室外機があって、これを外さねばならないので夏場の工事は無理、1 0 ~ 1 1 月くらいで施工しましょうと。ところが以後、連絡が来ません。1 0 月が過ぎ 1 1 月も半ば、たまらず電話したらこれから下見をして工期を決めますだって。何だそのマイペースは。結局工程表もないままに 1 2 月に食い込む日取りが決定したのでした。まずこれがストレス。
以後も日程が食い違うことがあり、家では私に丸投げされた仕事なので各種仕切りや下準備、家族にも職人にも気を遣うことおびただしく、それがようやく終了したのでした。ああ長かったなあ。そのタイミングで発熱とは。知恵熱か。
第2日 火曜日
朝から安静にしてました。37 ℃台の熱に加え、咳もひどくなりました。

寝たきり椅子に

着ぐるみ寝袋。気持ちよく寝落ちできます。
しかし夕刻にはカッと 38.5 ℃。うわあこれは本物だ、やっちまった。コロナとインフル双方がわかる試薬キットで調べたらインフルエンザでした。
自分は感染症に罹らない。何となくそんな根拠のない自信があったのが見事に吹っ飛びました。いやホント、インフルなんて 20 年振りです。わし病人さ、へへへーんだ。



とりあえず家庭内隔離をしなくちゃというのでおフトンを書斎に運び込みます。そーです難破船の船長モード発動です。…… 掃除機かけたり布団担いだり、なんだかこれで熱が上がった気がするぞ。
我ながら面白かったのは意識朦朧というか譫妄せんもう状態になったことで、昼は寝椅子に着ぐるみ寝袋、夜はこの布団に横になるわけですが、寝ていても半分起きているような、呼吸のたびにグルルとかゴボボとか意味にならない言葉を発しているんです。はたから見たらさぞや不気味でしょうけど、それがまるで俯瞰ふかんするかのように自分でも認識できるというなかなかのスペクタクル。
面白いことがもう一つ。こんな状態ですがちゃんと寝ている時間もあって、夢も見ました。その夢がすべて楽しい夢だったんです。夢は過去の記憶が集積・編集されたものですけど、まさに過去の歓喜したりうまくいったり賞賛されたり、そんな楽しかった経験が次々と夢に現れるんです。過去の栄光にすがるようになってはお終いだけど、体が苦しいこの時に思いだすというのはどういう作用なのでしょう。
夕食は家人が盆に乗せて運んできてくれました。ヨーグルトが付いていたりユズ茶を入れてくれたり、ありがたいなあ。なんてったってわし病人だし。
第3日 水曜日
発熱三日目。早朝3時に 38.8 ℃に達しました。咳もひどい、のども痛い。体調が悪いという状況に慣れていないので応えます。とにかく安静に、ゴボボ。

こんな本を読んでました。荒涼としたカムチャツカの風景をバックに「 もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを、私は本当にやりたいだろうか? 」(スティーブ・ジョブズ)なんて感じで世界の絶景と「旅」「人生」にまつわる名言を編んだ本です。まさに「夢は枯野をかけ廻る」。ああ旅がしたいなあ。

野帳に書き留めたこんなリストも見てました。YouTube のショート動画「1巻完結の神漫画」で紹介されていたものです。キレのいい「物語」を最近読んでないと思ったので。体がコレでなければブックオフをハシゴしているはずでした。

夜、真っ暗にした書斎。寝床でふと目を覚まして壁を見ると、青い光の線が模様を描きつつ踊っていました。描かれるのはうす絹を透したモアレ模様のようでもあり、魔法陣にも見えました。ああ、ブラインドのすき間から外の光が入っているんだなと、それ以上考えることもなくまた瞼を閉じたのですが、眠りに落ちながら何かおかしいと思いました。もれ通った光だとしてもブラインドはもちろん窓の内、あんなに揺れるわけはないのです。幻視というものだったのかも知れません。
第4日 木曜日
早朝はまだ 38 ℃台でしたが、以後は 37 ℃台に落ち着きました。かなり体は楽になりました。今日はまた別の工事、あの老母が壊した台所の蛇口の工事です。立ち会うことができました。20 年使い続けた蛇口は水垢とサビでガッチガチ、電動カッターまで出動する騒ぎでしたが無事終了。無事じゃないのがその母でして、咳がひどい。発熱もある。2日前の私そっくりの症状 …… 感染させてしまったようです。そのうち家人が帰宅したのですがやはり同じ症状が。さすがこの私を倒すほどのウイルス、毒が違う。あああみんなごめんよお。悪いのはウイルスだけどやっぱりわしも悪いよなあ。コロナパンデミック初期にわざわざ外国行ってコロナを持ち帰った人が散々な言われ方をしていたけど、今ならわかるぜその立場。まあ母も家人も予防接種を受けているので大事にはならないでしょう、と言っておきます。
録り溜めておいた動画の「まずこういう時にしか見ない」というレベルのを見て過ごしました。
第5日 金曜日
ほぼ平熱に戻りましたがまだ足元はふらつきます。家人は症状ピーク、家庭内別居が続きます。4日ぶりに外に出てみました。歩いて 15 分の銀行まで往復。着ぶくれした身はひどく汗をかき、一方で北風に晒された顔が冷え凍えるというバランスに欠けた反応はまさに病み上がりです。少しづつ外界に慣らしていきましょう。病を体験する、体調の悪い人の気持ちを知るということで大いに意味のある経験でした。完全に一週間翔んだけど。

すっかり記事の更新が遅れました。今回の教訓は「予防接種は受けておけ」です。
どっとはらい。
↓ それでも楽しい書斎暮らし。