茨城生物の会、2025 年最後の観察会は

日立市かみね動物園! いやあ燃えるなあ。会員にここの獣医さんがおられて、便宜を図ってくださったようです。ありがたや。

まずはレクチャーを受けて

時節柄、県内のクマ情報もパネル展示してありました。

茨城県では最古にして最大、かみね動物園。全国規模の知名度がない最大の理由は「市営」だから。その存在意義はあくまでも地元の人々への還元。不要な宣伝はしなくても地元民ならみな知っていて、県内の子供会や幼稚園、小学校の遠足の欠かせない選択肢になってます。1956 年に都市公園法の適用を受け翌年開園。当初の飼育動物は4種7頭でした。今や 70 種 500 頭。ジャイアントパンダはいませんがレッサーはいます。ゾウキリンカバサイトラライオンと押さえる所は押さえています。20 年ほど前に旭山動物園の改革が評判になってドラマや映画が作られたとき、その旭山の改革前の古い施設としてロケ地にされたこともありましたが、このかみね動物園も次々と建て替えが進みアップデートを続けています。地元民の支持が根強く、個々の動物の出産や死は地域ニュースのトップになります。私も誰かに連れられ、のちには家族を連れてもう何回訪れたことか。楽しい思い出ばかりで、その名を聞くだけで高揚…… というよりむしろ、郷愁が胸を覆います。ああ、歳をとったなあ。

日立市の鳥ウミウ。日立で捕獲されたウが、全国の鵜飼いに使われます。

逆光だあ。

そしていよいよ獣医さんに連れられバックヤードの見学、まずは動物園のアイドル・ゾウの飼育舎へ。

途中の水槽にいきなり鼻だけ現れてびっくりした。

ゾウのごはん。

ゾウのふん。軽くて臭くありません。

ゾウの歯。

現在メス2頭が暮らしています。ゾウの世界もいろいろあるようで、元は仲が良かったのが一方が他方をいじめるようになり、分けて飼育するようになったとか。うーむ。

はちゅウるい館。← ホントにこういう表記 バックヤードでは貴重な種の増殖に取り組んでいますが、盗難を警戒して撮影は遠慮するようにと。この手の「マニアに売る」ことを目的とする泥棒こそが、全国の飼育施設最大の敵になっています。メルカリめ。

コツメカワウソの5人家族。子どもたちは生まれて日が浅く、先日公開されたばかりなのがNHKの地元番組で紹介されてました。

チンパンジー舎にて。一頭のチンパンから妙な目線をいただきました。じーっって。え?わし? わしなんかした? …… じーっっ。妙にヒトに似た生きもののこういうところは苦手だなあ。

ニホンザルは、そういえば昔「保和苑」にもいたっけなあ。エサやろうとして引っ掻かれたよなあ。キライだよお前ら。

タイムリーといえばタイムリー、クマ舎に人だかり。ツキノワグマもヒグマもいます。

またまたバックヤード、マテバシイの枝が積み上げてあって、なんとキリンのエサだって。園内に生えていて地産地消。

お肉は日に当て解凍中。トラとライオンとジャガーのごはんです。猛獣舎その名も「がおーこく」のバックヤード。

これがトラの寝床かあ、なんてのんびり見ていたら

金網の向こうからトラさんに睨まれてました。おおこわ。飼育員さんは必ず二人一組で行動し、万が一にも事故が起こらないように注意しています。あちらさんから見たらエサだもんなあ。

ジャガーにも睨まれた。

このあたりで観察会は解散でしたが、もちろん私は帰りません。まだまだ見るべきものがある。楽しい記憶を伴っていたり、新規の施設に驚いたり。

竹や木材が積んであります。昆虫に冬越しの場所を提供しています。実はこれ、例の獣医さんのしわざなんです。哺乳類も昆虫も大好きという得難い人物で、フラミンゴの池でトンボ捕っていたりするらしい。結婚してお子さんもいるんですが、パパが動物園の獣医だなんて最高ですねえ。きっと自慢に思っていることでしょう。

動物園。その言葉の響きに子どもたちは高揚し、大人たちは郷愁を感じます。この茨城県随一の動物園が未来永劫続くことを祈ります。



人気者・キリンのもぐもぐタイム。さっき見たのはマテバシイの葉でしたが、この時はシラカシを食べてました。日本の木の葉でいいんだ。コアラみたいな偏食でなくてよかった。

シマウマ。あの毛を剃ったら白いんだっけ? 黒だっけ?

クロサイ。

サイの亡くなった個体があって、献花台が設けられてました。ここの動物たちは一頭一頭が市民に愛されています。…… 私が死んだら、こんなにお花もらえるかなあ。

これも人気のカバ。

カバ舎の前にはずっと昔から直営の売店・食堂があって、自分が子どもだった時も、自分の子どもを連れてきた時も必ず利用してました。思い出がいっぱいの場所です。

これで動物園のお話は終わりですがもうひとくさり、お付き合いください。動物園だけじゃないんです。ここは市営の広大な総合レジャー施設、動物園のほかに小さな遊園地、大きなレジャーランド、年間利用できる市民プールなどを備えてます。いずれも低料金で気軽に楽しめます。海に向かって突き出した山の上という最高のロケーション。これを 1 950 年代に構想した日立市って本当にすごい。あ、桜の名所でもあります。

動物園に隣接した小さな遊園地、入場は無料。親子連れで楽しめます。ここにも楽しい思い出がいっぱいです。

山の上にあるレジャーランドは大人も楽しめます。

ジェットコースターは大人気。自分でペダルをこいで軌道を行く遊具もありますが、なんせ山の上なので実際の遊具の高さよりも高所感があります。海を見ながら空を飛ぶ感覚です。

展望台からは東に太平洋(すいません、写真撮り忘れた)。

北と

南に幅2キロの日立市街。

丸いドームはシビックセンター。

西は山。一番高いのが神峰山、そこから海に延びる稜線の先端にこの公園はあります。

これは…… 恋人たちの聖地ってやつか。市は扱いに困ってます。

恋人どうしでも、家族でも、いつ誰と来ても楽しめる都市公園です。
さて至福とも言える追憶と発見と、楽しい思い出を上書きできたかみね動物園訪問記ですが、最後にひとつオチが付きました。これが 1 2 月7日の日曜日だったのですがその翌日の夜、発熱したんですワタシ。我が家で猖獗しょうけつを極め、父の命運を少し早めてしまったインフルエンザのその始まりでした。その後のことはもう記事にしたので再録は避けますが、疑問が残りました。どこで感染した?
いつ、というのはこの日曜日で間違いありません。どこで、です。この日は朝8時に町内ボランティアの清掃活動をしてすぐ日立に向かいました。清掃は人との距離を置いた野外作業でしたから可能性は低い。動物園で、と考えるのが自然です。人込みもあったし室内研修もあったし。誰からだろう。無症状の人もいるから特定は無理だろうな。
そんなことをつらつら考えておりましたら、突如フラッシュバックのように浮かびました、あのチンパンの意味ありげな目つきが。

奴だ。奴が呪力でウイルスを私に差し向けたのだ。
思うにかのチンパンジーは、群れの中のいちモブを装っておりましたが、実はチンパン界のシャーマンだったに違いありません。ぐぬぬ、エテ公と思って油断した。そもチンパンジーは人間と 97 %のDNA(ゲノム)を共有しています。オスの成獣が直立すれば 170 センチ、腕の骨の太さはヒトの3倍、握力は 300 キロ。組打ちしたら負けます。精神の領域でも我々を凌駕している可能性を否定できません。おのれチンパンジー。
悪ノリはこれくらいにしますね、ふふ。
かような妄想が炸裂するほどに、かみね動物園は停滞していた私の前頭葉に活力を与えてくれました。疲れてる皆さん、いかがですか。私には心から楽しめた動物園体験でありました。