ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

初崎海岸シーグラス、2026 春

 

 冬の嵐で砂浜の消失した初崎海岸。4月に入って何度か春の嵐が過ぎゆきました。冬の嵐と春の嵐、風向きや潮が違います。これは期待していいかな、と出向いていきますと


 復活。露出していた基岩は砂と小石で埋められておりました。

 


 ああよかった、久しぶりに初崎ファンの皆さまに朗報をお届けできた。

 


 もちろんシーグラスもあります。

 


 とはいえ以前を知る身にはまだ完全復活とは言い難い。あと何回かの嵐を経て、GWまでには期待できる状況になるかと思います。きっとここを訪れるたくさんの人が良い思い出を作ってお帰りになることでしょう。

 


 今回ここでの採取は控えました。資源保護というよりは、シーグラスが戻ってきているというその事実のみでお腹いっぱいです。それにこの状況なら、シーグラスは海からどんどん供給されます。どうか焦らずに。

 


 階段下もこれこの通り、ほぼ砂浜と繋がりました。たくさんの足跡、多くの人に愛される海岸です。素直に復活を喜びたいと思います。

 


 最上段、誰だよこんなの置いたのは。

 


 そりゃ本物の犬もびっくりするわい。…… こういう楽しいシャレがあるのも初崎ならでは。まだここは、心に余裕のある方の社交場です。

 


 今回うれしかったこともうひとつ。浜に座り込んで砂を手に取り、丹念に吟味する男性。シーグラスかと思いお声を掛けたら、なんと高温石英を採りにおいでだそうです。うおおお高温石英。ここでその語を発する者が私以外にいようとは。…… あ、お写真はもちろん許可を得て撮らせていただきました。

 


 そうですここはガラスの如く透明な高温石英の産地です。周囲の砂岩に含まれます。乱暴な人はその岩をハンマーでぶっかいて母岩ごと持ち帰ります。砂の中から拾い出すなんて優雅なことのできる人を、もちろん私は好ましく思います。お邪魔したくなかったので会話は最小限でしたけど、もっとお話ししたかったなあ。


 さてこれも含めて、春の嵐のあとの海岸をあちこち歩き回りました。日立の海で見たものをいくつか。

 


 なんかある。

 


 おおお何だこりゃ。「犬の骨石」と名付けました。鉄臭がするのでたぶんボルトとナットなんだとは思います。思わず持ち帰ってしまったけど、時間をかけて「塩抜き」しないとすぐボロボロになります。ううむどうしよう。

 


 形は似てるけどこれは巨大、砂に埋もれた部分を含めると 10 メートルはあろうかという流木です。問題がひとつ。

 


 見た目は木ですけど、ものすごく硬いんです。ひょっとして珪化が始まってる? プレ珪化木? だからといってまあ、この大きさではどうしようもないんですけど。

 


 遠くの海岸が赤く染まってます。なんだろう。

 


 うわああ、海藻です。紅藻という分類の、食用になったり寒天の原料になったりするもの。4月は海藻が育ちきって枯れたり千切れたりする季節です。そのタイミングで嵐が来たのでしょう。とはいえものすごい量です。踏み込むと長靴がずぶずぶとくるぶしまで沈みます。百トンとかじゃきかないこの紅藻、どうなるんだろう。ゴミやら何やら巻き込んでますから利用は難しいでしょう。浜辺の虫が食べるでしょうけどまず食いきれない。となると …… 腐るのか。これぜんぶ。臭気だけでもとてつもないことになる。しばらくここには近づかないようにしよう。

 


 赤くなったドーバー海峡、なんちゃって。これこういう地形じゃないですよ。平らな砂浜です。海藻がどうしてこんな風に積み上がるのか、私には説明できません。

 


 わーすごい。そばで見ると迫力あります。

 


 これがぜんぶ海藻なんだから。

 


 幅広のと細いのと、少なくとも2種類あります。ごめんなさい海藻は専門外なもので。

 


 こんなものも見ました。消波ブロックの間で波に煽られ行きつ戻りつするカラーボール。時を経て黒ずんだコンクリの中で、青があまりにも鮮やかで

 


 子どもがひとり、波に遊んでいるように見えたのです。

 


 変なもん拾った。これが石なら大発見でしょうけど、ものすごく軽い。

 


 たぶん塗装工場の壁とかに塗り重なった塗料が川に流されたものでしょう。工業都市・日立の海岸にはスラグやらプラスチックやらの廃棄物が流れ着きます。面白いものも多々あるのだ。

 


 シーグラス、初崎では遠慮しましたが、私がかの浜で集めるのはミリ単位の丸くちびたもの。窓とかびんとか、元の形象が残っているガラスは拾いませんでした。しかし「瑠璃の宝石」以来、シーグラスはいつか枯渇する時代の遺物と認識するようになりました。で、海岸によってはこのような大きなものが集積する場所があります。今回は拾い集めてみました。

 


 わああ、厚みが1センチ以上ある謎のガラス片。あまり波に削れてないのは硬さゆえか。これも持ち帰りです。

 


 ひっくるめて、これがこの春のシーグラス。収集というよりは記録が目的でしたが、ご覧に入れたく存じます。

 


 大きいの、赤青黄色の、というのが選んだ基準です。手と比べてみて。

 


 個人的には青が好き。

 


 蛍光はこんなもん。右端の明るいのはガラスというよりは表面の被膜が光ってます。左下のはプラスチックと思われる。

 


 この2つでしょうか。1つ目のは珍しい青色、2つ目のはウランぽい色でした。

 

 


 初崎海岸、これからも浜が消える事態はありそうですが、お役所がおかしな管理や商業主義に走らない限り、ここを愛する人々が絶えることはありません。自然の流れに従う今の姿であり続けることを、切に祈ってやみません。

 

 

 

 

↓ 高温石英から始まった。

↓ シーグラスのご紹介はおもに接写でした。