ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

重陽の王国

 

 水戸の8月の平均気温、2025 年 28,0 ℃ / 2026 年 25.5 ℃。平年値は 25.6 ℃ です。というわけで平年よりもちょっとだけ涼しい夏でした。

 


 重陽ちょうよう、菊の節句だそうです。新暦では菊の花に早いけど、キンモクセイが香り始めました。昨年は遅れに遅れたヒガンバナも、今年はちゃんとお彼岸に合わせて花茎を伸ばしています。平時の気候に戻って、茨城の山野は正常に回っております。

 


 トマト、キュウリ、ナスといった夏野菜が豊作でした。おかげで食卓はいつも緑黄色に満ちて、ありがたい限りです。思えば酷暑の昨年はさんざんだったなあ。意外にも暑すぎるとダメなんです、畑って。

 


 そしてこの9月の天候不順の影響をもろに食らったのもこの夏野菜たち。もともとが熱帯や乾燥帯の植物だけに、みるみるしなびて収量も減りました。まあ十分にモトは採れましたので、感謝しつつ畑を仕舞いました。

 


 ヒスイナス、美味しかったなあ。…… 自慢話と聞いてくださって結構ですよ。こういう生活を夢見てずっと頑張ってきたのですから。おかげで家族は健康です、母の背骨以外は。

 


 さてここまでが時候の挨拶。秋雨の幕間にフィールドの写真が撮りたくなったんです。私の最も身近で、いつか人生最後のフィールドになるであろう我が王国の写真を。思えば両親の不調に振り回されたこの1年、心静かに三脚を据える機会が激減しておりました。

 

    
 畑の作物といえばこのゴーヤ(ツルレイシ、ニガウリ)、悪天候にも勢いが衰えません。昨年のこぼれ種から勝手に生えて、仕方ないので棚を仕立ててやりました。

 


 晩夏以降花数が増えて

 


 いまだ豊作。食の細い老母もこれは喜んで食べるので、調理したものを冷凍庫で保存しています。

 


 困ったのはこれ、ニラ。こういうニオイのきついものは家族が好まぬのを、なぜか亡父だけは大好きで庭に植え、それがあちこちで大繁殖して手に負えなくなっていました。去るもの日々に、というわけで大粛清です。

 


 種子を作りまくり

 


 球根でも分球で増えます。厄介なのはこのイソギンチャクの触手みたいにぶっとい根が大地をがっちりホールド、引いても抜けないこと。掘るしかありませんでした。ああ疲れた。

 


 つる植物は概して元気で、吸った雨水はぜんぶつるを延ばすのに使われるようです。グリーンカーテンに仕立てたミツバアケビは何度も2階ベランダに到達しては伐られました。

 


 駆除のお話をもうひとつ。この一角、以前の記事でもご紹介の、先祖がえりを起こしてただの雑種になり果てたキクが最後の牙城にしています。キクを隠れ蓑にニラも花を咲かせました。ドクダミも巣食っていて、丸ごと一掃することにしました。

 


 これだけの植物体を掘り出しました。あの狭い一隅によくもこれだけ。

 


 場所だけ空ければ、この土地の使い道は家人が考えてくれるでしょう。でも実は、別の問題を発見してしまいました。

 


 ネズミの穴だ。ツバキが実る頃までは悪さをしないと思っていたのですが、出入りしています。何がやられている? …… あるぞ、思い当たるものがひとつ。

 

  
 これはイチジク。大きい実の生るのが家人の職場に1本、そのひと枝をいただいて鉢に挿し木しました。根付きはしましたが数年は小さいまま。果実は昨年2個つけて、それも熟しないまま落ちました。こんなもんかと思っていたら、今年に入って急成長。

 


 実もたわわに付けました。どうした、何があった。

 

     
 わかってます。根が鉢をブン抜いたんです。この地に根を張ってもう動かせません。木ってそういうものなんですねえ。元気ならなにより。

 


 9月に入り実が甘いハチミツのような芳香を漂わせて、さあついに収獲かと思った朝、5・6個が食い散らされてしまいました。夜陰に紛れた動物のしわざです。何者か。近所に巣食っていたハクビシンはいなくなりましたが、昨年はトウモロコシがアライグマにやられてます。いずれにせよ守らねば。当初はこんな網を掛けたのですが効果なく、網ごとかじられました。まあ彼らにしてみれば生活の一部、日々の糧だろうしなあ。

 


 もっとしっかりした果実袋と

 


 ガムテープのわな。これで獣害は退けました。ネズミだったかどうかは不明ですが、以後は収獲が続き、シロップ漬け・ワイン漬け・ジャムなどを家人が振る舞ってくれます。当面は何とかなりそうですが、イチジクにはキボシカミキリなんて天敵もいるしなあ。油断はできません。

 


 ウメモドキ。6月の台風に倒れて、幹だけになって、やっぱりめげてません。みるみる天を指して枝を広げました。

 


 で想像通り、隣のクチナシにオラオラやんのかゴラァと睨みを効かせて領土を確保します。強い奴にはかなわない。

 


 クチナシにはオオスカシバの卵。イモムシを狩るアシナガバチの活動が鈍るこれからの季節は、私が守ってやらねば。カイガラムシにも取り付かれていて駆除してます。クチナシってこんな手のかかるもんだっけかな。

 


 おマエだおマエ。でっぷりと葉を食べて肥えまくった終齢幼虫。これくらいに成長してしまうと、木から離しても土に潜って蛹になり、また来年の憂いとなります。極刑に処すことをご理解ください。

 


 これもまた彼らの生活なんだけど。わかってはいるのだけど。

 


 駆除の話ばかりでごめんなさい。ヒトの暮らしが優先されるのです。これは 10 月に奇花というか美花を開くホトトギス。はい今年もヤツらが来てました。

 


 ルリタテハ。毒々しいけど毒はありません。成虫のチョウも大好きなので駆除は心苦しいけど、こいつら好んでツボミを食うんです。やっぱり許せん。

 


 食痕(食いあと)とフン。派手にこんなものを残すので、オオスカシバよりはよっぽど制しやすい敵であります。…… なんて写真撮ってる目の前で、また母蝶が堂々と産卵していきやがった。おのれ。

 


 キアゲハも強敵です。セロリ・パセリ・アシタバがいつの間にか丸坊主です。この写真中に2匹います。

 


 生まれて間もない1齢幼虫。放置すればすぐ巨大化するので情けはかけられません。ううう、大事に飼育したこともあったっけなあ。

 


 そのパセリの鉢の周縁を延々と歩く虫がいます。ぐるぐるぐると回り続けてます。小さな目にはこれがひたすら続く1本道と映り、小さな脳には道を外れるとか自分が危機に直面しているとかの判断ができません。たぶん歩き疲れて命を落とすまで歩きます。何者か。

 


 背中にゴミの山を負ってカムフラージュ、これはクサカゲロウ類の幼虫です。成虫は青く弱々しい小さな羽虫ですが、その子はアブラムシを食べるプレデター。このパセリにはアブラムシもいて、それを獲物にしていたのが落下してしまい、パセリではなく鉢に上がってしまったようです。うーむ、パセリを守ってくれてたなら、このまま死なせるには忍びない。このあと枝に戻してやりました。

 


 何も持たされず、ただこの世に生き抜くことを定められた生き物です。切ない。

 


 このパセリではテントウムシもアブラムシ退治に活躍してくれました。蛹は鉢を降りてジャノヒゲの陰に。

 


 虫の記事で3つの巣があると紹介した、温室裏のコアシナガバチ。やはり共存はできませんでした。2つの巣が滅ぼされ

 


 この一家だけが生き残りました。これが自然の摂理。

 


 節理といえば、春夏に私に目の敵にされた雑草カタバミ。ジャノヒゲの茂みに隠れて私の目を逃れ、それでも目立つ花を咲かせずにはいられない。哀れといえば哀れ、こいつは花を摘んで繁殖を封じるだけで許しました。

 


 ハマナス。我が家の花の王なれど雨には弱い。

 


 夏のあいだも次々と開花してました。トゲトゲの枝が危ないので花の終わった茎はそのつど刈っておりましたが、気まぐれに実を1個だけ残しました。膂力りょりょく溢れる生命の色を放ちます。

 


 クサボケは今年もたわわに実を付けましたが、薬酒を作る父はもういません。

 


 ビナンカズラ。切っても切ってもつるを伸ばします。元が野生のものです、こういう逞しさは愛でてやりたい。長い花期のうちに両性花を咲かせ続け、濃緑の葉陰にいつの間にか実を下げています。早咲きで実になったものは授粉が不十分でいびつ、きれいに丸いのはまだ赤くありません。晩秋が楽しみです。

 


 ダァリヤ。いや素直にダリアと言えばいいのですが、敬愛する梨木香歩さんの小説に「ダァリヤの君」というのが出てくるので一度使ってみたかった、まあそれだけ。この夏は水を切らして枯らしかけました。ごめんね。

 


 ケイトウ、鶏頭。アジア・アフリカの熱帯原産、日本には奈良時代に入りました。本来の花姿は野生化したノゲイトウに見られるように細い筆のような形をしています。この太く幅広く脳状に広がるのは帯化とか帯状奇形とか言われる現象が遺伝的に固定されたものです。黄色い品種もありますが、ケイトウと言ったら赤を想起します。


       鶏頭の 十四五本も ありぬべし        正岡子規

 


 庭に鶏頭が十四・五本もあるのだろうな、という程度の句です。写実か観念か、名句か駄作か。いまだに議論がありますが「子規」が「病床」で詠んだというのがこの句に意味を与えます。「十四五本」は重要。「鶏頭」も重要。誰もが秋の陽の下で湧き上がるような異形と鮮烈な赤色が並び立つ姿を思い浮かべることでしょう。私は生と死が交錯する強烈なメッセージを感じます。

 


 変な話に行きかけました。いえいえ持病の一つもないのが可愛げないとそしられるワタクシ、まだまだ元気に山野を駆ける予定です。ただ、このささやかな王国こそがナチュラリストとしての私の原点であり最終点です。大切に見守っていきたいと思います。

 


↓ ウメモドキの災難と雑菊と、そしてアシナガバチ。

↓ ルリタテハ。

↓ ハチといえどもこの世界では安寧でいられません。

↓ 記事中のものたちはカテゴリー「王国の日々」でその来歴をお読みください。 

拾って磨いて異界あれ

 

 台風が茨城に初上陸したり、秋雨前線が暴れたり。あまり海況の優れない8月でした。さて我が心の宝箱、青の渚の石たちはいかに。初盆のあれこれも収まった月末の大潮に合わせて、ひたちなか・東海・日立の三浜めぐりに参りました。

 

 


 ひたちなか市磯崎。

 


 前回GW明けには小粒の黒メノウが大漁でしたが、今回は残念ながら。

 


 東海村村松。

 


 赤・白・黒に柿渋も。大当たりでした。

 


 いつも使う表現だけど、この「夜店の宝箱」感が好きなのです。

 


 日立市、アリス・ルミネ・初崎の三海岸。

 


 こちらは大はずれ。3つの海岸を合わせても、本当にこれしか拾えませんでした。

 


 階段下はすっかり侵食され

 


 赤や青もありますが、特にルミネ海岸で必ず拾えた蛍光ガラスが今回はなし。とうとう記録の途絶える日が来てしまいました。はああ。

 


 気を取り直してキュキュキュと磨き

 


 絵になりそうな子を選んでの撮影です。私のような写真でも楽しみにしてくださる方がおられるとて、気合い入れて撮りますね。

 


 まずはこちら。表面がガザガザの、真っ白い石英の固まりだったもの。どうせマグマ由来のフツーの石英かとは思いましたが、雪白のさまががあまりにきれいだったので持ち帰り、期待はせずに磨いたら意外にも美しいツヤと透明感が現れました。そして拡大したら

 


 粒が、粒径が揃っている。これもしやオルソクォーツァイトでは。とても触感のいい「握り石」になりました。

 


 おなじみウエイトレスのミカちゃん。このアングルは珍しいかも。

 


 さあこちらは。海岸でよく見かけるものです。固くて緻密で、磨くと光が美しく。それだけならジャスパーの一種と思えますが、堆積岩のような層状構造があるんです。それ以上わからんのがシロートの哀しさよ。

 


 謎の黒石ってことで。

 


 これはジャスパーでいいのかな。これまでも同種のものをご覧いただいてます。

 


 磨き甲斐のあるお宝です。

 


 さて赤ジャスパー系。質も色合いもさまざまなものが海岸で波に打たれてます。かなり厳選して連れ帰るのですが、今回日立のルミネ海岸で妙なのが。手前の色が薄く写っているのがそれで、とにかく明るい朱色をしていて、他の赤ジャスパーに色調整するとこのように明るく色ヌケしてしまいます。

 


 これに合わせると他のが暗く沈んでしまう。色だけでなくやたら軽い。もちろん他の鉱物や人工物を疑いましたが、ほかに思い浮かぶ候補がありません。

 


 そこに登場、謎の虚無僧。あ、中身は例の破戒僧だと思います。

 


 大はずれだったシーグラス。もう日立では拾えないのかなあ。

 


 ちなみにシーグラスを磨くのは邪道か必然か、悩みどころかとは思います。これは軽く磨きました。


 なかなかメノウが出てこないって? はい次から徐々にね。

 


 黒メノウ、差し渡し6センチ。表面は打撃痕でガザガザ。

 


 磨いてもさしたる変化はなかったのですが透過光を当てたら

 


 すごい景色が出た。

 


 思わず飛び出す田中さんと流星号。

 


 異世界を駆け抜けます。

 


 赤白メノウ。赤メノウが白い被膜で覆われるものです。

 


 投射光ではこうですが

 


 透過光で、おお。

 


 透過光だけで、おおお。

 


 なんて遊んでいたら、いつの間にか高橋さんが高いところに乗っていました。いつにも増して思い詰めた顔をしています。

 


 おいやめろ。

 


 どうやら今日は思いとどまってくれたようです。季節の変わり目はこれだから。

 


 白化系のメノウは、ただでさえ多様なこの石にさまざまな表情を付加します。

 


 個性いろいろ。

 


 ヒトもいろいろ。

 

       
     今回の白メノウ系で一番のお気に入り、青が強く出るもの。

 


 そのてっぺんでキャッチボールをしようなどと。

 


 酔狂に付き合う相手はいるのですが

 


 本当は嫌であるらしい。

 


 白黒メノウは小粒でも縞模様がくっきり出るし、青がきれいだし被写体としては楽しいのですが、いかんせん数が多すぎる。

 


 そこで陸自さんの災害派遣現場を再現してみました。この9月も各地で大活躍だそうで、頭が下がります。

 


 自衛隊員に嫌がらせをする人たちは、これほどに世の役に立っているのだろうか。

 


 地図を広げるのが隊長さん。この場の指揮を執ります。

 


 いわゆる士官、「幹部」と言われる方々ですが、離職率が高く成り手が不足しています。理由は簡単、その激務です。特に膨大な書類処理で日々をすり減らしているのだと。防大出の優秀な人がそれで民間に流れて行ってしまうとするなら、自衛隊も業務改革が喫緊の課題でありましょう。私が言うことでもないけど。

 


 今も日本のどこかで。感謝しております。

 


 さてこれは「柿渋」。白化メノウがさらに赤変したものを私はそう呼びます。

 


 縞模様が見事です。

 


 もちろんこんな晶洞付きの普通のメノウもあります。なんだ普通って。

 


 小粒、まさにサムネイル大の赤玉髄。こんな見事な色合いのものが。

 


 ごくごく普通の仏頭玉髄。これには

 


 おなじみジャリーズを遊ばせます。

 


 私の石世界で、永遠の夏休みを心ゆくまで楽しんでいます。

 


 最後に登場、黒の支配人。佇むことがこの人の人生。

 

 

     


 石と「いばらきオールスターズ」の撮影はいつも楽しんでます。現実を超越して、彼岸の彼方で異世界を遊ぶような感覚です。石の美しさと傀儡くぐつたちのかもすストーリー、読者の皆さまにはどう伝わりましたでしょうか。もしお気に入りの一枚でもありましたら、他所でもお使いくださいませ。出典を明らかにしていただけたなら問題ありません。等しく針の進むこの世界の、せめてもの慰めになれば。

 

 


↓ オールスターズ大あばれ。

↓ 初崎海岸全盛期。

↓ オールスターズ抜きでも。

↓ 石磨きは楽し。

↓ なぜか人気記事。

 

ツクツク森の雨上がり

 

 こんな早くから秋雨前線が暴れた年があったろうか。


 昨年は前線が茨城県を北から南に横切ったのは9月 18 日でした。そこから秋。それが今年は8月のうちから何度も行ったり来たり。西日本の酷暑を尻目に、関東は過ごしやすい夏になりました。そのせいかあらずか、暦の秋を歌い告げるツクツクボウシの初鳴きがずいぶんと遅かった気がします。今年は今が頃合いであろうか、行かねばならぬ、ツクツク森に。雨が続く中で1日だけ前線が離れる予報の日がありまして、朝まで雨だったけどこれを逃せば大切なものを見逃す気がいたします。いざ。

 


 鳥居の前で一礼します。9月の恒例になりました、ツクツク森もうで。小さな村社の裏の森になぜここまでの気が集まるのか、今もって不思議です。

 


 いつも門番がいます。今年の担当は、これも美しい盛りのハナオチバタケ。雨の多い今年はキノコの当たり年になるでしょう。

 


 さあ雨のしずく滴る森の中へ。これを見越して今日は上から下までワークマンの撥水ウエアをまとっています、うふふふふ。

 


 さっそく見つけました、地上に出たばかりのツクツクボウシタケです。ツクツクボウシの幼虫に取りつく冬虫夏草菌、土中の幼虫に感染して体内に潜み、幼虫が羽化しようと地上に上がっていくそのタイミングで一気に増殖して虫体を食い尽くし、キノコを出します。なんて驚異の生き様をすることか。それがこの森では高密度で分布し、法師ゼミを片っ端から餌食にしています。

 


 こちらは老成して胞子を出し尽くした姿で、掘り出しても虫体がほとんどバラバラになっています。私が年一度ここに来る目的は、乾燥標本にしたこの冬虫夏草をキノコ観察会で参加者にお配りするという啓蒙活動のため。それにはセミの姿の残っているものが良いので、若いものだけ数を限って採集します。

 


 セミの幼虫の脱出口、泥の塔です。図鑑にはあまり載っていませんが、ツクツクボウシの幼虫は地上に出る直前にこんな塔を作り、中で羽化の頃合いを図っています。

 


 その塔になんかいる。

 


 セミがぐぐぐ無念、とか言ってます。菌に侵されて意識が遠のく中で必死に地上を目指し、上半身を乗り出したところで力尽きた。でそのまま菌に覆われました。故郷の家族を想いながら、なんていらんドラマを考えてしまった。

 


 この日はこれだけ採集しました。その気になれば 100 やそこらは採れますが、資源保護は重要です。ここは唯一無二の場所だから。

 


 乾燥させるとこんな姿に。漢方では「虫蝉花」という薬種です。

 


 お顔どアップ。王蟲の目に見えるのはワタシだけ? 中は菌糸で満たされてます。腐海の底みたいな光景は、ミクロの視点でなら身近にあるんです。

 


 おまけ。ムシカビに侵されたアオオサムシ。生物の多様なこの森ではこんな事件もあるのだなあ。

 


 他の菌類もご紹介します。これはビョウタケ。傘の直径は1ミリほど。落枝の材を分解し、小さくともこの地球の物質循環の一役を担っています。

 


 このキノコも。名は知らずとも大切な生命であることに変わりはありません。

 


 名もなき小さきもの。それでいいのかな。 …… 仲が良さそうね、キミたち。

 


 エリマキツチグリ。

 


 テングタケの仲間。

 


 この森で毎年見かけます、シロテングタケ。「つぼ」の被膜をかぶって成長するのが特徴のキノコです。猛毒だけどそれは私には意味のない情報。

 


 靴も三脚も手袋も、カメラまで泥だらけ。でも久しぶりの「聖なる森」歩きは楽しゅうございました。

 

 

    


 この森が開発されてしまうことをいつも危惧しております。小さく美しいものたちが食ったり食われたりの生を謳歌する豊穣の森です。願わくば人の世の終わるまで続けと。

 

 


↓ 最初のツクツク森。

↓ 菌類の豊富な森です。

↓ 真っ赤な門番がいたことも。

自宅に〇〇〇を呼ぶ

 


 朝、バッテリーが〇んでました。


 いやあ前日までなんともなかったのに、突然来るものなんですね。バッテリーがダメなら動かない。動かなけりゃアンタ、こんなもんただの鉄の箱ですったら。


 いつもの修理工場のおっちゃんに電話で相談したら、JAFを呼んだらどうかとのこと。えええっ。


 ロードサービスを家に呼ぶ。実はその発想がありませんでした。ロードサービスとは文字通り路上でのトラブルで呼ぶものだという固定観念に縛られていたようです。よく考えたら自宅駐車場も道と繋がっているわけで、なんら矛盾はありません。思えばJAFに入会して三十余年、きちんとお世話になったことはありませんでした。今がその時。


 電話をしたら、オペレーターのお姉さんが自宅付近の航空写真まで見て検討し、話を進めてくれました。3分ほどで決着、30 分以内に隊員さんが来てくれるという。その手早さに感心です。

 


 で、来ちゃいました、あのレッカー車が我が家へ。おおお盛り上がるぜぇ。

 


 来てくれた隊員さんに許可をもらって、あちこち接写してしまいました。働く車ってかっこいいなあ。

 


 来年には新車と交代予定のベテラン車だそうで、使い込み具合が歴戦を物語ります。…… 私には想像もできないような過酷な救援をこなしてきたんだろうなあ。

 


 さて我がエスクードですが、単なるバッテリー上がりではなく、バッテリーそのものの劣化だそうです。もう充電ができない状態で、いくら給電して始動させても、止めればもうエンジンがかかりません。こうなるともはや交換です。通常型のバッテリーなら救援用の備品としてレッカーに積んできたものがあるけど、さてこれは、と隊員さんが困り顔。


 エスクードはこう見えて欧州車です。なんとハンガリーで作っていた。だからバッテリーはヨーロッパ規格で、そこらの量販店には置いてません。もちろん今回も持ち歩いていない。通常のレッカー業者ならここで帰ってしまったことでしょう。ここからがJAFの面目躍如です。確かこの規格は日立支部に取り置きがあったはず、と連絡をつけてくれて、なんと日立の隊員さんがバッテリーを持って駆けつけてくれるとのこと。うわあかたじけない。

 


 そして本日2台目のレッカー車登場、わざわざ日立から。そしてバッテリー交換からシステムチェックまでものの 30 分ほどで終えてくださいました。請求されたのはバッテリーの実費のみ。会費を払い続けていたとはいえ、もう感謝しかありません。


 これでこの車のバッテリー交換は2度目です。ご参考に距離と費用を記します。


 回数  その間の走行距離   交換場所    期間     費用
  1    63,700 ㎞      整備工場            1日預け   ¥ 42,000
     2    38,700 ㎞      自宅                    30 分    ¥ 34,500


 費用に関して整備工場さんの名誉のために申し上げると、ここのおっちゃんは決して悪質な請求をする人ではありません。ただ正規のディ―ラーから純正品を仕入れたということでしょう。それより問題なのは、前回の約半分の距離でバッテリーが力尽きたというところです。なにが違ったか。ビンボー人ですからいつでも燃費優先の運転をしています。違いとして思い当たるのは、アイドリングストップの使用回数です。


 今のエスクードにはアイドリングストップが標準装備でした。こいつが勝手にエンジンを止めたり始動させたりするのが気持ち悪くて、購入当初は始動のたびにキャンセルスイッチを押していたのですが、面倒くさい上に慣れてしまったこともあり、近年は止まるに任せていました。これがいけなかった。アイドリングストップはバッテリーやセルモーター、そしてエンジンそのものにも大きな負担をかけるもので、使い方によっては燃費向上やCO2削減への影響も限定的、デメリットが喧伝されるようになって今はトヨタやホンダでは標準装備から外されました。日本で最初に装備したのはトヨタ車なんですが、実は豊田章男さんが嫌いな装備のひとつだそうです。

 


 おかげさまで愛車はごきげんです。JAFさんには感謝の言葉もありません。二人の隊員さんありがとうございました。

 


 以前に「三太の湯」に向かう山峡の道で自然観察をしていたら、他県ナンバーの車が私の隣に止まりました。嫌な予感です。決して進んで人助けをするキャラクターではないのに、なぜかよく目を付けられます。この時はパンクでした。加入している任意保険のロードサービスを呼びたいのだが、自分たちのスマホでは圏外で連絡ができない、電話を貸してくれと。で、繋がってしまったんです、私のガラケーは。ところが問題はそこから。とにかくその損保会社のオペレーターがポンコツで、状況説明と確認に数十分、さらに提携のロードサービス業者からの連絡待ちとまた状況説明で、結局1時間以上電話を使われてしまいました。…… おい〇阜ナンバーの夫婦よ、私の電話は従量契約、使った分だけ料金かかるんだよコラ。ああ電話代請求するんだった。…… そして呆れたのはその損保会社のこの対応です。ロードサービスというのは重要な特約であろうにこのていたらく。テレビコマーシャルもやってる大きな会社ですが、地方での対応はこの程度なんだなと。

 


 未加入の方へ。JAFは頼りになります。ぜひ。

 

 

 

信徒の皆さまへ

 

 久慈川メノウ教という冗談の、聖地わらしべイベントというシャレでございます。このブログをご覧になった方同士で、自分には過分なメノウを河原に置き必要な人に拾ってもらうという、そんな楽しく回っていた活動が堤防工事による聖地閉鎖の憂き目に遭いました。いかんこのままでは信徒のキズナが。


 というわけで置きメノウをする河原すなわち「聖地」の、8キロ上流の山方宿「神奉地」への一時変更を考えました。コンビニ、トイレなどインフラが揃い駅からも近く、何より広い河原がある。理想的と思いました。ところが。

 


 4月、河原が水没しました。

 


 すぐ下流の取水堰が閉じられたんです。もちろん用水路に流しこんで、水田に水を張るためです。茨城で農業をそしる者には天罰が下るぞよ。これで稲刈りまで、この河原には置きメノウができません。

 


 代わりに「かわプラザ」で開いた置きメノウの会。こんな得体の知れないイベントに、読者の方がなんと4人も参加してくださって、思ってたより遥かに楽しいひと時を過ごさせていただきました。とはいえここは川の淵で河原が狭い。次回はぜひ神奉地で。問題はいつ堰が開かれるのか。

 


 さて、お話変わって先日9月2日の「駅までさんぽ」。もはや定点観測の桜川をまたぐ橋まで出てみたら

 


 水面が。水量が。アオコの浮かぶ緑の鏡面だったものが、流れる川に戻っていました。下流のゴム堰が畳まれた。農業用水の取水が終わったんです。

 


 もちろん確認に行きました。あのゴム堰はぺったりと畳まれて跡形もなく

 


 ここを狩場にしていたカワウが困っていました。う~んこれは気の毒。

 


 4日前はまだせき止められていたので、おそらく9月1日に堰が開けられたんです。お? ひょっとすると久慈川の堰も同じことに? これも確認に行かねば。

 


 やって来ました山方宿・神奉地。

 


 堰が開いている! 久慈川が流れている! 

 


 そして一面の河原が出現していました。わああ広いなあ。

 


 とはいえ池の底状態で5ヶ月を経て、たっぷりと泥被りしています。メノウがあってもわからない。メノウを置いたら目立ちすぎる。さてどうしましょう。

 


 本当はシルバーウイーク前に置きたいところですが、1週間やそこらでは泥被り状態は解消しないでしょう。シルバーウイーク中はここはテントで埋め尽くされて置きメノウどころじゃない。そもそも河原の石が落ち着くのに1ヶ月は見ておいた方がいいと思います。曜日は、キャンプやバーベキューの人たちが帰り支度を始める日曜の午後がよろしい。というわけで、余裕を見て10月の初めを考えたいと思います。


次回 久慈川メノウ教置きメノウの会 略して「置きミサ」← いま考えた
 10月12日(月) 午後1時 常陸大宮市山方宿神奉地 親水公園


 というのを暫定計画にいたします。当日は沢の大玉髄やら玉川の赤メノウやら海岸の黒メノウやら、見境なく持ってこようと思います。参加者は身一つで結構ですが、もし人に自慢したい、見せびらかしたい一品をお持ちならどうぞご遠慮なく。

 


 よしよしなんか元気が出てきたぞ。頑張ってあと少しメノウを集めておこう。フィールド歩きも再開しよう。ジノさん復調です。

 

 


↓ 神奉地水没。

↓ 楽しゅうございました。

↓ 桜川のゴム堰。

文月寸景

 

 月遅れ、7月のおさんぽ記事です。個人的記録にお付き合いください。

 

    
 ショーウインドウにたたずむガテン系イケメン。さて今の世をどう思う。

 


 駅前でまたカラスに絡まれました。羽の光沢がさながら真珠の如くに。

 


 パンを食べてる人の方に行ってしまった。

 


 駅南に出ておなじみの風景。もはや定点観測です。

 


 アオコの水面に映る日輪と高積雲。

 


 満水の水は備前堀に流され、多くの田畑をうるおしていきます。アオコと一緒に。

 


 神社がありました。竈かまど神社と言って、かつては水戸城内にあった由緒正しい神さまとか。ケヤキの古木が神さびて。

 


 これは別のお寺の玄関先にあったもの。お寺だけど水神を祀ってます。

 


 この配置にも意味があるんでしょうか。

 


 路傍に丸くてぽよぽよしたものが転がっています。一瞬ラッパウニに見えました。

 


 けさらんぱさらんだあ。何があったんだか、絡まり合って配置が逆になってます。

 


 これが母体、アメリカオニアザミです。すっかり水戸にも定着してしまいました。

 


 街なかにぽわんと芳香が。見回して香りの出どこに驚きました。植え込みを覆う雑草、オニドコロがその存在をアピールしているのでした。ツツジか何かの植栽がここまで放置されるのもひどい話ですが、生きる力に満ちた野生の者にはアッパレと言ってやりたい。それにこのヤマノイモの仲間の花が香るなんて、誰も知らないんじゃないだろか。

 


 図書館前、土塁の上に今年もヤマユリが咲きました。昨年の草刈り業者さんが刈り残してくれたおかげで、花付きのいい大株になってます。それが

 


 刈られてしまった。年によってこういうことになります。草刈り業者が毎年入札で変わるのか、管理する役人の意地悪か。

 


  月末、黄門まつりの飾り付けが始まって、水戸の夏が折り返します。今年はずいぶんと過ごしやすい、そんな夏です。

 

 

 

↓ カラスとお話。いえ単なる思い込みです。

↓ 去年はヤマユリを残してくれました。

↓ けさらんぱさらん。

会期おわりですごめんなさい、の妖怪展

 


 家のことをいちいち言い訳に使ってしまうのだけど、浮世離れが災いして、実際に現実にまみれてる間はブログの文章が浮かびませんでした。で今回は読者の皆さまと常陽史料館にお詫びです。この夏の常陽史料館の企画展を撮るだけは撮ってあったのですが、記事にできないまま会期は次の土曜日までとなってしまいました。

 

     
          妖怪展です。でした。

 


 会場こんな。1階は美術家による作品展示、地階は資料展示というあの「うつろ舟」の時と同じパターンです。

 


 看板展示はこれでしょうか、高橋恊子「百鬼夜行絵巻」。

 


 もうこれは理屈抜きの造形の面白さ。だーっと写真を並べますね。

 


 同じ作者の作品は、いま常陽銀行本店のショーウインドウにも展示されてます。

 

  
     わあ「顔出し」だあ。やりたかったよう。

 


 大き目の造形作品、林香君「比々」。

 


 同じく「餓鬼」。台湾のご出身だそうですが、日本の土のにおいをよくご存じです。

 


 さあそして、この手の企画展になくてはならない田崎太郎先生の作品群!

 


 この世界観の妙味、健在です。

 


 「南極妖怪ニンゲン」。

 


 こんな楽しそうに創作する作家はなかなか稀有なのでは。

 

    
             またこんな。

 


 「厄除け疫病神」だそうです。


 地階は貴重な資料とて撮影禁止。文献、絵巻ほか「カッパの手」なるものも。ああ昔、少年雑誌でこういうのを見たぞ。

 


 今回は2階別室に県内各地の妖怪伝承のパネル展示があって、個人的にはこの写真にぐっときました。常陸国風土記の「夜刀やとの神」、ヒトと境界を分けたという有角蛇神の伝説です。そうか今でも祀られているのか。いつか行かねば。

 


 常陽史料館さま、今回はお役に立てず申し訳ありませんでした。ただ、記事の更新がなくても1ヶ月で1万以上のアクセスをいただいているブログです。この記事も広く読まれて、館のお名前は全宇宙に笑認知されるので、それでお許しください。次回の展覧会を楽しみにしております。

 

 

↓ 過去の展覧会から。