ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

【虫】なる日々

そろそろ来るぞ人妻プリキュア

だまされましたね。【虫回】です。人妻もプリキュアも出てきません。でもタイトル通りのお下品な表現がありますので、お子さまの閲覧にはご注意ください。

かまきり三題

かまきりって不思議です。肉食ながらヒトに害をなさない、そこに人は自分を投影します。そんな、かまきりにまつわるお話をいくつか。

おわりにむかうはじまりのうた

夏というおのれのために誂あつらえられた季節を存分に使い切って、虫たちが静かに退場の準備を始めました。その、後ろ姿を。

せかいでいちばんちいさなむし

昆虫の体は高度に機能的です。その小さな体でエサを食べ、成長し、変身し、空を飛び、探索し、恋をし、敵に立ち向かい、子孫を残す。時間や季節を知る能力もあります。彼らの小さな体には、こんな人生に必要なものが、きわめてシンプルかつ美しく詰め込まれ…

やままゆ / 幸運に生きてきた一匹の蛾が最後の最後に不運に見舞われるまで

映画「敦煌」の終盤、西田敏行演じる将軍が、強大な敵に何度も突撃しては押し戻され、おのれェェあと一歩でェェと歯がみします。古い映画ですいません。最近の製作委員会映画に、こういう骨太のってないですよね。

ごめんね女王。

5月半ばのある朝、いつも通りに父母の部屋のシャッターを開けたところ、かすかにブブブという羽音が聞こえました。まるでネズミが象に文句をつけたような、静かな朝だからこそ聞こえたレベルのささやかな、それでもはっきりと抗議の声と理解できる鋭さがあ…

花埋み

ピグマリオンのように輝くなめらかな肌と、徹底的に合理化されたデザイン。精巧な、自然という造化の神が造り給うた芸術品。さて何のことでしょう。

お引っ越し大作戦しっぱいの巻 / スズメバチに想ったこと

8月某日朝。寝室の網戸まで開けて布団を畳んでおりますと、ぶぶぶぶと重い羽音が。スズメバチです。軒下で8の字を描いてから、部屋の中まで入ってきました。ぐるりと旋回、小市民が細細と暮らすこの家を値踏みするように見回すと出て行きました。なんだあ…

毒虫襲来 【どアップ注意】

びらん性の毒というのは厄介なものです。遅効性で、じわじわと、そして永く人を苦しめます。びらん性毒ガスの代表、マスタード・ガスは19世紀後半に開発され、両大戦で使用されました。1943年にはガス弾を満載した米貨物船が空襲で破壊された際に漏れ出して…

キクスイカミキリあらわる 【虫です】

母が丹精している菊の,新芽がしおれています。それも1本2本ではなく,一か所に植えてある菊の芽がすべて。これはおかしい。 見ると,茎が鋭利に切断されてます。昆虫に詳しい方ならピンとくる ものがありませんか。ヤツだ。ヤツが現れた,ついにこの国に…

庭のクチナシのオオスカシバを駆除しました 【虫です。ぶよぶよです】

オオスカシバを愛でる話じゃありませんからねー 水戸では今朝,ようやく風が南から東風に変わりました。とはいえ昨日までの熱気を吹き飛ばすほどではなく,とてつもなくアツいです。関東の県庁所在地で一番涼しい街ですらこうなのですから,他のご在所の皆さ…

造化の妙,スミナガシの蛹

先日の花園行でご紹介したスミナガシの幼虫ですが,実は連れ帰ってました。どうしてもあの蛹が見たくて。 2頭連れてきて,食草のアワブキを与えたのですが,翌日には前蛹,つまり蛹の前駆状態になってしまいました。もっと鑑賞したかったのに。

梅雨明けの日,虫捕り公園で

梅雨が明けました。 ここは水戸郊外の「虫捕り公園」。行けばカブトムシくらいなら必ず採れると子連れの若いお父さんに人気の公園です。 雑木があり,いろいろな植栽があり,水辺があり。多彩な環境があることが人にも虫にも好まれています。夕刻にはお散歩…

虫たちの日々

今の職場は水戸の郊外,周囲は雑木林。窓を開けているとオオスズメバチが入ってきたりして大騒ぎになる緑豊かな環境です笑。春のころは周辺をのんびりと散歩する余裕もあって季節の移ろいを楽しんでいたのですが,最近はそれどころではなくなっていました。…

冬に命をつなぐもの

クロナガアリとヒガンバナ、冬に生きる生物を二つ記事にしました。天敵もライバルもいない季節を選んで生活する、その知恵と覚悟。凍てついた空気の中、争わず、襲われず、巻き込まれず。過酷だけど穏やかであることを貴ぶ。実際に人にもそういうのがいます…

決戦!オオスカシバ

9月がいつまでも暑かったので,庭の整備をサボってました。油断しました。クチナシの主幹の枯死に気を取られたこともあり,オオスカシバの跳梁を見逃してしまいました。 ご覧の通り。9月後半から10月初めに若齢幼虫を見逃すとこういうことに。 だいぶや…

オオミズアオの艶姿をご覧ください

オオミズアオ。職場の門前の自動販売機にいました。 いやさすがにジュースを買いに来たわけではなく,人間の客を誘うはずの光に囚われてそのまま帰る道を失ったのでしょう。 決して珍しいものではなく,絶滅危惧種でもなんでもありません。国内では北海道か…

高鈴山のスギタニルリシジミ / 追想

スギタニルリシジミに会いに,日立の高鈴山に行ってきました。 スギタニルリシジミとは蝶の名。小さな小さなシジミチョウの一種です。京都の貴船とかいうところで「スギタニ」さんが発見して,和名にも学名にもスギタニと付きました。 翅の表は瑠璃色,裏は…

アカボシゴマダラ,異国の丘に

皆さんのご在所ではまだ酷暑は続いておいででしょうか。ならばお悔やみ申し上げます。 水戸では――もともと関東の県庁所在地で一番気温が低い街なのですが――月曜日に秋の雲が出てるなと思ったらその晩から東風が吹き始め,きょう火曜日は窓際ならクーラーがい…

戦うだけが人生だ

茨城県北部,久慈川の流れる山峡に男体山という山があります。このあたり,100万年前の海底火山地帯で,火山の活動に前後して断層活動が起こりました。これが棚倉たなぐら断層。断層は長く隆起を続け,ついに400メートルを超える巨大な壁を作り上げます。そ…

クロナガアリは春に引きこもる  【蟻どアップ注意】

アリジゴクを飼っていて,そのエサとしてアリを採っていましたが,冬になりその供給に難渋し始めました。クロオオアリやクロヤマアリはいつしか姿を消し,それでも働く律儀者はおらぬかと日溜りを探し回りましたところ,とある運動場の隅,ネットと壁に挟ま…

アサマイチモンジ飼育日記ダイジェスト

とうとうアサマイチモンジがうちの庭で産卵してくれました。チョウを育てるためにスイカズラを採ってきて,そこで根付いたスイカズラにチョウが飛んでくる。一つの大循環が完成したと一人ほくそ笑んでおりました。

ツノトンボが征く  【超絶虫本気】

ツノトンボというショッカーの怪人みたいな名の昆虫をご存じの一般人はまずおられないかと。今回は本気で虫嫌いの方はご遠慮ください。

ゼフィルスの卵

十年以上前,森のチョウ「ゼフィルス」の卵を探し歩いた一時期がありました。お蔵入りしていたのを思い出したので記事にさせていただきました。

クロアナバチの夏    【虫です】

いつものフィールドの芝地に,8月も後半になると黒衣の戦士が現れます。体長だけなら小型のスズメバチに匹敵。細く黒い矢のようなボディ。白化粧した顔に漆黒の大きな眼,強圧的な大あご。糸のように細い腰はあらゆる方位に毒針を繰り出す砲のターレット。…

秋の終わりのものたち  【虫】

今日,フィールドで最後の日々を過ごすバッタたちを見ました。前回訪れた時に見たクモガタヒョウモンやメスグロヒョウモンといった蝶たちは枯野に溶け去るように彼岸へと去り,直翅目の昆虫たちがカーテンコールに現れていました。

ヒロヘリアオイラガ 【毛虫だ。】

正面のグリーンカーテンに這わせたミツバアケビの葉がえらく食われていることに,今朝の出がけに気がつきました。家人に捜索を依頼して,帰宅後に聞いたらヤバそうな毛虫がいたとのこと。何者か。 翌日は休日。早速朝から繰り出してみると……いました。 おま…

ツクツクボウシの森にて

久しぶりに,市内の秘密の森にやってきました。何が秘密かって? それはおいおい。 さっそく現れたのはミヤマクワガタのメス。9月も半ば,しかも今年はかなり低温なのに,頑張ってるね。 念のためひっくり返して足の色を確認。うん,ミヤマだ。 怒ってます…

葉裏のものたち/あるコアシナガバチ一家の最期

庭のウメモドキの枝に,アシナガバチの大きな巣が見つかったのが6月のこと。コアシナガバチと思われる,黒ずんだ小型のアシナガバチです。ちょうど人の目の高さであり,母屋とラティスの間の,ヒトも通れば近所の野良猫も好んで通る小径,文字通りのキャッ…

めだまもようがあらわれた!【虫閲覧超絶注意】

2004年の秋に家を建て直したとき。道路に面した側を木枠を格子にしたフェンス(ラティスと言うそうな)で仕切ることになりまして。ひとつ目隠しにと,狭い植木鉢でいじけていたミツバアケビを大きな鉢に移し替えて,ラティスに絡ませようと思い立ちました。 …