ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

江戸東京たてもの園と武蔵野の残滓

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 東京に買い物に出てきました。ネットで買えるものだけど,服ではあるし,やはり実物を見なければ。ちなみに予報では「」。うちの親は花見を中止にしたのですが,もうオチは読めてます。


 で,上野‐御徒町。目指したのはある海外メーカーのアウターだったのですが,かなり思ってたのと違ってました。見に来て良かった。結局軍装店でシャツ1枚買っただけ。わし本当にお金を使わないなあ。資本主義社会にもっと貢献しなきゃとは思うのですが。


 買い物がすぐに終わってしまったので,第二目標に向かいます。中央線武蔵小金井へ。江戸東京たてもの園へ。


フランス人がときめいた日本の美術館」という本があるそうで,衛星放送でその本に描かれた美術館を一つずつ女優さんが紹介するという番組があります。いえ,たまたまチューナーをBSに切り替えたら放送中だったという,ほんの偶然の出会い。それが「江戸東京たてもの園」の回で,野村麻純さんという方がナビゲーターでした。


 失礼だけどこの野村さんという方を私は存じ上げませんでした。もっと失礼なことに,ネットで見たプロフィール写真にもさほど興趣が湧きません。ああ本当に失礼。


 ところが画面の中で動き,笑い,語る姿がとても素敵。なんというか,以前もどこかで言いましたけど,まともな親に正しく育てられた「育ちの良さ」を感じさせるひと。穏やかでちょっとふわふわで。もし同僚とかでそばにいたならホレちゃいそうな。このひとが紹介してくれたなら行かなくちゃ。


 …… というしょうもない理由だけでなく,私,実は宅建に興味があるんです。生物学の学生だった頃から建築雑誌を購読してみたり。特に昭和初期のモダンな装飾性あふれる意匠が好きで,雑誌で知った建築家「遠藤 新」なんか憧れたものです。この人帝国ホテルの建築なんかで有名だけど,魅力的な住宅も作ってます。「たてもの園」に遠藤の作品はないけれど,同時代の建築家のものがある。行かねば,と思ってました。


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 武蔵小金井の北口を出て,まっすぐ北方向へ1キロ,玉川上水に当たったら東へ,と理解してずんずん歩いていきます。てっきり,この道が一番になっている所が上水かと思いきや違いました。上水はわざわざ高台の上を掘って通していると。すごいですねえ,知恵と技術。


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 道沿いに立派なケヤキの屋敷森。そうですここは武蔵野です。


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 背にケヤキ,敷地にはヤマザクラコブシ。古い農家なのでしょうが,これぞ武蔵野の原風景。こんな庭が欲しかった。


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 ようやく,これがあの玉川上水です。太宰治が入水したやつ。こんな チンケな 小さな浅い流れで死ねると思っちゃうあたりがさすが天才。ただし昔とは水量が違うとも。


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 気持ちのいい遊歩道が付いてます。舗装していないというのも考えてのことでしょう。路傍の草花が息づきます。例えば……


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 春を告げる森の精,タチツボスミレ。東京でも咲くんですね。


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 たてもの園入口。…… なんだけど,なんか大変なことになっている。桜だ。花見だ。しまった。東京は水戸より一週間早いのだ。


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 沿道にはヤマザクラ。たぶん自生のものでしょう。


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 コブシ。これも自生。

 

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 かと思うと外来種。ウィオラ・ソロリア/アメリカスミレサイシン


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 ユキヤナギも満開です。

 

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 花見って好きではないのですが,ここまで来たら。… 焼き鳥を買ってしばし桜でも見ますか。

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 見事に満開です。


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 陽射しが出てきました。ほらやっぱり。


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 ではたてもの園へ。入場料400円。

 

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 撮った写真300枚。外観から内装まで。全部お見せします?

 

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 さすがにそれではブログの容量が。興味があれば江戸東京たてもの園のHPをご覧ください。

 

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 特に気に入ったのがこれ。昔の写真館。家族の住居部分が,住みたいと思わせるほどに素敵でした。

 

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 園内にも武蔵野の残滓。ヒトリシズカシュンラン


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 おなか一杯に300年分の住居建築を詰め込んで,また玉川上水沿いに帰ります。クサボケが咲いてます。上水が方舟のように,武蔵野の記憶を守ってきたのでしょう。


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 切られたケヤキサルノコシカケ。こんな市街地に。


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 東京にもいいところありますねえ。これであんなに人が多くなければ。もっとも,いずれも東京だからこそ,なんですけど。

 

 

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