ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

あきのむしむし

 

【 蜘蛛・芋虫・黒い奴ほかオールスターです うふふふ ♪ 】


 というわけで虫回です。お好みもあるとて、虫はなるべくまとめて記事にしておりますので、どうかよしなに。

 


 いつもユズを大量にくれる方が、今年は不作だったと申されておりました。我が王国も炎暑のとばっちりでキュウリやスイカがくたばりました。庭木ではこのサンショウが陽に焼けまくって

 


 そこで育つアゲハの幼虫も変な色に。普段なら指で弾き飛ばすところですが何だか気の毒で、すぐ蛹になる頃合いでもあったので見逃しました。食われた葉は戻らないし。

 


 エノキの葉に糸を張り巡らすクモがいました。写真にも写らないほどの細い糸がびっしりと渡され、肉食性の微小なアミメアリですら通り抜けできず、それでも突入を試みる。巣の主は右下で脚を縮ませて恐怖に耐えてます。家のドアをドンドンドン!と叩いて おるのはわかっとるんじゃァとっとと開けんかいィゴラァ とかわめく大阪府警のガサ入れみたいなもんでしょうか。

 


 別の葉ではたぶん同種のものが糸を張る真っ最中で、なかなかに大変そうです。野に生きるのは日々が戦いなのだ。

 


 さてウメモドキ。これも暑さで実が不作でしたが

 


 それでもカイガラムシどもが取りつきます。見つけたら爪で掻き落としてやるのですが、油断すればご覧の通り。不思議なのは、カイガラムシをすべて落とした枝にも、その分泌物を求めて徘徊するアリがいること。カメラに接写レンズを付けて追跡したら

 


 なんかいたぁ。粉を吹いた全長1ミリほどのワラジムシみたいの。これ実はルビーロウカイガラムシの一齢幼虫で、アリが盛んに触角で刺激しては出てきた蜜を舐めとります。小さすぎて肉眼で見つけるのはまず不可能でしょう。厄介だなあ。やがて赤いロウの鎧をまといます。

 


 我が家の食卓に白菜は欠かせません。冬は鍋の日が多いので特に。その白菜をかなり自給しておりますが、冬用に植えた苗がずいぶん食われてしまいました。犯人はオカダンゴムシ。株本や地面に付いた葉の裏にわらわらといて、めくるとキャ とか言って散ります。あんまり可愛いので毒エサをかましてあげました。ええ、こちらの食いぶちがかかっているので容赦ないんですワタシ。

 


 画面内だけで 11 匹丸まってます。駐車場やブロック塀がコンクリ製でこいつらの殻の原料になるため、うちのダンゴムシの多いことったら。おかげでトカゲもカナヘビもヌシのガマもご飯には事欠きません。我が庭の生態系を支える生き物ではあるのです。

 


 毎度のクチナシオオスカシバ。今年もずいぶん退治しました。それでもめげずに産卵していきます。

 


 そのクチナシの葉に、オオスカシバとは違う妙な丸い食痕が。はてこれは。葉裏を見ると綿埃みたいのが貼り付いてます。これひょっとしてマイマイガの卵のうでは。すると肉眼でゴミのように見える周囲のモノは

 


 一齢幼虫だああ。この手のわらわら系は苦手だあ。幸いまだこの葉一枚に留まっていたので簡単に駆除できましたが、気付かずにいたらクチナシが食い尽くされてました。

 

 ※ 読者の「たわし」さまからご教授いただきました。ハスモンヨトウだそうです。

 


 これも困りもの、今年全国で大発生のツヤアオカメムシアケビを剪定したらいや出ること出ること。おまえなんかカメムシタケに食われてしまえー。

 


 これも容赦しなかった、クサボケを食べていたハムシ2種。私にとってはチリアクタですが、こんなものを真面目に研究している人もこの世にはいるんだよなあ。凄いなあ。

 


 開花を控えたホトトギス。今年はエルタテハに狙われませんでした。幸いなるかな。

 


 なぜかジグモがブロック塀に貼り付いてました。敵に追われたかな。私の子ども時分から我が庭にはいっぱいいて、よく巣を引っ張り出して遊びました。今思うと悪いことしたなあ。でも幼い頃のこういう行為、例えばアリの巣に水を入れたりカエルをいじめたりといった体験への反省が、大人になった時の自然観の形成には重要だと思います。自然体験なくしてナチュラリストは育ちません。

 


 まだ我が王国には現れません、アカボシゴマダラ。水戸の街中で繁殖してます。ということでここからはお散歩で見た虫たちを。

 


 ムラサキシジミ。図書館周辺のシラカシで発生しているのは知っておりましたが

 


 まさかムラサキツバメまでいるとは思わなかった。ムラサキシジミとごく近縁ですが一回り大きく、「ツバメ」の名の由来、翅の後端の尾状突起が特徴です。わあちょっと感動。西南日本マテバシイが本来の食草でしたが、葉の美しいマテバシイが関東の公園に植栽されるのについてきました。シラカシに食草を変える柔軟性もあったとは大した奴です。結局昆虫でも人の世でも、生き残れるのはこういう者か。

 


 タブノキの葉に美しいガがいました。透けているのかと思ったらこういう意匠でした。ウスキヒメアオシャクというそうな。タブノキが食草ではないので、自分の翅色が保護色になる場所をちゃんと選んだということですか。生き残るならこういう知恵もないとね。

 


 図書館の玄関わきのアキニレがぼろぼろになってました。何だ何だ。

 


 こんなイモムシに食われまくっていたのでした。こうなる前に気付いてやれなかったものか。ガの幼虫かと思って調べたのですが正体が知れず、判明したところは何と!これハチの幼虫なのでした。ニレチュウレンジというハバチの仲間です。実はハチの仲間の祖先は葉っぱ食。その原初の性質を今に残すのがハバチなのでした。

 


 先日見たらそのアキニレが散々に剪定されてました。木は悪くないのにー。

 


 旧県庁広場は大木もあるおかげか、いろんな虫がいます。自然度のバロメーターです。足元をオオアトボシアオゴミムシが逃げ回ってました。

 


 ベンチに座るとアリが降る。シワクシケアリ。咬まれました。桜の下は要注意です。

 


 植え込みに生える雑草について書くと、管理の方々にご迷惑なのはわかっております。このブログ、チェックされてもいるようだし。でも私には楽しみなんです。特に鳥の落としものから生えるエノキは昆虫に好かれる木なので。先日見つけたのはごく小さな甲虫ナミガタチビタマムシ。エノキにいたのでそう判断しましたが、チビタマムシの仲間は正確な同定に顕微鏡が必要です。でも愛好者が多いというこの不思議。

 


 忙しく走り回るアシナガバエ。肉食です。これがいるのも、昆虫類が多いという証拠。どうかご寛大に、これからも殺虫剤を極力使わない管理をお願いいたします。

 


 その植え込みに美しいクモ、ワキグロサツマノミダマシ。森林性のゴキブリの一種を捕まえてました。ここは都市のど真ん中の、多くの命が日々の生を謳歌する楽園です。

 


 河岸を変えます、ここは「いつものフィールド」。先日野の花を求めて徘徊したとき。桜の幹に大きな丸い虫。え?この季節にメスカブト?と寄ってみたら

 


 オオゴキブリでした。これでも幼虫です。森林性で汚くありません。素揚げにすると美味だそうです、以上。

 


 ジョロウグモのメスが捕まえたモンスズメバチを食べるのに夢中なそのスキに、オスがそーっと背後から忍び寄ります。一瞬の油断で自分がエサになる命がけのアプローチです。頑張れ、と見守っていたのですがああ何てことでしょう。あろうことかこの私が、巣を支える支持糸の一つを揺すってしまいました。たちまちメスは逃げ去って、オスのアプローチを徒労にしてしまいました。ボクってなんて罪深いんだろうくふふ。ワザとじゃないよ。

 


 また桜の幹の、苔に覆われたあたりを黄色い点が動いています。うどん粉病菌なんかのカビを食べるという変わり者、シロホシテントウです。まあ何を好き好んで。しかもこのグループは何種かあって、これはムーアシロホシテントウという名でした。こんな虫がいればそれを分類するヒトがいる。思うことはいろいろです。

 


 玉川にメノウと花を求めました。このウラギンシジミは秋にはどこででも見かけます。食草のクズの繁栄と共にこの三千世界を自由に飛び回ります。クズはアメリカに移入されて大繁茂しているそうですが、このチョウは一緒に行けたかな。

 


 狂い咲きの定番ヤマブキの花に、ハナグモのオスが待ち伏せておりました。なんか目立つけど大丈夫かな。

 


 ぷーんと飛んでくる奴がいて、叩き落としたらキボシカミキリでした。東日本のものは外来分布だそうです。庭のイチジクを枯らします。

 


 先日のオグルマの撮影で、ファインダーを覗いていたらヤマトシジミが来ました。マニュアルでピント合わせをしている最中でしたが、ぴたっとピントが合いました。滅びに向かうこの季節を、小さき者が逞しく生きてます。

 


 そのオグルマの花から、そっとサヨナラを告げるウラナミシジミ。春に房総半島の越冬地を出発し、世代を繋げながら北上を続けて遠く東北まで分布を拡げますが、秋の終わりに卵も幼虫も成虫も、すべて死に絶えます。来年また自分の仲間が来るからね、それまでしばしさようなら。そんな生き方をする一族。

 


 夏から秋に見た虫たちのポートレート。私には、この雑念なく必死に生きる小さきものたちが愛おしくてなりません。もちろんダンゴムシカイガラムシを含めてです。

 

 

 

 

 

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