ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

ヤマユリとキキョウに夏を知る

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 いよいよヤマユリが咲き始めました。夏です。

 

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 巨大な花。強い香り。白い花被片に黄色と赤のアクセント。茨城の山野ならどこにでもあるのですが,本州東半分の特産と聞きました。ヤマユリを知らない方々,このものすごいユリが石を投げたら当たる率で咲いている風景,ぜひともご案内して差し上げたい。

 

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 シーボルトらによって欧米に紹介され,大センセーションを巻き起こしたそうです。ニッポンすげえ,と。特に伊豆諸島に自生する変種は花の直径30センチ,間違いなく世界最大のユリです。かのカサブランカの母種でもあります。

 

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 ただ写真に撮るとなるとこれが難しい。花がデカすぎるんです。

 

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 明治のころ,横浜周辺の人々は外国人に売れるというのでヤマユリの球根を掘りまくったとか。神奈川県の花がヤマユリなのもそこらへんが理由ですか。実際,かつての日本のユリの輸出量はかなりのもので,明治41年(1908年)に日本から正規に輸出されたユリ根は1200万個近く、金額で45万円……ていくらでしょ。ヤマユリのみならずカノコユリテッポウユリなどなど,日本は世界に誇るユリの王国です。

 

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 キキョウは今が盛り。漢方の薬として知られ,漢名の「桔梗」の読みがなまってキキョウになったといいます。

 

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 前にも書いたけど,花もつぼみも葉も立ち姿も,何もかもが美しい。というか調和の美でありましょう。

 

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 私のいつものフィールドでは,ちょっとした群落になっています。秋の花では?とお思いになるのもごもっとも。秋の七草ですよね。でも現代の季節でいうと夏なんです。

 

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 フィギアスケートの織田信成さんちでは,生花にキキョウは厳禁だとか。なぜって? 明智光秀の家紋だから!

 

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     ママコナも咲いていました。

 

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 ノアザミ。花粉を出してます。

 

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 オオバギボウシも花盛り。これも欧米では人気だと聞いてます。

 

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 夏の森。人生80回の夏を,また一つ越えていくか。

 

 

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05.05.25 里美にて

 

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 まず愚痴を。ここ2週間,朝7時から夜8時まで全力で働いています。息つく暇もありません。今どきこんな事書いても自慢になりませんし,むしろ上役に迷惑がかかってしまいますが,仕事をこなしきれないんだから仕方ありません。能力もない,要領も悪い。人間,知力も活力も枯渇するものです。来年は降格させてもらいます,いやマジで。こんな働き方がしたいわけじゃない。不義にして富み且つ貴きは我においては浮雲の如し。

 

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 古い写真ファイルを見直していたら,表題のようなファイルに目が留まりました。2005年は,まだ勤め先が日立市内のころです。第一線の下っ端で,好きに仕事をやれていたころ。開いてみると,午後二時頃の日鉱金属前に咲くジャケツイバラから始まっていました。どうやら,仕事が早く終わったので山越えで里美村方面に向かうようです。仕事も少なく,マイペースにやれていたころです。

 

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 ミズキの花。ありふれた木ですが,花をまじまじと見る機会はあまりありません。

 

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 次の写真はもうレンゲツツジ。ジャケツイバラやミズキを撮った場所から30キロ北,標高600メートルの,福島県境がすぐ隣という湿原に咲いてました。

 

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 タニギキョウ。小さく清楚な花です。こういうものが好きなんです。

 

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 山中に分け入って,いつの間にか福島県に入ってます。神さまが降臨しそうな大岩。

 

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 何気なくあ,スミレだと撮った写真ですが,十数年後によく見たらサクラスミレでした。図らずも私が初めて出会ったサクラスミレ。この頃は今ほどスミレに目が向いていません。

 

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 マルバアオダモ,いわゆるトネリコの仲間。イチロー選手のバットは日本のトネリコ製です。

 

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 ツリバナ。珍しいものではありません。でも可愛らしい花ですね。

 

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 ヒトリシズカ,花後の姿。花が散っても一人。

 

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 ツクバネソウ。ほぼビーム砲。

 

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 サクラソウ。後にも先にもこの場所で見たのはこの時だけ。私が自然に対して一期一会を覚悟するのは,こういう出会いがあるからです。

 

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 廃校跡。茨城県北芸術祭のレポートでも申しましたが,「廃校」という言葉についナーバスになってしまう私です。

 

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 夕暮れて。写っているのは鍋足山なべあしやま。この山もいずれご紹介せねば。

 


 平日に思わぬ息抜きができたようですね,この頃は。戻りたいなあ。

 


 旧里見村北部地区。牧場や希少なチョウの生息地があって,茨城の生物屋には思い入れの深いこの地に放射能を含んだ雨が降り注ぎ,県内でもかなり高汚染の地域となったのはこのわずか6年後です。

 

 

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ダリフラ,まばゆい愛の物語 (深夜アニメ感想)

 

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                              ☆ 画像はすべて番組HPよりいただきました。


 深夜アニメのダーリン・イン・ザ・フランキス,略してダリフラが終わってしまいました。

 

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 まさかこの歳になってこんなハマるアニメが現れようとは思ってもみませんでした。当初期待したような「オタク球」コースかと思いきや,それは今どき誰も手を出さないような直球ど真ん中の勝負球だったのです。

 

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 未来。遥かな未来ではなく,現代の一人の男の青年から老年に至る程度の時間経過の間のこと。地底から掘り出される無尽蔵の資源「マグマ燃料」によって文明の頂点を迎えた人類。しかしなぜか大地は活力を失い,気候は乾燥化し,謎の攻撃的巨大生命体「叫竜きょりゅう」によってそれは存亡の危機を迎える。人類は多数の巨大な移動式ドーム都市に居を移し,対叫竜用に開発された巨大ロボット兵器「フランクス」で存続を図る。この時までに不老不死の技術が確立され,人々はその処置を受けていたが,それは生殖能力を失うことでもあった。だがなぜか一機のフランクスを操縦できるのは生殖能力のある一組の男女だけ。かくして,フランクスを操縦するためだけに子供たちを生み出し教育するシステムが作られる。図らずも,そうして生み出された子供たちは,笑い,悩み,成長し,やがて愛を知る本来のヒトそのものであった。 移動式ドーム都市のひとつ第13都市,そこに配属されたフランクス搭乗者チーム「13部隊」に特別な少女「ゼロツー」が現れたところから物語は始まる。

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 マグマ燃料なんて何の芸もひねりもないネーミング。コアを破壊することで倒せる敵はエヴァンゲリオン使徒そのもの。少女たちの体形ぴったりのスーツ,状況のすべてを操るごとき怪しげな上部組織もエヴァを想起させます。

 

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 主人公はナンバー016,ヒロ。幼いころは操縦者適性の高い期待の男の子だったが,なぜか急にその素質を失って自暴自棄になりかけていた。ゼロツーはしかしそのヒロに興味を示し,ボクのダーリン,つまりフランクスの同乗者にならないかと誘う。ゼロツーは抜群の能力を持ちながらも「同乗者殺し」と噂される危険な操縦者。しかしほかに選択肢のないヒロは受け入れ,周囲も驚くゼロツーとの親和性で戦果を上げていく。

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 さえない男の子が突然美少女に迫られるというのもハーレムものにはよくある設定ですね。でもここから物語は急展開します。

 

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 実は幼いころ,二人は出会っていた。ヒロはその記憶を消されていたが,ゼロツーは憶えていた。幼いころに読んだ絵本の王子にヒロをなぞらえ,人間になってヒロと添い遂げようとしていた。……ゼロツーはヒトではない。叫竜の遺伝子をヒトに組み込んで作られたもの。生殖能力もない。しかし叫竜を倒し続ければヒトになれると信じており,その純粋な想いは次第に狂気へと変わっていく。拒絶,別れ。いくつかの試練を越えてやがて二人は互いの思いを理解し,真のパートナーとして覚醒する。

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 二人の乗るフランクス「ストレリチア」は無双化します。ではこのまま叫竜との戦いを制してハッピーエンドかというと,そうはならないのです。ここいらは「ラーゼフォン」とか他のアニメでも見られる,安定させないぞという展開。さあどうなる。

 

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 叫竜の本拠地を攻略し,叫竜の巨大兵器を手に入れる人類。しかしそこに宇宙から侵略者が現れる。叫竜たちはそれまで争っていたフランクスを無視して侵略者と戦い始める。実は叫竜は,人類より先に地球を支配していた者たちが侵略者と戦うために自らを進化させた姿。そして人類を指導していた組織は侵略者の手先で,侵略のために叫竜を弱体化させようと人類を操っていいたことが判明。この世界のシステムは,すべて侵略者のために作られていたのだ。

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 えええええ。ここにきて突如宇宙からの侵略者。全24話中の21話目で。いやこれはびっくり。

 

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 巨大兵器と融合し侵略者の母星へと決戦に向かうヒロとゼロツー。深い絆で結ばれた二人に,深宇宙の果てに消えることへの迷いはない。一方地上に残された他の子供たちは,大人のいなくなった世界で,地を耕し,子を産み育て,新しい時代を作り始める。永い永い時が過ぎ,文明を取り戻した地球に,空のかなたから二つの魂が舞い戻る。青い髪の少年と,桜色の髪の少女が,再び出会う――。

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 マクロスにもあった人類滅亡後の再生の物語,好きです。ヒロを見つめ続けたイチゴちゃんが,最後にはゴローを受け入れるくだりも好きです。愛し合った記憶を消されたはずのミツルとココロも幸せな家庭を築いています。ハチとナナもパートナーとして生きていきます。ヒロとゼロツーも含めての,完璧なハッピーエンド。

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 もしこの作品の制作者側に,かつてのヤマトやマクロスエヴァンゲリオンのような商機を期待する人がいたなら当てが外れたことでしょう。スピンオフ,新作,続編……どれも成立しません,ここまで完璧な終わり方をしてしまうと。せいぜい劇場版くらいかな。関連の商材も,フランクスのデザインなんかあまりオタクの人向きではないので難しいかもしれません。あ,劇場版ができるなら見に行くし,DVD/ブルーレイは大人買いしちゃうぞ。そう,あくまで本編の「作品」で評価される作品です。

 

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 登場するすべての人々が見せる献身と自己犠牲と,何より相手を想う心のその純粋さ。挫折を繰り返しながらも未来を目指す瞳の強さ。まばゆいまでの人間賛歌と私には映りました。この閉塞した時代にこそ,前に進もうとする意志の力が試されている。うがちすぎでしょうか。

 

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 確かにいくつかの設定はエヴァンゲリオンに類似します。でも決して模倣ではありません。一つには,このアニメの制作者たちはそんな設定に凝ることにエネルギーを使わなかった。そしておそらくは……同じ設定でこんなにも美しい「愛」を描けるんだということを証明したかったのではないでしょうか。こんな時代に「商売」に走らずに「作品」を作ることができるのだという実証をしたかったのでは。つまり現代のアニメ制作現場を支配するくびきへの「挑戦」であったのではないかと,そんな感想を持ちました。

 

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 ダリフラ
 絶望と喪失を乗り越えた,まばゆいまでに純粋な愛の物語。
 深い内省と並行する,新世界創世の物語。
 永く記憶されるべき作品だと思います。

 

 


 よろしければ番組HPやウイキペディアもご覧くださいね。よくまとめられてます。

 

 

 

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半夏生咲く

 

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 ハンゲショウが咲いていました。 半夏生ハンゲショウです。

 

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 こんなでもドクダミ科。白くなるのは葉。花はこのちまちましたやつ。

 

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 ドクダミも本当の花はちまちまです。


 暦の七十二候の一つに「半夏生」があって,その季節に咲くから付いた名,とも。葉が半分白くなるから「半化粧」とも。ちなみに暦の「半夏生」は夏至から11日目に当たる日で,今年は7月2日でした。この日までに田植えを終えねばならない,妖怪が出る,大雨が降る,○○を食わねばならない,等迷信てんこ盛り。もっとも,旧暦のさまざまな「迷信」にはみな意味があるのだとか。


 ついでに言うと,「半夏」も植物名。サトイモ科のカラスビシャク。「カラスビシャクの生える頃」すなわち「半夏生える」で半夏生カラスビシャクは吐き気止めの薬草で,今は厄介な畑の雑草ですが,おそらく薬として古い時代に中国から持ち込まれ,逸出したもの。うちの庭でもひと暴れしました。

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                 カラスビシャク

 

 西日本では大雨で大変だそうな。まさに「半夏生」の大雨です。二十四節気とそれをさらに分けた七十二候は,自然のリズムに合った季節の節目。ふだん私たちが使うグレゴリオ暦では説明のできないことも,不思議と太陰暦や「節気」では予測できてしまうことが多々あると聞いたことがあります。雨,風,気温,日照。それが自然のリズムという物なのでしょう。


 自然のリズムで暮らしたい。自然と対話して生きたい。昔からの私の夢です。でもそれを実現すると,世の中とは異なる時間軸で生きていくことになります。そんな生活が自分にできるのか。これまで後生大事にかかえてきたものを捨て去ることができるのか。


 しばらく自問は続きそうです。

 

 

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潮騒を聞きながら日立の海岸を歩いたこと

 

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 熱風吹きすさぶ日曜日。カレンダー通りに休める仕事のはずなのにここんとこ土曜日休めた日がない。少し涼しい風に吹かれてみようかと,海に出ることを思い立ちました。スカシユリの咲き具合を見る,という名目つけて。


 先週,海浜公園のスカシユリが咲き始めたのを見ているので,今日は北上して日立の海岸に出てみます。


 まずは日立港,久慈浜くじはま海水浴場。

 

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 けっこうな人出です。みんな幸せそうだなあ。背後に巨大LNGタンク,火力発電所原子力発電所があっても茨城県人には屁でもありません。

 

 

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 日立の海岸は基本的に20mほどの高さの崖です。砂浜を見下ろす崖の中ほどに。

 

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 今日見た唯一のスカシユリでした。早咲きの個体群のようです。

 

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 アマツバメが飛び回っては崖の一か所に集まります。

 

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 巣でもあるのかと思ったけど,単に止まりやすい場所ってことらしい。

 

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 日立には南北に20キロの海岸線があります。少し北上して水木みずき海水浴場。このあたりは常陸国風土記にも「密筑みつきの里」として記述され,美しい泉が湧き,ウニ・アワビ・魚や貝類の産地で,人々は豊かで幸せに暮らしていたのだとか。…… 冬暖かく夏涼しいこの土地で,太古の人たちの楽しい歌声が聞こえてきそうです。

 

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 看板下のプレートにあのお名前が。そうか環境大臣だったか。

 

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 これが水木の海水浴場。小さな小さな地元民の海水浴場だったのですが,最近は県外の方も見えるようです。

 

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 ちょうど引き潮に当たりました。沖のアラメの藻場が水面上に。ウニとかアワビとか,なるほどいっぱいいそうです。

 

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 陸は熱風ですが,海は沖に寒流があるせいで澄んだ涼風が吹きわたります。茨城の海沿いほど夏に快適な土地を私はほかに知りません。

 

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 ああ気持ちいい。

 

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 アオスジアゲハが塩分補給に来てました。いや冗談じゃなく本当に。

 

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 潮騒。海風。子供たちの歓声。気づいたら突堤の上でぼーっと小一時間も過ごしてしまいました。おっさんがこんないい場所に居座っては家族連れに迷惑。移動しましょう。

 

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 大好きだった河原子の海水浴場は堤防がかさ上げされてこのありさま。大震災で一番姿を変えた海岸です。車を降りる気になれなかった。さらに北上します。

 

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 ここはさらに北側の名もなき浜。人口18万の工業都市に,こんな誰もいない海岸があるんです。

 

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 繰り返します。人口18万の都市の海岸です。

 

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 滝だ。崖から海に落ちる滝だ。ここは知床か。

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 なーんて。よく見たら排水口。地図を見ても上に川はなし。どうやら事業所の浄化槽からの排水のようです。水は澄んでるけど栄養塩類は豊富のようで,藻だけじゃなく細菌のコロニーまで。

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   魚はたくさんいたんですけどね。

 

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 崖には野生化したガクアジサイが大繁茂。こんな見事な大群落,見たことありません。

 

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 崖の中腹に謎の廃墟。常陸国風土記にも出てくる,古くから栄えた土地です。いろんな時代のいろんな残滓ざんしが。

 

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 廃墟から海を臨んで。…… ここに建物を建てた気持ち,よくわかります。

 

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 崖の上にあった建物が崩落したようです。そうか海沿いにはこういう危険も。

 

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 我泣きぬれてカニとたわむる。はぐれたイワガニが。

 

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 大きなモクズガニが死んでました。普段川や田んぼに住んでいるこのカニは,年に一度海に下って産卵するというリスクを冒さないと繁殖できません。理不尽な運命を背負っているのは人間ばかりじゃないんです。

 

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 謎の家。崖と砂浜の間,ささやかな堤防に挟まれて。右はじの,堤防を乗り越える小さな石段のみが出入りする道です。どうしてこんなところに家を作ろうと思ったか。この家にはどんな生活があったのか。少なくとも私が知るこの20年ほど,ここに誰も住んでません。

 

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 とはいえこんな場所での生活にあこがれる気持ちも理解できます。実際に世捨て人の住まいのようなものがあちこちにあります。正直,私もこの辺りに隠れ家を作りたい。そこで毎日毎日潮騒を聞きながら…… いかんいかんいかん。

 

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 人口18万の都市の海岸。本当に私しかいません。

 

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 と思ったら,堤防の行き止まりにかっこいいお兄さんがいました。大型スクーターで乗り付けて,持参したビーチチェアに横たわり文庫本を読んでました。スマホじゃありません。文庫本です。大柄な筋肉質の体,ドレッドっぽい髪。漫画に出てくる不良のリーダーそのまんまのカッコよさ。手下には慕われるけどクールで無口,孤独を愛する孤高の漢おとこ。本当は何者なのか知りませんが,この場所の静けさを知っているのでしょう。お邪魔しないように。

 

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 半日,たっぷりと潮騒を聞いて。たっぷりと潮気を吸って。

 

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 ビーチグラス,たくさん拾ってしまいました。かたわらに置いて,今日の潮騒よすがとしましょう。さあまた明日から仕事です。

 

 

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ナワシロイチゴが生っていました

 

 いつものフィールドに久しぶりに行ってみたら,ナワシロイチゴの実がたわわに実ってました。

 

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 鳥にも動物にも食われずに。

 

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 そういえば同類のラズベリーもうちの庭のはやられないんだよな。鳥や獣に嫌われる何かがあるのでしょうか。

 

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 何かの本で,日本の野イチゴで品種改良すればモノになりそうなのはこのナワシロイチゴだとありました。賛成。この美しい実がより大きくなるのなら。誰かやってくれませんかねえ。

 

 

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いばらきの磯の生きもの図鑑3(哀・戦士篇)

 

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 はいこれで最終回,茨城の磯の生物図鑑です。サブタイトルは無意味ですのでお気になさらぬように。

 


節足動物 陸の覇者昆虫類を含むグループですが,海でも大繁栄です。外骨格を強化し,体節ごとに付属肢(あし)の形を変化させるという体制上の作戦が大成功。その多様さで多くの生物ファンを魅了します。

  

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 フナムシ

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 ヘラムシ

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 カメノテ甲殻類なんですよ,カニの親戚なんですよ。城島茂がうまそうに食ってました。

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 イワフジツボ

 

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 クロフジツボ

 

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 ウミグモ

 

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 スジエビモドキ。メスです。おなかに子が。もちろんすぐ逃がしました。

 

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 エビ,よくわかんない。ごめんなさい。

 

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 ホンヤドカリ

 

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 ケアシホンヤドカリ

 

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 イソガニ

 

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 ヒライソガニ。背に変な模様が現れることで有名。ニコちゃん顔とか。

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 イワガニ

 

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 ショウジンガニ

 

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 ヒラツメガニ

 

 

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 ヨツハモガニ

 

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 いないいない

 

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 ばあ

 


棘皮動物 水管系という独特の体制を作り上げ,海に特化した生物群。個人的に大好きな生き物です。だってヘンなのばっかりなんだもん。

 

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 イトマキヒトデ

 

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 イトマキヒトデ色変わり。

 

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 ヒメヒトデ

 

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 ニホンクモヒトデ

 

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 トゲクモヒトデ

 

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 キタムラサキウニ

 

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 バフンウニ

 

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 マナマコ

 


原索動物門 遊泳生活をする幼生時代に,背の神経管を支える「脊索」という組織を持ってます。多くの種ではそれを無くして固着生活を始めるのですが,幼形成熟をして脊索を失わないものが現れて,これが脊椎の元になり私たち脊椎動物が生まれました(諸説あります)。まあ,あえてご先祖様と言っちゃいましょう。

 

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 マボヤ

 

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 マンジュウボヤ

 

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 ホヤの類。

 

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 これもホヤ。

 

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 ホヤ。上記と同一種かもしれません。

 


脊椎動物 今回は魚ばっかり。でもこの魚類が,ヒトに続く脊椎動物の基本デザインを作ってくれたんです。

 

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 アゴハゼ。とにかくたくさんいます。

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 岩をひっくり返したら,孵化直前のアゴハゼの卵がびっしり。それぞれにおめめが二つ光ってます。たぶんオスが守ってました。多いはずだよ,この繁殖力。

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 キヌカジカアゴハゼの次に多い魚。

 

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 クロアナゴ。それ以外にもメジナアイナメを潮だまりで獲ったことがあります。


 大まかな分類は合っていると思いますが,目安です。正確な同定はちゃんとした「紙の」図鑑をご覧くださいね。

 

 学生時代,伊豆下田で臨海実習をやりました。巨大なナマコ,アメフラシの親分タツナミガイ,「ヘンないきもの」で紹介されたムカデメリべ。見たこともない生き物に軽いカルチャーショックを受けました。海が違えば生き物も違う。海は広大であるなあ,と。

 

 

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