ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

オオミズアオの艶姿をご覧ください

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 オオミズアオ。職場の門前の自動販売機にいました。


 いやさすがにジュースを買いに来たわけではなく,人間の客を誘うはずの光に囚われてそのまま帰る道を失ったのでしょう。


 決して珍しいものではなく,絶滅危惧種でもなんでもありません。国内では北海道から九州まで生息,ほぼ同じものがユーラシア大陸全般に分布しています。群生したり大発生したりしないのでいつでも見られるものではありません。ただ目立つしデカいし,たまたま目にした一般人に騒がれたりします。他のヤママユ科の蛾と同様に成虫に口はなく,ただ一度の恋で子孫を残し一生を終えます。


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 それにしても,なんて色だ。たぶん羽化したての新鮮個体。翅の破れや鱗粉の損耗もないので,その独特の色調がよくわかります。

 

 北杜夫先生は名著「ドクトルマンボウ昆虫記」で,このヒスイにも似た緑が勝った白を「冥界の水の色」と表現なさいました。すごい。私もこんな形容ができるようになりたいものです。

 


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 チョウ・ガの仲間「鱗翅目」で最も美しい昆虫だと私は思っています。かのオオスカシバの造形美・機能美とはまた根本的に異なる,生まれたままの無垢なる美しさ。チョウで言うならミヤマカラスアゲハの青鱗やアカエリトリバネアゲハの赤・黒・緑のコントラスト,あるいはミドリシジミやモルフォチョウの金属光沢。どれも捨てがたい魅力を持っていますし,実際に人気投票をしたらこれらが上位に来ることでしょう。でも私は,アサギマダラの浅葱色(薄い水色)やこのオオミズアオの幽玄な色に心惹かれます。

 f:id:xjino:20190630143957j:plain アサギマダラ


 よく似たオナガミズアオというのがいて,見分けづらい昆虫の典型例なのですが

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         オナガミズアオ

 後翅の眼状紋が円形ならオオミズアオ,というのを根拠にしときます。

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 翅の緑白色だけではありません。手足を彩るのは西洋の高貴な婦人のドレスを思わせるビロードの如き赤紫。なんと重厚で,そして精緻で美しい。

 


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 最近は昆虫の珍しいのに遭遇しても標本にしようとは思いません。この個体は植え込みのヒバの枝に付けて置きました。でもこれが大失敗。この通り緑地に白,天敵の鳥に見つけてと言わんばかり。数時間後には胴体が消えて翅ばかりが散乱する惨状となりました。

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 また一つ,野生の運命に手を掛けてしまった。ヒトの力,そのものが罪。私が見つけなければと思うと反省しきりです。

 

 

↓ 関連記事

オオスカシバとクチナシの受難【虫です】 - ジノ。

 

 

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ひたち海浜公園観察会

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 茨城生物の会,ひたち海浜公園自然観察会。


 海浜公園については昨年の記事があるので,記録として,さらっと見たものだけご紹介します。今日は一般参加者が多く,平均年齢やや低め。「ひたちなか自然の森」から巡る順路です。


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 最初に紹介されたのが,ごく最近公園内への侵入が確認されたメリケントキンソウ,外来有害生物。これがはびこると,芝生に寝転んだ時に実のトゲが刺さるそうです。


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 クリの花の季節です。花穂の左側をよく見てください。タコの足のようなのが雌花。これがあのクリのイガイガになります。右の雄花はアンタ用済みよと捨てられます。


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 オオシマザクラの未熟な実。熟した黒い実もありましたが,赤い実大好きのジノ。さんはこっちにしか目がいかない。


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 今年もありましたドクウツギ。やっぱりここでもある程度駆除してるとか。


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 イチヤクソウ。花期は終わってるはずですが,奇跡的な咲き残り。


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 ナワシロイチゴ。森の中のぽっかりと陽が差し込む場所に,一本だけありました。


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 テリハノイバラ。


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 ウグイスカグラ。


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 今年最初のギンリョウソウ。


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 カワリハツ。


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 ヒメカバイロタケ。


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 いたるところで道を埋めて,片端から蹴飛ばされていたのがホコリタケ。


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 雨が多いせいでおびただしい数のキノコが出てましたが,キノコの同定は難しい。


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 出た。今年は咲いていました。当地のシンボル,オオウメガサソウです。本州ではここと青森にしかありません。


 今日は植物の先生が案内役で,となると一歩ごとに植物の説明が入るので時間が押して,午前のうちに森を抜けて「沢田湧水」まで見る予定が変更。森を出て昼食,午後沢田湧水を見ておしまいということに。中止の砂丘観察も楽しみだったんだけどなあ。


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 で,午後の沢田湧水。わあい赤い実だあ,とこれはオニシバリ。


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 にがーいにがーいニガキの木。実が生ってました。


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 エゴノキにアブラムシが付いてできた虫こぶ「エゴノネコアシ」。


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 なんかやたらボテ腹のカナヘビ。お母さんなのかな。


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 オゼイトトンボ


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 ショウジョウトンボ,赤い! オニヤンマもいたのですが,こっちに気がいってしまいました。


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 ツノカメムシの一種。


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 ホトケドジョウ


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 イモリ。


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 クスサン(大型の蛾)の幼虫。シラガタロウの別名があります。クリの葉っぱなんか食べてます。毒はありません。昔はどこにでもいたのですが。

 


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 そのクスサンの繭「スカシダワラ」。中にはまだ幼虫の姿が。


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 にわか雨に遭ったときなんかの雨降りの境目,「雨のはじっこ」って見たことあります? ここは降っているのにそこは降ってない,みたいな。この写真は春のネモフィラ秋のコキアの植えられる場所とススキっ原との境目。いつ見てもびっくりの光景。あの有名なネモフィラやコキアの風景の裏側,知ってはいけない。晒してるけど。


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 雨模様なこともあり,駐車場ガラガラでした。


 さすがにこんな記事,需要ないよなあ……

 


↓ 昨年の関連記事。

ひたち海浜公園 かつての水戸射爆場で自然観察 - ジノ。

 

 

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海辺のメノウは潮騒に色づく /久慈川の黒メノウ

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 潮騒を聞き続けて,メノウは色合いを変えていきます。


 今日は朝7時に勝田駅まで人を送る仕事があって,そのあと10時からひたち海浜公園で茨城生物の会の観察会です。海方面で時間差3時間。さてどう潰そうか。


 海岸でメノウを拾いましょ♪


 気になっていたことがあるんです。他の方のブログでメノウのかけらが拾える海岸があると知り,久慈川メノウも拾えないものかと波打ち際を歩いたことがありました。


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 赤メノウ,確かに拾えたのですが


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 これはなんだ。


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 形状的には間違いなく岩脈タイプのメノウなのですが,やたら濃色。こういう色味のメノウ,河原では見たことありません。


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 とどめがこれ。


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 水に濡れた時に強く,青い光を放ちます。元は白メノウ(玉髄)と思われます。その本来透明だった部分が黒くなり,その上にペンキで塗ったような白が被っています。これが青く光る。


 なんだこりゃ。


 この時はそれで終わったのですが,ずっと気になってました。この2個をキーボードの向こうに置いて毎日矯めつ眇すがめつ,その成因を考えていました。


 とにかくもっとサンプルが必要。その気になれば海にはいつでも行ける(海なし県の皆さんごめんなさい)のですが最近は多忙な上にざくろ石に心奪われておりました。メニエール病も収まりざくろ石もおなか一杯。時を得てようやく出撃です。


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 朝の海。ゴミが大量に打ちあがる海岸もあるそうですが,ここらは自然の海藻屑がほとんど。潮位はやや高い時間ですが,問題なく歩けます。

 

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 フグとホヤ。


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 これ何かというと,クラゲの日干し。たぶんアカクラゲ。さしもの毒クラゲもこうなると哀れです。

 

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 さっそく玉髄ゲット。玉川でよく見るタイプです。

 

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 困ったことに,潮に濡れた玉石がみんな美しく見える。片っ端から手に取ってしまいます。こらこら「夜目遠目」のたぐいだぞ。


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 ああキレイ。

 

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 これはちとグロい。でも面白い。


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 貝化石を含む石灰岩と砂岩が交錯したやつ。楽しいよう。


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 もちろんメノウも拾います。メノウは固くもろいので,周囲の石より大きく角ばっていて探しやすいのです。


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 ありました。黒いメノウ。左上に小さな晶洞があってミクロな水晶が生えてます。


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 目が慣れてきたのか,小さなものも目に付くようになりました。これは半分黒化してます。


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 これも。色味はほぼスモーキークオーツ(煙水晶)ですね。


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 デカいのゲット。1キロ以上あります。そうと知らなければただの黒い石にしか見えなかったでしょう。


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 欠けた部分から本来の半透明な部分が見えてます。黒化は表面から進むようです。


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 もっとデカいのがあった。2キロくらいあるでしょうか,ずしりと。黒化して,一部青変しています。

 

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 ガラス状の「へき開」,これもメノウらしさ。この大きさのメノウ,河原で拾ったら大感動だったろうなあ。


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 晶洞と縞模様。間違いなくメノウです。丸い,「馬の脳」に例えられた本来の「瑪瑙」。2つに切断して内部の晶洞を見てみたい。


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 これぞ「久慈川色」のメノウ。河原でこの色のを拾えたら大成功。でも一部黒化しています。


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 黒化が進行する様子が見て取れます。このメノウは黒化の途中で割れて,そのまま打ち上げられたのでしょう。


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 青変したのも見つけました。


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 黒化したのちに青変する,と私は考えます。


 さてここから考察。はい退屈だから飛ばしてけっこうですよー。


 メノウというのは硬くち密でスキがないように見えて,実は細かな穴が無数に開いています。多孔質といいます。ここに薬品を染み込ませることで着色することができます。市販されている赤や青のメノウの多くがこうした人工のものです。いえケチつけるわけではなく,そうした色をまとうことでパワーストーンとしての力を持つことになるんだそうですよ。


 着色の方法,使う薬品,染まる色は,そのメノウの成分つまりは産地によって異なるとやら。濃酸で煮たり,紫外線を当てたり,染料を染み込ませて熱で焼き付けたり。


 久慈川のメノウの場合,おそらく海水中の何かの成分,例えば塩素イオンなんかが少しずつ染み込むことでこの変色が起こるのでしょう。金属イオンかも知れない。そこに「色中心」という物理的な現象が関わるらしいのですが専門外なのでスルー。とにかく久慈川メノウではまず黒化し,次に青変する。それはたぶん海底で,ゆっくりゆっくり進行するものと思われます。


 神秘です。火山活動で生まれたメノウが,山から流れ出し,砕かれつつ川を下る。砂になる前に海に出たものが海底に眠り,変化し,そして陸に戻ってくる。中島みゆきの歌にもそういうのがありました。石にも運命の変転があるということか。


 無心虚心に多孔質の中にすべてを受け入れるメノウたち。母なる海の懐に抱かれてメノウはどう変わっていったのでしょう。黒衣をまとうものもいれば青い光を宿すものもいました。思索に沈潜するものもいれば悟りに至ったものもいたでしょう。


 2時間海岸を歩いてたっぷり潮騒を聞いたら,すっかり心が洗われたような,ほんのり青く色づいたような感覚になりました。雑念煩悩に満ちた私ですら,です。本当にいつか,海辺に暮らしてみようかな。海岸の石たちを見て,そんな思いを抱いてみたり。

 


沈黙を 長くつづけし石ゆえに 石の笑いはとどまらぬなり 方代

 

 

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久慈川メノウその後

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 皆さんこんにちは。久慈川メノウ教教祖,ジノ。です


 いや冗談抜きで,「久慈川 メノウ」で検索すると私のが一番に表示されるのにびっくりしています。大変なことになってしまった。


 以前に場所を具体的にご案内してしまったことは,それで楽しめたというコメントもいただけたので削除しませんが,少し反省してます。あんなに人がおいでになるとは思わなかった。ネットに場所を晒すとは,かくも大きな反応を呼び込むものなのかと勉強させていただきました。以後は少し控えようかと思います。


 まあそれでも…… 自然の中を歩くのが好き。美しいものが好き。不思議なものが好き。そんな価値観を共有できる人がこんなにいることに勇気付けられます。


 メノウ拾いは楽しいものです。それが自分の見つけたポイントならなおさらです。場所探しのヒントはずいぶん書いてきましたので,どうぞご自分であなたを待つメノウの宮殿を見つけてやって下さいませ。山中の露頭を探さずとも久慈川メノウ,まだまだ拾えるはずです。

 

 

 

 


 と,ゆーわけでー

 


 ここらで教祖の意地を見せなくては。少し下流の河原に来てみました。


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 あまり人の歩いた形跡のない河原です。


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 あ,大きな珪化木,と思いながら近づいたら


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 珪化木の上に珪化木が乗っていた。わー不思議だなー自然ってすごいなー。

 

 

 

 

 
 ンなわけねえだろう。

 


 私より前に来た,ものごとをよくわかっている方が置いていったものでしょう。ちゃんと先人がいた。


 太陽の下,新しいものは何ひとつない。昔のひとはよく言ったものです。いやこれは慢心でした。

 

 

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 それでも歩くと次々と。

 


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 久慈川メノウ教教義その一。見つけたら拾え。他人の捨てたものでも拾え。プライドなんて腹の足しにならんものこそ捨ててしまえ。


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 とはいえこちらの珪化木,拾ったらテントウムシ(が蛹になりかけのやつ)が付いてました。


 久慈川メノウ教教義その二。地元(鳥獣草木含む)に迷惑かけない。…… そっと戻しておきました。


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 おお,以前にもご紹介した「高師小僧」,植物の根に集積した褐鉄鉱です。根の通っていた穴が残っていて,前のよりわかりやすい。ほんと,久慈川はいろいろなものが拾えます。

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 下流なので大きなものはなかったけど,火打石レベルなら。


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 サギに騒がれたところで退散しました。


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 時はGW10連休。クサフジが咲く頃のお話です。

 


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 江戸市民が使っていた火打石は「水戸火打」といって,久慈川流域で採れた玉髄(白いメノウ)だったそうです。1300年前の「常陸国風土記」にすら記述のある常陸のメノウ。縄文の昔には石器にも使われていたメノウ。古墳からは王の首に光っていたであろう赤メノウ製の勾玉が出土します。はるか昔からご先祖たちが見つめ利用した半透明の美しい輝きは,今も私たちを魅了してやみません。

 

 

 

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メニエール病,だからざくろ石をほじくる

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 愚痴ですよー。読んでもいいことないですよー。


 つまらない役職に就けられてます。給料ほぼ変わらず,仕事2倍,責任その倍。この2週間のうちに出張2つ,作らねばならない資料2つ,主催する会議2つ,主催するイベント2つ,およびその打ち合わせ。もちろん日常業務は他の方と同じです。


 そんなさ中,朝起きたらめまいがするという初めての状況に陥りました。頭痛はないので脳血管系ではないようだけど,吐き気もします。その日は出張の予定で,どうしようかと逡巡しつつまず職場に出勤したのですが,1時間ほどで収まりました。しかし尋常でないことは明白。調べてみると,どうやらこれはメニエール病というものらしい。


 メニエール病。ストレスが原因で,内耳(俗に「三半規管」などというやつ)が膨潤して平衡感覚が狂う病気だとか。


 冗談じゃない。もう今年で役職は降ります。昨年もそう言ったような気がしますが,こんなもので命を縮める気はない。続けさせたければ給料2倍にしろと訴えるつもりです。


 で一昨日,今度は仕事中にめまいが始まった。その日は午後がたまたま約束のない日だったので,迷わず早退を申し出ました。


 この病気,薬がない訳ではないのだけど,とにかくストレスが原因なんです。ストレス耐性高いつもりだった私をも苛むほどのストレス,それを薬で抑えるなどという愚はありません。とっとと休んでやります。


 さてしかしどうしよう。病院行く気はさらさらなし。それまたストレスじゃい。家帰っても老親を心配させるし。


 そうです好きなことをやりましょう。今一番やりたいことは? そうザクロ沢のガサ入れじゃあ!


 すいません。つまり「仕事 サボって 休んでざくろ石採りに行った話」なのでした。わーいわーい非日常だー。


 ざくろ沢はいつも通り。明日はお天気大荒れらしいのでちょうど良かった。現場写真はありません。


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 採ってきた砂から赤くて丸い粒をピンセットで選別。ああ落ち着く。この時間が無限に続けばメニエールなんか吹っ飛ぶのに。

 

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 これまでざくろ沢で採ったざくろ石ぜんぶ。一度ハイターに漬けて有機分を除去して,宝物として保存します。キレイなのだけ選別してもいいな。

 


 何のために 生まれて
 何をして 生きるのか
 答えられないなんて
 そんなのはいやだ


 何が君の 幸せ
 何をして 喜ぶ
 解らないまま 終わる
 そんなのは いやだ

 


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 聞きなれたはずのフレーズなのに,なぜか涙が出てきました。人の求めに応じるばかりで,自分を押し殺して生きてきたような気がする。そろそろ自分の人生を歩いてみたくなりました。

 

 

↓ リンク。実は半年前にも軽く同じことがあったようです

1万アクセス越えました - ジノ。

 

 

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旧緒川村・百観音が思わぬ冒険になってしまった件

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          三太さん。

 

 土曜の晩の心のオアシス,「三太の湯」のロビーでくつろいでおりますと,ふとテーブルの上の冊子に目が行きました。


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 地元・常陸大宮市文化財を紹介するもののようです。現在の常陸大宮市は,旧市に山方町,美和村,緒川村御前山村が合併した結果茨城県北西部の大きな面積を占めてます。那珂川久慈川という大きな川を2つも含んでいて,そう私がメノウ拾いやら写真撮りやら山歩きやらでうろつき回る,とてつもなく重要なエリアなのだ。でも私,「文化財」はあまり詳しくない。


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 でパラパラとめくっておおと思ったのがこの写真。か,かっちょいい。こんな幽玄な光景が地元にあったのか。旧緒川村の「百観音」という史跡。山全体にメノウの採掘跡があり,いたるところに石の観音様が置いてある,特に中腹にある洞窟には四十体もの観音様が安置されている,と。なんか面白そうな話じゃないか。写真はもちろん演出だろうけど,確認しない訳にはいきません。


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 早速やってきました旧緒川村那珂川の支流「緒川」が流れる,こう言っては失礼だけどなーんもない山里。少なくとも私はそう認識してました。でも今の私の視点で見ると面白い。この百観音のあたり,なんとあの「玉川」の源流部の一つなんです。私のブログでおなじみ,メノウの玉川です。そして緒川もメノウが採れる川だとか。メノウの採掘跡というのも興味が湧きます。いざ。


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 びっくり。立派な駐車場がありました。合併前の緒川村が,地元の史跡にかけた思いが伝わります。


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 トイレもきちんと整備。清潔でした。


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 案内板。村の時代にきっちり作った物でしょうが…… 台風による倒木で通行止めってのが気になります。台風って,少なくとも前年のでしょう? それ以来修復してないってことですか。それと,図の左半分の道がなんとなく塗りつぶされているのも気になります。廃道ってことでしょうか。整備することを放棄した,と。それでは百観音と言いつつかなりの数の観音様を拝めないように見受けます。…… たぶん,村だった頃ならありえない,常陸大宮市になってしまったことの弊害でしょう。それでいいの?地元の皆さん。…… 洞窟内での撮影用に三脚を担いで出発です。


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 で,何だよこの急傾斜。聞いてないぞ。山の外観から油断しました。というか,上の写真の山の姿からこんな斜面想像できる? 早くも香ばしいニオイが漂います。


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 登り切って観音洞窟。


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 おおお,上でクサしてごめんなさい。明かりがついている。この予算だけはしっかり残したんだ。さすがに冊子の写真のロウソクは演出でしたが,ここは放棄されてないってだけでもほっとします。

 

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 というわけで観音様いっぱい。

 

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 洞窟の最奥には大日如来が鎮座。もちろんきちんとお参りしましたよ。


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 さて洞窟を堪能して出てみると,道というか鉄階段がさらに上に続きます。これがまたすごい傾斜。


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 この角度,階段というよりハシゴではないかと。少なくとも軍艦の階段「ラッタル」なみです。


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 言われなくても。ああまさかこんなこととは思わず,山歩き装備の手袋とか持ってきてません。カメラと三脚だけ。三脚はすでにお荷物と化している。なんたる不覚。

 

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 途中にもいろいろと。

 

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 ほう,ここに潜れと。イヤだよ。閉所恐怖症なんだ。


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 ようやくここが頂上部のようです。


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 展望台。


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 でも南西方向にわずかに視界があるだけ。展望台を名乗るならもっと周囲の木の枝を払わなければ。これも予算の問題でしょうか。


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 さて,案内図の廃道はいずこに。……ありました。やぶに消えかけてました。


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 進むと,なんか凄いことに。


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 図にあった「男体山」の山頂碑は倒れたまま。ひどい。


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 問題はその先。岩場を鎖で降りるらしい。ひええ,そんなつもりじゃなかったのに。こちとら自慢じゃないが高所恐怖症もあるんだい。許してください,ごめんなさい。ここをナメてました。


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 周囲も切り立ってます。ほんとゴメンなさい。緒川村を,常陸大宮市をナメてましたあ。


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 ヒーヒー言いながら岩場を降り切って見上げて見る。ああわしあそこを下りて来たんだ。もしこの先道を失って戻る羽目になったら…… いや考えないことにしよう。


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 本当に廃道でした。整備することが放棄されてます。はいわかってますよ,何があっても自己責任です。

 

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 いやいや(心に沸き上がった疑念や不安を自分で否定している)


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 ようやく,最初の登り口に合流できました。振り返るとこんな感じで,元は道であったことなど全く判別できません。きちんと整備すれば面白い道なのに。つまりは「トイレ,駐車場,洞窟」に残った予算を集中したのね。


 平成の大合併。誰が得したのかよくわかりません。大きな市に合併された自治体では,こんな地元の史跡を管理する予算が大幅に削られました。本当に愚かしいことです。

 

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 せっかくなので目の前の緒川の河原に降りてメノウを探してみます。が,あるのはチャート(堆積岩)ばかり。思うに,同じ火打ち石に使えるということでこのチャートがメノウと混同されたのでは。


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 巣が近くにあったのでしょう,ウグイスにやたらインネン付けられました。生き物たちが日々の生を営むごく普通の山里でのお話です。

 

 

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ど根性ハマナス開花中

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  わが庭に,いのちはめぐる

 

 

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 アスファルトをつき破り,ど根性ハマナス今年も絶賛開花中。


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 前年の枝を根本から切ってバーナーで焼くまでしたのに,ものともせずに発芽しました。


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 我が家の花の王 …… って,よく考えたらこれうちの敷地内じゃないんだよね。市道として寄贈しちゃった部分。扱いに困る案件ではあります。 …… ハマナスとの因縁は,下記リンク「ハマナス退治」をご覧くださいませ。

 


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 今年もクサボケは咲いて

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 実が豊作です。


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 アケビは大剪定したので実の数は少ないけど,もう食べる人いないし。


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 スイカズラにクロアゲハが来ています。今年も芳香を楽しませてくれました。

 

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 家の外装の塗装をするというのでガラス温室を動かしたら,コアシナガバチの巣が3つも付いてました。いずれも基礎工事中,それぞれに一人ずつ女王が引っ付いています。女王は大人しい性格で,ただひたすら自分の一族を創生するために頑張ってます。可哀そうだけど,ハチの家族が増えてからは厄介だし,哀れです。退治させていただきます。ごめんね。


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 ツマグロヒョウモン(蝶)はすっかりうちに定着してしまいました。プランターのパンジーを食べてます。


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 そのパンジー。4月のはじめ,大風の日に2階のベランダに花びらが一枚。風に吹き上げられてきたようです。何気なく拾って部屋に置いておいたら,2か月経ったいまも鮮やかなまま。殺風景な部屋の中で燦然と生命の色彩を放ち続けています。



 我が庭にも命は巡る。自然の,生命の,なんと尊いことか。

 

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↓ 関連記事です。ご覧ください

葉裏のものたち/あるコアシナガバチ一家の最期 - ジノ。

ハマナス退治 - ジノ。

収穫。スイカとかクサボケとか。 - ジノ。

アケビの実の開くころ ~庭のミツバアケビとハマナス。 - ジノ。

ルリタテハ現る 【イモムシ毛虫GO!】 - ジノ。

 

 

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