四月初め三太の湯の駐車場にて。ぽわんとした甘い香りに、花の季節が来たことを知りました。
わが貧相な庭に種をまいて二度目の春。何が気に入ったんだか、立派な大株になりました。
クサボケ
クサボケの薬酒 - ジノ。を見ていただければ、その数奇な来歴をおわかりいただけるかと思います。毎年春を告げ続けてくれています。
これも記事にしました。太陽のような花と生命を象徴する赤い実。
びっくり、2年目で花芽を付けてしまいました。いつ消滅するかわからない水戸の野生個体群の遺伝子を伝えるものです。このまま居付いてくれるとうれしいな。
水戸の七ツ洞公園にて。ありふれたものを変に撮る。美しい花を接写して不気味に撮ってしまうのは、我ながら困った性癖だと思ってます。でもこういう絵が浮かんでしまうんだからしょうがない。花を通して見る異次元の風景と言い切ってしまいましょうか。
ありふれた花の異次元。私の言う異次元とはつまり、花の構造に隠された植物の生理機能、遺伝原理、進化戦略、そして彼らが過ごした長い長い時間のことです。花にはそのすべてが内包されてます。
ヒメハギ
こんな風に。この面妖な構造の意味は彼らにしかわかりません。
里山ホットスポットと仮に呼ぶ特異点にて。この地の赤いイチリンソウはただ美しい。
コンロンソウ
水の森にて。
ミヤマハコベ
花弁は5枚。
タニギキョウ
以前ならこんな写真撮りませんでした。図鑑写真ではなく、自分の感性で。
ウワバミソウ 誤り訂正しました。守衛さまありがとうございます。
はいこれは接写大失敗。接写映えと言いますか、接写向きの花とそうでないものがあるんです。え?おマエの腕次第だろうって?
ヒイラギソウ
昨年に見つけてひたすら花期を待ちました。ついに。
顕微鏡で花の構造を仔細に点検すれば花の美しさが消滅するという考えは偏見である、と物理学者寺田寅彦は言いました。花の美しさはかえってそのために深められるのだと。顕微鏡を操作し、ルーペを覗き込み、あるいは肉眼でも、それぞれのやり方で自然を観察するひとにはみな得心がゆく言葉だと思います。マクロで見てもミクロで見ても、自然の驚異が減ずることはありません。
山里に見つけた風景、モモとヤマザクラ。春の心はのどけからまし、か。
ヒトから見れば小さな植物の一器官に過ぎませんが、彼らにとっては一族の存亡を掛け知恵の限りを尽くして精緻に周到に作り上げたもの。花にそっと目を近づけて咲く喜びと散る哀れを感じるのも、私たち自然観察者の特権なのです。
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