ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

ブログを始めて1年半です。月間閲覧数は4000に。

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 ブログを始めて1年半経ちました。我ながらよく続くもんだと。


 3月の月間閲覧数が4000を超えました。これまたびっくりしてます。こんな個人の雑記ブログに,よくもまあ。

 

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 今でも読者登録数たった4フォロワー数ゼロ。たまにコメントを頂いても一切お返事してません。いえとにかく時間が無くて,お返事を書いていたら寝る間がなくなりそうで。コメント下さった方々,無作法でごめんなさい。ちゃんと読んでます。喜んでます。本当にごめんなさい


 3月にアクセス数が伸びた主因が,グーグル検索から来るお客様が急に増えたことです。よくわからないけど,私の記事が検索で上位に扱われるようになったらしい。いわゆる検索エンジン対策というのは何もしていないので,たぶん,毎週こつこつ記事を2つずつ更新していたことが評価されたというやつでしょうか。いやあ,物事は続けるものです。


 はてなブログアクセス解析という機能で,検索された記事とその割合が表示されるのですが,意外なものが一つ。17年10月の記事ですからブログ開始から1か月くらい。そんなごくごく初期の記事「JCO臨界事故の記憶【過激注意】 - ジノ。」が,いまだにアクセスを稼いでくれること。なんとグーグル検索からのお客様の1割近くが,この記事でジノ。を訪問してくださっているんです。えええ。何で?


 いえ,これは本当に真面目に書いた記事です。事故から間もない頃に発表する当てもなく一気呵成に綴った文章がベースになってます。つまり心の底から沸き上がった本当の文章。それを読んでもらえるのは,何というか,私の本質的な部分を評価されているような気がして,少しうれしいです。

 

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 でもやっぱり不思議。以前自分の記事が検索で当たるかどうかをヤフー検索(キャッシュで開けばカウントされない)で試したのですが,「JCO臨界事故」で検索してもとうとうヒットしなかった。表示されるのは新聞記事やら被害報告書やらの「公式」的なものばかり。事故のあった9月の前後には「2人も亡くなったんですよね!ひどいですね!」的個人ブログや「事故を風化させるな!」的政治臭のある記事が増えたりしますけど。私のブログは,皆さんどういう語で検索して来てくれているのでしょう。もうずいぶん昔の事故ですし,今頃どんな方々が「JCO」で調べ物をしておられるのかも興味あるところです。


 はい,私は核物理学はもちろん専門外。でもこの記事,科学的におおむね正しいことを書いていると自負しています。「臨界」の意味も,致死量の中性子線浴びてガイガー管に反応しないことも,たぶん科学的に正しいかと。〇大の先生でしょうか,お前らバカは臨界の意味も知らずに騒ぎ立てやがってなんてことを書いていた記事をどこかで見ましたが,いいえちゃんとわかってますよ。シロウトをバカにすると足元すくわれますからね。

 

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 この件での教訓。きちんとした記事を書けばそれはずっと残り,ずっと読んでもらえるんだということ。これはブログで突出した長所です。まさに蓄積型メディア


 逆にくだらない記事もまた残ります。あとで恥ずかしい思いをしないよう,これからもちゃんとした文章を更新していきます。しばらくはコメントへの返信を書けないままですが,ちゃんと読んでます。喜んでます。どうか見放さず,これからもお引き立てのほどよろしくお願いいたします。

 

 

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サクラ咲く。春来たれりと歌いながら

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 ソメイヨシノ咲きました。まさに入学式ジャストミート。


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 去年は早く咲きすぎた桜ですが,今年はいつも通り子どもたちの入学式を彩るタイミングです。これが水戸の桜。

 

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 今日のところは全体として五分咲きです。来週は小学校も中学校も高校も入学式で,その日に満開になります。きっと満開。大丈夫,私が雨なんか降らせません。


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 菫。スミレだ。走る車からも陽に輝く紫の花弁が見えました。路傍に可憐に逞しく。


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 これはヒガンバナ。ほんとにヒガンバナ。ライバルのいない冬の間に葉を広げ存分に栄養を蓄えました。これから葉を枯らし,秋の彼岸まで眠りに就きます。


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 公園のハナモモ。植えられたきり放置され,弱った仲間が次々と枯れ,わずかに残ったものが健気に咲いてます。あと何度の春。


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 サンショウウオの池。タチツボスミレが見守っています。


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 森の中にカントウタンポポ。日本のタンポポらしい端正さで,正しく春を告げています。


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 成虫の姿で冬を耐え抜いた蝶たちが,歓喜の声をあげながら飛び回っていました。キタテハ,ルリタテハ,ヒオドシチョウ,キチョウ。写真のテングチョウも,陽射しを心ゆくまで堪能しています。さあ恋と戦いの季節だ。


 雌伏せる者たちよ,春来れり。桜がそう告げました。私もまた,新たな現実の日々に飛び込んでいこうと思います。読者のみなさまも,それぞれの場所でどうかお健やかに。

 

 

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古代のカケラを拾った日々

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 中学時代の私が見たら狂喜乱舞,あるいは卒倒していたかもしれない事案です。

 


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 那珂川を見下ろす台地の端,ここは飛鳥時代から平安時代にかけて「那珂の国」の中心でした。郡の役所(郡衙ぐんが)があって税のコメを収める蔵(正倉院)があり,金堂・塔・講堂・門を備えた大寺がありました。ちなみに今の茨城にそんな構えの古寺はありません。


 その頃ったらアンタ,日本の総人口が600万人くらいだった時代ですよ。ましてやこの辺りは都から遠い僻地だった東国のさらにその外れ。未開の番外地と思いきや,ちゃんと行政が敷かれ人々が暮らしていたという驚き。日本ってすごいなあ。


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 役所も寺も,やがて歴史のかなたに去って行きました。たぶん地元の豪族が台頭したのでしょう。この辺りで大きな勢力を誇った「一盛長者いちもりちょうじゃ」の伝説なんてのがあります。いつしか役所も寺も焼け落ち,人々から忘れ去られ,原野に,畑に,そして今は住宅地になりつつあります。都市化が急速に進む中で,水戸市が精力的に発掘調査をしています。上の現場写真は,その郡衙と寺院の発掘現場で市民向けの説明会がされたあとでしょう。お話聞きたかったなあ。


 実はその都市化の一端で,遺跡のすぐ隣に大きな道路が作られました。その道を車で走っていて,この光景を目にしたわけです。

 

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 これは土器ではなく,郡衙や寺院の瓦です。周囲には縄文時代の遺跡もあって,縄文土器や住居跡,死者を葬った甕棺墓かめかんぼも見つかっています。昔から住みよい土地だったのでしょう。


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 小学校後半から中学時代,友人の影響で考古学というか土器拾いにハマりました。畑を歩けばいくらでも縄文土器のかけらが拾えました。近所の大きな前方後円墳,那珂の国造の墓所と伝えられてますが,その古墳を歩けば縄文土器よりずっと黄色く薄い円筒埴輪のかけらも拾えたし,古瓦も拾いました。遠くに遠征したり自転車でコケて怪我したり,それなりに無駄な苦労をしました。もちろんみな良い思い出ですよ。


 最初に卒倒とか書いたけど,実際どうなんだろう。休日のたびに自転車を飛ばし,うろうろ歩き,古代のかけらを拾い集めた日々。あの時代の私がこの古瓦の山を目にしたら,どんな反応をしただろう。長い時を経て,生きるために現実にまみれ,あの情熱が失われた今では想像がつかないのです。

 

 

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めぐる春の庭

 

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 3月も終わりというのにこの寒さ。3月初めにいっとき暖かくなって,体が冬仕様を脱してしまったのでなおさらこたえます。庭の春のものたちも思わず身を縮めていたのですが,ようやく開花の時を迎えました。

 

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 クサボケ。我が庭のシンボル。にぎやかに,あでやかに。

 


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 アケビは冬にあいだに大剪定したのですが,たくさんの花芽が一斉にほころびました。今年も豊作の予感です。


 興隆を極めるものがある一方で,衰退を続けるのがスミレたち。サクラスミレが消えたのは昨年ご報告しましたが


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 コスミレ。いつの間にか庭全体で2株になってしまいました。

手鞠のようにびっしりと花を咲かせる姿はもう見られません。

 

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 ヒメスミレ。駐車場のコンクリの目地にジャノヒゲが育つまでの間,目隠しのつもりで種を蒔きました。よく役目を果たしましたが,ジャノヒゲの興隆とともに衰退しつつあります。


 花の一輪一輪を拡大して気付きます。春のたびに咲くのは「同じ種類」の花であって,決して「同じ花」ではない。一つとして「同じ花」はないのです。川を流れる水のように,巡りくる人のように。

 


 昨日は歓送迎会があって,得難い人との別れがありました。代わりの人が来たとしても,決して「同じ人」ではないということ。これもまた巡る春の感傷です。惜春,青を帯びて。

 

 

 

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 庭に来るハトが逃げないのよこれが。すっかり馴れやがって。馴れるほどに情が湧く,それがかえって辛いのに。

 

 

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江戸東京たてもの園と武蔵野の残滓

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 東京に買い物に出てきました。ネットで買えるものだけど,服ではあるし,やはり実物を見なければ。ちなみに予報では「」。うちの親は花見を中止にしたのですが,もうオチは読めてます。


 で,上野‐御徒町。目指したのはある海外メーカーのアウターだったのですが,かなり思ってたのと違ってました。見に来て良かった。結局軍装店でシャツ1枚買っただけ。わし本当にお金を使わないなあ。資本主義社会にもっと貢献しなきゃとは思うのですが。


 買い物がすぐに終わってしまったので,第二目標に向かいます。中央線武蔵小金井へ。江戸東京たてもの園へ。


フランス人がときめいた日本の美術館」という本があるそうで,衛星放送でその本に描かれた美術館を一つずつ女優さんが紹介するという番組があります。いえ,たまたまチューナーをBSに切り替えたら放送中だったという,ほんの偶然の出会い。それが「江戸東京たてもの園」の回で,野村麻純さんという方がナビゲーターでした。


 失礼だけどこの野村さんという方を私は存じ上げませんでした。もっと失礼なことに,ネットで見たプロフィール写真にもさほど興趣が湧きません。ああ本当に失礼。


 ところが画面の中で動き,笑い,語る姿がとても素敵。なんというか,以前もどこかで言いましたけど,まともな親に正しく育てられた「育ちの良さ」を感じさせるひと。穏やかでちょっとふわふわで。もし同僚とかでそばにいたならホレちゃいそうな。このひとが紹介してくれたなら行かなくちゃ。


 …… というしょうもない理由だけでなく,私,実は宅建に興味があるんです。生物学の学生だった頃から建築雑誌を購読してみたり。特に昭和初期のモダンな装飾性あふれる意匠が好きで,雑誌で知った建築家「遠藤 新」なんか憧れたものです。この人帝国ホテルの建築なんかで有名だけど,魅力的な住宅も作ってます。「たてもの園」に遠藤の作品はないけれど,同時代の建築家のものがある。行かねば,と思ってました。


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 武蔵小金井の北口を出て,まっすぐ北方向へ1キロ,玉川上水に当たったら東へ,と理解してずんずん歩いていきます。てっきり,この道が一番になっている所が上水かと思いきや違いました。上水はわざわざ高台の上を掘って通していると。すごいですねえ,知恵と技術。


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 道沿いに立派なケヤキの屋敷森。そうですここは武蔵野です。


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 背にケヤキ,敷地にはヤマザクラコブシ。古い農家なのでしょうが,これぞ武蔵野の原風景。こんな庭が欲しかった。


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 ようやく,これがあの玉川上水です。太宰治が入水したやつ。こんな チンケな 小さな浅い流れで死ねると思っちゃうあたりがさすが天才。ただし昔とは水量が違うとも。


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 気持ちのいい遊歩道が付いてます。舗装していないというのも考えてのことでしょう。路傍の草花が息づきます。例えば……


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 春を告げる森の精,タチツボスミレ。東京でも咲くんですね。


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 たてもの園入口。…… なんだけど,なんか大変なことになっている。桜だ。花見だ。しまった。東京は水戸より一週間早いのだ。


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 沿道にはヤマザクラ。たぶん自生のものでしょう。


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 コブシ。これも自生。

 

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 かと思うと外来種。ウィオラ・ソロリア/アメリカスミレサイシン


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 ユキヤナギも満開です。

 

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 花見って好きではないのですが,ここまで来たら。… 焼き鳥を買ってしばし桜でも見ますか。

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 見事に満開です。


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 陽射しが出てきました。ほらやっぱり。


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 ではたてもの園へ。入場料400円。

 

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 撮った写真300枚。外観から内装まで。全部お見せします?

 

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 さすがにそれではブログの容量が。興味があれば江戸東京たてもの園のHPをご覧ください。

 

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 特に気に入ったのがこれ。昔の写真館。家族の住居部分が,住みたいと思わせるほどに素敵でした。

 

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 園内にも武蔵野の残滓。ヒトリシズカシュンラン


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 おなか一杯に300年分の住居建築を詰め込んで,また玉川上水沿いに帰ります。クサボケが咲いてます。上水が方舟のように,武蔵野の記憶を守ってきたのでしょう。


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 切られたケヤキサルノコシカケ。こんな市街地に。


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 東京にもいいところありますねえ。これであんなに人が多くなければ。もっとも,いずれも東京だからこそ,なんですけど。

 

 

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お散歩ビンゴと女神の裳裾

      裳裾 ……「もすそ」って読んでくださいね                                                                                                                                                                                                                                                         

 

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 先日ふと,仕事の合間に職場の敷地を一巡りしてみました。いえ決してヒマなわけではないのですけど。むしろ忙しかったから,と言い訳しておきます。


 はあ,春だなあ。これからまた忙しくなるなあ,なんて考えながらふらふらと。


 この事業所,そんなに古い施設ではないのですが広さだけはあって,植栽も歴代のボスがその都度気まぐれを発揮して何かを植えるもので,思いのほかいろんな春を見つけることができました。


 それを何気なく写真に収めていたのですが,撮ったものが20種類を超えたあたりで天啓が。


 お散歩ビンゴを作ろう。


 以前どこかでお散歩で行き会うものを5×5に並べたお散歩ビンゴなるものを見たことがあります。それに倣って,本事業所限定お散歩ビンゴ早春編を作ろう。


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 で作ったのがこれ。横長写真を使ったら全然ビンゴカードっぽくならなかった。


 ところがこれが意外と受けました。植物分類はどシロウトの方ばかりですが,オトメツバキとヤブツバキサザンカの見分け方とかを教えたら皆さん喜々として飛び出していきます。構内を歩き回って,一列そろったといっては見せに来ます。列ごとにハンコ押してあげるとまた外へ。思わぬ春イベントを,みな十分に満喫してくれました。たぶんいいことしたのかな。ヒマな職場と思わないでね。


 で。


 これが陽射しの降り注ぐ昼休みのこと。私はいい気分で車寄せのロータリーで待っていたのですが,ハンコもらいに来る参加者の何人かがコレ拾いましたーと届けてくれたものがあります。

  
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 オトメツバキの落花。クロマツ松ぼっくりユズリハの葉に付いた昨年のアブラゼミの抜け殻。それぞれに柔らかな季節の香りが漂います。


 わーいわーい。


 下の方とはいえ取りあえず「長」のつく役職なのですが,浮世離れしたキャラクターとは知れてるようでみな良いものを持ってきてくれます。嬉しくてそのまま頂戴しました。なんか,しみじみと有難い。私は私で春を感じさせてもらいました。こんな日があって,人生は続いていきます。

 


 花模様の裳をまとった春の女神が,その裾を引きながら人界を渡っていきました。衣に触れてオトメツバキはぽとりと小径に落ち,松ぼっくりはコロコロ転げて人の前にまろび出ます。北風にも忘れられたセミの抜け殻は,春の重みにユズリハが頭を下げたことで人の目にあらわれました。人界のゴタゴタに関わらず,季節は着実に巡っていきます。そうこれは,自然という神のなせる業なのでありましょう。

 

 

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オーレリアンの庭

    f:id:xjino:20190321195903j:plain 紹介HPより

 

 写真家・今森光彦さんの最新写真集「オーレリアンの庭」。

                   
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                   同じく,紹介HPより

                  
 ページをめくるたびにタメイキ。ふう……。


 オーレリアンとは蝶を愛する人たちのこと。ラテン語です。蝶の蒐集は,遠くヨーロッパで自然を愛する知識人や少年の趣味として広く認知されていました。ヘッセの小説にもよく出てきますね。また日本でも今の60代くらいまでは蝶の愛好家がたくさんいたものです。 …って過去形だと滅んじゃったみたいだな。私は親しみを込めて蝶屋,と呼ばせていただいてます。山で遭遇することは少なくなりましたが。


 で,オーレリアンの庭とは,そんな蝶屋の夢を実現した庭。チョウをはじめとする様々な昆虫が生まれ,成長し,生を謳歌し,また子孫を残し,自然が循環する庭。朝起きればアゲハクサギの花を訪れ,ミンミンゼミが鳴き,エノキの梢をタマムシが飛び交う,そんな光景が目の前に展開する庭。今森さんは,生まれ故郷に近い琵琶湖のほとりの農村に広大な土地を求め,自ら重機を操縦(なんと大学は土木科!)して池をつくり,昆虫少年の理想空間を創造してしまったのでした。ああああうらやましいい。


 昆虫写真家の今森さんにしてみれば,居ながらにして被写体に囲まれているという趣味と実益です。でもそれだけではないと思う。今森さんの生涯かけたテーマは「里山」。ヒトが農業を営む上で維持・管理してきた,ヒトと自然が共存する空間。その日本の里山が人口減少,農業の衰退に伴う管理不足で滅びかけています。里山は生命多様性の依り代,しかしその維持には大変なヒトの営為が必要です。今森さんは,自らの懐をノアの箱舟として,多くの生きものを守り育てる決意をしているのです。


 ああ,でもやっぱりうらやましい。読者の皆さんには,私が庭のスイカズラ(植物)にアサマイチモンジ(蝶)が産卵に来たと喜んでいたのを覚えておられる方もいるでしょう。私のささやかな庭ではこれが限界。今森さんの庭とは次元が違いすぎる。私に限らず,多くの元昆虫少年では夢に終わることを実現しちゃったんだよなあ。自分の庭にオオムラサキナガサキアゲハが生を営むなんて,それは蝶屋にとって桃源郷そのものでありましょう。


 はあとため息をつきながら庭に出てみました。オーレリアンの写真を見たあとで私の庭。なんか劣等感というか気後れというか。いいや,私にとっては宝の庭です。


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 クサボケ。あと少しで開花です。


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 なんだこりゃ。調べてみたらジンガサゴケというものらしい。

 

 我が庭は,昆虫の活動にはまだ早いようです。


 昆虫少年であった人ほど自然を愛するものはありません。現に自然科学部門のノーベル賞を取った日本人の先生たちはみな,子どものころ昆虫採集が大好きだったと思い出を語ります。少年は昆虫と関わることで科学的探求心や自然への畏敬を身に着けるのです。都会の公園では捕虫網を持った人にヒステリックに反応するご婦人がいると聞きましたが,どうか未来のノーベル賞のためにも大目に見てあげてください。昆虫採集は,科学者を育てる最も重要なメソッドなのですから。

 

 

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