朝から柔らかな東風が吹いていました。海からの冷たく湿った風ですが,私は嫌いではありません。今日は愚痴だけの記事です。
6月からこっち,土日フルで休めた日がありません。特に土曜日が何かと仕事です。日曜日だけでは家庭生活をこなすのに手一杯,一日どっぷりとフィールドに籠るというか浸かることができないでいます。そろそろ限界です。
そしてとうとう!次の土日は予定がありません。久しぶりの連休です。二日間たっぷり好きに使っちゃおう。わあどこに行こう。しばらくパンニングとかメノウ拾いとかに行ってなくて,鉱物系に禁断症状が出ています。よし!土曜は玉川でメノウ掘り,夜は三太の湯に行って俗塵を払い,次の日はざくろ沢で磁鉄鉱パンニングを存分に。おおなんか楽しくなってきた。鉱物ネタは人気があるので記事にもできる。充実した休日になるぞふゅふゅふゅふゅ,なんてニヤニヤしていたら,職場の若いのが来ました。高校球児だった時に夏の大会で場外ホームランをかっ飛ばしたという頑丈な体に,人に寄りそう介助犬のような思慮深さと優しさを備えた,私に言わせれば一流の男です。そいつが少し眉根を寄せた困り顔で無理に笑って,ふだんの歩幅の三分の一ほどでそっと近づいてきます。
楽しい夢が終わったことを,その一瞬に悟りました。
あの, さん。次の土曜日,何かご予定はありますか。
おお,予定がないのが私の予定だ。
あ,あの,実は私もA君も急な出張が入ってしまって,こちらの仕事に穴が開いてしまって……
わかった,任せなさい。
…… ああ,笑顔の裏のぎゃああああという心の悲鳴を気取られることはなかったか。額に浮かんだ嫌なシワを,瞳をよぎった絶望の光を見られはしなかったか。この気のいい男に後悔なぞさせてはいけない。私は君が思うほど大きな漢おとこではないけれど,いつでも若い人を助けたいと思っているんだ。君の事情はよく知っているし,それは私にできる仕事だ。
なまじ今の職場のほとんどの仕事の代役が務まります。役職を降りてヒマなのだからもっと便利に使ってくれていいのですが,みんな遠慮して,管理職には怖がられたりします。声を荒げるなんてもうずっとしてないのに。
ずっと下っ端で良かったのに,ある時から不本意な役職に就けられるようになりました。本当は職場で平々凡々と過ごし,毎日定時で帰っては趣味に明け暮れる,そんな暮らしが理想だったのに。今日のような優しい東風に吹かれながら,シュールな夢を見ていられるなら幸せだったのに。どこで間違ったか。
読者の皆さまごめんなさい,記事の更新があまりできません。8月になれば余裕ができるので,それまでは場つなぎの記事でお許しくださいませ。