これが持ち帰ったパンニング砂のぜんぶ。
こんなのがありました,白雲母!
巨晶花崗岩(ペグマタイト)に含まれていたんでしょう。薄く紙のように割れる鉱物です。
光を透かします。
字も読めたり。
そしてざくろ石。
大きくて見事な結晶のが採れました。と言っても3ミリほどですが,これでも私が見つけたざくろ石の結晶では最大です。
こっちは2個くっついたやつ。双晶とでも言うのかな。
思えば最初にパンニングでざくろ石を目にしたのが1年前。県内あちこち歩き回って,いろいろなざくろ石を拾い出すことになりました。ざくろ石も場所によってずいぶん違うものだと知りました。特に印象的な3つの場所のざくろ石についてまとめてみます。
ざくろ沢(阿武隈山地)
母岩:片麻岩
性状:他形結晶(多面体にならない)
粒径:1ミリ前後,大きいもので3ミリ強
色彩:濃淡あるが鮮やかなマゼンタ色
この場所の母岩,地質図では片麻岩となっているのですが素人目には結晶片岩に見えます。採れるのは変成岩中で再結晶した不定形のざくろ石です。色が美しくて気に入ってます。私がパンニングに屈する原因となった魔性の色なのだ。
大子(八溝山地)
母岩:玄武岩
性状:自形結晶(多面体をなす)
粒径:大きいもので1ミリ強,多くはそれ以下
色彩:濃色のガーネット色
私の大好きな大子の町,その西半分は砂金を含む中生代の堆積岩と新生代の火山岩からできてます。茨城では比較的珍しい玄武岩があって,それが母岩。マグマが地上で急速に冷えてできたので小ぶりだけど,見事なざくろ石らしい結晶です。
筑波(筑波山塊)
母岩:花崗岩
性状:自形結晶(多面体をなす),破片多し
粒径:大小さまざま,現時点で最大は3ミリ強
色彩:濃色のガーネット色,破片は鮮やかな紅色
ざくろ石と言えばここ,と言っていいのかな。筑波山周辺の花崗岩に含まれる大粒の結晶ざくろ石。一度の採取のみでデータが不足していますが,もっと大きいのが出そうな気がします。通い詰めることになりそうな。
捕球。
ああ,また鉱物ネタの深みにはまってしまった。私の生物写真を待っていてくれる人もいるというのに。こうなったら,あなたもざくろ石の魔性の美しさに囚われてみませんか。たぶんそんなに珍しいものではないようです。道具は百円ショップの植木鉢受け皿で十分。この自然の造形の妙を、どうかご自分の手で。パンニングの要領は「パンニング ざくろ石」で検索していただければご参考になります。
…… 久慈川メノウ教に続いて、ざくろパンニング教なんてどう? くふふふ。