ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

吉岡里帆のシャウト 泥にまみれて正しい苦労をするすべての人にエールを送ろう

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 吉岡里帆さんというひとがいます。ウイキペディアで引くと女優・グラビアアイドルと出ます。苦労人らしい。

 

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 とは言えさしたる予備知識も先入観もなく,いきなりこの方が阿部サダヲとロックをがなり立てる動画を見てしまいました。それがいい曲で,いい画のMVなのでびっくり。吉岡さんが白ワンピースでギターをかき鳴らしてシャウトする姿が,とてもいい。

 

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 どうやらこの二人が主演の映画の挿入歌だか主題歌だかのようです。曲の名は「体の芯からまだ燃えているんだ」,映画は「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」……って,すごいなオイ。

 

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 映画のスジはともかくこの吉岡さん,京都の大学に通いつつ東京の俳優養成所に通い,オーディションに落ちまくり,顔が売れるならとグラビアモデルまでやってようやくここまで来たのだとか。ああ弱いなあ,若い人の苦労話。その人が成功を掴んだのならなおさら。ついもらい泣きしてしまいます。すっかり涙腺弱くなりました。近年ではももクロの苦労動画(ヤマダ電機店頭のミニライブのために,ワゴン車で寝泊まりしながら全国ドサ回り)を見てぼろぼろ落涙したりしています。こんな感動,あのアイドル集団には望むべくもない。学校帰りにオーディション受けて大量採用されて最初から専用劇場で声援を受けて年齢不相応なギャラをもらってという集団アイドルには。ちなみにこのグループの女の子たち,どれもこれも顔にイヤな表情が付いているなと見るのは私の先入観なのでしょうか。

 

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 人を見るプロ,を自認しております。巧言令色や生まれついての美貌にはダマされません。どんな美人でも性格ヒン曲がっているのはちょっとしゃべらせて表情変化を見ればわかります。若い女優さんで,グラビアでは間違いなく美人なのにドラマに出てるのを見ると興冷めするののなんと多い事か。

 

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 で,そんな目で見た時のこのMVの吉岡里帆さんが,実にいい表情をしているのです。眉間にシワを寄せて頸動脈が浮かぶほどに熱唱しても,イヤな表情が出ません。25歳と伺いましたが,時に少女のような表情を浮かべながら,澄んだよく透る声で。ああこの人は正しい苦労をしてきたんだなあ。ついでに言うと,まともな親にまともに育てられた,つまりは育ちがいいんだなあ,とも。女は育ちだ,とは司馬遼太郎燃えよ剣」の土方歳三ですが,本当にそう思います。

 

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 吉岡さん,ものすごく女性ウケが良くないそうですね。そりゃあこんなに白ワンピが似合っては,憎まれないワケがない。こんな子がいい,と男が言うとダマされやがってと毒づかれる,そんなタイプでしょう。こんなブリッ子,裏で何やってるかわかんないよと。確かに最近当たっている十代の女優さんで,ああこりゃ作ってやがんなという人がいますが,たぶん吉岡さんは違うような気がします。作ったとしても品性の範囲内で,常識レベルで。だいたい,女性のありのままを見せられて引かない男はいませんよ。独身男性教師が女子高に赴任すると結婚が十年は遅れるそうです。ありのままを見せつけられて,幻滅して。男は,女性の素の姿など見たくはないのです。お化粧の話ではありませんよ。


 話が危ないほうに行きかけた。私が今日言いたいのは,正しい苦労ということ。


 例えば草刈正雄さん。このひとの生い立ちを聞くにつけ,涙を禁じ得ません。芸能界の苦労という以前の,生きるためのそれです。外国人の父に死に別れ,母を助けて小学校から働きはじめ,中学では新聞配達と牛乳配達を掛け持ちし,野球に打ち込みつつ定時制高校に通ったと。あの滋味あふれる演技は,そんな苦労の上に成っているんです。だからその分,苦労のクの字も知らないだろう娘の方は嫌いです。何につけ,二世など碌なもんじゃない。その道で苦労してない奴に,その道を語る資格はない。

 

 

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 映画「音量を―」,大コケだそうですね。一つ応援に映画見てやるかと重い腰を上げたら,TOHOシネマズではもう打ち切りになってました。あああ。吉岡さんも頑張ったろうし,阿部サダヲも舞台で鍛えられたいい俳優なのですがねえ。イケメンで女性客を釣ればという問題でもなくて,映画の出来そのものがよろしくなかったらしいです。もちろんこれしきでへこむ苦労人ではないでしょう。あのガッキーだって今季のドラマではコケたとか。浮き沈みは人の世の常。人気商売ならなおさら。


 吉岡里帆も,ももクロも,草刈正雄も,みんな自分が苦労したとは思っていないでしょう。好きなこと,やるべきことをやってきただけだと。好きなことだから,夢に向かっていただけだから,それは苦労ではないと。今もきっとこの世にはそんな若い人がたくさんいるでしょう。もちろん多くは夢にたどり着けない。でも後悔はない。遥か高みを目指して駆けた日々に後悔などあろうはずもありません。


 だからがんばれ。一度や二度コケたから何だ。それがどうした。これまでの道のりを思い起こせばどうということはない。ジノ。は正しい苦労を重ねたあなたたちの味方です。

 

 

↓ リンク貼ってみました。ちゃんと表示されるかな 

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千葉の森で見たもの キョンとシダとヤマビルと

【グロ閲覧注意】と,まず申し上げときます。動物の死体写真あり。

 

 

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 すみません,千葉の森をナメてました。


 千葉県。茨城よりも平坦で高い山もなく,開発され尽くしてどこにも人が住んでいる。私が歩きたくなるような自然など何もない。行ったこともないままそんなイメージを持ってました。


 2015年夏。生物屋さんの集まりで千葉の森に行くとやら。東大の施設があって,そこの宿泊所を利用して演習林を歩けるとのこと。いい機会,と参加しました。でも何か珍しいものが見られるとかはあまり期待はしてなかったんです。

 

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 え,こちらが東大の先生?という若く可愛らしい女性がまず演習林内を案内してくれます。お散歩気分でひと歩き,と思っていたらマイクロバスに乗って照葉樹林内の林道を長時間ドライブ。ここは本当に千葉か?

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 ヘルメット着用が入山の条件です。

 

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 突如山中に現れる事務所。ほんとに現役の事務所。明治の昔から使っているんでしょうか。こういうところはさすが東大。

 

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 この事務所は巨大なセンペルセコイアを背負ってました。

 

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 杉の品種ごとにタテ一列に並べて植えたら,性質の違いで縦じま模様ができたとか。面白いなあ。

 

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 まるで「もののけ姫」のシシ神の森のような深い森でした。しかも茨城では低地にしかない照葉樹が山を覆っています,それこそ鬱蒼と。ただし樹齢の大きな木は少ないようでした。

 

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 行く前からさんざん脅かされたのがこれ,ヤマビル。茨城にいません。

 

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 7月の雨の多いころに下見に来た今回の世話役が一歩林内に踏み込んだとたん,そこらの落ち葉の下から一斉に這い出して襲ってきたそうです。鎌首をもたげて,ものすごい数で。音もなく忍び寄り,服の隙間から皮膚に取り付いて吸血する。丸々と膨らむまで吸血して離れる。気づくのは噛まれた痕からだらだらと出血して服が赤く染まるから。ああ,卒倒しそうだ。その季節には,東大の宿泊所の人が駐車場の草むしりをしていても襲われるそうです。

 

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 若い奴に取り付かせてみました。くくく。

 

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 長靴に取り付かれましたが,忌避スプレー「ヒル下がりのジョニー」の効果で登って来れません。いや本当にあるんだってば,そういうの。

 

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 ヒルだらけの原因はこれ。「キョン」です。ヤマビルのおもな宿主はシカ。指の隙間にちょうどヤマビルが取り付きやすい場所があるとか。いま日本中でシカが大増殖して里に下りるようになり,それまで深山のみに暮らしていたヤマビルも低地にまで生息地を広げました。東京都の多摩地区の田畑でも普通に人が襲われるようになり,場所によっては危なくて子供が外で遊べないとか。幸いにして茨城には野生のシカがいないのでヤマビルも見かけることはありません。しかし千葉にはシカがいて,さらに「行川アイランド」というレジャー施設で飼っていた台湾ジカ「キョン」が事故か故意か逃げ出して住み着き,これにイノシシも加わって,千葉の山は大型草食哺乳類の大繁殖地になっているのです。

 

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 千葉の気候の良さも手伝って,こいつらの繁殖率がすさまじい。この東大の事業所は専門の罠猟師さんを雇って毎年500頭駆除しているのですが,さっぱり減る様子もなく植林地に被害を出しています。本気でオオカミを導入しないと,日本の森が危ない。ちなみに,わざわざ遠くから来て,罠に捕まっている動物を逃がして歩く人がいるそうです。たぶん私,こういう人間とは動物以上に会話が成立しない。

 

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 山を歩いて数時間後に戻ったら,動物班の参加者たちがいい仕事してました。


 さて千葉の森。私は植物班としておもにシダの採集と分類をしたのですが,まあ地味です。とにかく見たものをご紹介します。以下モリアオガエルの手前までは飛ばして結構ですよ。

 

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 ハコネシダ。

 

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 ナチシダ。漢字で那智羊歯でしょうか。いかにも南方系。

 

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 マツザカシダ。シダの写真,退屈じゃない?

 

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 ミツデウラボシ。茨城にもあるし。

 

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 ヘラシダ。とにかく温暖なこの森はシダが豊富です。茨城の森との対比が面白いのですが,いかんせん玄人向きのネタですね。あとちょっとだけお付き合いください。

 

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     オサシダ。

 

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 クジャクシダ。

 

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 トウゲシバ。まるで肋骨ががばっと開いたような胞子葉。トウゲシバは茨城にもあるのですが小さく元気のない姿で,胞子葉もあまりつけません。

 

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 ウラジロ。正月飾りに使うアレですが,胞子のうが気色悪いです。

 

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 これだけシダがあるからには当然こいつも。シダ植物の有性世代「前葉体」です。

 

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 顕花植物もざっと。ウバメガシ。

 

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 アカガシ。

 

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 ひたち海浜公園にもあった,ウメガサソウ。

 

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   ヒメヤシャブシ

 

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 カクレミノ。

 

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 ヤブニッケイ

 

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 イズセンリョウ。

 

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 コミヤマスミレ。

 

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 イヌビワ。

 

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 バリバリノキ。初めて見ました。もうバリバリです。

 

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 クサアジサイ

 

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 カンアオイ! ギフチョウの食草として憧れの植物でした。野生のは初めて見たかもしれない。持ち帰りたかったなあ。

 

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 マルミノヤマゴボウ。しばらく記録が絶えていたのだそうですが,この森で再発見されました。ヤマゴボウの仲間にこんなきれいで希少なものがあることを知りませんでした。

 

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 ヒメコマツ,いわゆる盆栽の五葉松。この森のは希少な遺存分布だそうです。

 

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 珍しいものじゃないけど,ヒカリモ。

 

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 オニグルミのリスに食べられたやつ。宿泊所の敷地内に一本生えていて,毎朝リスが朝飯を食べに来ます。

 

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 ヒメハルゼミ⁉ 茨城では天然記念物!

 

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 宿泊所の上に立派なお寺があって,その本堂前の泉水にモリアオガエルの卵のうがありました。不思議なことに茨城には分布していないんです。カエルごときで千葉に負けるとは。

 

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  上陸間もない幼体。

 

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 成体。

 

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 千葉の森。かの大山倍達が一方の眉を剃り落して修行に籠ったのもこの森だとか。

 

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   東京大学さん,ありがとうございました。

 

 

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リンゴ園とケーキ屋と 茨城激走5000キロ!(うそ)

 

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 治ったぞー。


 手術から1週間。傷の痛みもなく,完治です。


 思えば8月末からこっちずっと不調だったのは,そけいヘルニアとそれに伴う運動制限のせいでした。治ってみたら体の軽いこと。さあフィールドに出るぞ。


 …… としたいところですが,不調の間に溜まった雑用をこなすので手一杯。日曜の今日は朝から庭仕事をして,気づけば半日が過ぎてました。これはいかんと,昼過ぎに車を乗り出す行先は常陸大子。袋田のリンゴ農園で秋の実りを体感するのだ!

 

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 1時間後にはいつものリンゴ園,二十年来おなじみの農家さん。というか立派に会社レベルの,大型バスも停まるというやり手のリンゴ屋さんです。駐車場から橋を渡るという心憎い演出。

 

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 清流におサカナ。オイカワかな。

 

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      たっぷり試食ができます。

 

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 茨城で作れない作物はない。リンゴもたくさんの品種が時期をずらしながら店頭に並ぶので,コンプリートしたければ何度も足を運ぶ楽しみになります。

 

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 果物がたわわに実る風景っていいものです。豊かな気持ちになれます。


 さてリンゴは買えた。ここでツレがとんでもない提案。大甕(おおみか,日立市の駅前のケーキ屋のイート・インでお茶したいと。…… おいおいおい,ここから山二つ向こうだぞ。

 

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 で,1時間後には着いちゃっているんだよなあ。茨城県は道が整備されていて,特に県北地域は交通量も少なく移動が楽なんです。行く先々に何かあるし,これほどドライブが楽しい県て,なかなか無いと思う。

 

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 日曜の午後なのでほぼ売り切れ。ハロウィンなのね。あ,○○食べました!的レポートは趣味じゃないのでケーキの写真は載せません。最近のケーキ屋さんは「インスタ映え」を意識した盛り付けをしなければならないとか。お客商売の方々,その時々の時流に合わせるのって大変ですね。

 


 ひたち海浜公園から帰る人々の車列を避けつつ帰宅です。出発から4時間で帰宅。4時間でリンゴ買ってケーキ食って山から海へ移動距離100キロ。日曜の午後の陽射しを浴びながらの快適なドライブ。思いつきでしたけど,図らずも休日らしい休日を過ごせました。茨城暮らしに不自由なし。

 

 

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そけいヘルニア日帰り手術 そして「老人Z」

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 1万アクセス突破した,と喜んだ翌日に手術。なんとも浮き沈みの激しい人生です。


 気づいたのが8月の終わり。左下腹がぽこんと膨らんでいるのを見てああ,と。


 右を20年前にやっているのですぐ知れました。腹膜に穴が開いて,腸が膨らみ出る病気です。古い人は「脱腸」という。基本は痛くもかゆくもないのですが,腸が出すぎると痛くなり,部分が壊死すれば命に関わります。手術でしか治りません。


 20年前の手術がなかなか大変だったこともあり,仕事の忙しい今は休んでられないと放置していました。この9月のブログ記事はそんな状態で書いてたのよ。しかし常に下腹を気にし,運動したり腹圧が上がると症状がひどくなるのでなるべく動きを少なくしと腹に爆弾を抱えたような生活を続けることが不合理であるとの結論に達しました。一発奮起して調べたら今は日帰り手術だとのこと。えええ。20年前は入院1週間で傷も大きいのが残りましたが,今は手術したその足で帰宅できちゃうと。


 お世話になったのは市内,百合が丘の「金子医院」。水戸そけいヘルニア日帰り手術で検索して,地理的な都合で決めました。小さいけれどきれいな院内,きちんとした看護婦さんたち,そして若手のスマートなお医者さん(私の周囲の同年代は体形の崩れてるのばっかりなので)。本当は何軒か回って選ぼうと思っていたのですが,ここに決めました。ただ先生がお忙しくて,手術まで数週間待たされましたが。


 手術1時間,麻酔からの回復に2時間。それでおしまい。数センチ切ったので痛くないと言えばうそになりますが思っていたほどではなく,あとは1週間激しい運動を控えれば元通り。ようやく山登りや筋トレが再開できる。ブログ記事も「ジノ。」本来の自然ネタに力を入れます。全国のそけいヘルニアで悩んでいる諸兄(基本的に男性の病気),恐れずお医者さんへ。


 さて手術翌日の今日。さすがに出歩くわけにもいかず,読書とビデオで一日過ごそうと。


 何気なく手にしたのが1991年公開のアニメ「老人Z」。


 監督:北久保弘之
 原作・脚本・メカニックデザイン大友克洋
 キャラクター原案:江口寿史

 

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 海外版のパッケージ。大友アピールしてます。


 いやあ改めて見ても面白かった。と同時に,同じ大友克洋の「スチームボーイ」がなぜコケたのかもよく分かりました。そう,江口寿史です。人呼んでキング・オブ・ポップ

 

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 もちろん演出のテンポも素晴らしい。でもやっぱり江口寿史。ヒロインの女の子が可愛いのはもちろん,一瞬の端役にまで江口キャラクター総出演。ジャミラおじさんまでいました。その老若男女の出演者がそろって「生きて」「動いて」いるんだよなあ。素晴らしい。

 

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 江口寿史のキャラクターが動くだけでも楽しいのに,ギャグ活劇としての出来も秀逸です。ヒロインがいい子ちゃん過ぎるのも周りがカバー。凡百のアイドル映画は見習ってほしい。その上でSF高齢化問題バイオレンス人間愛まで表現しています。大ヒットしたのも当然でしょう。21世紀の今見てもなんら違和感ありません。

 

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 これをセルアニメで動かしたか。もはや狂気。


 対して「スチームボーイ」。大友の絵だったこと。声優ではなく俳優を声に使うというダメフラグを立てていたこと。あの大友克洋がというので,多くの企業がうちにも噛ませろと群がりました,ざまあみろ。作品を見ずに飛びつくからこういうことになるのだ。……なんて言っちゃいけないのはよく知ってますよ。スポンサーがいなきゃ映画は作れませんからね。制作会社が宣伝も配給もやるという日本のシステムではこれが限界。


 あとこの「老人Z」の褒めたいところは,上映時間80分という尺。アニメ映画だからというのもあるでしょうが,監督さんはよく我慢しました。だいたい日本映画は長すぎる。平気で2時間拘束する。内容がそれに見合ったものなら良いけど,大抵の日本映画にはダルいシーンがあります。ああ無駄な長回し,このシーン三分の一で十分だろ。近年で2時間たっぷり楽しめたのはシン・ゴジラくらいですか。


 特に実写の映画は,実際の上映時間の何倍もフィルムを回しています。その膨大な映像を泣く泣く切っていくのが「編集」なのです。観客が見たいのは「映画」であって「撮影の記録」ではないのだから。それが日本映画では監督の自己愛の発露でしかない長尺で小屋に掛けられ,観客は1800円払ってえんえんとコマーシャル見せられた上で2時間拘束されるのです。

 

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 明日の月曜日は大事を取って休暇を消費します。まあ上司もうるさいし。とりあえず雑務は先週片づけたから,のんびり映画でも見ようかな。ブログ記事で映画評も悪くないなと思う今日の私です。

 

 

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1万アクセス越えました

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 2018年10月12日,ブログを始めて1年と1か月。とうとう総計1万アクセスを越えました。ツイッターフェイスブックもインスタグラムも使わない,検索からのお客様だけが頼りの個人雑記ブログです。自分で言うのもなんだけど,健闘した方だと思う。真面目に書き続けましたから。

 

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 特に数値目標があったわけではありません。ただ文章や写真を晒したかっただけ。でも一つの区切りとして,やはりうれしいのです。皆さん本当にありがとうございます。

 

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 例えばツイッターでブログ始めたよ!みんな見て!とかやれば初めの1か月で何千アクセスいったりするのでしょう?よう知らんけど。周囲の人に,例えば社長さんとかお医者さんなら出入り業者にすごめばカウントは稼げるのでしょう? でもそれは私の欲しいモノじゃない。ああ,こうカッコつけるのがいかんのだ。

 

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 私のブログを知っているのは遠方の旧友二人,フィールドで出会ったりしてこのひとならと名刺をお渡しした四人,それだけです。他のお客様はすべて検索から来てくれたひと。手違いや目的外で来てしまった方も多いのでしょうが,いきなり花や虫のどアップを見せられてどう思われたでしょうか。人を驚かすのは大好きなんですが。

 

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 一つだけ思惑通りだったことがあるとすれば,初期に書いた記事でいまだにカウントを稼いでくれるのがあること。「十年後にも読んでもらえる記事」が目標でしたから,それこそ目的を果たしているわけです。たまたま検索から来てくれた方がそのままいくつも記事を読んでいってくれることも有難く思います。どうかごゆっくり。

 

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 「自分アクセス(他のパソコンから自分でアクセスしてカウントを稼ぐ)」はプライドにかけてやりません。ヤフー検索の「キャッシュ」で,ノーカウントで見るだけです。ほらまたカッコつけるし。

 

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 9月までのグラフをご覧ください。あらら見事に頭打ち,伸びが止まりました。絵に描いたようなロジスティック曲線,俗に言う「S字状曲線」てやつね。カッコつけてるからこういうことに。いいです,このまま月間1500~2000くらいで推移すればオンの字です。それにここからまた伸びるには蒸気機関の発明並みのイノベーションが必要でしょうし。

 

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 どういうブログがアクセスを稼ぐのかもわかってます。「○○のやり方」的ハウツーもの。株はこう買えなどお金関係。お役立ち知識ご披露もの。アイドルやアーチスト名をタイトルにする,スポーツ選手が何かで活躍したらその日のうちにその選手の名前をタイトルにした記事を書く。以前2000アクセス越えた時,「ブログ 2000アクセス」で検索したら「いや~最初の1か月で2000アクセス越えちゃいましたよ。予定通りだなーわはは。皆さんにもその秘密を教えちゃいますね~」的記事の多いことったら。もちろんどれも興味ありませんし,それを意図してやる気もありません。

 

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 ランキングサイト「にほんブログ村」。アクセスが増えた御恩は忘れません。最近は記事を公開すると「注目記事」に取り上げられて,ああ私の記事を楽しみにしてくれている人がいるのかなと有難く思います。3つのカテゴリーに登録しているのですが,3つの記事がそれぞれの注目記事の1位を取ったことも。三冠賞だあ。自慢する相手もいないので,一人ふふふとほくそ笑みます。ただ不思議なのは,注目記事の1位を取っても順位が下がるばかりのカテゴリーがあること。ブログ村さん,これってどういう仕組みなんですか?

 

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 先日,仕事中に二度もめまいがしてふらつきました。今の役職になってから,毎年9月から10月に体調を崩します。この時期は責任のある仕事が集中して,ものすごくストレスが高じるんです。じゃあブログなんかやるなと言われそうですが,むしろ逆。記事の中に仕事の話なんか出てきたことないでしょ? 好きなことばかり書いて現実から離れ,つまりは一時避難してまた仕事に向かっているんです。週二回記事を書くのも自分がそうしたいから。決して「課して」いるわけではありません。すぐ数字的なものを自分に課しそれを公言するような人間が,私は苦手です。

 

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 何が言いたいのかというと,つまりこのブログは私に必要なものであるということ。これからも続けていきます。もし記事の更新がしばらく途絶えるようなことがあれば,いろいろと大変なことになっているのだとご理解ください。コメントには基本的にお答えする余裕がないと思いますのでゴメンね。

 

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  4000アクセス達成の時にそろそろ周囲にカミングアウトを,と書きましたがいまだに秘密のままです。機を失したというかなんというか。1万アクセス達成できて少しは自信が付いたので,少しずつ,本当に少しずつ,まずは私の言動を理解してくれそうなひとから打ち明けていきましょう。やがては職場での「表の顔」しか知らない人にまで。たぶん私にはそういうイノベーションが必要です。

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  ただひたすら「自己実現」のために生きてきました。そういう人は多いと思うし,目的とする「自己」もさまざまでしょう。私の場合「仲間」などという他人を巻き込まず,内の世界に閉じたまま一人で歩いてきました。でもこのブログは,そんな私のありように大きな変化を与えてくれたような気がしています。この先どんな道が待っているのか,それを楽しみにブログを続けていきます。

 

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 ブログ村のタイトルに使っている写真。はい,ふざけてます。自分的にはこういう立ち位置でやっていければと思うのですが。

 

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うつくしいもの とか


ふしぎなもの とか


私が生涯をかけて追い求めるもの


草露の陰に見出すもの


ひとり行くはるかな空の さらにその遠くにあって

 

 

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 どうかこれからも「ジノ。」をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

参考記事

4000アクセス超えました - ジノ。

2000アクセス突破しました - ジノ。

 

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少女終末旅行(つくみず)の感想 【いまごろ】

 

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 こうか。こうなのか。やっぱりこういう終わり方しかなかったのか。


少女終末旅行」最終話を落涙しながら読み終えての感慨です。


 多くの文明の興亡を経て,ほとんどの科学技術を失った終末世界の片隅。小さな家に,おじいさんと二人の少女が暮らしていました。3人に血縁はないようですが,配給される食糧をあてに静かに穏やかに暮らしていました。しかしこんな,とうに文明は崩壊しヒト以外の生物が消滅した世界にも戦乱があり,3人の家にも戦火が迫ります。おじいさんは装軌オートバイ「ケッテンクラート」に少女たちを乗せ,遥かな「塔」の高みを目指せと送り出します。街を離れる二人の背後に響く銃声。こうして二人の少女の終末世界を巡る旅が始まります。

 

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 チト。小柄な黒髪の少女。本が好きで勉強熱心。豊富な知識と冷静な判断でリーダー格を務めます。ケッテンクラートの操縦も担当。


 ユーリ。大柄で金髪碧眼。見かけ通りにおおらかで,体力,身体能力に優れます。銃器の腕も優秀で,三八式歩兵銃(レプリカ)を愛用。


 二人が最上層を目指す「塔」。作中では「都市」とも表現されていますが,とうとう最後まで全体像は明らかにされません。バベルの塔のような外観を持つと思われますがとにかく巨大で,中層階でさえ高速列車で横断するのに長時間を要するほど。高さは数千メートルに及ぶと思われます。これを作った文明はとうに滅び,続くいくつかの文明も興亡の末にこの塔を放棄しており,次元の異なる複数の時代の製造物が内部に散乱しています。


 二人はケッテンクラートを頼りに,食糧や燃料を補給しながら塔を昇っていきます。途中に出会った人間は,地図を作るカナザワと飛行機で他の都市を目指すイシイの二人だけ。それも一瞬の邂逅で終わり,ほとんどの時間を二人だけで過ごしていきます。次々と現れる旧文明の残滓に戸惑い,驚き,落胆しながら。


 もちろん二人にはわかっています。こんな世界で自分たちは長くは生きられないと。ケガや病気はもちろん,食糧や燃料が補給できなければ,そこで旅はそして二人の人生は終わるのです。せめて自然が残っていたならサバイバルの道もあるのですが,この人工物だけの世界に生物は人間だけ。廃棄された過去の製造物を拾い集めるだけが補給の手段。塔を昇るほどに人跡未踏になり,それすらもおぼつかなくなります。


ベッド,本棚,食料棚,暖房,風呂,観葉植物……
 第11話「住居」で二人は部屋に置きたいものを夢想します。そこは放棄された居住区画,がらんとした部屋に,欲しいものが並べられて行きます。ああ,作中ずっと防寒服に身を包み,いつも飢えと寒さに震えていた二人。どれだけ私が手を差し伸べたいと思ったことか。


 他にも作中には胸を締め付けられるような少女たちのセリフがちりばめられます。


ユーリ 意味なんてなくてもさ,たまにはいいことあるよ(08話 街灯)


チト 水おいしい…… (12話 昼寝)

(イモを食べて)…… うまい(15話 技術)


何も食べなくても生きて行けたらなあそんなの生きているとは言わないぜ(17話 迷路)


ねぇユー,いつかずーっと高くまで昇ってさ…… 月へ行こうよ(20話 月光)


死ぬのが怖くて生きられるかよ!(21話 螺旋)


かつてこの地球はひとつの生命だった だとしたら今はどうなんだろう…… (23話 水槽)


″生命〟って終わりがあるってことなんじゃないかな(24話 生命)


いろんなことを知ろうとするには…… 人の寿命は短すぎる(30話 電車)


ねぇちーちゃん 地球終わるんだって…… うん まあ…… どうでもいいことだろう……(32話 仲間)


(魚の缶詰を食べて)フッフッフッ…… うますぎて笑えてくる(33話 水路)


服が着れなくなるのが先か 私たちが死ぬのが先か…… (36話 衣服)


あの雪のときか…… それ以上に寒い…… (41話 吹雪)


お湯おいしい…… そうだね……(41話 吹雪)


きっとそういう時代もあったんだよ 争いや食べ物のためだけじゃなくて 好奇心を形にするために時間を使えるような…… (42話 宇宙)


いつかすべて終わると知っていても何かをせずにはいられない…… (43話 図書)


あっちを直してもこっちが壊れる …… もう寿命だよ
 二人は第44話「喪失」でとうとうケッテンクラートを失います。持てるものだけ持って上層への旅を続けるのですが,もうこの時点で二人の命運は尽きていました。


最近まったく夢を見ない たぶん疲れているからだ(45話 睡眠)
ねぇちーちゃんは死ぬのが怖い……? (46話 沈黙)
これが生きることなんだろうか…… (46話 沈黙)
 最上層へ続く暗闇の螺旋階段を,手を握り合って登る二人。


生きるのは最高だったよね…… (47話 終末)
とりあえず食べて…… 寝て…… それから考えよう (47話 終末)
 地上数千メートルの氷雪の高みで,最後の食事をし,最後の眠りに就く二人。視点が遠ざかり,二人の姿が広大な最上層の一点に。そこには何の福音もなく,けれども静かで穏やかな,少女たちの人生の終焉が語られています。


 二人に塔の上への旅を命じたおじいさん。でも知っていたはずです,いかなる救いもないと。ではなぜ。…… おじいさんはわかっていたと思います。もう人の世が終わると。ならばせめて,ヒト同士の争いのない清浄な世界に二人を行かせよう。そこで静かに眠りに就かせようと。そこは遠い遠い空の高み。この地上で最も天に近い場所だから。

 


 深く共感できる作品でした。作者「つくみず」さん。迷惑な物言いだろうけど,ひょっとして私に似ている人なのかもしれない。肉をこの世に置きながら,心はいつも遠い世界をさまよっているような。若いひとのようなので,この後の表現者としての成功を祈ります。現世に折り合いをつけながら半世紀を過ごしてしまったおじさんの,切なる願いです。

 


 つくみずさんのツイッターを拝見したら,チトとユーリが二人でいるイラストがたくさんあげられていました。平和な世界で,日常の一コマだったり旅に出ていたり,穏やかに暮らす二人の姿です。


 なんだかほっとしました。

 

 

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久慈川のメノウ拾いにお連れしましょう

 

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 以前の久慈川・メノウの記事にコメントをくださった「はじめまして」さん,ありがとうございました。今まで気づかず,大変失礼いたしました。これは誰にも内緒でやっているブログなので,コメントをいただけるのは想定外でした。お詫びに替えて,今日はあなたのために久慈川メノウ拾いレポートを。

                                                                                           国土地理院 地図閲覧サービスより
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 どこらへんで?とのお尋ねでしたが,常陸大宮市内の久慈川の礫の河原でしたらどこでもOKです。むかし地形図を片手に久慈川の河原を調べて回ったのですが,だいたいどこでも拾えました。とはいえそれでは不親切ですね。いつもはフィールドの場所をぼかすのですが今日は「はじめまして」さんのための特別編。見本というかお試しに,国道293号線が久慈川をまたぐ富岡橋を臨む河原にやってきました。初めての場所ですがきっとあるはずです。 

 

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 こんなとこ。さあ行くぞ。 

 

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 確実に拾いたいのであれば玉川の方をお薦めします。ただしあちらのは薄くて小さいものがほとんど。久慈川では数は少ないけど大きな塊があります。さあ今日は拾えるかな。本当に宝探しの楽しみがあるのが久慈川です。


 探す場所は河原全般。ただ、新しいものは水際に打ち上げられてます。川の中にも目を凝らします。メノウは濡れていると見つけやすい。 

 

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 紛らわしいのはこれ「チャート」。堆積岩ですが成分はメノウと同じ。同様に硬くて,火打ち石に使われました。 

 

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 あった。

 

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 もひとつ。玉髄だ。 

 

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 目が慣れてくると次々に。メノウ拾いの極意は,がつがつしないこと。自然相手に欲をかくとろくなことはありません。ちょっと遊ばせてもらおうか,くらいの余裕をもって探してください。 

 

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 おお。今日一番の大物だったこいつは水中にありました。

 

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 小さくてもいい色のが。 

 

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 縞模様のあるのは貴重です。 

 

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 白い,岩脈タイプのもの。 

 

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 固くてもろいメノウは,他の石のように丸く削れたりしません。割れて,砕けるだけ。 

 

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 珍しいモノを見つけました。だいぶ摩耗してますが,これは「高師小僧たかしこぞう」と言います。植物の根の周りに鉄分が固まったもの。小学生のころ,近所で大きいのがたくさん採れました。ン十年ぶりの再会です。じつは産地によっては天然記念物になるほどの貴重なものですが,残念,その時採ったのは散逸していずこかへ。


 とにかく石の種類が豊富なのが久慈川の魅力。我がふるさとの川・那珂川もこの点ではかないません。久慈川では,気合と根性と経験があれば砂金を採ることもできますよ。これで上流の某町が下水道を整備してもう少し水質を良くしてくれれば言うことないのですが。

 

 

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 参考出品,水郡線某駅の駅前ロータリーの噴水。ぜんぶメノウ。メノウ鉱山の関係者からの寄贈と聞きました。昔は河原でもこんなのがいくらでも拾えたたなあ。

 

 

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 これは4年ほど前,ここより少し上流で拾ったメノウです。この時一緒だったひとは遠い土地に行ってしまい,この石が手元に残りました。色も質も決して上等ではないのですが,大切な思い出の品になっています。

 


 石は,それを拾ったときの場所,風景,風,そしてひとを写し取ります。掌に載せた瞬間に,あのときの空の青さ,大地の感触,風のにおい,感情が石から流れ込んできます。魔法で幻惑の世界にひきこまれたかのように,五感で感じたものすべてが脳内再生されていきます。それはまぎれもない,自分の人生の一瞬一瞬その刹那。写真よりも文章よりも,自分がそこにいたことを語り伝えてくれます。 …… 私が石拾いをやめられない理由の一つなんです。

 

 

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 ソバの花のかなたに奥久慈男体山。またいい一日を過ごすことができました。

 

 

 

 

 

追記

私の「石」記事の最初期のものです。この記事から事態がいろいろと化けることに。

その後の経緯はページ右上のカテゴリー「石の名前」でご確認くださいませ。

 

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あと、ここは決してキャンプ場ではありません。お考えの上、お楽しみください。

 

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