行かねばならぬところがありすぎて困ります。
その中でも特に,ずっと心に引っ掛かっていて,草が生い茂る前に行かねばならぬと思っていたところ。
それが以前に名前を伏せてちょっと予告したトパーズの拾える山,高取鉱山です。
正確にはもう閉山した鉱山の排石(ズリ)山。そのスジでは超メジャーな場所。拾い尽くされてはいるのですが,なんかこのままでは収まりません。ピクニックにでも行くつもりで参ります。
お供はこれ,クラックハンマー!
もひとつ,ピックハンマー! 合わせて1.5キロオオオ!!
この組み合わせで割れぬ石は無し。壊せぬモノは無し。
我は無敵なりイイイっ
…… すいません,最近何かに憑依されるんです。
さらに京都一澤帆布謹製,地学バッグ。わし生物屋なのに,何だろうこのプロの地学屋グッズの数々。
道の向こうからこんなのが近づいてきたらすぐ逃げましょう。日本語が通じると思ってはいけません。
さて,他の方のブログ等でもおなじみ林道入り口。行きます。…あ,タイトル通りのオチだから期待しちゃダメよ。
この堰堤を越えたらズリ山です。どれいっちょやってみるか。
おお脆そうな石。いい結晶入ってるといいな。
クラック一閃,こーなごな。
実はやってみたかったこと。私,これまでここでは地面に落ちているのを拾うばかりだったのですが,一度他の方のようにハンマーでぶっかいてみたかったの。やってみたかったの。ガーンて。ああ,すっきりした。
銅イオンの青。そういえば最近ここで銅の二次鉱物,孔雀石っぽいのが見つかったという報告が。
何てこと考えながら次の石をひっくり返したら。
ぎゃあああ,アシダカグモ!? クモ恐怖症のひとゴメンなさあい。
でもアシダカグモって茨城の野外にいたっけ? 私は知らんぞ。近似種かな?
なんにせよ冬眠をお邪魔してしまいました。石で囲んでオヤスミ。南方系の生きものにはまだ寒い茨城です。
アカスジキンカメムシの幼虫。そっと日向ぼっこ。
どんな最期だったのでしょう,オオミズアオの翅。
ぶっかいた面に黄鉄鉱。やっぱり銅があるんだ。
山側のズリ入口。立っている杭が「ブレアウィッチプロジェクト」の魔女の結界みたいで怖いですう。
崖に何かが。
カウンタックだ! 見かけないと思ったらこんなところに。
てなあんばいで一日,のんびり叩きまくったわけです。さて戦果は?
透明でやたら光るかけらを拾いました。結晶でないと名前がわからん。でもきれい。虹色の光も見えます。今日はこれ一つで来た甲斐があった,と思うことにしよう。
条線の入った結晶のかけら。条線の向きから水晶と判別できます。
これも水晶のかけら。このレベルならこれからも拾えるでしょう。
高取鉱山の主鉱石,鉄マンガン重石。耐熱金属タングステンの主鉱物です。
叩きまくった結論なんですが,まあ無駄でしたね。叩いていいのが出たことはなかった。普通にズリ山崩して探すほうがよっぽど効率がいいというのが私の結論。
でも石探し,やっぱり楽しかった。これぞトパーズというのは採れなかったけど,例によって天気は良かったし。私にとっての休日らしい休日になりました。
道端に軽トラを停めたおばさんが,穏やかな顔でヤマブキの枝を手折っていました。玄関にでも飾るのでしょう。山家暮らしの静かな幸せが伝わってくるようです。
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